現代に帰還したら、災厄級の従魔たちまで付いてきた~俺を溺愛するヤンデレ従魔たちの無双が晒された結果、魔王だと勘違いされて大バズりしています~ 作:むらくも航@書籍&コミカライズ発売中
<カナタ視点>
「これからどうしようかなあ」
青玉ダンジョンから帰り、数時間後。
自宅のちゃぶ台に手を置きながら、周りをチラ見する。
「どうしましょう。
「どうしようかしらねえ」
「……なんか案出す流れじゃないのかよ」
従魔二人は「ねー」とうなずくのみ。
ていうか狭いな。
この部屋に三人は限界すぎる。
なんて思っていると、ルーゼリアは抱き着いてきた。
「お姉さんはカナタ君と一緒にいれたらいいっ!」
「はい避けるー」
「やん」
でも、たまには回避してみた。
今はそんな場合じゃないんだ。
「だから、
「ふーん。とにかくお金を得たら良いんだね」
「……というと?」
嫌な予感がしながらも、一応聞き返す。
すると、ルーゼリアはふふっと笑みを浮かべた。
「例えば〇〇して、△△したりー」
「おい!」
「
「ダメダメ! ここ日本だから! 警察が来ちゃうの!」
やっぱりアウトだった。
とても人前では言ってはいけない。
それでも止まらないルーゼリアさん。
「あら。警察も皆○しにすればいいのに」
「はい?」
「お姉さん、カナタ君の為なら出来ちゃうんだよ。なーんでも、ね?」
「……っ!」
そのまま、うっとりした目を浮かべて、四つん
ダメだ、やっぱりルーゼリアは頭のネジが足りない。
昔から倫理観がぶっ壊れてるんだ。
でも、ここはなんとか説得する。
「と、とにかくダメだって!」
「どうして? カナタ君の為ならお姉さんは命さえも──」
「その俺が困るんだよ!」
「じゃあダメね」
「ほっ」
その言葉には、ようやく引いてくれた。
単純なのか、そうじゃないのか。
とりあえず行動原理が俺にあるのは分かった。
一息つきながら、俺は視線を移す。
「ココネは何かしたい事とかある?」
「ココネは主様のお
「よし。無いんだな」
ココネはすすすっとこちらに寄り、隣にちょこんと座った。
可愛いけど、何も解決になっていない。
だったら、俺の考えで進めるしかないか。
「じゃあとりあえず、もう一回ぐらい配信をしてみようかな」
「「おおー」」
「まあ、多分次も大したことにはならな──って、うわっ!?」
そこで初めて気づいた。
異常なスマホの通知に。
『あさんと他315人からコメントが送られました』
『ココネちゃんLOVEさんと他912人からフォローされました』
『魔王の手下さんと他1249人からチャンネル登録されました』
「なんじゃこりゃあ!?」
配信チャンネルにSNSと、色んなアプリから通知が来ている。
とんでもない数だ。
バイブを切っていたから気づかなかった。
「って、ええ!?」
俺はすぐさまSNSをチェックすると、驚きの光景があった。
トレンドが、心当たりのあるもので埋め尽くされていたんだ。
『氷の少女』、『炎のお姉さん』、『主様』など。
『魔王』や『黒幕』は……たぶん違う人の話題だよな。
それから、映像も上がっている。
「これ君達!? って、俺の【空間断絶】の所も!?」
どうやら、一部始終を誰かが配信していたらしい。
それが話題となり、俺たちが特定されたみたいだ。
なんて恐ろしい現代社会。
すると、隣からココネも声を上げる。
「主様! チャンネル登録者が5万人を突破しています!」
「5万んんん!?」
うそだろ、配信終了後も登録者は0だったのに。
特定から数時間でそれだけ爆増したのか。
ていうか、今も更新する度に増え続けている。
召喚前の世界とは規模感が違うな。
「これが、バズったというやつなのか……?」
正直、あまり実感は湧かない。
ただ数字が増えているだけだからなのかな。
でも、伸びていくのはすごく嬉しい。
そういえば、帰り道もチラチラ見られた気がした。
両隣の従魔を見ているんだとばかり思っていたが、もしかしてこれも関係しているのかな。
何はともあれ、一つ希望は見えた。
「聞いてくれ」
俺はすっと立ち上がり、二人に決意を伝えた。
魔王討伐の前夜を思い出すな。
「俺はこのままダンジョン配信者になろうと思う」
「さすが! カナタ君の
「主様らしいです!」
「君達
このビッグウェーブには乗るしかない。
それはもちろんあるが、実は理由がもう一つ。
「それに、俺の『
『
今回手に入った【空間断絶】も、その一つだ。
「あれはどれも強力だ。今回は大したことない奴に宿ったけど、それがもっと強力な魔物に宿ったら?」
「「……!」」
「こっちの世界には無いスキルだろうし、想定外の事態を生むかもしれない。その情報を集めるためにも、ダンジョン配信者になるよ」
二人は賛同したのか、大きくうなずいてくれた。
抱き着いてもきた。
俺は二人を制止させながら真剣にたずねる。
「だから、協力してくれないか」
「「!」」
でも、その言葉には少し不機嫌な表情を見せた。
「はぁ~あ、やんなっちゃうわ」
「まったくです。主様」
「え……え?」
俺は不安で視線を右往左往させていると、やがて両隣から頬をつねられる。
「お姉さんは、
「……!」
「ココネもです、主様。二度と離れたりしません」
「二人とも……!」
そこでようやく言いたいことが分かる。
「言われなくても、協力するに決まってるんだから」
「ココネは主様のために生きます」
「……! ははっ、そっか」
わざわざ協力を仰ぐ必要すらない。
二人はそう言いたかったみたいだ。
やっぱり少し面倒だけど、その分かわいげもある。
「じゃ改めて、新しい門出に乾杯!」
「「かんぱーい!」」
そうして、俺たちは乾杯をした。
コップに水道水を
もっとバズれば盛大にお祝いできるのかな、なんて考えながら。
「では主様、次はどんなお配信を?」
「そうだなあ……」
俺はチラリとスマホに視線を移す。
流し見していくのは、チャンネルに集まったコメントだ。
『あなたが黒幕さんですか?』
『女の子達の正体を教えてください!』
『本当に魔王なら次の配信始めにウインクしてくれ!』
『お願いです世界を滅ぼさないでください』
そこで、一つの結論に至った。
「ひ、ひとまず、弁明配信をするのが良いかもしれない……」
バズったは良いものの、ちょくちょく不穏なコメントが散見される。
不本意ながら『魔王』などと言われ始めてるみたいだ。
バカな、俺は勇者だったはずなのに。
ちなみに、原因は分かっている。
「二人にも出てもらうからね」
「「はーい」」
絶対に従魔二人が暴れたからだ。
魔物は可哀想な姿になっていたし、光景は終末のようだった。
俺は慣れてしまったが、初見だと恐ろしいのは理解できる。
そして、二人を従える俺が魔王と。
二人が強ければ強いほど、主の俺が勝手に
憶測が憶測を呼んでいるんだな。
ならば、しっかり忠告しておく必要がある。
「言っておくけど、弁明配信だからな!?」
「うふふふっ。分かったわ」
「主様のために出来ることを考えます」
だが、二人はそれぞれニヤニヤしながら、何かを妄想している。
絶対に
「絶対だからな!?」
「「はいっ♡」」
「…………」
不安だ。
★
翌日。
「では配信を始めたいと思います」
《きたああああ!》
《こんにちは……ガクブル》
《噂の魔王君》
《ついに正体が明かされるのか》
「今回はタイトルにもある通り──」
そして開始直後、俺はバッと頭を下げた。
「世間をお騒がせしている件について」
初日の公開はここまでです!
明日以降は7:06、19:06にそれぞれ更新していきます!
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