現代に帰還したら、災厄級の従魔たちまで付いてきた~俺を溺愛するヤンデレ従魔たちの無双が晒された結果、魔王だと勘違いされて大バズりしています~ 作:むらくも航@書籍&コミカライズ発売中
「ここで全員倒せば、一気に受験者が減るな」
試験開始早々。
カナタの前に、
だが、カナタはむしろ好機だと向き合った。
張り切っている従魔たちと共に。
「じゃ、やるか」
「はい!」「ええ!」「あはっ!」
しかし、相手も上級試験を受けにきた
確かな実力を持つ上、カナタの事は知られていた。
「あいつは一撃だけだ」
「ああ、速さはねえ」
「従魔の遠距離だけ気を付けろ」
有名になりすぎたカナタは、今の弱点を認識されている。
【空間断絶】の威力は絶大だが、自身の機動力は無いと。
対して、カナタはフッと笑った。
「それは前までの話だ。今の俺は──違う!」
キュイインと、エンジンのブーストのような音が鳴る。
かと思えば、カナタの姿が
「「「……!?」」」
次の瞬間、天井から技が放たれる。
「【空間断絶】(ミニ)!」
「「「ぐわああああっ!?」」」
カナタが瞬時に上を取ったのだ。
目で追えなかった半数は、攻撃をもろに食らう。
彼らは装備の
「よし。いい感じ!」
「「「……っ!」」」
すると、カナタの装備にキラリと光るものが見える。
探索界隈では、
黄金に光るその銘は『ロメンシリーズ』。
《あれってロメンシリーズか!?》
《最近配信で素材集めてたかと思えば!》
《装備作ってもらうって言ってたよな!》
《あのロメンに作ってもらったのかよ!》
《あっちい!》
《まさか試験でお披露目とは!》
──ロメンシリーズ。
装備職人『ロメン』が作る装備のことだ。
この日までも、カナタは毎日配信をしていた。
最近
きっかけは、ロメンより
『魔王様、毎日配信を楽しみにしています。ぜひ僕に装備を作らせてください。ちなみに、決してロリ好きではありませんが、推しはココネたそです』
そうして、カナタは装備を作ってもらった。
ただし、ロメンシリーズが有名なのは、性能が良いから
良くも悪くも、性能が“トリッキー”なのだ。
ほとんどからはゴミだと
ユニークすぎる性能のため、ロメンは一般的には
それでも、カナタは喜んで作ってもらった。
“使いこなせる自信があったから”。
「来ないからこっちからいくよ」
ボッと移動をブーストさせたカナタは、今度は壁を走る。
「ははっ、やっぱりすごい装備だ!」
「「「……!?」」」
異世界で
そして、役立っているのが【超感覚】。
このスキルで装備を完全に理解し、
何かと
だが、共通して言われていることがあった。
性能を最大限まで引き出せば、間違いなく現代最強の装備だと。
「【空間断絶】(手加減)!」
「「「ぐわあああああああっ!」」」
弱点だった機動力は完全に
爆速的な加速をし、壁を走り、天井を
今のカナタを止められる者はいない。
「さあ、次はどいつだ?」
《うおおおおおお!》
《かっけええええ!》
《これロメンシリーズだろ!?》
《使いこなせるのやべえって!》
《ブーストも下手したら自爆だからな》
《壁に突っ込んでケガするだけなのに》
《どんなセンスの塊なんだよ!》
《この
《これはさすがに魔王様!》
ちなみに、C級ダンジョンまでの素材でこの性能だ。
上級資格を得て、より上のダンジョンに潜った
すると、従魔も負けじと攻撃に参加する。
「主様、ココネもいきます!」
「おう見せてやれ!」
従魔もロメンに装備を依頼していたのだ。
だが、使いこなせない為、トリッキーな性能は付けていない。
恩恵は多少の底上げのみの、
「いきます! へーんしんっ!」
ココネが“氷のステッキ”(自作)を掲げると、体がまばゆく光り始める。
どこか既視感のある演出と共に、ココネの格好が変わり始めた。
やがて光がなくなると、現れたのは──
「キュア・ココネ参上っ!」
ファンシーな水色姿のココネ。
若干際どいが、可愛さが全面に押し出た格好だ。
これは“魔法少女”である。
「主様に代わってお仕置きです! ──【
「「「うわあああああっ!」」」
ココネはステッキを振り、星型の
装備により、さらに威力(と可愛さ)が増した技だ。
その見た目とは裏腹に、集団の一部を破壊した。
「主様、ココネかわいいですか!」
「うん。似合ってるよ」
「えへへっ」
最近アニメで見た魔法少女になれ、カナタにも褒められ、ココネは満面の笑みを浮かべた。
《ココネちゃん!?!?》
《魔法少女だとおおおおお!?》
《うわあああああああああ!(歓喜)》
《デザイン神すぎだろおお!》
《やってることエグいけどw》
《装備で威力も上がってるやん!》
《テレビで見てたのかな》
《かわいいーーー!》
続けて、ルーゼリアが大人の笑みを浮かべる。
「ふふっ。お姉さんも見せちゃおっかな」
ボオッと炎に包まれたルーゼリア。
再び姿が見えると、装備がド派手に変わっていた。
“愛”を意味する真っ赤なドレスだ。
足には
お姉さんらしいセクシーな格好だ。
「カナタ君、お姉さんの愛を受け取って! ──【
「「「ぎゃあああああっ!!」」」
愛を抑えきれなくなったルーゼリアは、ハート型の炎を放つ。
装備でより高精度に炎を操れるのだ。
激しい炎は、集団の中央で燃え盛る。
それから、炎で自らレッドカーペットを作り、スタスタと歩き始めた。
《お姉さん美しいですううう!!》
《セ、セクシーだ……》
《ふむ。これは素直にエッチですね》
《ウェディングドレスっぽい!》
《もう結婚した気でいる?笑》
《それで何で燃やすんだよwww》
《プロポーズに巻き込まれる探索者さん泣》
《ハート型の炎きれい!》
《レッドカーペット作んなww》
最後に、エルヴィが声を上げる。
「わたしもいくね、カナタ様ぁっ!」
取り出したのは、紫色の“ムチ”。
それがトリガーだったのか、バシィンと地面を叩くと格好が変わる。
服装が所々ハート型にくり抜かれ、深いピンクへと色が染まった。
全身深ピンクの格好に、ムチ。
吸血鬼の羽根と、病んだ目まで加わった。
ドSを思わせる
「あはははっ、楽しいわぁっ! ──【
「「「があああああああっ!」」」
「ありがとうございます!」
エルヴィの
傷つきながらも
ムチの恩恵により、棘の精度が上がっているのだ。
《うわーお!!》
《これはエグイってえええ!》
《さすがにエッチすぎんだろ!》
《協会公式でなんて格好してんだwww》
《僕も調教してください!》
《あっ、好き……》
《ムチで棘を指令してるな》
《なんか喜んでる奴いない?w》
《目覚めてる奴いて草》
そして、気がつけば──。
「こんなところかな」
「「「……っ!」」」
百五十人程いた強者は、地面に伏していた。
これが魔王カナタと従魔たちだ。
《こいつら強すぎて草》
《もはや試験荒らしだろwww》
《ロメンシリーズもかっこよかった!》
《従魔はほとんどコスプレ大会だけどw》
《一応、技も強くなってるから!》
《これ以上強くしてどうすんだよww》
《ロメンの趣味いいじゃねえか!》
《趣味というかもはや性癖だろwww》
《冷静に考えたらこいつら何してんの?笑》
すると、カナタはハッと思い付いたように目を開く。
そのままドローンにグッドポーズを送る。
「ロメンシリーズ、好評発売中!」
《宣伝かよw》
《公式で宣伝してて草》
《こいつらマジで出禁なるぞww》
《やりたい放題じゃねえかwww》
《さすがにロメンシリーズ買うわ》
《俺も買う》
《効果絶大やんw》
ちなみに、宣伝したのは好意だけではない。
ロメンは装備提供だけでなく、カナタの“個人スポンサー”となっていた。
有名な職人も、すっかりカナタの配下だ。
「よし、進むぞ!」
「はい!」「ええ!」「あはっ!」
こうして、カナタは結託した探索者を攻略。
波乱の幕開けを乗り切ることができた。
結果、開始直後に受験者が三分の一になるという前代未聞のスタートとなる。
しかし、困難(?)は続く。
「来よったか」
「「「……!」」」
しばらく進んだ先にいたのは、一人の探索者。
白い
その放つオーラに、カナタは口にした。
「あなたが、試験官ですね」
「いかにも」
この上級試験には、
試験官を務めるのは、“特級探索者”。
上級探索者の
(これが一番上の資格持ちか……)
特級は、上級の中でも別格の
日本で三十人にも満たない、最上位の実力者だ。
すると、戦闘狂のエルヴィが口に出した。
「面白くなってきたじゃない」
対して、おじいちゃんは笑みを浮かべる。
「ふっ。お主らなど一秒も必要ないわ」
「……へえ?」
次なる試練がカナタ達に降りかかる──。