百式観音を背負いて。   作:ルール

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 中忍選抜試験第二試験ですが、
 第一試験が16時に参加志願書提出してから開始して試験時間は一時間。
 終了は事前と事後の説明含めて17時頃プラスいくらかとなります。
 ですが原作七巻で、第二試験開始が昼の14時30分頃とサスケが言ってたので移動時間に1日かかったか、翌日に死の森前集合になったかと思われます。
 このような時系列整理をしたのは、第二試験開始前に準備できるかどうか考えるためです。
 死の森が木ノ葉隠れの里から距離がある演習場だとしても丸一日移動時はないだろうと解釈して翌日現地集合したと想定します。

 ちなみにみたらしアンコさんは暗部に保護されて我愛羅君の記録動画を鑑賞しました。
 我愛羅君達の通達担当中忍さんは合掌。
 いやまあ流石に試験官は襲わないと思いますが。



原作7巻②

  

 四大行【絶】。

 生物が生きる上で垂れ流しにしている生命エネルギーを身体に留める技術が【纏】ならば、【絶】は留めた生命エネルギーを一切漏らさずに体内に収める技術。

 感覚としてはキュッと身体を締めるような感じでずっと継続しているのは中々にしんどい。

 しかしその効果は様々である。  

 一つは肉体の回復速度向上。

 生命エネルギーの流出=疲労・老化となるわけなので、流出を完全に止めてしまえば疲労や老化を軽減できるという理屈だ。高僧や修行僧が座禅をした結果長命となったのも無意識に【絶】を行っていたからかもしれない。

 一つは気配の遮断。

 生物として正常な状態が生命エネルギーを垂れ流しにしている状態。

 ゆえに野生動物は垂れ流しにされている生命エネルギーを察知して捕食者から逃げるのだ。

【絶】はその生命エネルギーを体外に漏らさなくする技術なので、いわゆる隠形術や気配断ちと同じ効果がある(HUNTER×HUNTERでも尾行に使用した)。

 さらに副次的な効果として、自分のオーラが漏れ出てないゆえに、他者のオーラを感知しやすくなる。感覚を閉じて鋭敏にするようなイメージだ。

 また欠点として防御力の低下があげられる。オーラによる最低限の膜すらなくなっているのだから当然だろう。

 さて、なぜ俺が【絶】について語ったかと言うと、現在俺は【絶】の状態で川に入っているからだ。

 生命エネルギーの流出を無くし、流れる水流に押し流されないように立つ。

 そこに居る筈なのに居ない、川に元々存在した石や木々のように場に溶け込む。

 そして自らの間合いに、手の届く位置に魚が来たその瞬間サッと掬いあげ宙に投げ飛ばす。

 これぞ制空圏なり(作品が違う)。

 その魚はサスケが苦無で射抜き木に突き刺す。

 これが今日のお昼である。

 

 

 初日の大蛇丸登場から君麻呂へバトンタッチされて一晩戦闘してサスケの呪印を沈静化して睡魔に敗北し1日経った。

 目が覚めた時に俺はいのさんに膝枕されていて、嬉しそうな彼女とニヤニヤする皆にどう反応すればよいかわからずそのまま二度寝してしまった。

 なにせ膝枕なんて前世の5歳の時に実母に耳かきされた時以来。

 可愛らしい少女(十二歳)にされる日が来るなど海のリハクの目をもってしても見抜けないだろう。

 その後しばらくしてから目を覚まし、いのさんとシカマルとチョウジに礼を言ってから別れた。

 一緒に行動するのかと思ったが、俺達の頑張りを見て頼らずにやるだけやろうと思ったそうだ。

 ピンチになったら今度はこちらが助ける。

 そう俺達は約束した。

 まああの三人の連携に勝てるチームがあるとは思えはしないのだが。

 

「よし焼けたぞ」

 

「へへ、オレが一番デカいやつ!」

 

「狭間君が塩を持ってて良かったわ」

 

 サスケが火遁で起こした焚き火で取れた魚を塩焼きにする。

 焚き火を囲んで焼き魚、これぞサバイバルな雰囲気だ。

 

「しかし、見事に治ったな狭間の傷」

 

「うん、傷薬塗って一晩寝ただけよね」

 

「怪我ってそんな感じじゃないってばよ?」

 

「一晩あればジャンボジェット機だって直るもんだから」

 

「「「ジャンボジェット機ってなんだ?」」」

 

 こういったことは話せる。

 なんとも不思議な身体だ。

 ちなみにこの世界、飛行機の類はまだない。

 そもそも他所の大陸と戦争とかないからね(劇場版とかではあったか?)。

 

「あ、魚の頭は捨てないで。

 残った頭は串に刺し直して醤油をかけて二度焼き。そうすると香ばしくてカリカリと美味しく食べれるよ」

 

「おおっ!!」

 

「・・・・・・塩だけじゃなくてなんで醤油まで持ち歩いているの狭間君」

 

「荷物見たら米とカレー粉とマヨネーズまで入っていたぞコイツ」

 

「日本人ですから」 

 

 備えあれば憂いなし、よ。

 

「「「どこだ日本」」」

 

 第二試験が翌日だったから用意するタイミングがあったんだよね。

 サバイバル時には必須な調味料を用意することができたよ(マヨネーズは手作りでなければ常温でも保存可能)。

 

「そう言えばさっきの食材探しの時に、仲間と逸れた草隠れのくノ一を助けたぞ」

 

 サスケが取ったばかりのキノコにマヨネーズを塗り焚き火に当てながらそう言った。

 ホウレンソウは大事。きちんと報告できて偉いなこの子。

 

「・・・・・・・・・へぇ、女」

 

 くノ一を助けた。

 その言葉は恋する乙女からしたら面白いものではない。いやサクラも性別問わず見かけたらつい助けちゃうだろうけど。

 

「サクラちゃんの背後に般若が見えるってばよ」

 

「スタンドかな?スタンドだね」

 

 溢れる嫉妬がイメージとなり形作られる。

 凄まじい感情だ。

 サスケとしては何気ない行為だったようだが、相手とサクラからしたらそうではない。

 サスケはもっと自身の容姿について自覚すべきだと思う。

 ・・・・・・ていうかそれって香燐じゃね?

 各地に散ったうずまき一族の末裔の一人。

 草隠れでの扱いはナルトや我愛羅などの人柱力とは異なるタイプに地獄な、可哀想な少女である(噛むとチャクラ補充と治癒ができる体質の為、回復道具として使用され尽くし母親は亡くなったらしい)。

 そんな彼女をおそらく生涯で初めて助けたのだから(しかもイケメン)、原作で彼女が命懸けで(刺されたりした)尽くすほど、惚れ抜くのも当然だろう。

 

「・・・・・・うちは一族再興の為に複数人娶れば良いのに」

 

「? どうした狭間」

 

「いやなにも」

 

 原作の未来でサスケはサクラと結ばれ香燐は恋を諦めた。おそらく彼女は生涯独身だろう。

 この世界でそうなるとは限らないが、もしそうなりそうなら火影(ナルト)に頼んで木ノ葉を重婚可な里にしてもらおう(そうすればシカマルもシホさんを娶れるし)。

 一途な少女達が初恋破れたからと独身で生涯過ごすなど悲しすぎるではないか。だから前世ではハーレム作品が人気だったのだろう。

 そんな会話をしながら食事を楽しむ。

 終われば後はこれからの方針決めだ。

 

「それで巻物は二つ揃ったがどうすべきか」

 

「まだ三日目だけど、塔に向かうべきよね」

 

 原作よりも軽傷だった為(俺は寝たら治った)、治癒に時間をかける必要がなく、また巻物探しに焦る必要もない。

 サスケが所持していた巻物は大蛇丸に焼かれたが俺の持っていた雨隠れの下忍から奪った天の書は無事で、音忍から地の書を入手出来たからだ。

 

「でも先に塔に到着しても多分残り時間は待機してるだけなんだよね」

 

 5日間のリミットが来るまで試験は終わらない。塔で巻物を開けば試験から上がりだが(口寄せ術式発動で巻物は多分使えなくなる)、残りは塔で待ってるだけだろう。

 それはそれで安全で良いのだろうが、物凄く暇で時間を持て余すということと、最短記録でクリアした我愛羅達砂隠れ下忍達が居るという問題もある。

 この時の我愛羅は血に生の実感に飢えていた作中で一番危険な精神状態。

 HUNTER×HUNTER原作のハンター試験のトリックタワーでヒソカ達と待機するレベルで神経を削る時間となるだろう(キバ達は大丈夫かな?)。

 しかしカンクロウ。

 原作で我愛羅と5日間も居るのが怖いと思っていたが、塔の同室(同じ班をわざわざ分けない筈)で5日間過ごすのも辛いだろうに。まだ死の森の方がマシかもしれない、南無。

 

「・・・・・・それは確かにしんどいな」

 

「修行するにしても他の里の連中が居るってばよ」

 

「なら塔の位置だけ確認して死の森に居た方がマシかしら」

 

 猛獣溢れる危険地帯である死の森。

 けど大蛇丸や我愛羅ほどに危険な生き物は居ないから今の第七班なら問題なく過ごせるんだよね。

 

「じゃあ修行だ。

 さあ狭間、仙術チャクラについて教えろ」

 

「私はチャクラコントロールと使わなかった新術の鍛練ね。ナルト多重影分身して」

 

「ボコるの?ねえボコるの?ナルト百人組手の術をしちゃうのかってばよ」

 

「仙術チャクラは危ないから駄目。

 でも修行は良い案か。

 食事の匂いで他の班が釣れたら実戦経験も積めるのだけど」

 

「だからわざわざ焼き魚にしたのね。火を通すだけなら匂いが立たない調理法もあったのに」

 

 わざわざ焼き魚を食べなくても実は兵糧丸で充分だったりするしね。

 焼き魚の匂いで釣る、遊戯王ペガサス編の梶木漁太と同じ戦略だ。

 

「ふん、どんなヤツが来るか楽しみだ」

 

 原作だとカブトと雨隠れの朧が釣れたが果たしてどうなるやら。

 

 

「マヨネーズーーー!!」

 

「ちょっ明らかに誘いだ止まれチョウジ!」

 

「「お前かよ」」

 

 さっき別れた同期のぽっちゃり系が釣れました。

 まあ納得。

 焼けたマヨネーズの匂いとか俺も好きです。

 

 

 そうして残り時間を修行で過ごし、俺達は無事に塔まで辿り着くのであった。

 

(結局カブトと雨隠れの下忍達と遭遇しなかったな、なんでだろ?)

 

 塔に入りながら俺はそんな原作との差異に首を傾げるのであった。

 





 補足・説明。

 今話は音忍襲撃後の第七班の過ごし方です。
 巻物が揃った第七班は時間ギリギリまでサバイバルしながら修行しました。むしろ狭間からサバイバル技能を学ぶのが一番の修行になりました。
 仙術チャクラは危ないので駄目です。
 また襲撃もなかったため(ナルト百人組手を見た受験者達が逃げた)、サスケは元気な状態です。
 カブトは、音忍三人衆回収からの保護と(第三試験予選に大蛇丸が観戦する為には音忍が必要な為)、君麻呂治療があり忙しくて接触できませんでした。
 また仙人に片足突っ込んだ狭間にスパイ接触は危険なので。
 これが月光ハヤテ生存に繋がったりします。
 雨隠れの下忍三人は別の受験者(音忍三人衆)に負けてリタイアしました。

 ジャンボジェット機。
 ルパン三世カリオストロの城ネタ。

 膝枕。
 中身還暦超えてるのにかなりギリギリです。
 肉体に若さが引っ張られてます。
 頑張れいの。

 焼き魚の頭の二度焼き。
 作者の思い出の料理です。
 かつて夏の家族旅行で何度も訪れた釣り堀のメニューで、釣った川魚を塩焼きにしてから頭に醤油をつけて二度焼きにしてくれました。
 炭火を熾す時にドライヤーを使っていた事などもはっきり覚えています。
 後にその近辺の大雨被害により閉店されてしまったようですが、忘れることはなく誰かに知って欲しかったのです。

 塔には我愛羅。
 はっきり言って死の森の方がマシです。
 キバ達のボロボロさからもしかしたら我愛羅を警戒して彼らもギリギリまでサバイバルしていた可能性が高いです。
 カンクロウは合掌。

 香燐。
 草隠れの里も酷い。
 後に中忍選抜試験不合格を責められ、戦場に送られた先で大蛇丸にスカウトされたとか。  
 人柱力レベルで境遇酷い娘です。

 マヨネーズ。
 作者はマヨネーズトーストとか椎茸マヨ焼きが好きです。
 食べ過ぎには注意。
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