百式観音を背負いて。   作:ルール

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 我愛羅の砂の盾を思いついたきっかけが、玩具入りチョコのチョ◯エッグだったとか。
 確かに似てる(笑)
 読み返すと再発見する知識に設定の深みを感じます。



原作3巻①

 

「「「木登りーー!!」」」

 

「そうだ」

 

 下忍になって初めて担当上忍からつけられる修行。それが忍びなら当たり前にできる移動手段である木登りであることに驚愕の叫びを上げる。

 森林地帯だらけで整地された道路が限られる火の国では、忍びの移動は一般人の依頼人と行動を共にしない限りは木々を飛び跳ね森を突っ切ることが多い。

 ゆえに木登りをできない忍びなど居ないと言っても過言ではない。

 

「そんなことをやって修行になんの?」

 

 ゆえにサクラの反応がこうなるのも当然だろう。

 

「まぁ、話は最後まで聞け。

 ただの木登りじゃない!手を使わないで登る」

 

 するとカカシ先生はサッと印を組むとチャクラを両足に集め、そのまま木の側面へと歩き出した。

 登るのではない、歩くのだ。

 

「「「!?」」」

 

「登ってる・・・・・・」

 

「足だけで垂直に」

 

 重力を無視するかのようにスタスタと歩き(松葉杖も使ってるのは器用だなと思った)、幹から枝に渡り地面とは逆向きの蝙蝠のような位置についたところで、

 

「チャクラを足の裏に集めて木の幹に吸着させる。チャクラを上手く使えばこんなことも出来る」

 

 一般人には不可能な非現実的な光景。

 

「ちょっと待って!木登りを覚えて何で強くなれるのよ!」

 

 確かに凄いが、だから何だという気持ちもあったサクラがそう問いかける。

 その質問にカカシ先生はこう説明した。

 この修行は二つの目的がある、

 一つ目は、チャクラのコントロールを身につけることができる点。

 練り上げたチャクラを必要な分だけ必要な箇所に操作できることは、術を使うにあたって最も肝心な要素である。しかしこの忍術発動手前のチャクラコントロールが熟練の忍者でも難しい。

 そして練り上げなくてはならないチャクラの量が極めて微量で、足の裏はチャクラを集めるのに最も困難な部位。

 つまりチャクラコントロールを鍛えるうえで最適な修行なのだ。

 第二の目的は、足の裏に集めたチャクラを維持する持続力を身につけること。

 様々な術に応じてバランスよくコントロールされたチャクラを維持することは難しい。

 忍者がチャクラを練るのは絶えず動き回る戦闘中が殆どである。そんな状況下でチャクラの調節と持続はさらに困難を極める。

 だから木に登りながらチャクラの調節をするのだ。

 チャクラのコントロールだけなら壁に張り付いているだけでも充分。

 移動しながらという点もこの修行の重要な要素なのだ。

 

 そして修行内容を説明されたことで先日のカカシ先生と再不斬との戦闘がどれだけ凄かったのかよく分かる。

 水面に立ち、武器を交わし、立ち位置を入れ替え向き合い、さらにアレほどの広範囲高威力の忍術を放っていたのだから。

 

「とまあ説明したわけだが、オレがごちゃごちゃ言ったところでどーこーなる訳でなし。

 体で直接覚えてもらうしかないんだけど」

 

 枝に張り付いたまま苦無を俺達の足元に投げるカカシ先生。

 この苦無で木登りで登れた位置に印をつける、わかりやすいどこまで出来たかを示す跡になるわけだ。

 また歩いてゆっくりと登るほうが難易度が高いため、走って勢いにのりだんだんと慣らしていく方が良いとのことだ。

 

「ンな修行オレにとっちゃ!朝めし前だってばよ!」

 

「ていうかコレ、狭間君が前に教えてくれたチャクラコントロールの足の裏版ってこと?」

 

「ああアレか」

 

「足の裏の方が遥かに難易度高いけどね。

 さらに木登りで身体を支えなきゃいけないし」

 

 やる気満々なナルトと、そういえば覚えがあるなと呟くサクラとサスケ。

 理屈は同じだけど印を結ぶことからも意識しやすくチャクラを集めやすい掌と足の裏では差が激しいのだ。

 

「御託はいいから、お前ら早くどの木でもいいから登ってみろ」

 

 両手を合わせ印を組み、チャクラを練る(俺には必要ないけど)。

 足の裏にチャクラを込める(なんかブゥンと音がするよね)。

 

「よっしゃーー!!いっくぞォーー!!」

 

 そして勢いよく木の側面へと走りだして、

 

「いっつってェーーー!!」

 

 木に足の裏が張り付かずツルッと滑って頭をぶつける(ナルトの場合)。

 苦無で跡をつける余裕すらなかったな。マットを用意しておけば良かった。

 そしてサスケは幹の中程までは着いたものの、そこでコントロールが乱れバキリと幹が割れ弾き飛ばされた(着地は成功)。

 チャクラが強すぎれば弾かれる。

 チャクラが弱すぎれば吸着しない。

 両極端な実例がそこに現れていた。

 

「案外カンタンね!」

 

「得意分野なんだよコレ」

 

 サスケよりも高い位置の枝に腰掛けながらサクラはへへへと得意げに笑う。  

 なんだかんだとサスケとナルトと俺に力の差を見せつけられることばかりだったからそんな反応になって当然だろう。

 俺はまあ、戦闘スタイルがコレ特化だからね。

 チャクラコントロールができないと絶や凝とかの再現は無理だし。

 

「今一番のチャクラコントロールが上手いのは狭間を除いて女の子のサクラだな」

 

 なんで除いた俺を。

 

「チィ」

 

「スッゲェー!!さすがはオレの見込んだ女!!けど、ちょっとなんかムカツク」

 

 カカシ先生の評価にサスケは俯き、ナルトはサクラを褒め称える。

 サクラもサスケが認めてくれなかったことに落ち込んでしまう、乙女心は複雑である、

 

「狭間はチャクラコントロールに特化した変態だからまあ仕方ないが」

 

 オイ。

 

「いやー、サクラはチャクラの知識もさることながら調節・持続力ともに中々のもんだ」

 

 初めてでここまでできたサクラをカカシ先生は褒めるが、

 

「この分だと火影に一番近いのは狭間かなあ。誰かさんと違ってね。

 それにうちは一族ってのも案外大したことないのね」

 

 二人にやる気を出させるために、当人が気にするワードで煽る。

 

「でもチャクラ量は二人ともサクラより多いですよね?」

 

「それもナルトはともかくお前さんと比べたら霞むけどね」

 

 どうやら俺のチャクラ量はサスケよりも多いようだ(九尾を含まないナルト以上のチャクラ量の持ち主なんて下手したら干柿鬼鮫くらいかもしれない)。

 

「やってやるってばよ!!」

 

 そんな意気込むナルトと修行する俺達を見ていたイナリは踵を返して立ち去っていった。

 

 それから数時間経過。

 ハァハァと荒く息をつき汗だくボロボロな三人の姿がそこにはあった(ナルトはそこにたんこぶだらけ)。 

 適性がありナルトとサスケより上手くできているサクラも繰り返し続けることですっかりヘトヘトにバテていた。

 

「「「・・・・・・ってお前はなんで平然としてんだよっっ!!」」」

 

 そらまあ、俺は常時チャクラを纏ってる状態を維持してるようなもんだから木登りも多少微調整するだけで済むし。疲れたら絶で疲労回復するから。

 年季が違うのだよ年季が。

 

「こればっかりは繰り返しやるしかないから」

 

「修行オタクが」

 

 物心ついた頃からやってるのだよ俺は。

 

「くっそー」

 

 自分の背丈より高い位置に刻まれた跡を見上げて唸るナルト。

 そんなナルトを見たサクラは、まだナルトをわがままなイタズラ小僧認識のままなのか、諦めてて駄々をこねはじめると予想しているようだ。

 案の定、木から離れだしたナルトにやっぱりと思ったサクラだが、予想外のことにナルトはサクラにコツを教えて欲しいと頼んできた。

 出来ないと騒いで止める。

 ナルトはそんな行動を決してしないのだ。

 

「しかしこりゃ狭間の修行にはならんね」

 

「なにか別のことをやりますか?」

 

「いや、悪いけど今回は皆に付き合って請われたら助言でもしてやって。教えることも勉強になるから」

 

「了解しました」

 

 得意分野でできるから自分には意味がない。そんな風にも思えるが、ナルトとサスケがどのような試行錯誤で出来るようになるのかを観察するのは悪くない。

 自分ができないこともこんな形で克服するのだという学びになるからだ。

 

(しかし原作で知ってたけど上手い修行だな)

 

 この修行で身につけられることの重要性もあるが、木に跡を付けるというわかりやすい目安、複数人でやることで対抗意識が強くなるなど、やる気を引き出しやすい修行法なのだ。

 その日、日が暮れるまで木登り修行し、疲れて動けない三人を俺が影分身で運搬。

 タズナさんに風呂を借りてサスケとナルトを丸洗いしてから夕飯を頂き、就寝となった。

 無論俺は、就寝前に毎日の習慣である感謝の正拳突きを欠かしたりはしないが。

 それから数日。  

 こんな感じで時間は流れていった。

 

 

 

 おまけ(ギャグよりな修行時の一幕)

 

「あーー、もーー、狭間!!

 もっと手本を見せやがれってば!!」

 

「クソ、どうなってやがるそのコントロールは」

 

「本当に器用よねえ」

 

「奥の手の隠し玉(硬)にはこれができなきゃ無理だからねえ」

 

 しかし請われたのならば手本を見せよう。

 

「極めるとはこういうことだ!!(二重の極み総身的なノリ)、

 逆コアラ」

 

 俺は背中を木に引っ付けて、前世ではオーストラリアに存在した可愛らしい生き物のポーズを決めた。

 

「「「ブフゥーーー!!」」」

 

「なに、一発芸してんの君」

 

「疲れて思い詰めてたので気分転換になれば良いかなと」

 

「まあ、面白いけどね」

 

 キリッとした表情で逆向きコアラなポーズ。それがツボに入った三人は呼吸困難になるほど笑い転げていた。

 

 ちなみにこの世界にもコアラは実在し、動物図鑑にきちんと載っている。さらに皆大好きなチョコ菓子も見た目まんまで存在していた。 

 探せばもしかしたら忍コアラも居るかもしれない。

 

 





 補足・説明。

 なんか感想で前書き後書きの批判がきましたが、この方式は変えません。
 好きなヒロアカ二次創作の影響があり、また作者が説明文が好きだからです。
 
 今話は木登り修行となります。
 原作ではナルトとサクラとサスケの対比がわかりやすかったです。
 あと出来ないからと投げ出さずにサクラに教えを乞うナルトの姿が良かったです。
 ちなみに描写してませんが、再不斬サイドではガトーが再不斬達に文句を言いにきて白がガトーの腕をメリメリしました。
 ガトーの用心棒であるゾウリとワラジをあしらった白は格好良かったです。

 木の葉隠れの里で、狭間はナルト達にチャクラコントロールの修行はしていません。
 自分ができるからと理屈が正しい自信が持てず、監督する上忍がいなかったからです。
 しかしこの修行。
 素足でやればまだやりやすいのでは?
 と思いました(理屈が正しい自信がないので本編には書きませんでしたが)。最初から靴越しで張り付くのは難易度高いかなと。
 できないと意味がないから最初から靴ありでやる理屈もわかるのですが。
 オマケは思いついたギャグです。
 ふざけた内容なので前書きにしようか悩みましたが、修行中にこんなこともしたよ、と思ってください。
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