百式観音を背負いて。   作:ルール

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 日向一族当主日向ヒアシが、分家の日向ネジに父の死の真意を説明してからしばらく。
 ひっきりなしに訪れた日向一族の者達のネジを心配する言葉に彼の心は軽くなっていった。
 そしてネジが試合前から気になっていた日向一族がナルトを応援する理由を尋ねると、一族の者達はヒナタによるナルトへの微笑ましいアタックとナルトの真剣に努力していた姿を熱く語りだした。
 いずれはヒナタとナルトに結ばれて欲しい。
 日向一族の者達はそう考えるようになっていた。

「・・・・・・守りがいのありそうな若様だな」

 日向ネジもまたナルトと戦い、一族の話を聞いてこう思ったそうだ。


 日向ネジの一族への蟠りが大幅に減少した。
 日向ネジの一族への同調意識が強まった。
 日向ネジはナル✕ヒナ推しになった。
 日向ネジの死亡フラグが急上昇した。
 


原作12巻③

 

 秋道チョウジ。

 原作初登場から彼はあまり評価の良い人物ではないだろう。

 そもそもナルト視点からの紹介ではデブチンオバカで目つきが悪く顔にマークがあり常にポテチを食べてるデブもといぽっちゃりだったからだ。

 内心のセリフにしても犬塚キバの相棒である赤丸を見て「(あの犬美味そうだな)」である。

 死の森での戦闘もサクラを助けようとしたいの達とは違い音忍の言動でブチギレて戦いだした。

 この段階での評価も、外見特徴を指摘されたらキレて膨れて転がりながら突っ込んでくるデブもといぽっちゃりである。

 その印象が変わったのは、木ノ葉崩しの終盤の父親である秋道チョウザが倍化の術で巨大化したことだ。

 胴体を膨らませて球体になるだけかと思われた倍化の術は巨人化できる忍術と判明したのだ。

 ならば倍化の術に使い道はあると思ったところで、サスケ奪還編の開始。

 シカマルに選ばれた彼は、友の為に怒り命がけで格上の音忍を倒したのだ。

 友情深く友の為に命惜しまぬ頼れる巨大化するぽっちゃり。それが秋道チョウジだとこの時にこれから続く認識が定まったのだ。

 そこから先はさして活躍はない。

 師の仇討ちの戦いでもメインはシカマルとナルトで、チョウジは活躍はしてもサポート要員だった。

 ペイン編では活躍というほどの戦いはできず、忍界大戦編では穢土転生角都を捕らえるも登場人物が多過ぎて埋もれた印象だ。

 さてそんな秋道チョウジであるが、この世界での彼は本質は変わらないがよりその性格が表にでていた。

 アカデミーでは周りから遠巻きにされるナルトを自分もハブられがちなのもあり気にかけ、ナルトが巻物を盗んだ騒動の時は大人達に命狙われるナルトを心配し、ナルトが九尾の人柱力であると知っても態度を変えなかった。

 そんな心優しきぽっちゃりが彼なのだ。

 そして原作とは違い千手邸に集まり鍋パやら鍛錬を共にする間柄になったチョウジだがその影響で原作よりも多くの秘伝忍術を使いこなす。 

 倍化の術から肉弾戦車、だけではなく部分倍化なども中忍選抜試験開始前からできるようになっているのだ。

 術のバリエーションが増えてさらに周りに触発されて己を高めている彼は原作より身も心も強いだろう。

 だが、

 それは対戦相手である春野サクラとて同じ。

 むしろ原作から変わる元凶である俺こと千手狭間が同じ班員であることからその影響は大きい。

 原作でこの段階では【大した取り柄のないくノ一】だった彼女だが、俺が使うNARUTO向けに改良したチャクラコントロール技法四大行を知ることで大幅に強化魔改造されていった。

 本人の意識も原作とは大分違う。

 サスケは勿論、ナルトとの実力差にも嘆くだけだった少女は、確かな実力を得たことで生来の負けん気からより己を高めることに集中した。

 ・・・・・・その結果がアレである。

 

「我この拳を持って勝利を掴み、ラブコメを堪能した親友(怨敵)を打ち砕かん」

 

 なんか世紀末覇者系ヒロインになってますね。

 俺が入れ知恵した結果会得した戦闘スタイル、幻術とチャクラコントロールと体術を併用した【幻拳】。それをより高めるために忍界最強の体術使いマイト・ガイに体術を学びに行ったら、こうなった。

 そもそも原作では中忍選抜第三の試験本選には勝ち上がれず、修行期間である本選までの一ヶ月は病院から行方を晦ましたサスケ、忍者を諦めろと言われても諦めずに努力するリーの心配をしていた。

 その間に彼女が修行に励むことは原作の精神状態的にはなかったのだろう。

 だからしばらくの間、サスケとナルトとの間に圧倒的な実力差ができてしまったのかもしれない。

 心配し続け一ヶ月過ごしたことを悪いとは言わないし思わない。

 だが、その一ヶ月は成長期であるナルト達にはあまりに大きすぎたのだ。

 そしてこの世界は、その成長期である一ヶ月を鍛錬に費やした世界。

 ゆえに今の彼女は、

 

「ハアァァァァ!!」

 

 阿修羅(六道仙人の次男ではありません)すら凌駕する存在だ。

 しかしなんか彼女の姿が前世で読んだ北斗の拳みたいな感じだな、もしかして俺が書いて自宅に置いといた北斗の拳の再現本でも読んだのかな?

 転生したこの千手一族のスペックは前世とは比べモノにならないくらい高い。

 記憶にある前世の漫画を再現して書き写すことができるほどだ。

 だから俺はヒマになったらNARUTO原作以外の記憶にある漫画を忘れないうちに書き写していたりする。修行でバテていても手ぐらいは動くからだ。

 それに記憶で思い出して読むより現物にして読むほうが楽しい、だから疲れていてもつい書いてしまう。著作権とかは心配だが出版して収益を得てないから大丈夫だよね(汗)。

 もしやサクラはそうした漫画を読んで影響を受けたのかもしれない。

 ・・・・・・・・・やべー内容の漫画とか置いといてないか確認する必要があるなあ。

 烈火の炎はセーフかな(汗)。

 

「それでは秋道チョウジ対春野サクラ!始め!」

 

 審判による開始の合図。

 

「倍化の術!!」

 

 直ぐにチョウジは倍化の術を発動。

 その姿は腹部を倍化させた球体状ではなく全身を倍化させた巨人化だ。

 巨人と言っても秋道チョウザさんのように建物サイズではない。

 精々数倍の大きさの舞台に植えられた樹木サイズだ。ナルトが予選で倍化の術を影分身の応用で再現したことに触発された彼は、負けるものかとこの全身倍加を会得したのだ。

 秋道一族でも全員が使えるわけではない全身倍化の術。

 これを十二歳で使えるということを観客に見せられただけで彼は大きなアピールが出来たと言えるだろう。

 なにせ秋道一族の巨人化は忍界でも有名。

 火の国ではパレード時に巨大化して旗持ちをさせるくらいに人気の術でもあるのだ。

 デカい。

 ただそれだけのことで需要はいくらでもある。

 そして秋道一族の倍化の術はただデカいだけではない。巨大化してなお運動性能は下がらず、機敏に素早く動けるのだ(秋道一族基準の機敏ではあるが)。

 ちなみに秋道一族の倍化の術は肉体を増やして膨らませるわけではなく体系的には変化の術の一つである。

 だから生身の質量が増えても身に纏う装備品が呪印状態二のように弾け飛ぶことはない。

 

「いくよ!!」

 

 女の子を殴りたくはない。

 そんな本音がチョウジにはあった。

 倍化の術による巨大化も殴る前の掛け声も、これを見て引き下がってくれたら、という思いからだ。

 しかし、

 

「効かぬ」

 

 振り下ろされた拳を春野サクラは片手で受け止めていた。

 

「「「「え?」」」」

 

 筋肉質には見えない華奢な女の子がやったこと、それはあまりにも常軌を逸していた。

 樹木サイズの巨漢が振り下ろした拳を受け止めることなど普通はできない。

 

「・・・・・・そう長くは持たない。

 ゆえに全力で最速で決めさせてもらう!!」

 

 受け止められたタネはシンプル。

 ガイ先生が先程教えてくれた驚愕の情報、八門遁甲の術を使いチャクラを大幅に上げてその増したチャクラを片手に集めて受け止めただけだ。

 たった一ヶ月で八門遁甲の術を第二門まで開けた春野サクラ。あの天才ロック・リーすら上回る恐るべき才能は彼女のチャクラコントロールの才能と、八門遁甲の第一門【開門】と第二門【休門】が身体の脳に当たる部分だからだろう。

 アカデミー座学トップの学力を誇った彼女は脳髄こそが一番鍛えられていたのだ。

 

「幻術 見上げ入道!!」

 

 サクラはこの一ヶ月で紅上忍から習った幻術を発動する。

 幻術 見上げ入道。

 これはとある妖怪に因んだ幻術で、見上げるほどに巨大化する影のような人型を見せる。

 それだけで相手をどうこうできる術ではない。

 しかしその異様な光景は周囲の、そして眼の前の敵の意識を集めるのだ。

 

「・・・・・・ハッ!?しまったッ!?」

 

 今の自分より大きな存在の幻に意識を向けてしまった巨大化チョウジ。

 それは身体能力を八門遁甲で底上げし、そのチャクラの大半を両拳に集めたサクラに対してあまりにも致命的な隙であった。

 

「いくぞ!!」

 

 飛び上がった彼女はもうその両拳が届く間合いへといた。

 

「しゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんっ!!

 しゃーーーーんなろーーーっ!!」

 

「ぐべっ、こばっ、ぼばっ、ばはっ、ぶへっ、とばっ、あべしっ、ぶひっ!、たわばっ!?!?」

 

 後にしゃんなろラッシュと呼ばれる春野サクラの必殺連打。

 基礎訓練の鬼とも言えるマイト・ガイに鍛えられた肉体に八門遁甲と四大行【凝】を併用し強化されたそのラッシュは、その巨体相応の強度がある筈の巨大化チョウジを正面から殴り潰す!!

 

「「「「「チョウジーーー!!」」」」」

 

 ひき肉を拳で作り出すような光景に同期組は悲鳴を上げ、

 

「「「「うおおおおーーー!!」」」」

 

 ジャイアントキリングそのものな戦いに観客席は大いに盛り上がった。

 柔道の試合で小さい者が大きい者を綺麗に投げたら興奮する。

 神話では巨人殺しの英雄はお約束の存在。

 デカいヤツを小さいヤツがぶっ倒す。

 それはそれだけで、目を引いて見る者を沸き立たせるのである。

 

「我が勝利なり!!」

 

 殴られボロボロのチョウジの巨体の上でサクラは勝利宣言をした。

 

「勝者 春野サクラ!!」

 

 巨人殺し(生きてます)の拳王・春野サクラ。その名は長らく木ノ葉の伝説として語り継がれ、遠い未来で彼女の娘が悩み苦しむネタとなる。

 それに関して未来で彼女は、「なんかテンションが振り切れて正直覚えてません」とコメントしたとか。

 

 秋道チョウジ対春野サクラ。

 春野サクラの勝利!!

 

 

「・・・・・・なんでああなったの?」

 

「アタシとヒナタと紅先生が、アレコレ言いまくったのがいけなかったのかも」

 

「それでしょ原因」

 

 ラブコメが欠乏している恋する乙女に、惚気を言いまくってはいけません。 

 

「・・・・・・あの、いのさんはそのさ」

 

「いやー、棄権したら」

 

 会場に立つ春野サクラさん(なんか眉毛濃くない?)は連戦も構わぬ、という態度だ。

 

「そっちの方が怖いから」

 

「だよね」

 

 今のサクラさんは場外乱闘すら辞さないだろう。

 いのさんも父親から秘伝忍術を習い強くなった。それで或いは勝てるかもしれない。

 でも、

 

「「怖いなあ」」

 

「ギブアップして正解だったわ」

 

 今の彼女と戦いたがるヤツはそうはいないだろう。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 ふと見ればあの我愛羅ですら、なんかやだなーって顔をしてるくらいだし。

 そんな山中いのさんが処刑台に足を踏みかけたその時、フワリと木の葉が舞い上がり渦巻いた。

 ヒーローは遅れてやってくる。

 うちはサスケ、ここに参上!!

 

 

 ・・・・・・・・・遅刻だが。

 





 補足・説明。

 今話はチョウジとサクラの戦いです。
 強化されたチョウジ、魔改造され狂化したサクラの戦いでした。
 チョウジは倍化の術で評価されたので、シカマルに続いて負けましたが中忍になれる可能性があります。
 全身倍化の術は需要が多いのです。
 サクラが八門遁甲を開けたのは二つが脳だったからのも理由です。
 チャクラコントロール技能の向上と合わさり、あとは感情の爆発がそうさせました。

 狭間の前世漫画書き写し。
 狭間の趣味の一つです。
 ヒマを見つけてはチョイチョイ書いてます。
 NARUTO登場人物が好きそうな漫画はなんでしょう?皆さんの考えが気になります。
 
 幻術 見上げ入道。
 元ネタは妖怪の幻術です。  
 破る方法は知識があれば簡単ですが、尾獣すら見入ってしまいます。
 巨大化チョウジの意識を向けるのに使用しました。

 しゃんなろラッシュ。
 オラオララッシュのようなサクラの必殺技。
 狭間が写した漫画の影響を受けました。
 彼女が内容を知ってるのは狭間宅で本を読むのは彼女くらいだからです。

 巨人殺しの拳王サクラ。
 中忍試験で語り継がれる伝説。
 サラダちゃんも秋道一族からなんか怯えられる未来が確定しました。
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