現代に帰還したら、災厄級の従魔たちまで付いてきた~俺を溺愛するヤンデレ従魔たちの無双が晒された結果、魔王だと勘違いされて大バズりしています~ 作:むらくも航@書籍&コミカライズ発売中
「ま、まさか……!」
深淵ダンジョン、最下層。
大きな爆発音と共に見えた
“巨大な魂”だ。
その
(((魔王の魂……!)))
カナタ達の最終目的だ。
そんな時、東側から二つの気配を察知する。
その方向からドガアッと派手に壁が壊れた。
「主様!」
「カナタ様!」
「二人とも!」
四天王ピユラを倒した、ココネとエルヴィだ。
さらに、上からは炎の熱も感じる。
「遅くなったわね」
「ルーゼリア!」
しんがりを務めていたルーゼリアも駆けつけた。
地上の魔物は大方排除したのだろう。
これで戦力は揃った。
いよいよ最後の決戦だ。
視線を鋭くさせたカナタは、魔王の魂を目がけて突撃する。
「全力で破壊するぞ!!」
「「「はい!」」」
駆けつけた三人も魔王の魂に気づいている。
カナタ達は意思を一致させ、一斉に魂へ向かう。
《魔王軍が勢ぞろい!!》
《きたああああああ!》
《最終決戦にふさわしい!》
《あの黒いのが目的なのか!?》
《フンニキぶっとばしてくれ!》
《いっけえええええええ!》
対するは、最強の四天王ゼブルだ。
「ぬうん! ──【
「「「……ッ!」」」
カナタ達に追い詰められていたゼブル。
しかし、魔王の魂という悲願を前に、最後の力を振り絞る。
それでも、カナタ達は手を緩めない。
「うおおお! ──【空間断絶の夜】!」
「ぐうっ……!?」
【空間断絶】と【共奏】を合わせた技だ。
エルヴィの赤い
それに合わせて従魔たちも追撃を行う。
「【
「【
「【
「【バブみの波動】」
四人の特色がそろった猛攻だ。
ついでにミカに堕ちた魔人達も全力で向かっていく。
「「「おおおおおっ!」」」
ここにきて現代魔王軍の力が結集された。
《うおおおおおお!!》
《従魔たちの技もきたあ!》
《一斉攻撃久しぶりに感じる!》
《相変わらずド派手だなあw》
《これだよこれえ!》
《魔王軍はこうでなくちゃ!》
ゼブルに為す術はない。
すると、ゼブルはふっと笑った。
「ここまでか……ガハァッ!」
「!?」
自害だ。
ゼブルは自らの手で体を貫き、吐血する。
すでに致命傷を負っていたゼブルがそんなことをすれば、命はもたない。
ただし、狙いはあった。
「我らの体をお使いください」
「まさか……!」
ゼブルが息絶えた瞬間、魔王の魂がドクンッと鼓動する。
それと同時に、禍々しい色の触手が生えた。
ドス黒い触手はゼブルを捉える。
「これで我が主は受肉なされる」
「!!」
ゼブルは自ら命を授けることで、魔王の受肉を計った。
魂から生えた触手はゼブルのエネルギーを吸収し、サイズを膨らませる。
その勢いは一気に広がった。
カナタは直感した危機を周りに伝える。
「全員ストップ……!」
──ヴオオオオオオオオオオ!
魔王の魂がうめき声をあげる。
同時に、禍々しい触手が無数に飛び出してきた。
「あれに触れるな!」
「「「……!」」」
触手に触れられば、生命エネルギーを奪われる。
それは今のゼブルの様子から分かっていた。
カナタ達は宙にとどまり、回避に専念する。
《なんだあれは!?》
《フンニキの力を奪ったのか!?》
《なんかやばそうだぞ!?》
《何かが復活するのか!?》
《とんでもない存在感じゃない?》
《画面超しでもこええよ!》
しかし、避けられない者達がいる。
「「「おおおおおおっ!」」」
「……! あいつら、もう自我が!」
ミカに堕ちた魔人たちだ。
魔人たちは全力疾走で向かったまま、触手に捕まる。
彼らは一気に生命エネルギーを失った。
「「「ぐわああああっ!」」」
魔人が全員エネルギーを持って行かれた。
すると、膨張した魂から何かが生まれる。
激しい衝撃波と共に、魂の形が変化した。
「ま、まさか……」
「ヴオオオオオオオオ!!」
禍々しい色をした巨大なモヤだ。
見ているだけでも心が抉られるようなプレッシャーを放っている。
《なんだこれ……》
《存在感がすごい》
《こええ……》
《魔人たちの力を吸い取ったのか?》
《何をしてくるんだ……?》
《なんかやばそうだぞ》
だが、ルーゼリアは顔をしかめた。
「あ、あれはなんなの……!?」
知っている魔王の姿とは全く違ったのだ。
すると、カナタは【超感覚】から感じ取る。
「まだ受肉は完璧じゃない!」
「……!」
「魔人たちのエネルギーでも足りなかったんだ!」
ゼブルを含めた魔人たちでも、魔王が受肉するには程遠かった。
つまり、顕現したのは魔王になり得なかった不完全体だ。
これならまだやりようはある。
一息ついたカナタは、用意していた最後の策を口にする。
「ここで存在ごと消すぞ」
「主様、それは……!」
「ああ」
カナタは従魔たちと顔を見合わせた。
「みんな構えてくれ」