百式観音を背負いて。   作:ルール

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 忍コアラと仙コアラ。
 絶対可愛いけど、凄く恐ろしい生き物か、凄く残念な生き物かの二択になりますよね。
 NARUTOワールドってカツユ様という最強ナメクジがいるからヤベェ生き物はグルメ界か暗黒大陸レベルでヤバい世界なんですよね。

 あとこの話は特に独自設定、解釈がマシマシです。なので閲覧注意です。



原作3巻②

 

「ふぁ〜〜〜」

 

 ヒマねと呑気にあくびをするサクラ。

 波の国の将来を懸けた橋建設現場でこの態度はあかんでしょと思うがまだ下忍成り立ての十二歳少女に職業理念を身に着けろというのも無理がある。

 同じ立場の(影分身体の)俺が注意するのも違うよなあと思うがどうにかして欲しいものだ。

 

「二人でヒマそうじゃのう。

 あのキンパツ小僧とスカした小僧はどうした?」

 

 そんな俺(影分身体)とサクラに木材を肩に担いだタズナさんが見咎めるというより気になったからと声をかけてきた。

 

「修行中」

 

「お前さんらは良いのか?」

 

「本体は二人の面倒を見てますよ」

 

 監督は本来カカシ先生の仕事だが、再不斬が生存して再度襲撃してくると予想される現在カカシ先生は療養が最優先。

 再不斬が再び来る前に万全な状態でなければ困るからだ。

 なのでチャクラコントロールが得意な、というか特化した俺が監督してサポートしている。

 

「本体か、二人に増えるとは忍術ってのは不思議なもんじゃ。

 しかしお前さんらは良いのか?」

 

「私達は優秀だからカカシ先生がおじさんの護衛しろって!」

 

「再不斬は復調するまでは来ないにしてもガトーの手下が来る可能性はありますので」

 

「優秀ね、ホントか?

 いや黒髪小僧は納得じゃが、増えたしの」

 

 増えるのはナルトの専売特許なんだけど。

 サクラに疑わしげな眼差しを向けたタズナさんはそう呟いてから作業に戻った。

 

「もう本当だってのに」

 

「ま、十二歳の子どもが自分より強いなんて思えないよね」

 

 多分内なるサクラがしゃーんなろーと不満を叫んでるだろうサクラだが、そう疑っているのは実際に会話したタズナさんくらいだろう。

 他の作業者、波の国の大人達は護衛の忍者としてタズナさんから紹介された自分達に目を合わせようともせず声もかけない。

 それは信用できないからではない、怖いからだ。

 前世のアニメであるスクライドのロストグラウンドの市街警察がホーリー部隊所属のアルター使いであるシェリス・アジャーニを恐れたように、一般人は子どもであれど忍者を恐れている。

 一般人にとって忍者、チャクラを操る存在は恐怖を抱く生き物なんだろう。

 サクラはまだ気づいていないが、忍びの里では受けたことのないこんな視線を感じるのもまた経験なのだろう。自分は影分身体だから消えた後に本体に経験を受け渡す存在だが。

 

「ねえ、狭間君?」

 

「どうした春野さん」

 

「いやまあそろそろ班員全員の名字呼びやめてとも思うけど、そうじゃなくて影分身の術って私でもできるの?」

 

 ヒマな彼女は俺がナルトから習った影分身の術を気にしているようだ。まあ便利な術だからな。

 

「覚えは多分できるけど、これって使い手しだいだからなあ」

 

 チャクラ量で極端に差がでる忍術なんだよなコレ。あとチャクラコントロール。

 実は本体が木登り修行初日にカカシ先生に原作で使用された影分身体を用いた修行法を提案したのだ。

 大量の影分身体を用いてその蓄積経験値から短期間で習熟できる反則修行法を。

 しかしこれはあっさり却下された。

 有効なのは認めるし、将来的には許すが今は駄目とのこと。

 その理由はナルト本人にチャクラコントロールが身についていないから。

 影分身の術も実はチャクラコントロールにかなり左右される術だ。

 例として、俺の影分身の術は初日に襲撃してきた鬼兄弟を木の葉隠れの里まで運搬できる性能というか持続力があったがナルトは当然カカシ先生もそんなことはできない。

 カカシ先生は純粋にチャクラ量の問題だが、ナルトは影分身体を作り上げるチャクラコントロールがまだまだ精度が低いからだ。

 中途半端な出来の影分身体では俺が原作知識から予想するような蓄積経験値は見込めないし、不完全な影分身構築が癖になっても困る。

 だから影分身の術修行は良いアイディアだが、ナルトが木登りと水面歩行(あと出来れば九尾チャクラコントロール)が出来てからやるべきなんだそうだ。

 その言葉に俺(本体)は納得した。

 確かに原作ではそれらを熟し、さらに自来也による修行をして基礎を鍛えて螺旋丸を会得してから実行したのだから。

 やはり転生者であるだけの存在が自身の知識を元に下手な修行をやらせるべきではない。

 きちんと先達に確認してからにすべきだと改めて思う。自身に課している四大行修行にしても、自分のことなら自己責任だが他者に気安く教えるべきではない。

 修行研鑽は肉体破壊とセット。

 安全性の確認もせずに行うのは人体実験に他ならない。

 

「そっか。というかナルト、禁術をこんなに広めて良いのかしら?」

 

 間違いなく駄目だが、木の葉丸に教えちゃうからね彼。

 

「サスケも覚えたが燃費悪すぎて使えないって判断したからなあ」

 

 覚えはしたのよ覚えは。

 

「つまりナルトと狭間君がおかしいって話ね。なんか私も自分向きの忍術を探さないと置いてかれちゃうわ」

 

 図書館や資料館調べたらわかるかしら?と続けるサクラ。そこでカカシ先生を頼らないという信頼の薄さよ(日頃の行い)。

 

「疎かになりがちな基礎忍術の練度を上げるのも有りかと。基礎能力が高いのは強みなんで」

 

「それもありね〜、幻術破りとかナルトってできないだろうし」

 

 そんな会話をしながら俺達は橋作りを止めようと仲間に言われているタズナさんを眺めていた。

 

 

 

 場所は移り変わり本体サイド。 

 

「どあああ!!」

 

 吠えるナルトが木を登るというか走る。

 初日を経てもはや後頭部を地面に打ち付けたりはしないものの、その高さは初回のサクラよりも低い。

 ナルトはまだ登るサスケを見て追いつこうと奮起し、サスケは徐々に追いつくナルトに焦る。

 その繰り返しが二人の成長を促している。

 

「おい千手、コツを教えろ!!」

 

「あ、ずりぃ!!」

 

「やれるまで繰り返すこと」

 

「「ふざけんなっ!!」」

 

 ナルトがサクラから教えられたコツ、それはナルトの意地悪でサスケに教えられることはなかった。

 せっかくサスケが(大蛇丸様が狂喜乱舞しそうな美少年の照れ顔(ド偏見))で訊ねたのにだ。

 だから俺に問いかけるが、残念なことに俺は脳筋だった。

 0.1なプラスを何千回も熟して蓄積するのが俺のやり方。

 近道などないのだ。

 

「クソッ」

 

「焦るとより上手くいかないよ。

 チャクラは平常心が肝心」

 

「「それがコツだろうがっ!!」」

 

 いや基礎知識だからね(汗)。

 君等さ教科書もっと読みなさい(チャクラの練り方で教科書に載ってる内容です)。

 

「なんか焦りすぎ。どうしたのさうちは君」

 

「いい加減名字呼びはやめろ。

 焦りもするさ、あの再不斬の部下らしき追い忍の格好したガキはオレ等と同い年程度。

 あんなのが居るのに焦らないでいられるか」

 

 いや白は十五歳だから年上よ?

 間違いなく二年後の疾風伝時系列では追い抜いてた気がするけど。

 

「つーかよ狭間。オレもナルトでいいけどさ、なんで再不斬やその仲間はそんなに強いんだってばよ?」

 

 鬼兄弟さんは中忍だけど君等より弱いけどね(内心小声)。

 

「休憩がてらに説明するか。

 ほら水と兵糧丸飲んで」

 

「ひと粒で丼飯十杯分のカロリー取れる兵糧丸か。なんでできてんだコレ」

 

「どんだけ動いたら太らずに済むんだってばよ」

 

 渡された兵糧丸にげんなりする二人。

 そこで俺は木の葉隠れの任務窓口事務所で購入した、詳細情報が記入された手配書を開いた(漫画設定集というかプロマイドみたいでお気に入り)。

 

「桃地再不斬とその部下の強さだけど、とにかく環境が大きいね。

 ぶっちゃけると、弱いと死ぬ環境で生まれ育ったから生きてる彼らは強い。弱いと死ぬからね」

 

「ぶっちゃけ過ぎだってばよ」

 

 でも事実だ。

 

「追い忍の情報はないけど、再不斬なんかは俺たちと同い年くらいの時にとある伝説を創り出した」

 

「伝説?」

 

「その話をする前に血霧の里と呼ばれた霧隠れの里の忍者になるための卒業試験を説明するね」

 

「卒業試験、俺達がカカシから受けたヤツみたいなのか?」

 

「いいや、そんな優しいものじゃない」

 

 霧隠れの卒業試験それは、

 

「生徒同士の殺し合い。

 同期の仲間、同じ釜の飯を食った仲間と二人一組になり殺し合う。なんでもその時にはなんで組むのかあえて教えずにやらせるから、一番親しい親友同士つまり実力が伯仲する相手と殺し合うことが多いらしい」

 

「「!?」」

 

 前世で読んだ漫画、小山ゆう先生のあずみ、かよと思う。合理的だが情はない。

 まあ木の葉隠れでもダンゾウが従える暗部の根は同じようなことをしてるだろうけど。

 霧隠れはそれを大々的に隠さずやっていたのだ。

 

「そんなことが・・・・・・」

 

「それで桃地再不斬の伝説は、その殺し合い試験で組んだ相手だけではなく百人を超す同期全員を皆殺しにしたこと。

 鬼人という異名はここからきているらしいね」

 

 桃地再不斬の伝説。

 その所業にまだ誰も殺したことのない俺達は圧倒されるしかない。 

 同時に人があれほどの、死んだほうがマシに感じる殺気を放てるようになるのもわかる。

 血霧の里はあまりにも死が身近にある。

 

「ま、それがきっかけで霧隠れも卒業試験を大変革するようになったのは皮肉な話だけどさ」

 

「もともとコストパフォーマンスが悪いから当然だろうが」

 

 冷や汗を流しながら強がるようにサスケは言う。

 まあ確かに育てた忍者候補の半分を失うのは人材的に勿体ない気もするけど。

 

「ところがそうじゃない。

 木の葉隠れのアカデミーと違って、桃地再不斬が通っていたとこは貧民や下層民などの身分が低い者達が集められたアカデミー。死んでも困らない口減らしも兼ねた兵隊養成所みたいだよ」

 

 干柿鬼鮫が味方殺しをした際に共にいた暗号部の連中を見る限り、霧隠れの忍び全員が桃地再不斬と同じ卒業試験を受けたとは思えない。

 そう考えれば、桃地再不斬による大変革後の忍びだったか、身分差でアカデミーが別れているかという発想ができる。

 島国である霧隠れならば生まれ持った身分でカースト制度を敷いていてもおかしくはないからな。

 

「だからこそ、あの強さか」

 

「わかるけど、わかりたくねえってばよ」

 

「俺達が違うだけで、どの里でもやってはいるだろうけどね」

 

 大蛇丸が興した音隠れの里とか。

 

「追忍の方はそんな経験積んだ再不斬の切り札。

 強いのは当たり前でしょ」

 

「ちっ」

 

 舌打ちをするサスケ。

 この説明を受けてわかったのは今の自分ではどうにもできないことだからだ。

 

「知ったところでどうにかなることじゃないけど、そんな相手と戦い勝つんだ。という認識を抱いておくのは大事だからね。

 ・・・・・・・・・それに境遇ならカカシ先生(とこの場の三人)も負けてないし」

 

「カカシがか?」

 

「先生になにがあったんだってばよ」

 

「闇(病み)落ちしないのが不思議なことだらけ。詳しくは本人に聞こう。いやマナーとして聞かないように」

 

「「どっちだよ」」

 

 カカシ先生の話は身内の死ばかりで、再不斬とは別方向にしんどいのよね。

 

「はい、休憩終了!!

 まだ時間はあるし、夕飯までできる限りやろう」

 

「たく、やるしかねえか」

 

「サクラちゃんの才能がちょっと羨ましいってばよ」

 

「言うなナルト」

 

「それ君等もだからねー。

 俺が五つの頃コレができるまで半年かかったから。

 あとミズキにも言わないように」

 

 5歳児がやるのはおかしいけどさ。

 そしてナルトにやらかしたミズキだが実はカカシ先生より一歳年上。

 それであの実力なんだから才能差は残酷だ。

 

「やったらああああ!!」

 

「カロリー使い切らないとヤバいしな」

 

 身体を休めてリラックスをした二人が勢いよく木へと走りだした。

 





 補足・説明。
  
 今話はサクラのタズナさん護衛(この後に波の国で買い物に付き合いました)と、ナルトとサスケの修行です。
 そこで作者の独自か意見を練り込んでいます。

 感想でチラホラあった影分身修行についての解釈ですが、アレは今のナルトにはマズイと判断しました。
 不出来な影分身では蓄積経験値もイマイチな認識です。
 四大行を教えてないのも、自分以外に実験体がいないのに伝授するのが怖いからです。
 HUNTER×HUNTER原作でも念の習得は例外的な念能力を使わない限りは百人に一人しかできませんから(ウイングさんが誰でもできると言ってたような?)。

 桃地再不斬についても独自解釈ありです。
 あの卒業試験、作者はあずみかよと思いました。
 小学一年生の時にあずみ一巻を読んで作者はトラウマになったものです(父が買ってた)。
 でも木の葉隠れでも現在でも根ではやってるんですよね。

 スローペースな波の国編。
 終わるまでどれくらいかな?(遠い目)。
 
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