現代に帰還したら、災厄級の従魔たちまで付いてきた~俺を溺愛するヤンデレ従魔たちの無双が晒された結果、魔王だと勘違いされて大バズりしています~ 作:むらくも航@書籍&コミカライズ発売中
<カナタ視点>
「会長! 失礼します!」
朝一番、俺は急いで会長室の扉を開ける。
先ほど、耳を疑うような連絡をもらったからだ。
その
「来てくださいましたか、久遠君」
会長と、そしてもう一人。
俺はその姿に思わず目を見開く。
「ほ、本当に……」
長いサラサラの金髪は結ばれ、まとめられている。
服を貸してもらったのか、いつもと違う落ち着いた格好だけど、
その勇ましい姿に、俺の目元にはうるっとくるものがあった。
「ヴァレリア!」
彼女はヴァレリア。
俺が召喚された王国の騎士団長を務めていた人だ。
異世界では俺が初めて
ヴァレリアはフッと優しい目を浮かべると、手を差し出してきた。
「久しぶりだな、カナタ」
「うん!」
感動の再会だ。
感極まった俺は、そのままヴァレリアと抱き合う──のは止められた。
「「「ちょっと」」」
「……」
俺とヴァレリアの間に、従魔たちが割り込んできたからだ。
全員両手を広げ、ゴゴゴゴと怒りの目を浮かべている。
いつも以上に怖い俺に目を向けて、全員で一言。
「「「この女だれ!?」」」
「反応しすぎだろ……」
まあ、
不審に思うのもしょうがない。
俺はヴァレリアに手を向けながら、紹介した。
「ヴァレリアは、俺の“師匠”だよ」
「「「ししょおおおお!?」」」
「……だからガン飛ばすのやめてね」
こうして、俺はなぜか現代に召喚された師匠ヴァレリアと再会した。
再会して、しばらく。
「カナタには頼もしい仲間ができたのだな」
一息つき、師匠が笑みを浮かべる。
めっちゃ従魔たちに
俺は従魔たちを見ながら返す。
「うん。ちょっと個性的だけどね」
「「「それほどでも……///」」」
「
そんな中、会長は難しい顔を浮かべていた。
「やっぱり事実なんですね。異世界のお話は」
「はい。今まで黙っててすみません」
「いえ、気遣って下さったのは分かりますので」
この際なので、会長にも異世界の事を話した。
師匠はダンジョンで発見されて、ギルドで保護されたらしい。
そこまでしてもらって事情を話さないのは、不義理だと思ったからだ。
それに、これから魔人を警戒するにあたっても、会長には共有しておいた方がスムーズに動けるだろう。
「では後ほど、魔人についてもっと教えてください」
「もちろんです」
ひとまず会長さんは納得してくれた。
対して、現状に全く納得していない者が四人いる。
エルヴィはトントントンと指でテーブルを叩きながら、口を開いた。
「そ・れ・で? ヴァレリアさんとやらは、どうしてカナタ様と離れたんですかねぇ」
「おいおい」
「わたしだったら一生離れないけどなぁ。カナタ様が好きじゃないなら、それはそれで都合が良いですけどぉ」
「嫌な言い方……」
明らかに
他三人も「よく言った」とうなずいている。
対して、師匠は一呼吸おいて答えた。
「ワタシは魔族との戦争で命を落とした」
「……!」
そう、師匠は俺が従魔たちと会う前に
色々と教えてくれた後、最後は未熟だった俺を
それから師匠の思いを受け継ぎ、俺は死ぬ気の修行の果てに『七つの能力』の手にした。
師匠は不思議そうに続ける。
「そのはずが、気がつけばダンジョンとやらに居たのだ。さらに、保護してもらったら違う世界だと言うではないか。さすがに困惑したよ」
「師匠……」
「ワタシも心細くてな。まずは君を探そうとしていたんだ」
「そう言ってもらえて嬉しいよ」
またも懐かしい笑顔に、俺も顔が
だが、ガンッとエルヴィの足がテーブルに乗せられた。
「けっ」
「……もうやめて差し上げなさい」
知らない人物と親しげなのが気に喰わないんだろう。
エルヴィは直接的だが、他三人もニコニコしつつ目が全く笑っていない。
師匠も多少ビクっとしながら、話を続けた。
「こちらに帰還したということは、魔王討伐は成し遂げたのだな。……こ、心強い仲間もいるみたいだし」
「はい、みんなとなんとか」
「それは良かった。さすがの王国もカナタを無事に送還したのだな」
「……! いや、無事というよりは……」
それには言葉を詰まらせてしまう。
そうだよな、師匠はあの事を知らないんだ。
俺が気まずそうにしていると、ココネが代わりに答えてくれた。
「主様は処刑されたのですよ」
「なんだと!?」
「力を持ち過ぎましたからだそうです。どうしてか処刑後に帰還できましたが、ココネは今でも許せません」
「……っ!」
師匠は手で頭を抑えた。
「そこまで腐ったか! あの外道たちが!」
「大丈夫。今は無事だから落ち着いて」
「……す、すまない」
王国でも、貴族じゃない師匠は俺によくしてくれた。
騎士団長を務める
おかげで騎士団だけとは良い関係性だった。
だけど、師匠と死別した後で俺は酷使されるようになった。
後になって思えば、師匠が上層部の盾になってくれていたのかもしれない。
師匠は怒りを抑えながらも、首を横に振っている。
「くっ、あれほどカナタにはよくしろと言ったのに……。ならば、奴らはまだあちらでのぼせ上っているのか?」
「心配はありませんよ」
「え?」
しかし、それにはココネがニコッと怖い笑顔で答えた。
「ココネが召喚士を殺しましたので」
「お姉さんも百人ぐらいやったかな」
「わたしは革命を起こしたけどね」
「ママは国をバブみで満たしたわ」
「……!?」
他三人も続くと、師匠ですら空いた口が
「そ、それはなんというか……すごいな。いやまじかよ、えぇ……」
「ははは……」
あの師匠が思わず本音が
俺はうなずくと、師匠に声をかけた。
「てことで、民の心配はないよ」
「そうか……えぇ、何それ頼もしっ。だ、だが、カナタが殺されたのは──」
「もう恨んでない。だから師匠もどうか気にしないで」
「……カナタがそう言うなら」
俺の言葉に、師匠はなんとか矛を収めてくれた。
ならばと、俺は次の提案をする。
「それよりも、まだ何も体験していないでしょう?」
「な、何の話だ?」
「ここは日本。ディスイズジャパンです!」
「???」
まだ困惑している師匠に、俺は手を伸ばす。
「俺の故郷を紹介します!」
「……! ああ、よろしく頼む!」
師匠も顔を晴らして立ち上がる。
従魔に俺の手を