百式観音を背負いて。   作:ルール

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 アニメを見ると、本当にサスケはナルトを心配して必死に探していたんですよね。
 
 うちは一族虐殺は五年前(作中経過時間込みなら約6年前?)。
 サスケが7歳の時になります。
 
 しかしうちはフガクさんですが、
 うちは一族のリーダーなのに自宅が一般家庭過ぎですよね。
 なんか日向一族だけが例外的にお金持ちしてる忍一族な気がします。



原作17巻①

 

 うちはイタチにナルトが狙われている。

 カカシ先生のもとを訪ねてその情報を知ったサスケは俺に助力を願い、木ノ葉隠れの里近くの宿場町まで探しにいった。

 カカシ先生は紛れもなく木ノ葉最強の忍。

 そんな彼を一蹴したイタチが相手となると、尾獣と戦える口寄せ獣を喚び出せるナルトでも勝ち目がない。

 ましてやサスケからしてみれば、うちはイタチは理不尽な理由で自分の全てを奪った存在。

 ナルトも、大切な友達も奪われるのではないかと焦るのも当然だろう。

 

「見つけた」

 

 精度を雑にして広範囲に展開した【円】で、ナルトの居場所を発見した。

 その範囲はキメラアントの王直属の護衛団のネフェルピトーよりは劣るがかなりの広範囲だ。

 雑にしか把握できない円など殆ど意味がなくなる気もするが、ナルトのように膨大なチャクラ量を誇りさらに体内に異質なチャクラを宿す特徴的な存在なら見つけることができる。

 

「急ごう、ナルトの近くに忍らしき存在が二人いる」

 

「二人組っ、イタチとその仲間か」

 

 この広範囲の円だとうちはイタチは忍であることしかわからない、だがもう一人の干柿鬼鮫はナルトに劣らぬ膨大なチャクラ量なので判別がしやすい。

 そしてたちの悪いことに、原作通りに自来也様はナルトから離れて単独行動をしている。

 

「こっちだ」

 

 俺が先導し、ナルトのいる場所へと急いだ。

 

 

 

「久しぶりだな・・・・・・サスケ」

 

 某ダークファンタジーのドラゴン殺しみたいな形をした刀を干柿鬼鮫が握りしめたところで俺達はたどり着くことができた。

 部屋から出たばかりの様子であるナルトはまだ傷一つない。

 俺達はなんとか間に合ったようだ。

 

「・・・・・・うちはイタチ」  

 

 

 原作知識を持つ俺には、この光景がとても辛く悲しいワンシーンに見えた。

 サスケからすれば、自分の日常を破壊した、一族全員を殺めた仇との遭遇。

 しかしイタチからしたら何をしてでも守り抜いた最愛の弟との再会だ。

 ダンゾウの目のないこの状況で、イタチはサスケに全て打ち明けたいとは考えなかったのだろうか?

 暁で組んでいる干柿鬼鮫を一時的に誤魔化すことくらいなら、うちはイタチならば容易くできるだろうに。

 出来てもしない。

 自分の幸せを望まない。

 裁きを受け入れた、処罰の時を待つ罪人のように、うちはイタチは自身が苦しむ選択を取っているように見えた。

 まるで自分はそうしなければいけないと言わんばかりに。

 

「!」

 

「え!?」

 

「おやおや、今日は珍しい日ですねぇ。二度も他の写輪眼が見れるとは」

 

 俺達に気がついた干柿鬼鮫はサスケを見て驚愕する。相方が声をかけた存在の両の瞳が写輪眼だったからだ。

 カカシ先生の写輪眼と、サスケの写輪眼。

 うちは一族が滅びた今、現存する希少な写輪眼を干柿鬼鮫は続けて見たのである。

 

「アンタを、殺す!!」

 

 その殺意は本物。

 復讐心に取り憑かれ他に何も考えてないと思わせるだけの気配。

 だが共に並ぶ俺には、サスケの真意が伝えられていた。

【オレガスキヲツクル】

 チャクラコントロールの応用で書かれたメッセージ。背を向けたままのイタチと目だけを向けた鬼鮫では見えないだろう。

 剥き出しの殺意はブラフ。

 サスケが目を引いてるうちになんとか俺がナルトを救わなければいけない。

 ナルトと俺達の間に立つ忍界最強格であるうちはイタチと干柿鬼鮫を超えてだ。

 ・・・・・・柱間様と大蛇丸、あとは左近と右近が口寄せする羅生門すら比べものにならない鉄壁である。

 

「アンタの言った通り、アンタを恨み憎み、そして・・・・・・アンタを殺す為だけにオレは・・・・・・、

 生きてきた!!」

 

 サスケが隙を作る為に選んだ忍術は、今自身が撃てる中で一番強力で派手なカカシ先生直伝の千鳥。

 チリチリチリチリと雷遁が迸り、接触した宿の壁を抉りながらイタチに向かって直進する。

 

「・・・・・・千鳥?」

 

 流石は木ノ葉の暗部の元部隊長だけありコピー忍者カカシの必殺技をイタチは知っていた。

 

「うオオオオオオ!!」

 

 この距離では助走が足りない。

 だが鍛え抜いたサスケの脚力と千鳥の鋭さならば直撃すればただではすまない。

 直撃すれば、ただではすまない、のだ。

 うちはイタチ。

 写輪眼を八歳で開眼した天才はその観察眼が桁違いである。

 写輪眼との併用でカウンターすらものともしない千鳥を、あっさりと躱しサスケの腹部に一撃入れてみせた。

 これは写輪眼を使う者同士の力量差のせいである。

 躱され一撃入れられたことで、壁に大穴を開けた千鳥は効果を失い治まる。

 それを間近で見たナルトと俺が動くのは同時だった。

 ナルトがなんとかしようとチャクラを練りだしその溢れるチャクラが空間を埋め尽くす。

 

「!」「!!」

 

 暁の二人の意識がナルトに向いたタイミングで百式観音の掌で叩き飛ばそうとすると、

 

「ギョギョッ」

 

 その一打は勝手に動きだした大刀鮫肌が壁となり受け止めた。

 

「何っ!?」

 

 それには俺も驚くしかない。

 イタチと鬼鮫は強い。

 だが大蛇丸や君麻呂や角都と飛段のように不死身と言える肉体強度はない。

 ならば百式観音の一撃であわよくば倒せると踏んでいたのだが、いくら俺がネテロ会長より劣っているとはいえ、あのキメラアントのネフェルピトーや王すら回避できない一撃を、実際にイタチと鬼鮫が反応できなかった一撃を、武器が勝手に動いて防いだのだ。

 大刀鮫肌が生きてることは原作知識から知っていた。本当に刀なのか疑問なシロモノだと、原作を読んだ時に思っていた。

 実は遥か昔に大筒木一族が連れてきたペットを捕獲して柄をつけたのではないかと疑っていたほどだ。

 デビルメイクライ4に登場した魔剣と悪魔の融合体であるグラディウスやカットラスのようである。

 とにかくチャクラすらも削り食う生きた大剣である鮫肌は、主を守るために凄まじい速度で壁になったのである。

 

「・・・・・・なんです今の術は?」

 

「見切れなかった。凄まじいな」

 

 鮫肌に受け止められた百式観音を認識した暁の二人はその速度と激突音に衝撃を受けたようだ。

 そのせいでこちらに意識が向いてしまった。

 そしてナルトだが、防ぐついでにナルトのチャクラを鮫肌がつまみ食いしたのか、チャクラが消え失せてしまい口寄せの術が不発に終わってしまった。

 

「このっ・・・・・・!!」

 

 ならば自分がとサスケが動こうとするが、「邪魔だ」とイタチは容赦なく掴んだ腕をへし折る。

 

「何者ですか彼」

 

「あの千手谷間の忘れ形見だ、先の木ノ葉崩しで観音像を操り大立ち回りをしたらしい」

 

「ほぅ、あの人の子供ですか。

 よくわからない問いかけをしてから殴りかかってこないのでわかりませんでした」

 

 干柿鬼鮫にすらやらかしてたんかいあの親父っ!!どんなシチュエーションだったのか地味に気になるわ!!

 

「変態の子は異才のようだ。やるぞ」

 

「その前にチャクラを練ったこの九尾の人柱力の腕を切り落としますか」

 

 イタチはこちらに写輪眼を向け、鬼鮫が大刀鮫肌をナルトへと振り上げる。

 再度百式観音を使おうと掌を合わせようとすると、ナルトに振り下ろされた鮫肌は鎧を纏う蝦蟇が防いでいた。

 

「お前らワシのことを知らなさ過ぎるのォ」

 

 写輪眼の幻術で操られた女性にまんまと誘い出されナルトを一人にした自来也様が見得を切りながら現れたのである。

 

「ククク、伝説の三忍と謳い称された自来也様ですからね。いくら無類の女好きでもあっさりと見破りましたか」

 

 いやほぼ完全に引っかかっていたかと。

 千鳥の轟音を聞いて戻ってきた可能性が高いのではないかと。

 

「どうやらその女にかけていた幻術は解いたようですね」

 

「ナルトからワシを引き離すために催眠眼を使うたあ、男の風上にもおけんやり方だのォ。

 目当てはやはりナルトか」

 

「「・・・・・・・・・!!」」

 

 その情報にナルトとサスケが驚愕する。

 

「道理でカカシさんが知ってるはずだ。情報源はアナタでしたか。

 ナルト君を、人柱力らを連れていくのが、我が組織暁から下された我々への至上命令」

 

 人柱力を狙う。  

 それが里においてどのような意味を持つのか。忍であればわかること。

 その任務をイタチは明かすのであった。

 

「ナルトはやれんのォ」

 

「どうですかね」

 

「ちょうどいい、お前ら二人はここでワシが始末する!!」

 

「手ェ出すな」

 

 自来也様が殺意を高めたところで、その殺意がイタチに向いたことでサスケは反応した。

 

「コイツを殺すのはオレだ」

 

 痛みに震える身体でサスケは立ち上がった。

 それは、兄に迫る死に反応したのかもしれない。

 

「今はお前に興味はない」

 

 立ち上がった弟を蹴り飛ばすイタチ。

 

「サスケ!!」

 

 これ以上はマズイ。

 ゆえに俺は練を発動してイタチへと迫る。

 もうサスケはナルトを助ける目的を達したことで復讐心が第一となっている。

 しかし原作よりも強くなってはいてもイタチとの実力差は圧倒的。

 一方的に嬲られるだけの状況、そこから先の万華鏡写輪眼は防がなければと俺は拳を振り上げるが、

 

「谷間さんを思い出しますね」

 

 そのチャクラ纏う拳は喜々として削り食いだす鮫肌と、親戚の子が跳びついてきた叔父のような眼差しの鬼鮫に受け止められた。

 だからどんな関係だったんだあの親父!!

 

「・・・・・・ここまで鍛えても届かないのかよ」

 

 鮫肌の食欲からのオートガードと鬼鮫の人外の膂力で俺の攻撃は防がれる。

 その間に打ちのめされたサスケは、床に倒れながらそう呟いていた。

 

「一体、オレは」

 

 そのサスケの首を掴み持ち上げ、イタチはもう暫くは追わないように、さらに自分への憎しみを募らせるために万華鏡写輪眼月読を発動した。

 

「うわぁああああ!!」

 

「テメェッ!!」

 

 24時間、父と母が殺されたあの日を見せつける。その残酷過ぎる精神拷問にサスケは絶叫する。

 

「どけや鮫野郎!!叩き潰して蒲鉾にすんぞ!!」

 

「その発言も谷間さんの子らしい」

 

 眼の前で友人が苦しみ叫ぶのに干柿鬼鮫を突破できない。もどかしさから焦り叫ぶも届かない。

 

「いい加減にしやがれェ!!テメェら!!」

 

 サスケに邪魔するなと言われ硬直していたナルトもついに駆け出した。

 しかしその瞬間、

 

「忍法・蝦蟇口縛り」

 

 自来也様の忍法が発動した。

 

「残念だのォ、イタチ・・・鬼鮫。

 お前らはもうワシの腹の中!!」

 

 周囲は一変。

 デビルメイクライ3で見たステージのように、宿内は巨大生物の体内のような空間と化した。

 





 補足・説明。
 
 今話は、イタチ鬼鮫戦です。
 最初は冷静だったサスケですが、ナルトが助かった時点で復讐心に呑まれました。
 狭間の百式観音は鮫肌により防がれます。
 生物としか思えない武器。
 それゆえ百式観音にすら反応します。
 百式観音は食えませんが、壁になるくらいはできるのです。
 チャクラ食うことから、絶対コレは野生化した大筒木一族のペットだと思います。
 かつて大筒木一族はコレらにリードをつけて散歩していたのでしょう。
 それに柄をつけたのが大刀鮫肌なのかと。

 鬼鮫と谷間。
 戦時中にかち合ったことがあります。
 変な質問されて殴りかかってこられましたが、自分を自分として見てくれた谷間を鬼鮫は敵ながら好感を抱いたそうです。  
 なので鬼鮫はいつかは角都を◯す気です。
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