百式観音を背負いて。 作:ルール
雨隠れの里ってこの段階ではまだ革命してないんですかね?
メタ的にはそこまで設定が決まってなかったでしょうが(守鶴とか設定ブレてたし)、この作品ではまだということにしています。
ちなみに強者感だしてる下忍達ですが、白に勝てる実力者は我愛羅と狭間を含めても5人といません(下手したらリーも危うく、カンクロウとテマリも厳しい)。
再不斬もそうですが、白の実力もおかしいですよね。殺しに徹していたらサスケ達に勝ち目はありませんでしたし。
扉を開けたそこには部屋いっぱいの下忍達。
サクラが横でなんかスゴそうな奴らばかりとゴクリと息を飲むが、実はごく一部を除き霧隠れの中忍で抜け忍だった鬼兄弟以下の実力であることを忘れてはいけない。
「狭間君おっそーい♡」
「リーさんが絡んできたので時間を取られまして」
ガバッと俺に抱きつく第十班の山中いのさん。原作ではサスケにだったが、俺に抱きつくとはそういうことなのだろうか?
いや、落ち着け落ち着くんだ俺。女性との距離感を間違えてはならない。女性との距離感を勘違いしてセクハラでクビになった前世の同僚を思い出すんだ。
明鏡止水、明鏡止水。
「む、これも反応してくれないか」
「いのも大変ね」
明鏡止水、明鏡止水。
というか十二歳に反応したらアウトやん。
「何だよ、こんなめんどくせー試験お前らも受けんのかよ」
「皆お久しぶり」
「シカマル、チョウジ、3日前に狭間の家に集まったから久しぶり感がないってばよ」
続いて奈良シカマル、秋道チョウジも来て第十班は勢揃い。
原作ではナルトからオバカトリオなどと呼ばれた猪鹿蝶の三人だが、頻繁に集まることもあってかナルトもそんな失礼な発言をしない。
そしていのさん離れて。
「ひゃほ〜、みーっけ」
「こ、こんにちは」
次は第八班の犬塚キバと赤丸、日向ヒナタ、油女シノの三人と一匹の感知タイプ班だ。
「おう、ヒナタ!」
「う、うん」
波の国の任務中にナルトに合鍵を渡されて観葉植物の世話を頼まれたヒナタは、波の国から帰還後も観葉植物が気になるという名目でナルトの家を訪れているそうだ。
その距離の詰め方にサクラといのさんは雷遁もとい稲妻が走るくらい衝撃を受けていたなあ。
「お前らもかよ。ったく」
「どうやら今年の新人下忍十人は全員受験のようだな、なぜなら勢揃いだからだ」
「さて、どこまで行けますかねェオレ達」
ルーキーではあるけど今回の中忍試験に我愛羅達とネジ達とオマケに音忍が参加しなければ何気に全員合格圏内にいた気がするんだよなあ。
推薦する担当上忍達の気持ちもわかるよ。
総数百五十四名の受験生。
年上ばかりだが、実力者と呼べる者は殆どいない。
「おい君たち!もう少し静かにした方がいいな」
その数少ない例外が向こうから来たよ。
「君たちがアカデミー出たてホヤホヤの新人十人だろ。かわいい顔してキャッキャッ騒いでまったく」
薬師カブト十九歳。
中忍選抜試験七回目の先輩下忍。
だがその正体はカカシ先生と同格と称された逸材で、大蛇丸の右腕的存在である凄腕忍者だ。
「誰よアンタ?エラソ〜に!」
いのさんが不快そうに聞く。
なんというか下忍って同期以外の付き合いが極端にないような気がする。
一期上のリーさん達もだったが、同じ里の下忍なのに顔合わせする機会もろくに無くどんな人がいるのか知らないのだ。
「ボクはカブト。それより周りを見てみな」
「周り?」
そう言われぐるりと見ると雨隠れの下忍が騒いでいた俺達をギロリと睨みつけていた。
「君の後ろ、あいつら雨隠れの奴らだ気が短い。試験前でみんなピリピリしている。どつかれる前に注意しておこうと思ってね」
雨隠れ、あのペインこと長門達の故郷か。
この時点ではまだ山椒魚の半蔵政権なのだろうか?あの三忍以上の実力のある当代最強の毒使い、まさに小国の雄が統べる隠れ里。
呼吸だけで毒を撒く鎖鎌の達人など、勝つ方法なんて毒が完全に効かない死体人形であるペイン六道による襲撃しかないだろう。
「ま!仕方ないか。右も左もわからない新人さん達だしな。昔の自分を思い出すよ」
そう言ってカブトさんは大蛇丸からの命令なのか個人的な興味なのか目立って短気な音忍三人衆の実力を確かめるためなのか、先輩風を吹かせて自身オリジナルアイテムである忍識札を取り出して説明をしてくれる。
忍識札、にんしきカード。
情報をチャクラで記号化して焼き付けてある札のこと。中忍選抜試験用に四年かけて集めた札(正確にはスパイ活動の為だろうが)二百枚近くある。
片側は真っ白だがカブトのチャクラに反応して情報が表示される仕組み。
その表示は立体的にもなり、まず出された札には今回の中忍試験の総受験者数と総参加国、それぞれの隠れ里の受験者数を個別に表示された。
分かりやすくて便利だけどこれって趣味のレベルを飛びこえて凝ってるなあ。
そういう性格なんだろうか?
これを見たサスケが個人情報が詳しく入っているモノはあるかと尋ねた。
砂隠れの我愛羅と木ノ葉のロック・リー。
現時点でサスケが注目している参加者はこの二人ということらしい。
名前までわかるなら早いとシュッとデッキもとい束から抜き出された二枚の札。
そこには名前、容姿、年齢、チームメンバー、任務経験、さらには体術・忍術・忍具・血統・幻術のステータスがグラフ化されて焼き付けられていた。
これを見るとリーさんは一般家庭出身で、体術以外はてんで駄目だと一目でわかる。
しかし凝ってるなあ。
これを個人で作るとか情報収集を超えた趣味人の域だ。ちなみにいのさんは自分の情報も調べられてこのように焼き付けられてるのではないかと気持ち悪そうかつ不快そうにカブトを睨みつけて俺に身を寄せてきた。
うん、まあ女性は嫌だよね。
ナルトとキバとかシノなんかは俺の札も見せろとはしゃいでいるくらいなんだが(意外とシノは他人からの評価が気になるタイプ)。
ここに集まった下忍達は各国から選りすぐられた下忍であると(八十八名受験する木ノ葉隠れは選りすぐってるのだろうか?)カブトは説明を続けた。
しかしなんかカブトが今やってることってHUNTER×HUNTERのトンパさんみたいだよな。ジュース取り出せば完璧にカブトンパ。
不安そうになる同期組。
ナルトなんかはピクピク震えだし、緊張しているのかとサクラが心配しだす。
だから励まそうとサクラが近寄り声をかけるが、
「オレの名はうずまきナルトだ!!
てめーらにゃあ負けねーぞ!!
分かったかーー!!!」
なんかドンと宣戦布告していた。
「ったくめんどくせー」
「ハッいい啖呵じゃねえか「ワン!」」
「ナルトらしいよね」
「もうコイツは本当にさー」
「このアホがビビるわけなかったわ」
「・・・・・・ナルト君カッコいい」
「実際に多重影分身の術による人海特攻戦術で八割くらいの受験生には勝てるしね」
我愛羅が動いたら一蹴されるけど。
「ああ〜〜スキッとしたってばよ〜〜!」
「フン」
ナルトの啖呵に注目は集まったが同期組の過剰な緊張は解れ笑い出す。そんな明るさがナルトらしく主人公だなと思ってしまう。
ただこれに我愛羅やネジ達は注目しだし、カブトの説明で(狙い通りに)音忍三人衆が動きだす。
「なにふいてんのよアンタ!」
「だってホントのことを言ったまでだってばよ!」
とはいえ無駄に注目を集めたことにサクラはナルトをチョークスリーパーをかけながら叱りだす。
「・・・・・・いいなあ、サクラちゃん」
そんな自然とナルトと密着できるサクラをヒナタは羨ましそうに見つめていた。
いやねヒナタさん、それができる君は劇場版の君だと思う。
「ん」
あ、やっぱり来たか。
「皆、なんか来るよ」
「「「「「!?」」」」」
ガミガミとサクラがナルトを叱る中、敵意と嘲りをもって接近する気配を感じた。
俺の注意にサスケを筆頭に同期組が反応。
カブトも気付いて観察している、やはり敢えて食らい実力を探る気のようだ。
(やるか?)
ここで叩き潰しておくほうが彼らの為になるのだろうか?
そう一瞬悩むが攻撃対象がカブトならば警戒だけで良いか(穢土転生の素材扱いなら助けることは不可能なのだから)。
ザク・アブミが飛び上がり穴空き苦無を投擲。回避したカブトの眼前には狙い澄ましたようにドス・キヌタが現れチャクラを練ってからスピーカーのような篭手を付けた右腕を振るう。
しかし不意打ちではあったがカブトには充分に躱せる速度(本来の実力なら瞬殺できるから、うだつの上がらない下忍程度の実力でも躱せる速度ということになる)。
だが、完璧に回避した筈にも関わらずカブトの眼鏡はヒビ割れた。
「躱した筈なのになぜ眼鏡が、狭間なにかわかるか?」
ネタバラして良いか悩むがサクラやリーさんとシカマル達は戦う展開もあり得るから、原作知識ではなく見た範囲の情報を説明しよう。
「チャクラがあのスピーカーみたいな篭手に集まったのを確認した。右腕を振るった時に風切り音以外に不自然な音がしたし、音隠れの忍ってことを考えるとタネは音波攻撃だね」
戦う時はまず撒菱指弾であのスピーカーを破壊しよう。ドス・キヌタはそれで無力化できる。
ぶっちゃけダサいと思ってんねん忍具頼りの忍とか(忍刀七人衆を除く、ただし金銀兄弟テメーラは駄目だ)。
「「「!?」」」
というかまあ、音隠れの忍ってだけで音使いなのは明白だよね。
音忍四人衆でも音使いは一人だけだったけど。
三半規管を音で揺らされ嘔吐するカブトを見ながら俺はそう解説した。
というかキン・ツチは何もしてないな。
「なるほどね」
俺の分析に音忍三人衆は驚愕し、周囲の受験生は情報収集ができたとほくそ笑んだ。いやわかっても簡単には躱せない攻撃なんだが。
「耳栓で対策できるかな?」
チョウジがそう素朴な反応をするが完全に防ぐのは厳しい。
「繊細な曲で幻術や洗脳に嵌めるタイプならともかく、振動波としての音だから完全には無理だね」
それでも繊細な耳の保護はいるけど。
「テメェ」
「・・・・・・で、続きを戦るか?音隠れ」
敵意を向けるザク・アブミに俺は圧をかけた。
「木ノ葉はベテランよりもルーキーの方が恐ろしいようですね」
ドス・キヌタはこちらを警戒しながらそう言った。いやまあカブトはアレ(スパイ)だけど、ガイ班除いたらそのまんま事実で否定できない(原作二次試験合格者結果から)。
緊迫する空気。
しかしそれは、
「静かにしやがれドぐされヤロー共が!!」
中忍選抜試験第一試験の試験官達の登場で終わりとなった。
さていよいよ始まりか、正直楽しみだ。
補足・説明。
今話は同期集合から森乃イビキ登場までとなります。
ナルトと同期組の関わりが深いので会話がチラホラ原作とは異なります。
またいのとサクラの関係も狭間のせいで変わり、女子三人は恋愛方面で協力関係にあります。まあヒナタが独力でやらかしてますが、彼女は頻繁にナルト宅に通ってますので(なお合鍵は預けたままだったりする)。
下忍達の実力。
基本的に鬼兄弟以下設定です(無慈悲)。
一部除いてナルト一人で勝てます。
なお雨隠れの千本使いは今期雨隠れのトップエリートです。
カブト。
女子たちからは距離を置かれました。
忍だから情報収集は基本ですが仕方ないです。
ドス・キヌタの術。
あっさりネタバレするオリ主。千手一族に容赦はありません。
なおカブト以外を狙ってたら撒菱指弾でドスの篭手、ザクの両手をぶち抜いてました(無慈悲)。
あとどこぞのドブカス発言も内心でしています。