百式観音を背負いて。 作:ルール
人柱力である我愛羅を力尽くで抑えられるくらい強かった四代目風影。
砂金の磁遁使いの強者でしたが、大蛇丸+君麻呂には勝てなかったようですね。
そもそも大量の砂金なんて砂鉄やら砂に比べたらあちらこちらにあるわけではないので、巻物などで大量に運んで戦闘していたのか?
どちらにせよ、君麻呂相手は厳しいか。
開け放たれた門から、各国要人達が木ノ葉へと訪れる。
その年に数回のイベントに里の住民達は見物しにいきパレードのようになる。
隠れ里と大名達の距離は近いようで遠い。
忍達の主、依頼人、ではあるがその事実を実感している者などそうはいない。
だからこうして大名達の権威を知る機会は実はかなり重要だったりするのだ。
武力を忍に頼る国。
彼らが上として立場を保つには権威と金がなによりも大切なのだから。
そんなことはさておき、中忍選抜試験本選当日。木ノ葉隠れの人々にとって決して忘れることのできない1日が始まった。
のですが、
「けど、お前みたいな奴って、けっこー好きだってばよ!」
「!!!?」
その当日の朝。
私達はうずまきナルト君と日向ヒナタちゃんのラブコメシーンを堪能しています。
一ヶ月の修行期間を終えたうずまきナルト。その成果はしっかりと出てはいる。
チャクラコントロールの水面歩行は完全にマスターし、口寄せの術も会得し、九尾チャクラを引き出すとっかかりの感覚も掴んだ。
しかし本人はそれでも自分が強くなれたとは実感できていないようだ。
強がるようにハハハと笑う。
それは大丈夫だと思うたびに脳裏にあの目がよぎるからだ。
己の在り方を定めた、揺るぎない冷たい瞳を。
うずまきナルトは自分が強がってるだけ、という自覚がある。
ドベと呼ばれた期間が長すぎて、上手くいかない時間が長すぎて、それでも悔しいからと強がってるだけなのだ。
周りには自分ができないことをあっさりとできる者達ばかりだから、そうしないと立っていられなくなるから。
だからこそ、自分とは違い揺るぎない目を持った、持っているように見える、ネジや我愛羅に臆してしまい、演習場へと足を運んでしまったのだろう。
そしてそこで日向ヒナタと遭遇し、うずまきナルトは自分が勇気を与え続けた少女から元気を貰うのであった。
「やったじゃないヒナタ」
「微笑ましく尊いですなあ」
「・・・・・・朝から何をしてるのアンタ達」
その現場を俺といのさんは最初から見ていて、そんな俺達をサクラが呆れたようにツッコんだ。
ナルト✕ヒナタでしか得られない栄養ってあると思うのです。
しかし原作でもこの辺りからもうナルトってサクラちゃんサクラちゃんて言わなくなってたような?
あまりにも緩やかなヒロイン交代、俺じゃなければ見逃しちゃうね。
いやまあ仲間として大事な存在ではあったけど、デートに誘うとかめっきり減ったような?事件が続きまくりそれどころでは無くなったのもあるけど。
「ヒナタって応援したくなる娘よね」
「健気、とは彼女のためにあるようなもの」
「・・・・・・ねえ、あそこにハイタッチしながら喜ぶ白眼の集団がいるんだけど」
どうやらナルヒナを見守っているのは俺達だけではないようだ。
怪我をしているのか身体の所々に包帯を巻いた日向一族の皆さん方がナルトのヒナタへの言葉に狂喜乱舞である。
「・・・・・・分家って宗家と不仲なのよね?」
「リーさんが言ってたけど、とてもそうは見えない様子だよ」
また現日向宗家が分家に反感を買うくらい無体なことをする姿なんてあまり想像できないが。
これが横山光輝大先生の戦国系作品なら、当主が権威を傘に一族の若い娘やら嫁入り前の娘を手籠めにして反感やら恨みを買っているのだが、健全なジャンプ作品であるNARUTOにそんなシーンは無いからなあ。
まあ、額に命握られた呪印を刻まれてるだけで充分ではあるが、これを使って懲罰するシーンなんて娘に殺気を飛ばされた時くらい。
そもそも普段から使用してるなら、ヒナタがネジに使って試合で勝ってたろう(原作でも宗家の娘に一ヶ月たっても完治しない怪我を与えたネジが五体満足で生きていた辺り、ほぼ使用してない可能性がある)。
「周りも応援してくれて、二人の距離が縮まって、良い感じじゃない」
「そうだね、いのさん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それはアンタらもでしょ当たり前のようにぴったり寄り添いやがって私なんかサスケ君と一月会えなくてひたすら幻術と体術と筋トレよいやね紅先生は憧れる大人の女性だけどアスマ先生ネタで愚痴という惚気をしやがるわガイ先生とリーさんは努力家な良い人達だけどついていけないテンションと濃ゆさがあってテンテンさんとネジさんは負担が減ったと喜んでいたのよ私だってサスケ君と距離をつめてイチャコラネチョネチョしたいのに里内で見かけることすらなくて写真眺めて自分を癒やすのも限界なのよああサスケ君サスケ君もう幻術で創り出してしまいそうというかガイ先生とリーさんの夕日エフェクトは幻術なのかしら意味がわからないのよ」
・・・・・・・・・・・・病んでるなあサクラ。
よほど辛い一ヶ月だったようだ。
見る限りしっかりと成果はでているようだけど、とんでもない一ヶ月だったんだろう。
ナルトやそしてサスケは口寄せの術と千鳥という達成目標があったけど、サクラは基礎優先だったから成果がわかりにくかったのだろう。
「・・・・・・おつかれ、サクラ」
「フッ……試合で当たったら覚悟なさい、いの。
眼の前でイチャコラされた鬱憤を叩き込んでやるわ」
逃げろーーー!チョウジーー!!
木ノ葉崩しが早めに起こることを祈るしかないな。今のサクラは病んだクロロばりに触れたら危ない。
フフフフフフと笑いながら血走った目をしたサクラが去っていく姿を見送り、サスケが来たらフォローしてもらおうと決めた。あ、駄目だ遅刻するじゃん彼ら。
「(何やってんだ、サスケの奴)」
「(サクラのヤツ正気失ってね?)」
高い塀に囲まれた円形の会場。
内部は武道大会によくあるような正方形の石畳リングなどなく、忍らしく木々と岩などといった障害物や身を隠せるものまで設置されていた。
実戦形式ならばこういったモノを欠かせないのが忍の戦い。ましてや中忍らしい戦略を見るならば必須の小道具と言えるだろう。
「こら!オロオロしてんじゃねー!
しっかり客に顔向けしとけ」
中忍選抜試験本選の試験官にして審判を務める特別上忍の不知火ゲンマがオロオロというかキョロキョロしているナルトとシカマルに注意する。
千本くわえた彼はかつては四代目火影の護衛小隊所属だった精鋭中の精鋭である。
「この『本選』お前らが主役だ!」
ここまで大勢の人に注目されることなどそうはない。しかし中忍となるには必要な経験だからこそこの試験でそうするのだろう。
サスケがまだ到着してない状態。
暗部まで駆り出して捜索してるようだが見つからないようだ(どこで修行してたよカカシ先生)。
さて一人未到着の状況でどうするかと火影様が悩んでいる中、主賓の一角である砂隠れ首領である風影(に変装した大蛇丸)が護衛二人(に二人羽織して変化した音の四人衆)を連れて現れた。
火影様の隣の特別席に風影が到着してしまった以上はもう開始するしかない。
火影様は立ち上がり、
「皆様このたびは木ノ葉隠れ中忍選抜試験にお集まり頂き誠にありがとうございます!!」
本選の開幕を宣言した。
遅刻しているサスケ。
サスケの不在に我愛羅が接触して殺ったのではないかと担当上忍であるバキは危惧しているようだ。
ただ我愛羅は何やら意味深に笑みを深めている。修行中のサスケの姿に何やら感じたものがあったようだ。
「カカシ先生の悪癖がうつったのかね?」
「否定できないのがつらいわ」
「よく考えたらいつものことだってばよ」
でもまあ第七班からしたら驚くことはなかったわ。今までカカシ先生が決まった約束の時間に到着したことなんて一度もなかったのだから。
とりあえずサスケは自分の試合に間に合わなかったら棄権と見なし失格となることが試験官から告げられた。
「いいかてめーら、これが最後の試験だ」
一回戦のナルトとネジだけを残して会場外の控室まで下がる。
観客席を見ればまだ頬が赤いヒナタと一緒に来たキバと赤丸。
そして若様頑張れと旗を振る日向一族がいた・・・・・・・・・気が早くないかなあ。うん、ネジの応援だよねきっと。
「では第一回戦 始め!!」
ぜってー勝つ!!
握り拳を構えたナルトに、ネジは柔拳の構えを取りながら現実を思い知らせてやると宣言した。
木ノ葉の人々がナルトの印象を変える一戦、ここに開始。
補足・説明。
今話は本選開始前までとなります。
ナルトとヒナタの会話は全て書こうか悩みましたが、基本的に原作のままですので原作を読みましょう。
うずまきナルトを目で追い続けて勇気を貰った少女の気持ちを見ることができます。
当作品ではその光景を、狭間いのサクラ、そしてヒナタの護衛達が見ました。なお護衛達はこれを見れたことを自慢しまくるそうです。
宗家と分家。
呪印はアレですが、かなりマシなほうかと。
風の聖痕の神凪家、落第騎士の英雄譚の黒鉄家などと比較したら全然良いかなと。
また権力者としてもかなり良い方で、横山光輝大先生が描いた戦国系の権力者は本当に好き放題してますから(戦国系作品は大抵そんな感じ、いや剣客商売などの江戸時代系もか)。
病んでるサクラ。
ヒナタといのの状況を聞いて、紅先生からは惚気、ガイとリーの濃い熱血を経験し、サスケに会えないとなればこうなります。
チョウジ逃げろ。