百式観音を背負いて。   作:ルール

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 この話で複数の作品の技などを使用します。
 ご不快な方が居られましたらどうかお許しください。



原作1巻⑥ 原作2巻①

 

 サバイバル演習試験。

 正式に下忍と認められるかどうかの最後の試験。

 ナルト、サクラ、サスケをそれぞれ打ち負かしたはたけカカシはついに最後の一人、狭間と交戦を開始した。

 だが、今期アカデミーを首席で卒業した千手狭間の実力は、今までのアカデミー生とは桁が違っていた。

 尋常ならざるチャクラコントロールにより炎のように吹き出るチャクラを纏う少年。

 その一撃は上忍であるはたけカカシすら回避を選択するほどの威力であった。

 残り時間はごく僅か。

 果たしてこの演習はどの決着を迎えるのだろうか。

 

 

 

「(リーチの差は大きいか)」

 

 十二歳という年齢。

 身体能力こそ桁違いであってもその身体のサイズは年相応。

 身長が低ければ手足も短い。

 ただそれだけのこと。

 それだけのことが、俺の拳を届かせない。

 戦闘において重要な要素である間合い。

 年齢という覆せぬ差でカカシ先生は俺より有利に立ち回っている。

 このままでは攻撃は当たらない。

 その現状を理解した俺は次の手段を取る。

 

「(腰のポーチに手を突っ込んだか)」

 

 リーチ差により回避を続けていたカカシ先生はその差を埋めるために飛び道具を取り出すと推測しているようだ。

 それは外れで当たりだ。

 俺がポーチから取り出した物、それは地面にばら撒き相手の足止めや負傷を狙う忍具【撒菱】である。

 この状況で俺が取り出したのは本来の用途としてカカシ先生の行動を制限するためではない。

 本来との使い方ではない使い方をするためだ。

 

「忍法、撒菱指弾!!」

 

「!?」

 

 鍛え抜かれた直感がカカシ先生を動かした。

 俺の射線から飛び退き、攻撃を回避したのだ。

 

「初見で躱されるとは思いませんでしたよ」

 

 地面にばら撒く撒菱を親指で弾き弾丸の如く敵を射貫く技。

 前世で読んだ小説、西尾維新作・対戦格闘剣花絵巻【刀語】に登場した真庭忍軍十二頭領が一人真庭蜜蜂の忍法。それを自分なりに再現アレンジしたものだ。

 親指で弾き飛ばすのは同じ、だがその時に四大行が一つ【纏】の応用技【周】を使用する。

【纏】はオーラを自らの身に纏う技術。

 そして【周】はその応用でオーラを身体ではなく物品に纏わせる技術。

 その効果は絶大。

 HUNTER×HUNTER作中に登場した人物、奇術師ヒソカはただのトランプにオーラを纏わせ、人体を容易く貫きさらに首をはねた。

 それを撃ち出す撒菱に使えば、

 

「(木が穴だらけに貫通している、どんな威力だい)」

 

 親指で撒菱を弾く程度ではせいぜい木に突き刺さりはしても貫通などはしない。

 オーラを纏わせればこれだけの破壊力を生み出せるのである。

 だが【周】を使用するならなにも撒菱である必要はない。手裏剣や苦無でも同様の威力が見込めるだろう。

 わざわざ撒菱を選んだ理由は、

 

「なんて連続射撃だ!?」

 

 そのサイズによる連射のしやすさである。

 刀語の蜜蜂は作中で二発しか使用しなかったが、俺は違う。

 HUNTER×HUNTER作中にてゾルディック家執事ゴトーがコインでやったように撒菱を連射する。

 それは銃火器の発達がされてないこの世界では未知の攻撃。

 ガトリングガンの如き弾幕だ。

 

(うーん、でも撒菱だと安いとはいえ金がかかるし後で回収するのが面倒。やっぱり石の方が良いか?)

 

 指で小石を弾いて相手を射貫く。

 それはもう撒菱指弾ではなく横山光輝作【闇の土鬼】で登場した血風党の技【霞のつぶて】である。

 

「土遁 土流壁」

 

 凄まじい連射に回避が不可能だと悟ったカカシ先生は印を組んだあとに両手を地面につけ忍術で土壁を創り出した。

 体術使いでありながらも中距離すら制した俺から距離を取るための手段。

 木々なら射抜ける撒菱もチャクラの込められた土壁ではめり込み止まる。

 

「こりゃ仕切り直さないとね(チャクラを纏った体術にチャクラを込められた撒菱の連射、下忍レベルを逸脱してるぞ)」

 

 飛び上がるカカシ、しかしその瞬間。

 

「やれ、ウスラトンカチ!!」

 

「「「「「うおおおお!!」」」」」

 

 サスケの合図と共に空からナルト(影分身体)が降り注ぐ。

 

「忍法・晴れ時々ナルトの術!!」

 

「ナルト!?」

 

 なるほど多重影分身の術は分身体の出現場所を指定できる。

 それを活用して上空にナルト(影分身体)を出現させたのか。

 

「そのまま分身体で包み込め!!

 スズメバチを隙間なく包む蜜蜂のように!!」

 

 いわゆる蜂団子というやつだ。

 大きさと力で劣る蜜蜂がスズメバチを撃退する唯一の手段。

 自らの身体で包み込み熱を籠もらせその密度で体温を向上させ熱死させるのだ。

 眼の前のカカシに群がるナルトの姿はまさにそれである。

 

「サクラはカカシを警戒!!

 土遁で地面に潜ろうとしたら苦無を投げて牽制しろ!!」

 

「はい!!」

 

 ナルト(影分身体)を群がらせ、サクラを土遁の警戒に当てる。

 ならば残り二人は、

 

「千手!!その撒菱を撃ち出す以外に術はあるだろうな!?

 カカシに群がるウスラトンカチ(影分身体)ごと叩き潰すぞ!!」

 

「「「「「鬼かテメェ!!」」」」」

 

 当然ナルト達からは悲鳴のような抗議の声があがる。

 

「合点承知!!とっておきの(ネタ)技をお披露目しよう!!」

 

「「「「「テメェも合点じゃねえよ!!」」」」」

 

 影分身の術の使い方としてはある意味で正しいのだからスルーだ。

 火遁豪火球の術の印を組むサスケ。

 ソレに合わせ右手にチャクラを集中させる。

 HUNTER×HUNTERでは相性の良い放出系で無くとも技術としてオーラの弾を飛ばすことができた。

 ならば似て非なるチャクラでも形状を操作して撃ち出すことは可能!!

 これは人々が宇宙へ飛び出した未来でなお身体を鍛え抜き最強と称えられた偉大な武闘家の最終奥義を模した技。

 

「火遁!豪火球の術!!」

 

「忍法 石破天驚拳!!」

 

 本日二度目の火遁と、驚と書かれたチャクラでできた巨大な掌がナルト団子に包まれたカカシ先生へと放たれる。

 

「まずいねこりゃ」

 

 ナルトの中でカカシ先生はそう呟き、額当てを押し上げる。

 瞬間、俺とサスケの術の射線上にいたナルト達がボンボンボンと消え去る音が響く中チチチと稲光る音が鳴り同時に大爆発が起きた。

 

「やったか!?」

 

「それ言ったらダメなヤツ」

 

 その言葉が聞こえた後にやれてる場合はほとんどない。

 

「いやーーー本当。

 優秀だね君達」

 

 額当てを戻しながら粉塵の中から現れるカカシ先生。その右手はまだ雷遁が発せられていた。

 千鳥、否、雷切。

 カカシ先生のとっておきを使わせるほどに追い詰められたようだ。

 

「これで駄目か・・・・・・ウスラトンカチ、もう一度だ」 

 

「無茶言うなってばよ!!」

 

「チャクラ切れ?ならこのひと粒で丼飯十杯分のカロリーが取れる兵糧丸を」

 

「んなもんあんなら先にだせってばよ!!」

 

「乙女に大敵な兵糧丸ね」

 

 ナルトを回復させもう一度だ。

 それまでは俺が撒菱指弾で時間を稼ぐ。

 

 

 ジリリリリリリリリリリ!!

 

 

 タイムアップか。

 

「さあて、時間切れなわけだがお前ら・・・」

 

 カカシ先生はジロリと圧を込めた眼差しで俺達を眺め。

 

「ごーかっく♡」

 

 そう笑顔で告げるのであった。

 

「は?」

 

「え?」

 

「どういうことだ?」

 

 疑問から首を傾げる三人に説明してやれとカカシ先生から視線が向けられた。

 だから俺はこの試験の課題【チームワーク】について説明した。

 鈴の数による仲間割れを起こさせる意図。  

 自分の利害に関係なくチームワークを優先できる者を選抜していたこと。

 

「おい千手、それをわかっていたならなんでそう言わなかった?」

 

「「そーだそーだ」」

 

「チームワークを意図的にやらせるより、打倒カカシ先生を目的に団結させた方が自然に動くだろうと判断したんだよ」

  

 ナルトとかチームワークしてますよとアピールしだして変な印象与えかねないからな。

 

「まあそれは」

 

「なるわね絶対」

 

「いや、それは、そんなこと」

 

 やりそうだなと納得したところで、カカシ先生が話を引き継ぐ。

 

「ま、けど君達は一回失敗したが見事なチームワークをしてみせた。

 それを見て合格と判断したんだよ。

 あとはせっかくだ、ついて来い」

 

 演習場から弁当を置いた石の場所へ移動する。

 慰霊碑の上に弁当置いては駄目なのでは?

 

「これを見ろ、この石に刻んである無数の名前。これは全て里で英雄と呼ばれている忍者達だ」

 

 里で英雄と呼ばれている。

 その言葉だけでナルトが自分も名を刻むと叫ぶ。それがどんな英雄かも知らずに。

 

「任務中に殉職した英雄達だ」

 

 そして黙る。

 あまりにも重い現実。

 忍者とは死んでしまう職業であることを改めて突きつけられた。

 

「これは慰霊碑。この中にはオレの親友と狭間の親父さんの名も刻まれている」

 

 オビトさんはアレだけどね、うん。

 そして俺の父親だけではなくナルトの父親である四代目火影の名も刻まれているだろう。

 ・・・・・・・・・個人的には、はたけサクモさんの名が刻まれていないのが納得できないが。

 

「その親友から教えてもらったことだ。

 忍者の世界でルールや掟を破る奴はクズ呼ばわりされる。

 けどな、仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ。

 ・・・・・・心の片隅にでも覚えておいてくれ」

 

「「「「はい!!」」」」

 

「これにて演習終わり、全員合格!!

 第七班は明日より任務開始だぁ!!」

 

 カカシ先生から教えを賜り、こうして俺達の忍者としての生活が始まるのであった。

 

 

 

「弁当どうします?」

 

「せっかくだからここで食うか」

 

「数が足りねえってばよ」  

 

「俺の弁当ならここにあるけど」 

 

「暇つぶしの本に弁当。

 ピクニック気分かお前」

 

「親父に報告がてら、落ちたら残念会開こうかなって」

 

「後ろに前向きだな」

 

 演習での共闘。

 演習後の食事。

 少し皆と親しくなれた気がした。

 そんな一幕。

 




 
 補足・説明。
 
 今話はサバイバル演習終了までです。
 オリ主の別の手札。  
 サスケ主導のチームワーク。
 などでカカシ先生と戦いました。
 戦法はエグいですが。
 なお最後はカカシもかなり焦りました。
 雷切を使うくらいです。

 他作品ネタ。  
 撒菱指弾→刀語。
 石破天驚拳→機動武闘伝Gガンダム。
 丼飯十杯分の兵糧丸→魔神英雄伝ワタル2

 撒菱指弾はゴトーさんのコイン掃射のような感じで撃たれています。銃火器がないこの世界ではかなり脅威かなと。
 石破天驚拳に関しては遠距離技が欲しいオリ主が掌型の気孔弾だからと採用しました。
 いつかは百式観音からも打てるようにしたいそうです(現時点では無理)。
 
 晴れ時々ナルトの術。 
 多重影分身の術でナルトが降ってきます。 
 起爆札も増やして降らせたら里を落とせるかもですね、芸術は爆発なのだぁ!!
  
 容赦ないサスケ。  
 多重影分身の使い方として間違ってないかなと。


 次話はすぐにタズナさんではなく、伏線込みのオリジナル日常話にしようかなと思ってます。
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