百式観音を背負いて。 作:ルール
みたらしアンコさんはナルト達との戦闘後の大蛇丸と遭遇し戦闘するも呪印を刺激されて無力化されました。
しかし呪印のこのシステムは日向一族のものか、根の舌に刻まれたのが元なのかもしれません。
あとみたらしアンコさんが呪印を刻まれてるってことは、重吾確保し実験後まで側仕えして失敗したから木ノ葉に捨てられたのですかね?
遠方にて空気が弾けるような音が響き渡る。
遠方にて狭間が何者かと戦い続けているのだと春野サクラは理解しているが、意識を失い気絶する二人、特にサスケは呼吸こそ整ってきてはいるが熱は治まらず時折うめき声を上げている。
今の二人から離れるわけにはいかず、ゆえに狭間に助けを求めにいくこともできない。
狭間のことだって本当は助けにいきたい。
けれど大蛇丸と遭遇し交戦から敗北して数時間。ずっとあの狭間と戦い続けるような相手に自分なんかが何をできるのかとサクラは思ってしまう。
千手狭間は強い。
その事実を第七班、さらに同期メンバーで知らぬ者などいないのだから。
ハンカチを手持ちの水で湿らせ絞りサスケの額に置く、それが現状のサクラにできる精一杯の看病。
幸いなことにナルトは苦しむ様子はない。一度大蛇丸の五指に突かれた腹部を見るがそこには傷跡一つ無かった(封印式はナルトがチャクラを練らないと浮かび上がらない為、サクラが見た時には消えていた)。
熱の下がらぬサスケを特に気にして、他の受験者の襲撃に警戒し罠を用意しての寝ずの番。
チャクラが練れるように普段は絶対に口にしない狭間から譲られたカロリーモンスターな兵糧丸(美味しいのがさらに酷い)を食す。
できる限りの備えを彼女はした。
あとはただ二人が目覚め、狭間が勝利して合流してくれるのを祈るのみである。
ちなみに千手狭間と君麻呂の戦闘が終わらない理由は両者共に生来の体質と後付の呪印で自然エネルギーを吸収しながら戦っているからである。
千手とかぐや、タフであることで有名だった一族の末裔である二人は皮肉にも同種の力を得て互いに終わらぬ戦いに心折れることなく決定打無き千日手を続けていた。
眠気に意識を失いコクリと首を傾きかけるサクラではあったが、まだ続く戦闘音を聞けば眠気覚ましとなる。
千手狭間が生きている。
それは彼女の希望であった。
見上げても先端の見えない木々の隙間を覗き見れば、そこには日差しが光る。
もう一晩は過ぎ、夜明けの時間となっていた。
何事もなく一晩たった。
その事実に安堵するもガサと茂みから音が響き、即座に苦無を握りそちらを見る。
強まる鼓動を感じながらそちらを見れば、そこにはチョコンと樹の実を持つリスがいた。
食いでのないリスを狩る者が少ないのか、それとも餌を貰ったことでもあるのか、自身より大きな生き物であるサクラ達に警戒せずに近寄るリス。
襲撃者ではないことにホッとしたのもつかの間、リスの進む先に先程仕掛けた罠があることを思い出し苦無を投げて追い払う。
だから彼女はリスの背に音忍三人衆が貼り付けた起爆札の存在に気づかなかった。
それが襲撃者の嫌がらせのような最初の攻撃だったことも。
する必要もない単なる悪趣味な嫌がらせ。
小動物の命もて遊ぶその所業が、木ノ葉の美しき碧い野獣を呼び込むことになることを音忍三人衆は知る由もなかった。
ロック・リーが班員とわかれ偵察についた途中、自分ルールで修行を開始してリスを助けることを優先した結果片思いで終わることが決定した頃。
今期木ノ葉ルーキー班である第十班は偵察をしていた日向ネジと遭遇していた。
慌てて隠れはしたものの、相手は昨年度No.1ルーキーにして日向の神童日向ネジ。
日向一族固有瞳術白眼を用いずとも茂みに隠れた程度で誤魔化せる筈もない。
(どうする戦う?)(一人だし猪鹿蝶コンボならなんとかなるかな)(勝算がねえわけじゃねーが厳しいぞクソメンドくせー)(あーもー狭間君達と合流する予定だったのにー)(キバ達はもう塔だろうしね)(感知タイプが有利過ぎな試験だろ)
「こそこそ隠れずにでてこい」
(((やっぱ気づかれてた)))
(向こうが戦う気ならオレからだ、柔拳使いにチョウジで抑えんのは厳しい)(シカマルが影真似してボクが壁になって成功したら)(あたしが心転身を使って無力化ね)(まずは交渉、オレはチャクラ練るからいのが頼む)(オッケー、突撃されたら頼むわよチョウジ)(うん)
「どうも日向ネジ先輩さっきぶりですねー。お一人ということは偵察ですか?」
「いや朝だしご飯の用意かもよ?さっきボク木苺見つけたし」
軽口を叩きながら茂みからでてさり気なく距離を詰める。
夜であれば奈良家の秘伝忍術影真似の術の独壇場であったが夜明けとなり影は限られる。
舌打ちしたくなるシカマルだが、手裏剣ホルダーから紐付き苦無を取り出し自身の影と繋ぎ握る。
「・・・・・・なんだお前達か」
同期メンバーである日向ヒナタから日向ネジのストイックな性格を聞いているいのは効果のない色仕掛などしないし、恋する乙女として意中の相手以外にそんなことはしたくない。
「他の受験者とはあたし達は遭遇してませんが、水と食料の情報ならありますよ」
巻物を奪い合わずに情報で手打ち。
遠回しのその会話に日向ネジは、
「去れ」
そう見下すように告げた。
(((来たのはお前だ!!)))
(どうするやる?)(えーやだよー)(避けられる戦いをやるなんてリスクたけーだけだやめとけ)
「はーいわかりましたー♡」
見下される態度が気に食わないが、巻物を所持してる保証もなく、さらに別れた班員からの援護も考えて第十班は引き下がることを選択した。
猪鹿蝶の連携なら勝ち目はある。
だが心転身と影真似で無防備になるところを日向ネジの仲間に攻撃されてはたまったものではないのだ。
「(フン、あれで旧家の宗家一族か)」
あっさり逃げた三人に対して日向ネジはそう思った。分家の苦悩と悲劇を知る彼は旧家の血筋の者に対する反発心があった。
「しかしこの鳴り響く戦闘音はなんだ?一度確認すべきか」
偵察してから聞こえてきた音に興味をひかれ、そちらへと向かうのであった。
「クク・・・・・・寝ずの見張りかい」
恐れていた事態がついにきた。
「でももう必要ない。サスケ君を起こしてくれよ。ボク達はそいつと戦いたいんでね!」
(こいつらの額当て。あの大蛇丸と同じマーク、部下だとでもいうの)
大蛇丸。
そう名乗った人物の素性をサクラは思い出していた。狭間の影響で読むようになった手配書(初の木ノ葉外任務で桃地再不斬と遭遇したのも一因)、そこに記されていた最大級の危険人物にして木ノ葉の抜け忍。
そんな存在が新たに里を興し、木ノ葉隠れの同盟国として中忍選抜試験に参加しているのだからとんでもない事態だ。
「あいにくとサスケ君はアナタ達のお仲間の大蛇丸に手を出されて戦えないわ。起こすなんて無理よ」
このサクラの話を聞き三人衆は驚愕する。
殺れと言われた人物に、殺れと命じた本人が先に接触していた。
(うちは一族の生き残りとの戦い。ボクらの実力を試す為かと思っていたが違うのか?)
ドス・キヌタは疑問を持ったが、命令は命令だと引き下がりはしない。
「さーて、あの人は何をお考えなのかな」
「あの方が仕損じたんだ、きっちりオレ達で殺らねーとな」
ただザク・アブミは別の解釈をしたようだった。ただ殺す為に襲い、失敗したから後始末すべきだと。
「待て!ザク」
進み出るザクをドスが止める。
サクラが先程のリスの進行を止めた位置に行くと彼女の仕掛けたブービートラップを剥がす。
「チィくだらねえ」
ザクはそう吐き捨て、三人衆は第七班の命を奪うために襲いかかる。
飛び跳ねて近寄ろうとする音忍達にサクラはもう一つのトラップを使う。
固定されたワイヤーを切れば吊り下げられた丸太が叩きつけられる仕組み。
直撃すれば吹っ飛ばせると判断していたが、ドスの右腕のギミックで強化された音波に砕かれる。
吊り下げるために軽量な空洞の枯れ木を選んだことがサクラの失敗。
それでは足止めにすらならなかった。
「はっきり言って才能ないよ。そういうヤツはもっと努力しなきゃダメでしょ」
サクラは来るならば迎撃してやると右拳にチャクラを集め握りしめる。
大蛇丸に改造を施された下忍が才能や努力を語る姿は滑稽であるが、現時点は実力が勝るドスは見下しながらサクラ達へと飛び掛かって、
「木ノ葉旋風!!」
駆けつけたロック・リーに三人まとめて薙ぎ払われた。
「くっ」「!?」「!?」
「だったら君達も、努力すべきですね!」
「な、何者です・・・・・・!?」
木ノ葉の美しき碧い野獣ロック・リー。
リスを肩に乗せ颯爽登場!
補足・説明。
今話はサクラによる二人の看病、ネジと猪鹿蝶、音忍襲撃となります。
狭間は君麻呂とずっと戦っています。
まる一晩百式観音使えるスタミナはおかしいですね、これが若さか。
君麻呂も死病ながら気張ります。原作の死亡タイミングより早いからできることですね。
ネジと猪鹿蝶。
原作とは違う猪鹿蝶です。
木ノ葉最強コンビネーションだけあって嵌まれば日向ネジでも厳しいかと。
同期メンバーとの自主練でそこら辺が増しています。
ロック・リー。
颯爽登場しました。
しかし颯爽登場、なにかで聞いた覚えがありますが、何でしたっけ?
キリがいいのでここまでです、