百式観音を背負いて。   作:ルール

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 ちなみに千手狭間君宅には掛け軸以外にもヤバい代物がゴロゴロ転がっていて(谷間作の奥さん像など)、死後八年たっているのに遺品整理が一切終わってません。
 なお奥さん像を見た全員の感想が、デカいなオイ、だそうです。
 八尺様似の美女だったらしいです。



原作2巻④ 波の国編開始

 

 俺達第七班が下忍になりDランクを中心とした任務をこなすようになってからしばらくたった。

 里内でのお手伝いさんのようなお仕事。

 お調子者のナルトがはしゃいでトラブルを起こしそうになるも、そこは班員でフォローしている。

 その中で目についてしまうのは、やはり里人の眼差しだ。

 ナルトが化け狐である、という認識の大人ばかりの里で人々のお手伝いをするというのは危ういのではないかと俺は懸念していた。

 実際に依頼人の中にはナルト所属の第七班ということで難色を示す者もいたし、アカデミーを卒業したけど下忍になれずにアカデミーに戻された生徒達の親などは里内を飛び回るナルトを見るたびに不快そうに舌打ちすらしていた(これはナルトのせいではない気が)。

 またうちは一族を滅ぼしたうちはイタチの弟であるサスケ、色々やらかした千手谷間の息子である俺にもナルトほどではないが似たような警戒に似た遠巻きにされるような視線はあった。

 カカシ先生もはたけサクモの息子であることからかつて同じような反応をされたことがあったのではないか。そういった意味では血統などの理由以外にも担当上忍に相応しい存在だったのだろう。

 里内任務はあんまり良くないかもしれない。

 そんな風に思いながら任務をこなす俺だったが、それだけではないことに気がついた。

 ナルトが一生懸命下忍として任務に励んでる姿を頑張れと応援している人達も少なからずいたのだ。

 それは木の葉隠れの里二大聖人であるラーメン一楽店主のテウチさんだけではない。

 ナルトに盆栽をひっくり返されたお年寄り。

 ナルトが立ち読みしていた書店の店主。

 ナルトが変化して女湯に突貫した銭湯の番頭。

 ナルトのイタズラ被害にあった人達は、ナルトを化け狐よりイタズラ小僧と認識しているのか、真面目に下忍をしている姿を歓迎しているのだ。

 ナルトはワンピースのウソップのように愛されるイタズラ小僧とも見られていたのかもしれない。

 如何に九尾を宿していようと、幼い子どもに敵意を抱き続けるのは心に重しをかけているのと大差なくひどく苦しかったのだろう。

 イタズラ小僧であることは化け狐という認識を引き剥がすきっかけになったのかもしれない。

 それはそうとイタズラするから迷惑なわけだが。

 ちなみにナルトだが、自己紹介の際の趣味が原作のイタズラではなくアニメ版のカップラーメン食べ比べだった。

 

 さて、そんな任務に励む日常なのだがさらにもう一つ原作にはない出来事があった。

 それはナルトとサスケが任務後に俺の家に来て食事をしたり共に訓練するようになったことだ。

 ナルトはカカシ先生による野菜差し入れという問題もあった。それはまあ俺としては材料費が浮いて家計的にありがたいから助かっているから良いのだ(料理は1人分作るほうが手間なので)。

 その後の二人(偶にサクラも混じる)の訓練に俺は頭を抱えることになった。

 自主練、指導者無き自己流の鍛練に限界を感じていたサスケとナルト(原作NARUTO2巻の扉絵の修行などワンパンマンのサイタマと大差なかった)は、俺に強くしろとせがんできた。

 しかし俺は、原作改変というリスクは置いとくとしてもどう指導したら良いのか悩み苦しんだ。

 そもそも俺の強さは転生後の勘違いによるオーラ操作という初期段階アドバンテージがあってこそであり、この戦闘スタイルは四大行【纏】が前提なのだ。

 四大行を教えるべきか?いやそもそもチャクラ纏いの難易度が高い。

 感謝の正拳突きか?アレは執念に似た思い入れと長い年月が必要不可欠。

 というか、そもそも。

 原作でチャクラコントロールの木登りが出来るようになっただけで劇的に成長してしまうこの二人に、特別な修行がいるのかは疑問なのだ。

 はっきり言うがチャクラコントロールの木登りは出来ると便利だが、できたからといってブースト的にパワーアップするような修行ではない(比較対象サクラ)、そうなってしまうだけの素養がこの二人にはあったからなのだろう。

 そんな悩んだすえに俺は組手を提案。

 幸いなことに家の裏には山があり訓練で大きな音をたてても近所に迷惑がかからない。

 ナルトは限界まで多重影分身をして(経験値狙い)、サスケは火遁ありで行った。

 不満気な二人だが、忍術解禁組手はアカデミーではできなかったので効果はあるかと納得してくれた。

 個人的な狙いとしては俺が手加減を覚えるためでもある。

 感謝の正拳突きで人体を殴ったらどうなるか?(できれば百式観音も)。

 その検証はなんとしても必要だったのだ。

 

「撒菱指弾必要ねえだろ」

 

 一呼吸に数十発の正拳突きを放ちナルト影分身体の群れを一瞬で消し去る俺の姿にサスケはそんな呟きをした。

 なんと連射性と威力は撒菱指弾より正拳突きの方が上でした(汗)。

 どうしよう、実はこれに念弾発射も合わせた必殺技(キメラアントのザリガニだかエビの師団長の技)も考えていたのだが、この様子では必要ないかもしれない。

 殴り消されるばかりのナルトの影分身体だが、それだけで経験値になるのが影分身の術。

 正直拙かったナルトの体術手裏剣術は俺とサスケから見てもわかるくらい徐々に向上していった。

 Dランク任務では忍術をロクに使わない。 

 やはり使いまくることこそが忍術向上の最善手段なのだろう。

 それはサスケにも言えることで、火遁豪火球の術を代表した火遁を俺にうち続けることで技能、威力、術の出す速度が増していった(チャクラ正拳でかき消したが)。

 火遁を扱うならばとりあえずはバリエーションを増やすことが肝心だろう。

 この先未来で現れる敵は火遁をくらった程度で死ぬ敵など稀なのだから(原作知識による偏見、火遁豪火球をくらったら普通は死ぬ)、相手の放つ忍術と相殺できるような様々な形の忍術を覚えるべきなのだ。

 その試し打ちが俺とナルトの影分身体を相手にできる機会はサスケにとって間違いなく有益だ。

 

 最後にNARUTOでバグ的修行法と言えばカカシ先生発案の多重影分身の術修行。

 その能率の良さを活用しようとナルトから多重影分身の術の印を習ったのだが(禁術を教えてよいのか?)、サスケはまだカカシ先生よりチャクラ量が少ないので、影分身体が少なく維持時間も短いので消費の割に効果はなく、俺はチャクラ量が多いからか十体程度の影分身が出来て修行は出来たのだが、いざやってみると修行の純度が下がるような奇妙な合わなさを感じた。

 そもそも俺は、強くなりたいから修行するのではなく修行が楽しいからやっているタイプ。

 能率良くできるこの修行は、ゲームで言う放置プレイのように感じて気分が良くないのかもしれない(「そういうのは自分でやりたいんだよ!!」聖☆おにいさんの某聖人の叫び)。

 効率よくともモチベーションが下がるならやめておこう。

 影分身の術は木の葉崩しの際に結界付近に配置してひたすら撒菱指弾をやらせるなどに活用しようと決めた。

 

 あ、サクラの修行なのだがとりあえず原作で適性のあった医療忍術の指南書と適性あるのに使わなかった幻術の指南書を渡した。

 チャクラコントロールが上手く、地頭の良い彼女は座学から入るほうが向いてると思ったからだ(ナルト影分身体との組手は多少やっていた)。

 指南書を学んだあとは専門の指導者が必要だが、それは今後に期待するしかないだろう(というかサクラこそ紅先生班にすべきだったのでは?)。

 

 

 そんな充実した日々を過ごしていたある日。

 

「ダメーッ!!そんなのノーセンキューッ!!オレってばもっとこうスゲェー任務がやりてーの!他のにしてェ!!」

 

 任務受付窓口でついにナルトが我慢の限界を超えてしまった。

 

(・・・・・・一理ある)

 

(もーめんどいヤツ!!)

 

(ハー・・・・・・そろそろ駄々こねる頃かと思った)

 

(原作よりは我慢してたけどさ)

 

「むぅ、しかしのう第七班は芋掘りや畑仕事、荷運びの依頼先から評判なんじゃが」

 

((((多重影分身の術目当てだな))))

 

 ちなみにナルトの農作業技能は無駄に高い。

 

「バカヤロー!!指名依頼が新米にどれだけありがたいと思っている!!定収入を得られる絶好の機会なんだぞ!!」

 

 そういえば四代目火影様の遺産とかどうなったんだろ?金銭は里復興に当てたとして術の巻物や忍具に個人的なメモとかありそうなものだが。

 

「だってだって!この前からずっとショボい任務ばっかじゃん!!というか農作業と荷運び多くね!?」

 

「まあ他の班も嫌がるしのう。拘束時間の割に報酬金は安いし。その点第七班は早めに済むしの」

 

((((多重影分身の術が理由だろ))))

 

 そういえばヒナタさんの班はペット捜索や失せ物探しが多くて、シカマルの班は護衛任務が多いらしいな。

 感知タイプ揃いの八班と、一族が有名な十班という振り分けなのかも。

 最初は満遍なく色んな任務をやってたけど、最近の七班は農作業と荷運び中心なんだが。

 

「いいか!里には毎日多くの依頼が舞い込んでくる」

 

 そこから三代目火影様による任務の説明がされた。

 アカデミーで学び知識としては知っている内容。

 難易度によりランク分けされる依頼。

 それを上層部が能力、適性、年齢に合わせて任務として振り分けてくれること。

 それがどれだけ有り難く、情のある手間だということかは平和な時代に生まれ育った俺達には実感ができない。

 ただ千手の一族である俺は、原作知識だけではなく一族の教えとして柱間様の想いを学び知っていた。

 

「けど、オレってばもう・・・!いつまでもじいちゃんが思ってるようなイタズラ小僧じゃねえんだぞ!」

 

 ナルトのその叫びにイルカ先生と三代目火影様は嬉しそうに顔をほころばせた。

 実のところ依頼先からは以前のような化け狐扱いはすっかりなくなっているのだから。

 

「分かった。お前がそこまで言うならCランク任務をやってもらう。

 内容はある人物の護衛任務だ」

 

 正直、農作業と荷運びばかりだったので嬉しいと感じる自分がいます。

 

「だれ?だれ?大名様!?それともお姫様!?」

 

 マダム・しじみの例があるからありえそうで怖いなあ。老中様の坊っちゃんの子守りも護衛といえば護衛だし。

 

「そう慌てるな、今から紹介する!

 入って来てもらえますかな・・・・・・」

 

 三代目火影様に呼ばれて現れた依頼人。

 

「なんだァ?超ガキばっかじゃねーかよ!」

 

 波の国の橋作り名人タズナ。

 故郷の為に命がけで木の葉隠れの里まで一人で来た立派な方。

 

「・・・・・・とくにそこの一番ちっこい超アホ面。お前それ本当に忍者かぁ!?お前ェ!」

 

 そんな状況でBランクには資金が足りず、雇える護衛が下忍の子どもとなれば酒を呑んで悪態をつくのも仕方ないかもしれない。

 

「アハハ、誰だ一番ちっこいアホ面って」

 

 ナルトがキョロキョロと身長を見比べる(なお俺は頭一つ分高い)。

 

「ぶっ殺す!!」

 

「これから護衛するじいさんを殺してどうするアホ」

 

 タズナさんが自分のことを言ってると察したナルトが殴りかかろうとするもカカシ先生が首根っこ掴んで止めた。

 

「ラーメンばかりで栄養が偏ってたし」

 

「千手はデカいがな」

 

「だからくノ一クラスで人気だったのよ」

 

 身長とはモテる要因になる。

 サクラのナルトへの扱いもサスケに惚れてる以外にも自分よりも身長が低いことも理由の一つかもしれない(子供っぽさが強調されてしまうし)。

 

「わしは橋作りの超名人タズナというもんじゃわい。わしが国に帰って橋を完成させるまでの間、命をかけて超護衛してもらう!」

 

「ナルトが入れば人手になるし、建設作業護衛には確かにうってつけか」

 

「荷運びならできるしな」

 

「適材適所ね」

 

「・・・・・・また多重影分身?あれさ、あれさ、スゲー疲れるんだってばよ」

 

「これも依頼のうちだから」

 

 ナルトに新たに建設技能が身につくかもしれない。

 

 

 移動期間あり泊まり込み長期間任務。

 なので色々と準備が必要。

 今日は解散して明日出発となった。

 

「冷蔵庫の中身を片付けないと。チョウジを呼んで食べてもらうしかないか」

 

「俺達だけじゃ食い切れねえってばよ」

 

「だな」

 

「春野さんはご両親に伝えないとだね」

 

「急な何日もの外泊ーーー!反対されたらどうすんのよナルト!!」

 

「俺のせいだってばよ!?」

 

「親御さんいるのも大変だね」

 

「・・・・・・・・・・・・なんかごめんなさい」

 

「ウスラトンカチは家の観葉植物はどうする気だ」

 

「もうウスラトンカチはやめろサスケテメェ。シカマルとかヒナタに世話を頼むしかねえってばよ」

 

「ナルトの意外な趣味よね」

 

「植物ってさ育てたら芽吹くんだぜっ!!サクラちゃん!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・なんかごめんなさい」

 

「サクラちゃん?」

 

 この班って一般家庭出身者からしたら地雷原みたいなもんだしなあ。

 

 諸々準備をすませ、いよいよNARUTOの最初にして最も大きな影響を与えた山場、波の国編の幕が上がる。

 

 





 補足・説明。

 今話はナルトが依頼を受けた時の里人の反応から前話の続きの修行話、タズナさん登場までです。
 里人の反応はこんなもんかと。
 アニメ第二話木の葉丸の話で、化け狐ではなくイタズラ小僧扱いで接してるように見えましたので。
 アカデミー戻り卒業生の親達は未だに睨んでいます、まあ嫉妬ですねコレは。
 恨み続けることに疲れた人達はようやくうずまきナルトを見るようになったのかもしれません。

 修行内容。
 組手です。
 狭間からしたら木登りだけで進化する連中に修行必要なのかかなり疑問でした。
 四大行式も難易度高いので伝えずにひたすら組手です。
 ナルトは多重影分身組手、サスケは火遁込み組手、サクラは座学です。

 影分身修行。
 サスケはチャクラ量的に無理で、狭間はモチベーション的に無理でした。
 修行をやりたい派の狭間は自分がやれないのはストレスになるようです。
 ただ二人とも影分身の術を覚えました。
 
 依頼。
 第七班は農作業及び荷運び中心です。
 第八班が探知捜索に特化し過ぎで、第十班が対人制圧に特化し過ぎだからです。
 ナルトの活躍で農家、商店からの評価が高めです。そして関わることでナルトへの認識もかわります。
 やはり人手こそ最強の力。

 タズナさん。
 電話あれば依頼は楽なんですけどね。
 次話にてアンチしなければいけないのが辛いです。

 出発。
 次の日です。
 荷物まとめてその日のうちは無理でした。
 しかし波の国まで徒歩で1日の距離なんでしょうか?戦国時代の行軍速度を考えたらかなりいけそうですが、野宿描写はなかったので。

 
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