百式観音を背負いて。   作:ルール

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 当作品は基本的に原作沿いとなります。
 またアニオリ設定に関してはほぼスルー予定で、劇場版に関しては検討中です(最近レンタル店も減っているので)。
 



原作1巻①

 

 NARUTO主人公、うずまきナルト。

 十二年前に木の葉隠れの里に壊滅的被害を齎した尾獣が一匹九尾を、生まれたその日に封じられた人柱力。

 父は四代目火影波風ミナト、母は先代の九尾人柱力波風クシナ。

 本来ならば、予定通りに何事もなく出産が成功すれば里の人々全員に愛され育つ筈だった子ども。

 だがうちはマダラ、否、うちはオビトによる九尾の封印が弱まる出産時を狙った襲撃により、彼は化け狐宿す忌み子、あるいは化け狐そのものと里の人々に認識された。

 それは木の葉隠れの里において九尾の人柱力そのものが秘匿された存在であり、四代目火影の妻である波風クシナが人柱力であった事実すら知る者が少なかったからという理由もある。

 ゆえにナルトは両親不明の化け狐を封じられた存在として里人から毛嫌いされ煙たがられ唯一人孤独に生きてきた。

 両親不明。

 それがナルトを九尾を封じられた者、ではなく化け狐そのものと誤解されだした要因なのかもしれない。

 孤独に苦しむナルトは次第に人の気を引く為にイタズラをしだすようになった。

 イタズラにより他者が自身に怒り怒鳴ってくる、それすらも関わっていられる、そう感じていたのだろう。

 

 

 さて、

 そんなうずまきナルト少年の事情を原作知識によりよく知っている存在であるこの千手狭間であるが、彼はうずまきナルトと関わろうとはしなかった。

 別にナルトと関わることを周囲から止められたわけではない。

 ナルトと関わることで周囲から迫害される可能性を恐れたからでもない(とはいえナルト本人を見ている限り里人から遠巻きにされど暴力を受けたことはないようだが)。

 原作主人公の孤独と寂しさと苦しみを知りつつもあえて関わらなかった事には理由がある。

 友となり彼に寄り添い、その孤独を埋めようとしなかったことに理由はある。

 一応言っておくが、原作の流れを守るため、などではない。

 それは、子どもが大人が想像する以上に他者からの感情に敏いからだ。

 子どもと一緒に遊ぶとしよう。

 その時には大人も真剣に遊ばなくてはならない。楽しまねばならない。

 でなければ子どもは大人が楽しんでないことを悟り、遊ぶ気持ちが冷めてしまう。

 それほどに子どもは感情に敏い。

 一緒に遊んでいた相手が本心では楽しんでなどなく、自分に気遣って合わせているだけだと察されるくらいには。

 これは前世の経験からではない。

 今の人生で得た実体験である。

 かつて一度だけ俺は同世代の子ども達と遊んでみたことがある。

 ものは試し、精神年齢四十だが六十だかの肉体は子どものオッサンが子どもの遊びに混じったのだ。

 それで肉体年齢に釣られて童心に還れるかと思ったが当然そんなことは起こらず、前世で会社上司の子どもの面倒をみた時のような徒労感と疲労ばかりがあった。

 その時は上手く合わせられたかと思ったが、その日の終わりに遊んでいた子どもの一人である奈良シカマルにやんわりと、

 

「無理して合わせなくていいぞ、メンドクセーから」

 

 と窘められたのだ。

 まあこれは、奈良シカマルという遥か未来に火影の補佐どころか火影になってしまう奈良家の神童の鋭い洞察力だからかもしれないが。

 しかし奈良シカマルが気づいて、うずまきナルトが気づかぬ道理もまたない。

 そして奈良シカマルならば苦言を呈す程度で済んだが、直情的なうずまきナルトならば一気に不快な存在と認定されかねない。

 同情心からの行動が、なにか狙いがあっての行動だと誤解されてしまえば目も当てられない事態だ。 

 幼少期に抱いた嫌悪の印象は年経てなおも揺らぐことはない。ただ悪化だけはするものだ。

 ゆえに俺はうずまきナルトの孤独を知っていても、精神年齢の乖離故に肉体的には同世代である子ども達とは本心から楽しめぬから関われず、ナルトへは同情や哀れみしか抱けぬので接触できないのである。

 

 そんなぼっちな俺の原作開始までの幼少期の過ごし方だが、ひたすらに感謝の正拳突き、だけではなく勉強と修行である。

 大乱が確定しているこの世界。

 どう生きるにしても強くなければ始まらないのだ。

 そして勉強、いわゆる座学なのだが、

 

(超楽し〜〜、面白え〜〜)

 

 凄く楽しいのです。

 勉強はできるなら楽しいとはよく言われる。

 前世ではサラリーマンだった俺は、凄く勉強できるいわゆるエリートなどではないが四則計算くらいは当然できる。

 そこからはもう興味次第。

 原作中忍試験の筆記問題のように忍者用語が用いられるだけで興味が湧き、前世では解けないだろう問題にも挑んでしまう。

 またわからない問題を解く際にどの分野を参考にすれば良いのかわからずに投げ出してしまう場合もある。

 しかし前世の経験のおかげで調べる箇所の目星くらいはつけられるようになっている。

 だから楽しめるのだ。

 他にも暗号解読はパズルゲーム感覚。歴史や文化にいたっては漫画の設定資料集を読んでいるようで、地理はいつか見て回りたいと思えば自然と覚える。

 そんなこの世界の勉強大好きな俺が忍者アカデミー座学トップになるのはある意味で必然だったのかもしれない。

 ちなみに組手でも俺は忍者学校で負け無しである。感謝の正拳突きのおかげか、四大行応用が理由か、それとこの身体は生来の感知タイプなのか、戦う相手の動きを容易く見切れてしまうのだ。

 そのせいか、原作主要人物である男子勢から敵視というかライバル視されてるような気がする。

 

「明日は忍者学校の卒業試験だぞ!!」

 

 そんなことを考えてるうちに忍者学校の人情派教師海野イルカ先生のうずまきナルトへの説教は終わり、変化の術の復習テストが始まった。

 

「次!千手狭間」

 

 チャクラを練り印を組み術を発動。

 俺は百式観音が使えるからといって他の術が使えなくなるような体質ではないらしい。

 ボンと音が鳴り、湯気のような煙がたち、問題なくイルカ先生の姿に変化できた。

 

「よーしOK!」

 

 この効果音と煙は技量次第で消したりできるのだろうか?

 任務中に鳴ってしまえば変化の術を使ったと容易く知られてしまうだろう(だから忍者学校で教える程度の忍術なのかもしれない)。

 

「変化!!」

 

 ん?これはうずまきナルトの声か。

 となれば、

 

「(ボフン!)うっふ〜ん♡」

 

 うずまきナルトから見た海野イルカはこのような姿なのだろうか?

 顔にナルトの特徴がありつつもスタイル抜群な全裸女性へと変化。

 

「「「「すっげーー!!」」」」

 

 その眼福な光景に男子達は大興奮し、海野イルカ先生は鼻血を勢いよくブーー!!とぶちまけて倒れた。

 

(女性への免疫が無さ過ぎだろ)

 

 海野イルカ。

 彼は前世の俺と同類なのかもしれない。

 

「ギャハハハ!!

 名づけて、おいろけの術!!」

 

 ドヤ顔で笑ううずまきナルト。

 女性裸体への変化など古来より当たり前にやっていただろうに。

 パンに具を挟んだだけの物にサンドイッチと名づけた瞬間に立ち会ったような気分に俺はなっていた。

 

(さ、帰るか)

 

 明日の卒業試験は原作と変わらないならば分身の術。この忍術、ナルトが影分身の術を使えるようになったせいか印象が薄い忍術の一つではないかと思う。

 ただ水分身や木遁分身などバリエーションが豊富な術でもあるので、まさしく基本的な忍術なのだろう。

 

(卒業試験のために復習してと)

 

 そして卒業試験後に待ち受けるのはナルトによるあのイベント。

 木の葉隠れの里が原作読者から叩かれる理由の一つでもある。

 

(見学するか?)

 

 隠遁で気配を消してナルトを尾行すれば原作の名シーンを目撃できるかもしれない。

 

(やっぱやめとこう)

 

 でも止める。

 見たいのは山々だが、水晶で監視している三代目火影様がいる。

 見つかるとは限らないが、見つかったら言い逃れもできない。

 無用なリスクは背負う必要はない。

 

(イルカ先生ならばナルトを救ってくれるだろう)

 

 その確信は原作知識からだけではなく、実際に接したからこそわかる。

 海野イルカは、化け狐と煙たがられるうずまきナルトだけではなく、親が亡くなった俺や一族が滅んだうちはサスケのことも気にかけてくれているのだから。

 

 





 補足、説明。
 
 今話はナルト原作一話のだいたい半分になります、原作ではこの後のナルトがイルカ先生に額当てを貰うまでが一話となります。改めて読み返すとかなりボリュームがありますね、コマ割りも細かくて昨今の漫画よりも細かいような気がします。

 今話にてオリ主がナルトの親友にならなかった理由が説明しております。
 同情と哀れみしかナルトに抱いてない人物が友情を築けるわけがないと判断したからです。

 なお奈良シカマルですが、オリ主を拒絶してしまったような発言をしたことを今でも気にしています。
 当の本人はむしろ感謝しているのですが。

 またオリ主の座学観について、忍者学校での状況にも触れました。
 ナルト同期不動のトップ。
 それがオリ主です。

 今後も原作読みつつ考察しながら書いていこうと思います。

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