百式観音を背負いて。 作:ルール
この話ではナルトにオリジナル忍術をやらせます。できるかどうかわかりませんが、原作で似たような術がいくつかあります。
そして狭間の知識の元は、あの父親の子だからとスルーされてたりします。
「赤丸」
「クゥ~ン」
一人と一匹は真剣な表情で向き合っていた。
「オレだって友達であるお前と戦うのは本当に辛いってばよっ」
「アン」
「でもな、仕方ねえんだ。
皆本気なんだ、皆真剣に上に行きてえって頑張ってんだ。
だからどんなに辛くても戦わなくちゃいけねえんだってばよっ!!」
「ワン」
「それでもこれだけはわかってくれ。オレがお前と戦うのはお前が嫌いだからじゃねえ。
友達だから、真剣に、全力で戦うんだ!!」
「ワン!!」
なんかナルトと赤丸が友情あるふれあいしてますね。そういえば同期組で集まりだしてからかなり仲良くなったからなあ、ナルトと赤丸。
「「「何アレ?」」」
人と犬の友情劇ですね。
「熱い、熱い友情ですナルト君!!」
「ああ!!これぞ青春だっ!!」
この二人にはツボだよね。
「・・・・・・赤丸は賢いからな」
「変化の術とかできるもんね」
それはお色気の術以外は下手だった昔のナルトにぶっ刺さりそうな言葉ですね。
そっか原作キバからしたらナルトは子犬ができることもできないヤツだったのか。そら馬鹿にするし見下すよ。
「犬塚家の忍犬は口寄せ獣じゃないのに人語喋れるくらい賢く育つのもいるしな」
口寄せ獣とは別の括りなんですね。
観戦してる皆さん方の反応も感動したり呆れたりと様々だ。
他里の人達はドン引きしてるけど。
「・・・・・・それオレのやることじゃね?」
壁際で呟くキバの姿には哀愁が漂っていた。
「では第七回戦、うずまきナルト対赤まじゃなくて犬塚キバ!開始です」
審判も間違えかけたよ。月光ハヤテさんは意外とユーモアある人なのかもしれない。
第七回戦、ナルトとキバの戦い。
原作では我愛羅という恐怖、ネジという天才を知るキバはその二人と戦いたくないと願い、万年ドベと評判だったナルトと戦った。
試合はキバが圧倒。
ナルトを舐めてかかるキバの地力は高く、赤丸とのコンビネーションも見事なもの。
ナルトの機転に驚きはするものの、優位に進めていった。しかしナルトの諦めの悪さと閃きにより逆転されキバは負けてしまう。
落ちこぼれの万年ドベであるナルトが同期下忍では上位の実力者であるキバを負かし、皆に注目と評価されたのであった。
しかしこの世界ではそうはならない。
同期組で集まり時間があれば班と関係なく共に修行もする関係。
キバはナルトを万年ドベだと馬鹿にはせず、とんでもないチャクラ量を持つチャクラコントロールが下手で忍術が苦手なヤツと認識している。
当然多重影分身の術が使えることも把握してるので、数で押し切られることも警戒してるだろう。
そしてナルトもキバの擬獣忍法四脚の術を知っている。その獣の動きを再現した機動力と攻撃力を体験したことがある(キバが自慢げに教えた)。
ナルトの評価や見る目にしても、木ノ葉の年長者はよろしくないが同期組ではもう改善されている。
この試合で認められる、ということにはならないだろう。
だからこの試合、同期随一のチャクラを持つナルトと同期随一の機動力を誇るキバの戦いとなるだろう。
「・・・・・・で、ナルトに教えた新術って?」
バチバチと右手を鳴らしながらカカシ先生が俺を問い詰めてきた。
正確にはあんな術を俺はできないし教えてない。
ネタを伝えたら勝手にやりだしただけなのだ。
というかもっと言うと元ネタはチョウジだ。
「・・・・・・見てればわかりますって」
しかしあのチャクラを無駄に使うだけの術を果たして使えるのだろうか?
「いくぜぇ!多重影分身の術っ!!」
会場にナルト軍団が出現。
隊列を組んで方陣を敷き、キバと赤丸へと見事な連携で襲いかかる。
死の森修行でサクラにボコられ消された経験が活きているようだ。
「赤丸!」「アン!」
「獣人分身!!」
ナルト軍団にキバと赤丸は兵糧丸を呑んでから迎撃に入る。
獣人分身。
擬獣忍法四脚の術を使うキバ。
擬人忍法を使いキバへと変化した赤丸。
人の姿でありながら獣の動きをする両者のコンビネーション技である。
四肢に爪が如くチャクラを纏う二匹の人獣はナルト軍団を切り裂き引き千切る。
「「オラアアア!!」」
ボボボボボボボンと影分身が弾ける音が響き渡る。サクラとの実戦訓練で体術の練度は向上したが、油断のないキバと赤丸の強さは本物。
忍術を併用しない影分身体達では時間稼ぎとチャクラを消耗させるのが精一杯だ。
「オメーは強えよナルトォ!!
こんなに影分身できる忍者なんて里でもいねえだろ!!
けどなあ、どんな大軍も圧倒的な個に蹴散らされるんだぜえ!!」
キバはナルトを認めている。
認めているからこそ、この試合はナルトを不利にさせていた。
うずまきナルト、彼にはまだ逆転できる必殺技というか決め技がない。多重影分身と変化の術の応用のみが彼の手札だ。
「こりゃマズイね」
ナルトが負けるかもしれない。
油断慢心のないキバは本当に強い。
四脚の術も、同期組共同訓練で鋭さと速さが増している。
今のキバに変化の術による赤丸との入れ替わりや屁などが効くこともないだろう。
俺という要因が、人間関係の蟠りを緩和してしまいナルトの首を締めてしまった。
「・・・・・・へへ、圧倒的な個、か。
なら見せてやるってばよ、オレの新術を」
多重影分身による進撃蹂躙は通じない。
螺旋丸のような一撃必殺技はまだない。
ならばナルトが取るべき手段は、起死回生の一手とは。
「皆、集まれっ!!」
「「「「「おおっ!!」」」」」
「「「「!?」」」」
「いくぜぇ!!」
ナルト(本体)の号令。
すると会場に創り出されたナルト(影分身体)はひとかたまりに集まりだす。
な、なんとナルト達が・・・・・・・・・。
「忍法、キングナルトの術!!」
合体してキングナルトになってしまった。
いやキングナルトってなんだよ。
組体操(最近の学校では運動会で廃止されるとこもチラホラ)のように組み合い、一斉に変化の術を使用。
忍法発動の爆発音と粉塵の後に出てきたのは会場の組まれた両手のオブジェと同じサイズのナルトだった。
五行封印を大蛇丸にされて練りにくくなったチャクラでよく発動できたものだ。
いや、確か思い出して見ればナルト(本体)は拙い技量だが俺が教えた四大行の【練】を使って爆発的にチャクラを増加させた。
それがこの忍法をかろうじて成功させたのだろう。
「「「何アレ?」」」
一同唖然。
巨大化はびっくりするよね。
「ナルトのヤツ、そこまでチビなのを気にしていたのか」
「身長伸ばすのと巨大化は違うと思うわサスケ君」
サスケのズレた発言にすかさずサクラがツッコんだ。うん身長とかの話じゃないしね。
「・・・・・・・・・で、説明して狭間」
雷切発動して躙り寄るのは説明求める態度ではないと思います。
「別に大したことではないかと」
「秋道一族の秘伝忍術を別のやり方で再現するのは充分に大したことだからね」
あっはい。
「きっかけは些細なことでした。
いつもの集まりでカロリーを取りすぎたチョウジが腹ごなしに倍加の術を使ったんです。
で、それを見たナルトが腹や腕だけじゃなく全身をデカく出来ねえのか聞いてきまして」
秋道一族の秘伝忍術【倍加の術】。
大量にカロリーを消費するが己の肉体を意のままに肥大化させる術。
一部の実力者は全身を肥大化させ巨人と化し、里の守護者として尾獣にすら立ち向かった。
割と有名なそのエピソードを教えたら、ナルトはやりたいやりたいと騒ぎだしたので色々入れ知恵したのだ。
・・・・・・・・・・・・成功するとは思わなかったけど。
変化の術は基礎扱いされるのが不思議なくらいおかしな性能の術。
他者、獣、武器、と質量を無視して術者の技量次第でなんにでもなれる。
しかしただ変化の術で巨人化しても(出来はした)、スカスカの風船みたいな巨人だった。
それを改良したのがあの新術。
元ネタは数え切れないくらいあるが(うしおととらの剛妖火の兄とか)名前の通り有名ロープレのアレ。
大量の影分身体が組み合い、身体のそれぞれの部位に変化して、一つの巨大ナルトとなる。
腕もナルト、足もナルト、手もナルト、つま先もナルト、頭もナルト。
ナルトでナルトを構築した、生粋極まるナルトというわけだ(王冠はノリかもしれない)。
「それが、アレと」
「いやーーー、チャクラお化けじゃないと無理ですよね」
俺じゃあできんし(実は変化の術は苦手、理屈がめちゃくちゃ過ぎるから)、チャクラ燃費最悪で無駄だからできてもやらんわ。
《いくってばよお!!》
「こいやあっ!!(涙目)」
キングナルトが圧倒的な個としてキバと赤丸に襲いかかる。巨体だから遅くて鈍重とは限らない。
確かに脂肪だらけのデブは鈍間だが、相撲取りなどは全身筋肉なので重いが速い。
身長と同じ大きさの振り回される手をなんとかキバは躱し続ける。
一発食らったら終わりだな。
「巨体化により攻撃範囲と攻撃力の増加。それが大きな利点」
デカいは強い、だからね。
でもあの術はそれだけじゃない。
「なら獣人体術奥義 牙通牙!!」
高速回転した二匹の人獣による同時攻撃がキングナルトの身体をエグリ削る。
変化の術で武器になったらその武器と変わらぬ硬度となる。
だからキングナルトの強度は一撃で掻き消える影分身よりも高い。
しかし牙通牙ともなれば、食らった分だけ削れてしまう。
「この調子でぇ!!」
勝機を見つけたと喜ぶキバだが、
「影分身の術!!からの変化!!」
内部のナルト(本体)が消えた分だけ補充し直す。うんむちゃくちゃだ。
「はぁっ!?」
《ふふ、キングナルトはそう簡単には倒せねえってばよ》
再生までするとかとんでもないね。
どれだけ削ろうとも再生して襲いかかる巨人。その猛攻をなんとか回避しても疲労がどんどん蓄積していく。
兵糧丸を呑んで発動する獣人分身。
チャクラを両手足に纏うその戦闘スタイルは体術の中でも消費が激しい。
まだ十二歳の身体、伸び代はあるがスタミナには限界があった。
回避しては攻撃し削る。
その繰り返しの果てに、
「ち、やるじゃねえかナルト」「ワン」
スタミナの切れたキバと赤丸がキングナルトの巨大拳に捉えられたのはそれから少ししてからのことだった。
「勝者 うずまきナルト!」
原作との差違というか俺のせいで窮地に陥ったナルトは原作とは違う形で勝利した。
まあ、うずまきナルト連弾は獅子連弾のパクリ。キングナルトの術も倍加の術のパクリだけど。
キバと赤丸が勝ってもおかしくなかった試合。
強いて敗因を上げるならコンディションのせい。
雨隠れの忍を蹂躙した我愛羅に怯えたキバ達は塔に入らずにギリギリまで死の森で過ごして疲労していた。
だがナルトは余裕を持って修行し体調を整えていた。
消費の激しいキングナルトの術に押し切られたのもそれが原因だろう。
「しかしキングナルトの術。
分割したチャクラを再統合したのに巨大化できるとか不思議ですね」
「思いつかせたキミがそれを言うのやめてくれる」
一を百に割って、集めたのになぜ巨大化できたのか?まあ忍法ってかなり不思議な要素あるからなあ。
そんなカカシ先生と話していると、皆はナルトの勝利に湧いていた。
「オオオーー!!」
人の勝利を喜べるリーさんは良い人だと思う。
「ふん、やったじゃねえかナルト」
「しゃーんなろー!!いい感じーー!!」
「(勝って良かったーー!危うく原作改変になるかと。親しくなったらピンチになるとか予想外だったよ)」
「あのナルトがキバに勝ちやがったぜ!!」
あのシカマルが驚くあたり、本当にギリギリだったのね。
「(うん!)」
ヒナタのヒロイン力はここらへんから弾けてた気がするなあ。登ってきたナルトに勇気を振り絞って塗り薬まで渡してるし。
だけど、
「フン、ずいぶんと気楽なもんだな」
そんな微笑ましいやり取りが今の日向ネジは不快で仕方ないようだ。
(マズイなこりゃ)
日向ネジの拗れっぷりは実際に見ると危ういなんてもんじゃないな
「では次の試合を発表します。ゴホッ」
キバが懸念してるようにヒナタとネジの戦いは危険だ。
俺がネジと当たれば良いのだが。
ヒュウガ・ヒナタ
VS
ヒュウガ・ネジ
そうは、ならなかったか。
日向ヒナタ。
彼女もまあ同期組との集まりで成長している一人。しかしその成長がどこまであの日向ネジに通用するのか。
原作序盤の胸糞悪い場面。
それがどうなるかを考えると俺は胃が痛くなってきた。
補足・説明。
今話はナルト対キバ戦です。最初は赤丸と盛り上がりましたが。
実はこの試合は書くにあたり頭を抱えていました。原作のキバとのやり取りが、関係の良化で使えなくなってしまったからです(キバの見下しが勝利の一因)。
なのでナルトの新術を付け足すことでかろうじて勝利としました。
本当ならもう一戦書きたかったのですが、スマホで書くと四千字超えると見直しが大変なのでここで切ります。
ヒナタ戦でどこまで書けるか。
キングナルトの術。
ナルト版倍加の術(巨人)。
多重影分身体を寄り集めたコンビ変化。
ガマブン太との九尾変化、犬塚流コンビ変化ができるなら可能かなと。
本人に変化なのでイメージも比較的容易です。
ただチャクラ燃費は最悪で、ナルト以外ではまず不可能です。
この状態で螺旋丸を打てるかは検討中です。
いや九喇嘛とコンビネーションした方が良いのですが。