百式観音を背負いて。   作:ルール

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 千手狭間君は柱間様の血統とは無関係のモブ千手の末裔です。
 けれど、4歳で死別した実父がアレな意味で有名だったという設定です。
 


原作1巻④

 

 右手を覆っているチャクラの一部をイボにして、少しずつ移動させる。

 イボを増やしながら移動させる。

 両手で、左右で動く方向を逆にしたり。

 イボの大きさや形を変えたり。

 イボごとに進む速さや向きを変える。

 

 忍者学校。

 午前中の説明会が終わり昼食(手製弁当)後は担当上忍が到着するまでは待機。

 昼食の時間中にナルトは原作通りにサスケを襲って縛って変化してサクラとなんやかんやしてから腹を下していたが、俺は特に関わらずにシカマル達と昼食を済ませた。

 夕飯の残りを詰めただけの手製弁当。

 シカマル達が気になっていたのでおかず交換などしてみた。

 手作りということにいのさんはショックを受けていたが、前世で自炊歴半世紀は伊達ではないのだ。

 でも、個人的願望としてもう少しこの世界にも冷凍食品が増えて欲しいと思う。

 弁当を全部冷凍食品にはしないが1品2品はあると楽なのだ。

 独特な発展を遂げ、だいたいの家電などは前世と変わらず揃うこの世界。

 しかし冷凍食品の味やクオリティはまだまだ前世の世界の方が上らしい。

 そんな昼を終えた後。

 シカマル達三人は三代目火影の実子にして元守護忍十二士が一人猿飛アスマと共に別の場所へと移動していった。

 猿飛アスマ、か。

 叶うならば原作で起きてしまった彼の死を防ぎたいものだ。

 シカマル達が移動し、ヒナタ達も移動し、教室に残ったのは第七班の四名のみ。

 担当上忍が遅刻に定評あるはたけカカシならば仕方ないことではあるし、確か彼は昼に火影様とナルトの自宅へ訪れていた筈(そしてナルトの腹下しの理由も判明)、もし自分の自宅やサスケの自宅まで行っていたならさらに時間がかかるだろう。

 ゆえに俺は待ち時間を椅子に座りイボクリ(HUNTER×HUNTER原作でジンがビヨンドの仲間とやっていたオーラを使った手遊び)で潰していた。

 ペン回しのような手遊びで出来たからといって実力に影響はでないがしかし暇つぶしにはうってつけではあるのだ(読書は本が嵩張る)。

 今の自分が出来るのはせいぜい両手でイボを移動させる程度、ジンの域にはまだまだ遠い。

 

「オイ」

 

 むう、右手に4つ、左手に2つ、これ以上の数を増やすか向きを変えるか。

 

「それはなんだ千手」

 

 ん?

 ああサスケか。

 珍しいな声をかけてくるなんて。

 

「イボクリ。

 チャクラを使った手遊びだよ」

 

 注意か?やっぱり苦無でペン回しの方が良かったかもしれない(注、良い子は真似しちゃだめ)。

 

「チャクラをどうやったらそうやって操作できるんだよ」

 

 あ、ヤベ。

 

 ここでざっくりとHUNTER×HUNTERのオーラとNARUTOのチャクラの違いを説明しよう。

 オーラは生物が持つ生命エネルギー。

 チャクラは精神エネルギーと身体エネルギーを練り上げて生成する、大筒木カグヤ由来のエネルギー。

 この2つは同じようだが微妙に違う。

 威力やら性質やらは今度にしておくとして、とりあえずとっかかりとして、

 オーラ操作技術の基本、というかコレ使えたら念能力者な扱いの最初に学ぶ【纏】ですが、

 チャクラでやると高等技法です。

 オーラはチャクラと違い練り上げる必要はない。生きているだけで垂れ流しにしている生命エネルギーを意識的操作するのが念能力。

 だから纏っている状態がデフォなのだが、これをチャクラでやるとなると凄く難しい。

 チャクラを纏って戦う忍者が、雷影や人柱力や雷切を使用したはたけカカシ、八門遁甲の陣を発動したマイト・ガイなど、一流どころしかいないことからもその難易度はうかがえる。

 なにせ練り上げたチャクラをチャクラ穴から放出して操作するのだ。

 そんなことに使用するより印で忍術に変換した方が手っ取り早いだろう。

 さて、じゃあなんでお前はそんな高等技法を当たり前に使えているんだよって?

 ・・・・・・・・・・・・・・・オーラとチャクラを一緒くたに勘違いして使用しているうちにできるようになりました。

 そう、転生当時は違いがわからなかったのでより深く記憶に残っていた四大行の感覚でチャクラ操作修行をしていたのだ。

 え、父親はどうしたって?

 あの人はほぼ任務で不在で、帰ってきたら胸の素晴らしさをひたすら語っていて指導とかしてくれたことがないです。

 だからまあ俺はこの先の未来ではたけカカシがナルト達に教えるチャクラコントロールの木登りや、エビスがナルトに教える水面歩行などが現時点で使用できるのだ(オーラ操作の凝の延長みたいな技法なので)。

 なおオーラの方がチャクラより便利に感じそうだが、集中するだけで吸着性を持たせたり、放出するだけで水面を歩けたり、術によって属性を変換できたりとチャクラの利点も山程あるのだ。

 

 とまあ、そんな説明をサスケにするわけにはいかないだろう(ぶっちゃけかなり個人解釈の適当な当てはめ理屈だし)。

 

「掌のチャクラ穴から放出したチャクラを操作するんだけど」

 

 うわぁサスケ凄えジト目。

 それが出来たら苦労しねえよと顔に書いてある。

 

「とりあえずは練り上げたチャクラを指先に集めることからやってみよう」

 

「ほう、それはどんな意味があるんだ」

 

 木登りでやることの指版なんだよね。

 

「そうすればこんな風に指先に物を吸着させることができるから」

 

 人差し指の先にボールペンを吸着してサスケへと見せつけた。

 

「色々応用が利きそうだな」

 

 イボクリの難易度を察したサスケはとりあえずチャクラコントロールから試してみるようだ。

 はたけカカシを待つのに飽きていたのもあるだろう。

 

「は、情けねえなサスケ。

 イボクリだっけか?そんなん俺が簡単にやってやるってばよ」

 

「私もやってみようかな。

 チャクラを指先に集める、と」

 

 俺とサスケがチャクラで手遊びをしているのを見ていたナルトとサクラも集まりだし自分らもやりだしはじめた。

 

「むこご、でろチャクラァァァ」

 

 ナルトはなんか千鳥に挑戦している時みたいだな。

 

「あ、こんな感じね」

 

 原作で木登りをあっさりやってみせたサクラは数回の挑戦で指先に集中もできたか。医療忍術を会得するくらいだからコントロールが得意なのかも。

 

「クッ。チャクラが強すぎると弾かれて(ヒュンッ)あ、」

 

 ドンっ。

 サスケが指先に吸着しようとしたボールペンは込めすぎた結果弾かれて発射され、ナルトの後頭部にぶち当たった。

 

「何すんだサスケぇぇぇっ!!」

 

「すまん、ウスラトンカチ」

 

「謝るならきちんと謝れやっ!!」

 

「もうナルト!サスケ君も謝ってるじゃない」

 

「ウスラトンカチ呼びだってばよ!!」

 

 (吸着の失敗だが弾かれて発射は使い道がありそうな応用法かも)

 

 手裏剣は投擲する際に指先への力の込めぐあいが威力に反映される。チャクラで発射できるならより威力が増すだろう。

 

「ハイハイ、あんまり騒がない。僕たち以外は誰も居ないけど問題だよ」

 

「誰も居なくなるまで待たされてるってばよ」

 

 この遅刻具合に慣れる羽目になるのかね?

 サバイバル演習で合格したらだけど。

 

 ス・・・・・・・・・。

 

 来たか。

 

「ん、自主練か?感心感心」

 

 扉を開けて現れた一人の男。

 額当てを眼帯のように斜めに付け口元をマスクで覆った特徴的な容姿。

 NARUTO原作において、読者達からなんで闇落ちしなかったんだろこの人?と首を傾げられた人物。

 はたけカカシ。

 

「あー、お前らの第一印象はぁ、勤勉だな」

 

 ハハハと笑いながら彼はそう言った。

 これから一生の付き合いとなる彼との出会いはそんな、原作とは異なる始まりであった。

 

 

 

 場所は変わって木を植えられた校舎の上。  

 まずは自己紹介してもらおうとカカシ先生は告げる。

 ナルトとサクラがなら先生から紹介してくれと強請るが、結局名前しかわからない自己紹介をされた。

 

「じゃ、次はお前らだ右から順に」

  

 まずはナルト。 

 ラーメンのことばかりの自己紹介。 

 けれど将来の夢で、

 

「火影を超す!!ンでもって、里の奴ら全員にオレの存在を認めさせてやるんだ!!」

 

 懐かしいね。

 最初にこの漫画を読んだ時にソレが叶うなんて俺は想像していたかな。

 

「次!」

 

 サスケの番。

 好きなものはないと言ってるけど、確かトマトが好きだったような?

 野望は一族の復興と、 

 

「ある男を必ず・・・・・・殺すことだ」

 

 原作知識で真実知ってるから居た堪れないな、うん。この件に関してはどうしたら良いかわからないよ。

 

「よし、次は女の子」

 

 サクラの番だね。

 忍術より恋愛な年頃の娘さん。

 

「キャーー!!嫌いなものはナルトです!」

 

 十二歳にしては早熟な気がするなあ。

 それとも前世含めて俺が異性と無縁だっただけなのだろうか?

 

「最後に君ね」   

  

 オレの番と。

 一人称はボクにするか俺にするか悩むな。

 

「俺は千手狭間です。

 好きなものは知識を得られる本。

 嫌いなものはキメラアン・・・・・・ゲフンゲフン特にないです」

 

「「「「キメラアン???」」」」

 

「趣味は鍛練で、

 将来の夢は・・・・・・・・・」

 

 夢か、百式観音を体得するって前世からの夢は叶った。いやまだ練度はいくらでも向上できるし新たな技も考えられるが。

 そう考えた末に自然とその夢は溢れていた。

 

「誰も見たこともない場所に行き、  

 誰も触れたことのない物に触れ、

 誰も会ったことのない誰かに会う。

 ここにない【ナニカ】を追い求めたい」

 

 ビヨンド・ネテロ。

 HUNTER×HUNTERで一番好きだったキャラクターの実子。

 その宣言の一部を俺は言っていた。

 未知への探求。

 今までの生活でも存分に楽しんでいたが、まだまだ満足できていなかったんだ。

 

「・・・・・・・・・君さ、本当に谷間さんの息子?」

 

 その夢を聞いたカカシ先生は申し訳なさそうだがナニカを確かめるように訊ねてきた。

 

「父をご存知でしたか」

 

「まあ、任務で何度かね」

 

「狭間の父ちゃん!?どんな人だってばよ」

 

「私も気になるかも」

 

「フンっ」

 

 同じ班員の父親のことだからとナルト達も気になるようだ。

 でもなあ。  

 

「あーー」

  

 気まずそうに頭を掻きながらコチラを窺うカカシ先生。それは既に落命している人物だということもあるが、それだけが理由ではなく。

 

「大丈夫です。知ってますから」

 

「どんな人かっていったら、

 自己紹介で好きな胸の大きさを訊ねてくる人」

 

 ド変態だったからなんだよなあ。

 

「そして返答が気に入らなかったら殴りかかってたらしいですよね」

 

「知ってたのね。

 まぁ本当、何度背後から千鳥でぶち抜こうと思ったことか」

 

 今まで何度もあった生前の父を知る人達からの評価。聞くたびに申し訳なくなるよ。

 

「亡き父がすいませんでした」

 

「いや、君のせいじゃないから」

 

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

 

 身内の恥を晒された俺の姿を見てナルト達は目を逸らしながら押し黙るのであった。

 

「それでもさ、仲間想いの良い人だったよ。

 死ぬにはほんと、早すぎだ」

 

 けれど父を知る人達は必ず、最後にこうも言ってくれる。父の死を悼みながら。

 それが救いなんだ。

 

「まあ、しんみりしちゃったけど。

 今の君は反面教師にしたんだろうな」

 

「十二歳でエロに走るのは早熟では?」

 

「その発言は枯れてる側だからね」

 

 その後、カカシ先生はサバイバル演習について説明。重苦しいカカシ先生の様子も合わさって、アカデミーに戻される危機感を存分に煽られるのであった。

 

 とりあえず朝食はきちんととろう。

 

 

 





 補足・説明。
 
 今話はカカシ先生が来るまでの待ち時間と自己紹介です。原作の自己紹介を書くべきか悩みましたがある程度まとめました。
 待ち時間でイボクリをして時間を潰すオリ主と、そんなオリ主に絡むサスケ達でした。ヒマですし。
 オーラとチャクラに関しての説明は独自解釈のオリジナル設定です。
 あくまでオリ主はチャクラをオーラのように操ってるだけでオーラではありません。
 ただ勘違いしてやってるうちにできました。  
 基本的に忍者はチャクラは体外にだして纏うのではなく経絡系に流して体内に留める使い方のようです。
 ナルトはイボクリに挑戦してしまいましたが、サクラとサスケは木登りの理屈を学ぶことができました。
 狭間の夢ですが、百式観音で最強に成りたい気持ちもありますがこの世界の未知にも興味津々です。


 千手谷間。
 波風ミナトと同世代なので、カカシ先生も知っています。
 谷間をこよなく愛するド変態で、自来也のあっち方面の後継者、と呼ばれていました。
 そのため千手狭間はその特異な血筋にも関わらず大蛇丸の注目から除外されてます。
 怪我の功名ですね(笑)

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