百式観音を背負いて。   作:ルール

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 音忍三人衆の名字が耳小骨のツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨という辺り芸が細かいですよね。
 なお彼らですが、カブトの忍識札に捨て駒、かませ、穢土転生の素体、と記入されました(無慈悲)。
 


原作5巻③ 中忍選抜第一の試験

 

「ではこれから中忍選抜第一の試験を始める」

 

 木ノ葉隠れ随一の強面である森乃イビキさんが試験の説明を開始した。

 志願書を提出し、代わりに座席番号札を受け取りその指定通りの席につく。

 それから筆記試験の用紙が配られる流れだ。

 

「ぺッ・・・・・・ぺーパーテストォオォオォ!!」

 

 ナルトの悲鳴が室内に響き渡る。

 しかしそれはナルトに限らず多くの忍の本音だろう、露骨に顔を顰めたり、表情を青褪めたりするものばかりだ。

 アカデミーを卒業し下忍になってからも座学勉強をし続ける忍は極稀。

 アカデミー卒業と同時に勉強も終わりだと手をつけなくなる者ばかりなのだ(だから忍は無学だと国の官僚に見下される要因となるのだが)。

 一部の事務方に就きたい者、医学系に就きたい者、担当上忍の影響や勧められて勉強をする者などもいるが、これも稀だったりする。

 多くの忍にとって座学とは、任務で必要になったら大至急一夜漬けする程度のモノなのだ。

 そんな座学の代名詞であるペーパーテスト。

 それを中忍選抜試験でやるとなれば悲鳴くらいあげるだろう。

 HUNTER×HUNTERの旧アニメオリジナル展開を思い出す。ハンター試験最終課題時にボドロ氏(キルアに殺された老武闘家)の発言に乗せられたレオリオ、ポックル、ハンゾーが半狂乱になったものだ(クラピカの一理ある発言も大きい)。

 指定された座席番号は班員をバラバラになるようにしてあった、まとまって協力できぬようにだろう。

 席についたら中忍選抜第一試験のルールが説明された。

 単なるペーパーテストにしては少しばかりおかしなルールを。

 

①最初から各受験者には満点の十点が与えられている。試験問題は全部で十問・各一点とし不正解だった問題数だけ持ち点から点数が引かれる。減点方式。

②試験はチーム戦。

 三人一組(一部四人一組)の合計点で競われる。例外班は合計点数ではなく平均値。

③「カンニング及びそれに準ずる行為を行った」と見なされた者は、その行為一回につき持ち点から二点ずつ減点される。

④試験終了時までに(カンニングにより)持ち点全てを失った者及び正解数が零だった者は失格とする。またその失格者が所属するチームメンバーも道連れ不合格とする。

⑤試験時間は一時間。

 

 とまあ長々と説明されたわけだが(ゴンだったら耳から煙でて頭が爆発してそう、ナルトは平気だった)、単なる学力を測るためならばあまりにも奇妙なルールである。

 学力試験ならば規定点数以下は失格、で済む話なのだから。

 ゆえに受験者達はこのルールと試験の難問さからこの試験の意図を察する必要がある。

 すなわちカンニング公認の偽装・隠蔽術を駆使した情報収集戦を見る試験でもあると。

 忍にとって情報収集能力は重要である。閉鎖されたこの室内で正答を知る者を探り当て、その人物から情報を得られるならばその能力がある証明となる。

 しかしそれとて、この試験の真の課題ではない。

 忍なら裏の裏を読め。

 情報収集能力を見る試験、ではまだ裏しか読めていない。

 この試験の本題、裏の裏とは、

 ここ一番で勇気を示し苦境を突破していく能力、揺るがぬ意志である。

 中忍という部隊長、仲間の命を預かり指示を下す立場の者に、自らの運命を賭せない者や容易くチャンスを諦めていく者は不適切なのである。

 

 

 と中忍選抜第一の試験の意図はこんなところだが、我が第七班には特に心配がない。

 サスケは写輪眼で情報収集が可能。

 ナルトには揺るがぬ意志がある。

 サクラと俺は自力で試験を全て解ける(試験官達が一番ドン引く受験者タイプ)。

 まあ原作知識ある転生者ならば何もしないでも合格できると知っているわけだから一時間寝ているのも手だが(それはそれで失格になりそうな気も)、俺はペーパーテストを満喫するつもりだ。

 情報収集なら【円】を【隠】した状態で使用すれば可能ではあるが、応用技に高等技を重ねるわけなので物凄く疲れるから普通に試験を解くほうが楽なのだ。

 ・・・・・・・・・そういえば原作でヒナタが隣の席の想い人であるナルトに自分のテストを見せようとしたが、彼女もまた自力でテストを解けたのだろう。

 家柄良く、容姿も良く、戦闘力も(同世代では)高く、頭脳明晰な才女。彼女に想われてるナルトは果報者である。

 

「始めろ!!」

 

 さあ試験開始だ。

 

 

 場所は変わり、人生色々と看板かかる担当上忍休憩所。

 

「ま、しかし部下達がいないとヒマになるねェ〜。任務お預け!」

 

 今期木ノ葉ルーキー下忍担当上忍である、はたけカカシ、夕日紅、猿飛アスマはくつろぎながら雑談に興じていた。

 喫煙するアスマ、その隣に座る紅、コーヒーを横に置き何やら書かれたルーズリーフの束を読むカカシ。

 その話題は自然と中忍選抜試験のことになる。

 

「なに、すぐに忙しくなるに決まってる」

 

「何で?」

 

「今年の第一の試験官、あの森乃イビキだそうだ」

 

「よりによってあのサディストか」

 

 元暗部であり幾人もの敵の忍、捕虜や内通者を引き渡したことのあるカカシは森乃イビキのことをよく知っていた。

 

「サディスト?」

 

 しかし紅は新米上忍で任務上の付き合いもなかったらしく知らなかったようだ。

 拷問と尋問のプロ。

 木ノ葉暗部、拷問・尋問部隊隊長。

 特別上忍・森乃イビキ。

 試験に肉体的な拷問はありえないが、尋問スキルを活かした精神的な苦しみを受験者達に強いていることは間違いないのだ。

 

「ま、うちの連中なら大丈夫でしょ。苦境やら精神的な苦痛は慣れてるし」

 

 とカカシはあっけらかんと言う。

 

「「・・・・・・・・・・・・」」

 

 その発言に上忍二人は押し黙る。

 うずまきナルト、うちはサスケ、千手狭間、ついでに眼の前のはたけカカシ。

 彼らの境遇を考えると、笑えない。

 いや本当に笑えないからだ。

 

「で、さっきからお前は何を読んでんだカカシ」

 

 イチャパラシリーズ以外を読むなんて珍しいと、アスマは話を変えるように話題をふった。

 

「ん、狭間が考えたチャクラコントロール技法、四大行のまとめをね。下忍が、子どもが創り出したとは思えない技法と性能だよ」

 

 正確には千手狭間が考えたのではなくとある伝説的作家なのだがそれは置いておく。

 

「狭間。谷間のヤローのガキが、あのヤローみたいな変態にならなかったのだけは救いだな」

 

「故人に失礼よアスマ。それに谷間さんになんてことを」

 

「はっ、【ファザコン拗らせて女泣かすクソゴリラ野郎の玉なぞ不要なり!】と叫んで襲いかかられたんだ俺は。

 今なら言ってることは理解するが、嫌うのはやめられん」

 

「ファザコン拗らせて里出たのは事実でしょアスマ。そしてよく無事だったねお前」

 

「地陸が助けてくれなければ危うかった」

 

 猿飛アスマはその時の恐怖と理不尽を思い出してブルブルと震えだす。

 

「(あ、私が相談したからか。そんなことしてくれたのねあの人。でも、もがれたら私も困ったのだけど)」

 

「? どうした紅」

 

「いえなにも」

 

 何やら思い当たることがあった夕日紅だがカカシに尋ねられたが誤魔化した。

 

「ま、気になるなら読んでみ。色々参考になるから」

 

 そう言ってルーズリーフを差し出すカカシから二人は受け取り読み出した。

 

「「ふむふむ・・・・・・(軽い気持ち)」」

 

「「ふむふむ・・・・・・(驚き)」」

 

「「ふむふむ・・・・・・(感心)」」

 

「「ふむふむ・・・・・・(汗)」」

 

 所詮は下忍の思いつき。

 誰もが一度は通る、ボクの考えた最強の忍術・修行法、の類だろうと考えて軽い気持ちで読みはじめた二人だったが、読み進めるごとに冷や汗を掻き出していた。

 この技法の有用性と、使いこなせた場合の強さと恐ろしさにだ。

 

「「ふぅ」」

 

 読み終わった二人はそう疲れた表情で息をついた。

 

「なあカカシ?千手狭間はコレを全て、机上の空論ではなく使いこなせるんだな」

 

「眼の前で実践してくれたからね」

 

「・・・・・・そうかい。まったく、まさに谷間のヤローのガキだな。方向性は違うがよ」

 

 机上の空論を現実にする。

 不可能を可能にする。

 それは千手谷間の十八番だったのである。

 

「でしょ?」

 

「・・・・・・うちの班、やっぱり見送れば良かったかしら?狭間君と同じ試験にすべきではなかったわ」

 

「ま、ナルト達同期組は少なからず影響受けてるから平気でしょ。また谷間さんと違って本人に分別はある。この四大行にしても同期に教えてよいか確認してきたくらいだからね(一部の許可は出した)」

 

「谷間のヤローは問答無用の唯我独尊ヤローだったから、まだマシか」

 

「もうアスマ!」

 

「ガイとか苦手だったらしいけどね谷間さん」

 

 担当上忍達の会話は続く。

 部下である下忍達、お世話になった今は亡き先達のことで。

 

 

 一方、中忍選抜第一の試験はナルトの啖呵により終了。

 合格者数は79名。154名からほぼ半数が脱落したのである。

 それでも多い、今回の第一試験は甘い。窓ガラスを突き破って現れた第二試験官みたらしアンコの言葉から中忍選抜試験の厳しさがよくわかるというものであった。

 

 第二試験は場所を移す。

 そこで待ち受ける戦いは、転生者千手狭間の予想を超えたモノになることをまだ誰も知らない。

 

 





 補足・説明。

 今話は中忍選抜第一試験となります。
 説明だけで全部カットしましたが。
 理由は狭間が全問自力で解く以外は原作と変わらないからです。
 ただこの試験で眼鏡なし薬師カブトというレアな状態が見れるので原作必見です、どうでもいいか。
 また以前の前書きで紹介した赤門マナブさん(38歳)は森乃イビキさんの最終問題説明までは居たので、最終問題辞退組のどれかに居たのでしょう。
 次の試験で我愛羅と大蛇丸が参加なので懸命な判断だったかと思います。髭面眼鏡のネクタイの男性です探してみましょう。

 カカシ達担当上忍組の休憩。
 この後に第二試験で一週間泊まり込みであると知らされ各家族に連絡しにいくことになります(カカシ班はサクラのみ、その時にイルカ先生にナルトの自宅管理を頼んだ)。

 千手谷間との関係。
 夕日紅からは頼れる先達。
 猿飛アスマは言ってることは一理あるが襲いかかってくる変態。
 かつて里を抜け守護忍十二支入りした際にアスマは谷間に襲撃されて玉を取られかけました。

 四大行。
 これをきっかけに徐々に知れ渡ります。

 HUNTER×HUNTER旧アニメ版オリジナル展開。旧アニメ版だったよね?記憶違いならすいません。
 ハンター試験の最終試験はなんだという話題になった合格者たちの雑談中に、キルアに殺されるボドロ氏が筆記試験だと思いつきで発言して、レオリオ、ハンゾー、ポックルが信じてしまう話。なおボドロ氏は何の根拠もないがの、と締めてヒソカは、なんだ♡と聞いてたが三人は聞かずに資料室に走り出していた。

 
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