百式観音を背負いて。   作:ルール

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 ナルト原作を読んで思うのですが、スマホもゲームも無いのに暇つぶしをどうしてんだろ?ですね。
 ナルトとサスケは修行してるからまだマシですが、かなりヒマを持て余しているサクラとか何をして過ごしているのだろう?と思いました。
 実は転生者である千手狭間が修行オタクなのはこれも理由の一つだったりします。
 NARUTO世界は修行でもしてないと令和まで生きた昭和生まれにはヒマなのです(生活費も切羽詰まってないので)。
 マテリアルパズルのミカゼが村を飛び出した理由と似た感じですね(笑)。
 


原作3巻⑤

 

「じゃ!ナルトをよろしくお願いします」

 

 サスケとナルトが木登り修行を終えた翌日。

 カカシ先生も松葉杖を使う必要もなくなり、万全な状況になったといえる。

 完成間近の橋。

 それを作る皆さんを守るための護衛としてナルトを除いた全員でタズナさんと共に橋へと向かう。

 ナルトが限界まで疲労しているせいかまだ寝ているからだ。手がたりないわけではないので今日一日は休ませてやろうというのだ。

 

「じゃ!超行ってくる」

 

 タズナさんと共に俺達は橋へと向かった。

 出発する際に、俺は数日前にカカシ先生と交わした会話を思い出す。

 桃地再不斬についての話だ。

 

 

 

 

「それで相談したいことって?」

 

「桃地再不斬の今の霧隠れの里での扱いについてです」

 

 先日木の葉隠れの里の掲示板で確認した情報。上忍であるカカシ先生なら把握している筈だ。

 

「霧隠れ、クーデターにまつわる話か」

 

「はい」

 

 霧隠れの里を血霧の里と呼ばれる形で支配していた四代目水影やぐらを倒した現水影、五代目水影一派。

 今まで霧隠れの里は外交をしておらず、クーデターを成功させたその五代目水影の人となりや目的を知る他里の者はいない。

 これからどんな政策をとり、どんな里にしようとしているかが一切不明なのだ。

 ただ外交をしてなくとも抜け忍を生きたまま、あるいはその遺体と装備の引き渡しぐらいならば可能ではある。

 これは霧隠れの里の至宝である、忍刀七人衆の七振りの忍刀が木の葉隠れの里の下忍マイト・ダイとの戦いで所在不明になったことが理由らしい。

 抜け忍となった忍刀七人衆を討ち取った場合に忍刀が霧隠れの里に戻るようにしているのである。

 

「桃地再不斬は水影暗殺とクーデターを企み、それが失敗したから抜け忍となった忍です。

 そんな彼は、その水影を討った現クーデター政権からどう見られているのでしょう?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「もし革命の同志、先んじた英雄、などと仲間意識があるならば、彼を討つのは霧隠れの里との今後を考えたら危ういのかもしれません」

 

「確かにな」

 

 桃地再不斬討伐による外交問題発生の懸念。

 それを命懸けで戦う予定のカカシ先生に伝えることが危ういということは承知している。

 殺せない。

 その迷いが実力伯仲する戦いでは致命的な隙となるからだ。

 それでも原作知識がありその為人を知る身としては、彼らに生きて欲しいと思ってしまう。

 彼らが新たな霧隠れの里で、仲間や身内を殺めることなく生きて欲しいと思ってしまうのだ。

 ただ、カカシ先生が現段階で悩むのもまた当然のことなのだ。

 なぜなら五代目水影照美メイの性格と思想と婚期に焦っていることとこれからの霧隠れの里が移民政策をすることを原作知識で知っている俺とは違い、カカシ先生は知らない。

 そしてクーデター政権とは他国の脅威となるのが世の常。

 そんな新たな霧隠れの里に桃地再不斬という、木の葉隠れの上忍でも討伐することが困難な戦力を生きたまま返還することは、外交関係で拗れるよりも危険ではないかと考えてしまうのだ。

 

「・・・・・・・・・狭間の言い分は理解した。

 桃地再不斬は戦いに勝っても殺さずに捕縛するべきなのかもしれない。

 けど、そうすることを前提とすることはできないな」

 

 俺の意見を聞きつつも確約はできない。

 その理由は桃地再不斬が加減できるほど弱くないこと。

 彼が襲いかかってきた場合は殺す気で戦わないと殺されてしまうのは間違いない。

 また本当に現政権の同志か疑わしいこと。

 桃地再不斬は金の為とはいえあの悪名高いガトーと組んだ。

 その時点で桃地再不斬が私欲の為に当時クーデターを画策した可能性を否定できない。

 

「それにあの再不斬はプロ意識高そうだしね。ガトーと揉めない限りは一度受けた依頼を完遂しようとするだろう。

 オレ達がタズナさんを守る限りは交戦は避けられないよ」

 

「・・・・・・・・・はい」

 

 それもまた事実。

 こちらが戦いを躊躇っても桃地再不斬は退かない。ならば戦いは避けられないのだ。

 

「なに心配するな。

 結果がどうなってもお前らが責任を問われる事態にはしないよ。

 それに今の話でオレも、桃地再不斬という男と霧隠れのこれからを見定めたくなったしね」

 

 はたけカカシにとって、血霧の里霧隠れは因縁深い隠れ里。

 同期にして戦友にして自分を想ってくれて親友の想い人だったのはらリンを、自分の手で殺めるきっかけとなった忍び組織。

 それが変わるならば、桃地再不斬が変えようとしていたのなら、その事実を見極めたいのだろう。

 

「すいません、このような話をしてしまって」

 

「いいよいいよ、むしろ下忍成り立てなのに外交まで視野を広げられると知って頼もしいくらいだから」

  

 決戦の難易度を上げた俺にカカシ先生はそう笑いかけた。

 

「再不斬との再戦時に狭間はタズナさんの護衛に専念してくれ。あの追忍の少年が再不斬の部下だったらサスケとナルトに任せる」

 

「はい」

 

「これはタズナさんの安全というだけじゃなく、俺達が負けた場合のフォローを任せたいからだ。

 正直さ、狭間って俺より強いんじゃないかと予想してんだよね。君の修行風景、あの正拳突きを見た感想としてはさ」

 

 む、見られていたか。

 まあ里でも隠してないし、波の国滞在中も毎日欠かしてないからな。

 

「それで、狭間の隠し玉を教えて欲しい」

 

 あ、初日に話したソレを忘れてなかったか。なるべく誤魔化したかったけどしょうがないか。

 

「はい、これはチャクラコントロールを応用した技法で俺は【硬】あるいは【超破壊拳】と呼称しています」

 

 百式観音は体得したが、なんで使えるかどういった理論なのか説明できない。

 ゆえに破壊力だけなら百式観音以上は見込める隠し玉である【硬】あるいは【超破壊拳】について語った。

 

「・・・・・・・・・・・・えっ、ナニソレそこまでチャクラコントロールできるとか、怖っ!?

 そしてそんな破壊力ありそうな一撃をあの正拳突きの速度で打つの?発想がえげつないから」

 

 説明を聞いたカカシ先生は感心を通り越してドン引きし、さらにはサバイバル演習で使われなくて良かったとホッとしていた。

 そういえばHUNTER×HUNTERの登場人物であるウボォーギンの必殺技【超破壊拳】の最終目標は核ミサイルレベルの破壊力に至ること。

 一撃で都市一つ破壊できる拳。

 尾獣玉の火力、完成形須佐之男の一刀を考えれば、もしかしたら鍛え抜けば到達できるかもしれない。

 というか第四次忍界大戦で尾獣玉レベルの火力がなければ敗北する可能性が高いので、そのレベルの威力の技はなんとしてもいるのだ。

 そう考えると、具体的な目標があると、なんかワクワクする自分がいた。

 

「・・・・・・・・・まだ隠し玉ありそうだけど、胃が痛くなりそうだからいいか。

 あと次の戦いでは使用しないでね。

 建設途中の橋を壊したら洒落にならないから」

 

 原作で土遁追牙の術を使い橋を穴だらけにしたあなたに言われたくないです。

 

 こうして数日前のカカシ先生との相談は終わった。

 桃地再不斬の状況は知れて、生かした方が良いが向こうしだいであること。

 結局は桃地再不斬がタズナさんを狙う限りはこちらは退けないのだから。

 けど、それでも原作よりはマシになったと俺は信じたい。

 自分程度が未来ならぬ本来を変えれるとは思わないが、それでもあの二人には生きていて欲しいから。

 なお生かしたいなら【硬】は使うなと強く注意された。

 NARUTOの忍者って人柱力がチャクラを纏わない限り、苦無で致命傷負うくらい紙装甲と言える防御力だからだ(だから我愛羅や君麻呂は無双していたのだが)。

 

 

 そして時間は戻り現在。

 

「なんだあコレはァ!!」

 

 建設現場に辿り着いたら作業者の皆さんは倒れていた(死者がいない点から再不斬の本音が垣間見えた)。

 タズナさんの叫びをきっかけに霧が周囲を包みだした。

 

 波の国、最後の戦いが始まる。

 





 補足・説明。
 
 今話は橋にカカシ達が向かうのと、狭間の相談です。なんとか再不斬と白を生かしたい狭間の悪足掻きですね。
 その結果、カカシは検討しますが基本的に変わりません。
 霧隠れの現状がまだ不明で、再不斬しだいだからです。
 そしてついでに狭間の隠し玉の説明をしました。
【超破壊拳】なんとしても出したい技です。

 あと数話で波の国編は終わらせたいです。
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