現代に帰還したら、災厄級の従魔たちまで付いてきた~俺を溺愛するヤンデレ従魔たちの無双が晒された結果、魔王だと勘違いされて大バズりしています~ 作:むらくも航@書籍&コミカライズ発売中
「お覚悟を」
過去を乗り越え、覚醒したココネは、ガルドルへ向き直る。
従魔でも“最強”という
すでに強かったココネが、さらに一段階上のレベルに到達した。
ココネを取り返したカナタも、ようやくと言わんばかりにガルドルへ目を向ける。
「だってよ、ガルドルさん」
「……っ!」
他二地点の魔物は全て沈めた。
残りはガルドルと、わずかな魔物のみ。
完全に追い詰めたと言っていいだろう。
《ココネちゃん帰ってきたああああ!》
《俺たちのココネたんをよくもやったな?》
《このクズ魔人ガチで許さねえ》
《覚悟しとけよ》
《やっちゃってください、ココネちゃん!》
《僕たちは見てますので!》
《思う存分やり返したれ!》
同接200万人に到達する勢いの視聴者も、ココネの帰還に歓喜している。
熱狂的ファンも希望を取り戻したのか、コメントはありえない速度になっていた。
対して、唇を
「こ、こんなところでぇ!」
そのまま溜めた魔力を周囲に放った。
だが、やけくその単調な攻撃だ。
今さら通用するはずもない。
「周辺ごと吹っ飛びやがれえええ──」
「【
「なっ……!」
ガルドルの
ココネが槍を一振りしただけで、魔力の運動を止めたのだ。
覚醒したココネの制圧力の前には、技すら打たせてもらえない。
「あなたに
「……!?」
ココネはバサッと翼を広げ、上空へと昇る。
氷を
その美しい姿は、さながら天使のようだ。
《ココネちゃん綺麗!!》
《キラキラだあ~!》
《かっこかわいい!!》
《ココネたん神々しい》
《天使みたい……》
《天使のココネたんだ!》
《は?元から天使なんだが?》
配下も、良くも悪くも盛り上がっているようだ。
これもココネが帰ってきてくれたからこそ。
そのまま陽を背に、ココネは
「終わりです──【
天より
まるで流星群のような勢いだ。
「ごあああああああああああっ!?」
ガルドルは
その翼や体が見事にもがれていく。
ガルドルも異世界魔王軍の四天王だ。
それなりの強さを持っているはず。
しかし、ココネは圧倒している。
「もう主様への想いは止められません」
「……ッ!」
ココネの唯一の弱点は、おとなしい性格だった。
それがなくなり、もう手のつけようがない。
ガルドルは
(ここまでなのか、従魔ココネ! それに──)
ガルドルはチラリと視線を移す。
(これを従える勇者カナタ……!)
ガルドルは身を
カナタが力を失ったと聞き、またとない絶好の機会だと考えた。
だが、結果は自らの失態により、目覚めさせてしまった。
“真のココネ”という化物を。
しかし、ガルドルもタダでやられるわけにはいかない。
先遣隊としての使命を果たすために。
「
なんとか態勢を持ち直し、ガルドルは周りに指令した。
ここ西入口の魔物はまだ残っているはず。
だが、一向に返事が無い。
代わりに答えたのは──従魔たちだ。
「魔物ってこれのことかしら?」
「もう血に染まっちゃってるけど」
「ママって怒ると怖いのよ」
「んなあ……!?」
ルーゼリア、エルヴィ、ミカ。
それぞれの特性を生かし、残りの魔物も倒していた。
これで西の魔物も全滅だ。
《お姉さーん!!》
《エルヴィの返り血が怖えって!w》
《怖い方のママだぁ( ;゚Д゚)》
《まだこいつらもいるんだよなあ……》
《戦力万全すぎて草ぁ!》
《改めて考えたら強すぎるwww》
《さっきまでが嘘みたいだぜ》
そして、ガルドルの後方から声が聞こえる。
「そういうわけだ」
「……ッ!」
迫ったのは──カナタ。
ココネが作った氷の道を渡っている。
これもロメンシリーズの装備を使いこなしているからこそ。
「お前は仲間に恵まれなかったようだな」
「この……!」
ガルドルも両手で防御の態勢を取った。
だが、カナタは構わず剣を振り下ろす。
その防御無視の能力を使って。
「【空間断絶】」
「──ガハァッ……!」
一刀両断だ。
ガルドルの体が真っ二つに割れる。
《うおおおおおおお!》
《よっしゃああああ!》
《真っ二つきたあ!》
《さすが魔王様あ!》
《ココネたん強かったぞ!》
《ココネたん!ココネたん!》
《ありがとおー!!》
すると、ガルドルの中から光が浮かび上がった。
カナタのスキル【
それは本来の場所に戻る様、カナタに胸に灯る。
「返ってきたな」
これで討伐完了。
──と思われた時だった。
「ふざけ、やがってえええ!!」
「「「……!」」」
ガルドルが声を上げる。
さすがは魔人と言うべきか、脅威の生命力だ。
死ぬ直前にあがくように、ガルドルは別れた体でそれぞれ腕を広げる。
「他を信じた私がバカだった! 結局【
「これは……!」
それに呼応するよう各地から魔力が集まってくる。
方向はダンジョンの入口三カ所。
カナタ達が討伐した魔物たちの魔力だ。
(残り火があったか……!)
これも【共奏】の効果によるもの。
能力の共有ができるならば、
【共奏】が完全に失われる前に、ガルドルは最後にスキルを行使した。
すると、ガルドルの体が再生していく。
復活するだけの魔力が集まったのだ。
「ふははは、力の高まりを感じる」
そして、体が完全に再生。
ガルドルは宙でむくりと起き上がった。
「素晴らしい。これが真の力か」
「「「……!」」」
同時に、ドクンと大きな鼓動を
魔力に加えて、能力なども強奪している。
とてつもない存在感だ。
《はあ!?》
《魔物の力を吸収したのか!?》
《なんなんだよこいつ!》
《倒したんじゃなかったのかよ!》
《いや、でも魔王様なら!》
《いけるか……?》
《頼むって!》
視聴者にも動揺が走っている。
それもそのはず、これはダンジョンではなく地上で起こっている。
ここでカナタが敗北すれば、そのまま侵攻が再開されるのだから。
対して、カナタは一言告げた。
「お前は何も分かっちゃいない」
「なんだと?」
「俺が教えてやるよ」
再び剣を片手に。
「【共奏】の使い方ってものを」