百式観音を背負いて。   作:ルール

34 / 85

 ロック・リーが一番かっこよかったのはもしかしたらここかもしれませんね。
 一番強く見えたのが我愛羅戦。
 君麻呂戦は酔拳。
 それ以降はガイ先生が活躍しちゃいましたね。



原作6巻⑤

 

 颯爽と登場した人物。

 それはサクラ達第七班より一期上の先輩にあたる下忍、木ノ葉隠れのロック・リーであった。

 中忍選抜試験申し込み会場で衝撃的な初登場をし、さらに一目惚れした春野サクラにその場で強烈な告白をした彼は、

 

「アナタがピンチの時はいつでも現れますよ」

 

 と実にイケメンなセリフを決めた。

 本当はそんなことはない。

 感知タイプでもなく、ストーキングしていたわけでもない彼が現れることができたのは肩に乗せたリスのおかげ。音忍三人衆に起爆札を貼られたリスを助け、近くに忍が居ると判断し偵察をしていたところこの場面に遭遇したのだ。

 想い人の危機に間に合わせてくれたリスに感謝しながら戦いに巻き込まれぬように優しく離してやる。

 

「とにかくありがと。助かったわ!」 

 

「前に一度言ったでしょ。

 死ぬまでアナタを守るって」

 

 告白の時に言ったこのセリフ。

 これはサクラが告白を了承してくれたら実行する取引内容に非ず。

 これから先、如何なる状況であれどそうすると決めた彼の決意の表れである。

 もっとも起爆札を貼られた野生動物を助けてしまうくらい元より善人で人が良く、さらには女性を大事にする男らしさを持つ彼ならば、一目惚れしたサクラ以外の女性であっても危機的状況ならば全身全霊で助けることは間違いないが。

 

「仕方ないなぁ。

 ザク・・・・・・サスケ君は君にあげるよ。

 こいつらはボクが殺す」

 

 ドス・キヌタは地の巻物をザクへと放り投げながらそう言った。

 任務でありながら遊び感覚。

 それは音隠れの忍が他里よりも過酷であるという自負と、あの大蛇丸に選ばれたという自信、その二つを根拠とした強者であるという自惚れからきていた。

 大蛇丸により改造された右腕をダボダボな服から捲りあげそのスピーカーのような篭手を露出させると、ロック・リーと春野サクラへと襲いかかる。

 その攻撃に合わせてロック・リーは地面へと右腕を突き刺す。防壁となる木の根を引き抜く為である。

 ドス・キヌタの攻撃を受けた木の根は当たった箇所が見えないナニカに抉られたように吹き飛んだ。

 

「君のその右腕に仕掛けがあるのはわかっている。バカ正直には避けないよ」

 

 中忍選抜試験第一試験開始前に音忍達がしでかした騒動。

 主である大蛇丸から知らされていなかった音忍下忍達の実力を計るためにスパイにして右腕である薬師カブトが行った挑発。  

 まんまとのってしまったドスは実力のみならずその能力まで無駄に披露してしまった。

 さらに原作知識を実際に目撃すれば語れるようになる転生者千手狭間によって、カブトに攻撃を加えたドス・キヌタはほぼ正確に自身の忍術である大蛇丸により与えられた(改造された)能力を説明されてしまった。

 音を操る忍術。

 脅威ではあるが防ぐ手段はある。

 

(・・・・・・とはいえ1対3でサクラさんを含めて3人を守らなければいけない不利な状況で分が悪い。  

 賭けに出て、一人ずつ全力で潰す!!)

 

 しかし第七班のもう一人の班員である千手狭間はどこに居るのか?第七班3人が口を揃えて木ノ葉最強の下忍であると評した人物についてロック・リーは気になっていたが、口に出して訊く余裕はなかった(もう戦闘音はやんでる模様)。

 一人ずつ全力で潰すと決めたロック・リー。

 それは今の状況と合わさって、心置きなく彼の奥の手の一つを使用できることを意味する。

 あの日向始まって以来の天才、日向ネジにすら体得できなかった伝説の忍術にして禁術。

 木ノ葉、否、忍界最強の体術使いマイト・ガイの奥の手にして必殺忍術。

 使用時に筋細胞に多大な負担を強いて強力な威力を引き出す捨て身の技。

 その教えを受けた日のことと、恩師との使用条件の約束を思い出す。

 それは、その条件とは、

 

【大切な人を守る時!!】

 

 マイト・ガイ。

 彼の中に師にして父である最強の万年下忍マイト・ダイの教えは魂まで刻み込まれていた。

 教え子にその在り方を継がせる程に。

 両手の包帯を解き垂らす、片手印を組み術を発動。

 必勝の型、接近して音波攻撃に持ち込もうと突撃するドス・キヌタの眼前から消えたように見える速度で加速。

 

(消えた!?)

 

 写輪眼を発動したうちはサスケですら見きれなかった動きを(なぜか片目隠した)ドス・キヌタが追える筈もなく、上空に跳ね上げられる程に強烈な蹴撃を顎にくらう。

 

「まだまだ」

 

 しかしそれだけで常人ならばノックアウトできそうな一撃もまだこの技の途中。

 木ノ葉秘伝体術影舞踊で追い、解いた包帯でドスの全身を拘束。

 受け身が取れぬように縛られたドスをリーは背後から抱き抑える。

 

「あれじゃ受け身も取れねぇ!!

 ヤ・・・・・・ヤバい!!」

 

 余裕をぶっこいていた音忍ザク・アブミが忍術を使い助けなければと判断するほどのドス・キヌタのピンチ。

 しかし援護は彼しかできないわけではない。

 

「やらせるかっ!!しゃーんなろー!!」

 

 春野サクラは見ているだけに非ず。

 千手狭間直伝チャクラコントロール技法【凝】で右拳を強化して木の根を殴り砕き、その破片を忍術を発動し地面に手を当てようとしたザク・アブミに向けて吹っ飛ばす。

 

「はぁっ!?ぐふへっ!?」

 

 狩られるのを待つだけの獲物。

 そう見下し認識からすら外していた存在からの思わぬ一撃にザクはあっけなく直撃。

 仲間への援護は失敗へと終わり、

 

「【表・蓮華!!】」

 

 回転すら加えて威力を跳ね上げた叩きつけ技をドス・キヌタは一切威力を軽減されることなく直撃した。

 地面に直撃する瞬間に包帯を外して離脱。

 ロック・リーの神業的体術あればこそである。

 逆さ向きに身体が地面に突き刺さったドス・キヌタ。これが石畳だったら赤い液体に塗れた一輪挿しが出来上がる所であるが、ザク・アブミがその大蛇丸に与えられた忍術で地面をスポンジ状態にできなかったため表・蓮華の凄まじい威力で地面へとめり込んだ(回転でドリルのように掘削したのかもしれない)。

 逃されなかった衝撃でドス・キヌタは尋常ならざるダメージを受け、意識を失った(普通は即死、そこは大蛇丸が手を加えた下忍だけある)。

 

「ハァ、ハァ。よし、まず一人」

 

 八門遁甲の術。

 肉体リミッター解除の反動がロック・リーへと還ってくる。

 一発の表・蓮華で激しく疲弊。

 それが13歳である彼の状態。

 

「ドスッ!!

 クソゲジマユ!!そしてオレを妨害した女ァ、よくもやりやがったな!!」

 

 援護失敗かつ無様に木片をぶち当てられ吹き飛ばされたザク・アブミの激昂。

 それはドスを殺った(一応生きてます)ロック・リー、自分を邪魔した春野サクラ、そして、

 

「テメェもなんで棒立ちして見てやがったっ!!キンッ!!」

 

 もう一人の仲間、キン・ツチへと向けられた。

 だが、

 

「ぐぅ」

 

「それはコイツのことかしら?」

 

 怒りの表情を向けたその先には、倍加された秋道チョウジの腕で地面に押さえつけられ、山中いのにその頭を踏み躙られたキン・ツチの姿があった。

 

「ハァッ!?」

 

「人の親友を狙っておいて、自分らがやられないとでも思ってたの?」

 

 怒りに震える山中いの。

 死亡自己責任の書類にサインしたこの試験。

 負けて死んでも自己責任であり、仲間を殺っても責め立てるのはお門違い。

 けれど試験以外の目的が見られた様子、見下し嬲ろうとする意図が透けて見えた態度。

 それを許せたら友人などやっていない。

 次代猪鹿蝶、第十班。

 友人が為に参戦し即座に無力化。

 木ノ葉最強コンビネーション一族に、不意を打たれて回避できる者などそうそういない。

 

「いの・・・・・・」

 

「貸し一つよ、サクラ」

 

 二へへと親友に向けて山中いのは屈託なく魅力的に笑顔を向けた。

 その乙女達の友情に。

 

「美しい」

 

 ロック・リーは感動の涙を流していたりする。

 

(ボク達は?)(言うなチョウジ、野暮ってやつだ)

 

 なお当然友人を救うことに異論はないが、いのに付き合い協力した二人はまあいいかと頷きあう。彼らもまた友人想いで人が良い。

 

「チッ、しょうがねえ。

 オレが一人で皆殺しにするしかねえか」

 

 仲間二人の敗北。

 残るは自分一人の1対5。

 それでもザク・アブミは揺るがない。

 自分なら出来ると確信している。

 なぜならば自分はあの偉大なる大蛇丸に選ばれたから、自分は特別な存在なのだから。

 こんな温い、仲間だ友人だほざく連中に負けはしないと驕り高ぶる。

 

 それはあまりにも自己評価高すぎで、サクラ達の実力を見切れず、現実が見えてないのであるが。

 

 そして、そんな状況下でありながらうちはサスケの首すじからは煙がたち、呪印の肉体への定着と同調はもう終わりまできていた。

 

 

 

 すこしばかり時間は戻る。

 死の森揺らす戦闘音を聞きつけた日向ネジは白眼による確認ではなく直接見に行くことを決めた。

 それはどんな相手が戦っていても自分なら問題ないという確信からあった。

 実際彼の実力は今回の中忍試験で3番手にあたる(成りすました大蛇丸、君麻呂除く)、自負というほどではない事実である。

 しかし彼が向かう先に居る、戦っている人物こそ今回の試験参加者最強であり、その相手をしている存在は音隠れ首領にして三忍大蛇丸最強の手駒である(呪印2状態の君麻呂はカブトより戦闘力は上)。

 千手狭間とかぐや君麻呂。

 十代に限れば紛れもなく最強の両者の決戦。

 日向ネジはそれを目撃した。

 して、しまった。

 

 

「覇ア嗚呼ああ嗚呼ああっ!!」

 

 黄金の観音像が千手狭間の所作によりその大木のような百手を振るう。

 

「大蛇丸様アァアアアっ!!」

 

 全身から鋭く禍々しく骨を突き出し生やし尾まで伸ばした魔獣が如き異形の人物は忠誠の叫びを上げながら、百手が直撃し吹き飛ばされようとも態勢を立て直しては突き進む。

 絶え間ない百手の奔流、無限に繰り返される閃光が如き機動進撃。

 ぶつかり弾け森を揺るがすその光景は、忍界大戦時でも滅多にお目にかかれない激戦。

 

「なんだ、コレは・・・・・・・・・?」

 

 自他ともに認める天才日向ネジ。

 その見てきた世界を価値観すらもぶち壊すほどの決戦舞台。

 一晩中繰り返された戦い。

 死病に侵され百式観音に叩きのめされ続けた君麻呂は、かぐや一族の屍骨脈と重吾由来の呪印の力をもってしてもそのダメージから口元から血を吐いていた。

 千手狭間もまた満身創痍。

 初手のしくじりによる脇腹への負傷はふさがりこそしたが、左肩には骨で出来た穿剣が突き刺さり、手足を含めた身体の各所に骨片轢弾が命中したことで弾痕が出来ていた。

 いつ死んでも可笑しくない両者。

 当人達の意地が戦いを続けさせ、取り込まれる自然エネルギーがその命を繋いでいた。

 

「未熟、あまりに未熟!

 修行が足りない!!

 なってない!!

 百式の繋ぎが出来てない!!

 遠距離攻撃の対処がなってない!!

 コイツを倒すには攻撃力が足りない!! 

 何もかもがあまりに未熟!!

 つーか仲間が心配だから早く倒れろ!!」

 

「大蛇丸様大蛇丸様大蛇丸様大蛇丸様。

 ボクの全ては大蛇丸様のモノ。  

 ボクの全ては大蛇丸様に捧ぐ。

 ゆえに揺るがず、ゆえに倒れず。

 大蛇丸様の脅威たる貴様を討つ!!」

 

 両者共に何を口から言ってるのか把握してるかは定かではない。

 この二人のテンションはハイが極まる。

 繰り返される戦いは、日向ネジを二人が認識するまで続いた。

 





 補足・説明。

 今話は音忍対ロック・リー戦プラス色々です。

 えーーーー、祝!!表・蓮華命中!!
 原作でも不発終わりな表・蓮華ですが、サクラ強化で決まっちゃいました。
 そしてドスは死んでませんがリタイアです。
 実は狭間のネタバレでリーは急造耳栓(実は受験者の大半が実行)を用意してましたが使わず終いです。
 音波は全身から伝わりますが、鼓膜と三半規管の保護はある程度できますので。それにより平衡感覚を失う事態は避けられます。

 キン・ツチ。
 友情増した同期メンバーにより出番なく敗北。
 猪鹿蝶が不意打ちしたら誰でもこうなります。

 孤軍奮闘だが余裕なザク・アブミ。
 うん、まあ、あの、勝てませんから。
 サスケ呪印覚醒して起きますし(ネタバレ)。

 予定ではサクラがもう一つの新術使ってザクの腕を粉砕する筈でしたが、表・蓮華を決めたい欲求に勝てませんでした(笑)。

 狭間。
 ボロボロです、めっちゃボロボロです。
 狭間の負傷は百式くらいつつも骨を投擲発射されたからです。
 百式観音と併用される纏では防げない威力はありました。
 そういった意味でも未熟です。
  
 君麻呂。
 狂信者ハイです。
 いやほぼそれだけです、怖いですね。
 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。