百式観音を背負いて。 作:ルール
鍋回です。
原作よりも全員軽傷な為、入院者はいません。
ネジと戦ったヒナタも点穴を突かれて殴打されたくらいなのですぐに治りました。
狭間と戦ったリーも殴られたダメージよりも八門遁甲の反動のスゴイ筋肉痛の方が重傷でした。
「えーー、では中忍選抜試験第一・第二・第三予選を突破及び、惜しくも敗退した人もいるけど無事生還できたことを祝して、
カンパーーーイ!!」
「「「「「「「「カンパーーーイ!!」」」」」」」」
「昇格試験に生還って、いや一番の重傷者が一晩寝たら回復してんだが」
数日に渡る中忍選抜試験が最終試験を残して終了してから二日。
我愛羅対ドスの最終戦が血生臭く終わった後に第三の試験本選の説明とくじ引きからのトーナメント決めが行われた。
トーナメントはこんな感じ。
うずまきナルト対日向ネジ。
我愛羅対うちはサスケ。
カンクロウ対千手狭間。
テマリ対奈良シカマル。
春野サクラ対秋道チョウジ。
↑の勝者対山中いの。
である。
・・・・・・・・・カンクロウ棄権しそうだな。
と俺は組み合わせを見て原作知識からそう思ってしまった。
この時のカンクロウが使う傀儡は烏のみ、ギミックがバレないようにそうするのは仕方ないかもしれない。むしろ三回戦本選まで身代わりや変化以外のギミックをバラさずに済んでいるカンクロウはかなり凄いと思う。
そして本選は一か月後。
各国の大名や忍頭に予選終了を告げると共に本選への召集をかけるための準備期間。あとは本選出場者の本選へ向けての準備期間である(他里に一ヶ月滞在する砂隠れの面子が修行するのは大変そう)。
本選出場者は今までの試験での負傷を癒やし、さらに修行や対策を練る期間として過ごすことになる。
ちなみに本選出場を決めた下忍達だが、その期間の任務は免除され、さらに一ヶ月の任務報酬金プラス少額が振り込まれる。
一ヶ月間任務無し、そして無収入は厳しいから正直助かった。これは中忍選抜試験本選に集中しろという上層部からの指示なのだろう。
説明後に解散となったが、そこは現役中忍すら無傷では突破できないとされる直進片道十キロの死の森中央塔。
数時間がかりで全員で外壁のフェンスまで移動して、さらにまた時間をかけて帰宅した(死の森のある演習場は木ノ葉隠れの里からかなり離れている上、当然道路整備などされてなくバスなどの移動手段もないので徒歩である)。
そして翌日、こうして恒例の同期宴会を開催しているのである(千手狭間宅で)。
「そして今回は一期上の第三班班員であるロック・リー先輩とテンテン先輩も参加されております。皆、拍手!!」
「「「イエーッ!!(パチパチパチパチ)」」」
「お誘い頂きありがとうございます!!」
「こんな集まりしていたのね」
無駄に広い千手邸は参加者が増えても問題ない。試験後に四大行について訊ねてきたリーさんを答えるついでに恒例の同期会に誘ったのである。
「そういや日向ネジは来なかったのか?」
「誘いはしたけど、あんなことを言ったのに行けるわけないだろ、と断られたよ」
「「「「誘ったんかい」」」」
いやリーさん誘って、その場にいたテンテンさんも行きたいと言ったのに誘わないわけにはいかないでしょ。ハブるのはする側もメンタルにくるのよ。
「まあこれで参加したら鋼の心臓過ぎるよな」
試合は原作よりマシでヒナタも後遺症なく元気だけど発言がなあ。本人も気まずそうだったし(ちなみに同じ班員であるテンテンさんはネジさんの発言に関してはいつものことらしく気にしてないそうです。いつもこんな感じなんかい)。
「オレも砂隠れの連中を誘ったけど断られたってばよ」
「「「お前の神経は太巻きサイズか!?」」」
ツルギの骨を粉々にしたカンクロウ。
テンテンに余計な追撃をしようとしたテマリ。
ドスを虐殺した我愛羅。
予選を突破した受験生の中でも砂隠れの面子は些か暴力的で血生臭い印象を全員に与えていた。
そんな人達をナルトは誘ったわけだが、まあナルトらしいし良いことではあると思う。この時はまだ砂隠れはルール違反などしてはいないのだから。
「でも同期で集まるとか良いわね」
「テンテン先輩の同期はやらないんですか?」
「一歳差だから呼び捨てで良いわ。
ないわねこんな集まり。
あと、うちの班ってさ。
天才だから敬遠されてたネジと、落ちこぼれとして苛められてたリーが居るから、同期とは不仲なのよ」
「どっかの班と一緒だな」
「第七班のことかーー!!」
「・・・・・・班員の戦力バランスをとってるのってガチなんだな」
「いやどっかの誰かさん一人でバランスなんて崩壊してるから」
「どっかの誰かさんとはいったい?」
「「「お前だよ」」」
第三班はどうやら第七班と同じタイプだったらしい。またネジさんとリーさんはアカデミー内では浮いてたとは。なんかサスケとナルトみたいな感じである。
またテンテンさんからアカデミー生から下忍になったことで友達がかなり減ったことを伝えられた。
アカデミーを卒業出来ても下忍に成れるのは一握り。下忍に成れた者、成れなかった者で不仲になりがちらしい。
・・・・・・・・・・・・。
覚えあるなあ、と下忍ルーキーとして忙しかった俺達はその人間関係の変化にそういえばそうだと今になって気づいたのである。
・・・・・・・・・第七班はボッチの集まりだから気づけるわけがなかったが(実はサクラもいのさん以外友達がいなかった。ヒナタとの付き合いも下忍になってから)。
「・・・・・・盛り下がる話題は置いといて。
本日は鍋にくわえて、庭で焼き肉もします。肉は猿飛アスマ先生提供です」
「なんで?」
「店で奢るより安上がりだからだってよ」
中忍選抜試験突破祝いの焼き肉だが、ウチでの方が良いとチョウジ達が言ったのでアスマ先生が肉を用意してくれたのだ。
「担当上忍達も今頃打ち上げじゃねーか?」
「・・・・・・・・・それって実際は紅先生の慰め会じゃないかなあ」
「相性とか含めて、組み合わせ運が悪かっただけだろ」
「そうよ、死の森は突破できたじゃない」
ヒナタが落ち込んだ声で呟く。
・・・・・・うん、紅班は全員落ちたからね。
いやでも実力はあるから運が悪かっただけのような?他のベテラン下忍とか全滅だし。
なおアスマ先生だが、焼き肉で浮いたお金を紅先生への奢りで溶かしたそうです(夕日紅は酒豪)。彼の金運は最悪である。
「相性と言えばよ、いのが使った虫除けって本当に市販品か?油女一族の蟲に市販薬が効くとは思えないんだけどよ」
「その話題を蒸し返すな。蟲だけに」
「つまんねーぞシノ」
「アルコールないのに酔ったのかてばよ」
「んなわけないでしょ。うちの花屋は薬品に使う花も取り扱ってるから、特別調合のオリジナル品よ。
じゃないと死の森の虫に効くわけないじゃない」
シノとの試合でいのさんが使った虫除けは特別調合品だったらしい。
シノがまだ蟲使いとして未熟なのも踏まえて効果があったのも納得である。
ガヤガヤと思いついた話題を誰かが口にしたら次から次へと話が繋がる。
鍋と鉄板から頃合いの食材を摘んでジュースやらお茶やら流し込んで、いつもの集まりは盛り上がり続けるのであった。
「そんで、お前らは一ヶ月どうすんだよ」
宴会始まってから数時間。
一段落したところでシカマルが切り出してきた。
幸いなことに一ヶ月間治療に専念しなければならない重傷者はいない(居たけど治った)、となれば修行となるだろう。
「俺達は任務だ!!」「ワン!!」
キバ達、紅班は当然そうなる。
この場の者達以外にも下忍はいるが、中忍試験で怪我及び重傷者がチラホラでたので実はかなり忙しくなるのだ(中忍選抜試験後の下忍調整が上層部の悩みだったりする、死者もいるし)。
「オレ達は修行だな。狭間はともかく、今のオレ達に砂隠れの我愛羅と日向ネジに勝てる実力はない」
「そうよねーー」
「だってばよ」
「ともかくて」
一回戦でその二人とかち合うナルトとサスケは鍛えないといけないのは当然だ。
「で、サスケはカカシ先生と修行で、オレはエビス先生にチャクラコントロール修行、サクラちゃんは幻術は紅先生に習ってあと基礎体力を鍛える、狭間は自分でやるって話だってばよ」
これは死の森から木ノ葉隠れの里に戻ってからカカシ先生に伝えられたことだ。
チャクラ感応紙を渡された俺達はチャクラ属性を判定。サスケは雷遁、ナルトは風遁、サクラと俺は水遁に適性があると判明し、その結果から修行を振り分けたのだ(俺の場合は腹案があることを最初から伝えていたが)。
原作ではサスケばかりズルいと駄々をこねたナルトだが、チャクラ属性を知らされて説明までされたら納得せざるを得なかったのだ。
「チャクラ属性判定ね、しかしサスケが火遁以外を習うとはな」
「うちは一族なのに火遁以外に手を出すのかよとも自分でも思ったが、あの我愛羅の砂と火遁じゃ相性が悪い。雷遁を学ぶのも有りだろ」
「オレはキングナルトの術がチャクラ燃費悪いからチャクラコントロールを学べって」
「燃費悪いっていうかそんな次元じゃないよ、ほぼ浪費してるからアレ」
普通はチャクラ切れで死ぬわ。
「私は紅先生が協力してくれるって言ってたわ、なんかあの戦闘スタイルに興味あるみたい」
「でしたら基礎体力修行はボク達としませんかっ?!ガイ先生ならば最適な修行をつけてくれるかとっ!!」
「それはリーがサクラと居たいからでしょ」
「割合的には下心より応援の気持ち強めかしら。下心も微量ながらあるみたいけど」
「ボクは、そんなっ!!」
「実際に幻拳スタイルは、幻術と体術のスキルが高いほど強さが増すからどちらもありだね」
他にチャクラ属性から水遁を一から学ぶにしても、木ノ葉隠れに水遁のスペシャリストって居たか?扉間様以外にイメージがないな(カカシは除く)。
「んで狭間は?」
「奥の手が通じない相手がいたから、それ対策として武術習得に本腰をいれる。
・・・・・・こっちはより趣味でやってたが、なんとか形にしないとな」
奥義の再現とか昔から遊びでやってたんだ。
それを完成させてなんとか百式観音に組み込まないと。いや原作でも説明一切ない奥義があるからほぼオリジナル解釈で大変なんだがなあ。完成したら強力なのは間違いないが。
「そもそも死の森で誰とやり合った?
野生の五影にでも襲われたのかよ」
「シカマルからしたら俺は五影クラスなのか?
つーか野生の五影って、木ノ葉の三忍じゃないんだから」
居たけどね、野生の五影クラス。
「・・・・・・三忍って伝説だけど木ノ葉飛び出してるのよね。憧れの綱手様にいつかお会いしたいわ」
「「「・・・・・・・・・」」」
まさか本当に野生の五影クラスに襲われたとは言えない三人は黙っちゃったよ。
「かぐや一族の生き残りとね。
予選に出なくて安心したよ」
病気悪化したようだし無理だったんだろう。
でも木ノ葉崩しに万が一現れた時に倒せるように鍛えないといけない。
君麻呂は下手したら自来也様でも厳しいからな。
「班員全員無事ってルールに救われたよ」
真実を知らないシカマルからしたらそう判断するだろう。
「シカマル達はどうする?」
「親父らから一族秘伝忍術を教わる。
お偉方にお披露目ならむしろそっちが良さげだろうよ。下手な対策よか得意を伸ばす方が確実だろうし」
「それであの我愛羅に勝てるかなあ」
「むしろチョウジが巨大化できたら一番勝ち目がありそう」
「デカいのは強さだ」「アンアン」
キングナルトに負けたキバと赤丸の実感が凄い。
「じゃ、そんな感じで一ヶ月。
お互い無事に頑張ろう!!(ナルトが何気に生命の危機ありだが)」
「「「「おおーーー!!」」」」
そうして二度目の盛り上がりを経てから宴会は終了。寝出した連中(ナルト・キバ・赤丸)に布団をかけ、女性陣を手分けして送ってから解散となった。
なおサスケは寝てないけどウチに泊まる派である、居間で雑魚寝はせずに客間の一室で寝るのだ。
原作ではこの時期にカブトから襲撃があったから一人にならないのは正解かもしれない。
もしや、外に身を潜めていたりして。
まさかね。
そしたら宴会を見続けるって拷問をする羽目になっているのだから。
明日から修行。
四大行を学びたがっていたリーさんも中忍試験中は専念して下さいと言ってたから、その気遣いには応えないと。
・・・・・・嫌だけど影分身修行やるか。
じゃないと七つの奥義なんて習得するのは不可能だ。師匠がいないで独学で創り上げるのだからなおさら。
中忍選抜試験第三の試験本選。
それまでの一ヶ月をそれぞれ過ごすことになる。
ちなみに山中いの達女性陣も千手宅に泊まろうと画策してるが、未だに成功はしていない。
補足・説明。
今話は説明回を兼ねたオリジナルの鍋回です。
同期の集まりにロック・リーとテンテンも追加されました。
独自解釈ありありな話となります。
アカデミー卒業生と下忍に成れた者の関係。
特にリーが合格したことで馬鹿にしてた連中のメンタルはたいそうブレイクしたかと。あとネジは天才だし、モテても人は寄り付かないかなと。
一ヶ月分の報酬。
生活費問題があるので、本選参加特典として設定しました修行で無収入は厳しいので。これを目当てに本選参加決定からの辞退する下忍とかも居そうですね。
いのの虫除け。
市販品じゃ無理かなと追加設定です。これなら油女家の蟲にも通じるかと。
野生の五影。
三忍、暁などがそんな感じです。
修行割り振り。
チャクラ属性設定を先出しして納得させました。サクラに関しては原作ででてないのでネット検索で出たモノを採用しました。狭間は水と土となります。
狭間の修行。
とある刀を使わない流派の再現です。
奥義の足技が悩みとなりますが、これは後日語ります。
カブトさん。
実は千手邸周辺にスタンバってました。
大蛇丸の命令でサスケを隙あらば引き離すようにとのこと。
その楽しそうな宴会の様子に、孤児院の生活を思い出して目からナニカが溢れたとか。