現代に帰還したら、災厄級の従魔たちまで付いてきた~俺を溺愛するヤンデレ従魔たちの無双が晒された結果、魔王だと勘違いされて大バズりしています~ 作:むらくも航@書籍&コミカライズ発売中
「知り合いか? ミカ」
「ええ。ちょっとね」
ヴァレリアが尋ねると、ミカはふっと笑みをこぼす。
二人の前に現れたのは、異世界魔王軍の
「ぬおっ!?」
彼は以前、ミカの【バブみの波動】に敗北している。
因縁の相手を前に戸惑っているようだ。
しかし、その間にも戦力は補充されている。
「ひゃっはー!」
「暴れるぜえ!」
参謀の背後には邪悪なゲートが空けられている。
そこから世界を渡り、次々に魔人が送られてくるのだ。
このままでは時間が経つごとにミカ側が不利になる。
ミカはすぐさま勝負を決めにいった。
「せっかくの再会だけど、ご退場願おうかしら。──【バブみの波動】」
「「「ぐわああああっ!」」」
ミカの両手から黄緑色のオーラが放たれた。
毎度おなじみ、心を幼児化させる精神攻撃だ。
《容赦ねえwww》
《そりゃ敵だしな》
《あの数の魔人は厄介そうだし》
《そんなママも良い》
《バブ~!》
《ママ~!》
《コメントにも効いてる奴いて草》
ミカの配信を見ている視聴者も勝利を確信。
ミカ自身も着弾を確認し、保育士のように手拍子した。
「さ、みんな行くわよ~」
「「「…………」」」
「あら?」
だが、魔族側の反応がない。
少しした後、先頭にいる参謀は
「ふはははは! 我らには効か──ばぶ……効かぬわ!」
「!」
なんと魔族が耐えている。
一瞬怪しかったものの、正気を保っていた。
これにはミカとヴァレリアも驚きだ。
「へえ、やるじゃない」
「あ、あれに耐えられる者がいるのか……!?」
《まじかよ!?》
《あのミカママの波動が!?》
《師匠が一番
《身を以て体感してたからな》
《あの師匠でも甘えてたのに!》
《師匠でも耐えられなかったのに!》
「ワタシの事ばかり言うなあ!」
顔を赤くさせたヴァレリアは、コメントにツッコむ。
恥ずかしいが、バブみに支配された過去は事実だ。
だからこそ、余計に疑問を抱く。
(奴らは一体どうやって……!)
対して、参謀はフッと口角を上げた。
「我らも遊んでいたわけではないのだ!」
彼らはこの時のために修行してきたのだ。
参謀は地獄の日々を語る。
────
異世界、とある大部屋。
「準備はいいな」
参謀は魔人を集合させていた。
魔人はそれぞれ椅子に座り、前のシアターを向いている。
体はきつく固定され、耳にはヘッドホンが付けられていた。
すると、参謀はシアターに映像を流し始める。
内容は“ミカ特集”だ。
「はい──【バブみの波動】っ!」
「「「バブう!」」」
映像と音声、それっぽい香りや食事も用意され、魔人たちはバブみに支配される。
それでも、しばらく時間が経てば様子は戻る。
しかし、視聴をやめることは許されない。
何度も幼児化と正常を行き来しながら、参謀は叫び続けた。
「耐性が付くまで見続けるのだ!」
それに従い、魔人たちの地獄の日々は続く。
正常に戻った時、幼児化した自分を思い出して自己嫌悪に
だが、五感をバブみに支配され、また幼児化してしまう。
それらを繰り返し、徐々に耐性を付けていった。
そうして、決戦の日を迎えたのだ──。
────
「ハァ、ハァ……あの日々は辛かった」
参謀はぶるっと身を震わせ、事の
そしてミカに堂々と宣言する。
「我らにバブみは効かぬ!」
「……っ」
ミカは参謀の“推し”だった。
こんな事はやりたくなかった。
それでも、魔王の魂を探すために身を
魔族の強い忠誠がうかがえる。
参謀は涙ながらに指示を出した。
「さあ行け、我らが魔人ども!」
「「「はい!」」」
参謀の指示に従い、魔人たちが一斉に襲いかかってくる。
《なんて奴らだ!》
《こいつは手ごわい》
《そこまでやるかよ!》
《参謀ちょっと辛そう》
《そこまでする目的があるのか》
《これちょっとヤバんじゃね!?》
対して、ヴァレリアが前に出た。
「ミカ下がれ! はああああッ──【
ヴァレリアは斬撃を飛ばして応戦する。
カナタの【空間断絶】の元になった技だ。
しかし、魔族の接近は止められない。
(くっ! 数人ならまだしも、数が多すぎる……!)
ただでさえ、魔人は魔物の数倍強い。
一人でも脅威なのに、二十人以上の軍になっている。
ヴァレリアだけで戦うのは困難だ。
(ミカの波動で終わりだと思ったが、これは……!)
まさかミカの代名詞を封じられるとは思っていなかった。
参謀も脳筋の対策をしてきたものだ。
形勢が一気に傾き、参謀は嗤った。
「ふははは! これで奴らの一角を落としたぞ!」
「「「ひゃっはー!」」」
「くっ!」
ヴァレリアの斬撃をかいくぐり、魔人が目の前まで迫る。
そんな時、後方のミカが口を開いた。
「ありがとうね。準備が整ったわ」
「ミカ……!」
ミカはただ引っ込んだわけではなかった。
ヴァレリアに時間稼ぎをしてもらい、次なる策を用意していたのだ。
「使うのは初めてだけどね」
「そ、それは……!?」
ミカはそれぞれの手に、違う色のオーラを宿していた。
片方は黄緑、もう片方は漆黒だ。
ミカの力は一つではない。
しばらく使っていなかったが、【バブみの波動】ともう一つ。
【怒りの波動】を持っている。
ミカは二つの波動を
「【バブみ
★
その頃、深淵ダンジョン西方面。
「止まって、ココネ」
「……!」
エルヴィが手を出し、ココネも足を止める。
二人の前方から、強力な気配を感じ取ったのだ。
「うふっ。また会えて嬉しいわ」
「「……!」」
彼女は、異世界魔王軍の四天王の一人。
そして、エルヴィの親的存在だ。
エルヴィは目を見開いてその名を呼ぶ。
「ピエラ……!」