百式観音を背負いて。 作:ルール
親戚のお姉さん(?)な綱手様は良いですね。
雪姫忍法帖はそのうちどこかでやります(この流れで差し込むのは不自然なので、サスケのコスチュームも中忍試験本選前でしたし)。
焼肉Q。
猿飛アスマ率いる第十班は、中忍試験で唯一人中忍へと昇格した班員の奈良シカマルを祝うために行きつけの焼肉屋で祝賀会を開いていた。
熱くなった金網の上で油滴らせる肉は、ジュウウと響く音、漂う香ばしい匂いと食欲をガンガンと刺激する。
着慣れぬ中忍ベストをからかわれ頬を赤くするシカマル、そんなシカマルを見て笑いあう仲間達、カンパイをしてから勢いよく肉にがっつくのであった。
だが、
「・・・・・・どうした、いの?」
シカマルを祝ったあと、第十班の紅一点である山中いのがひたすら肉に食らいついていた。
その勢いは大食漢の秋道チョウジに迫るほどである。
普段ならば体重を気にして食べ控え、食べまくるチョウジに厳しい言葉を投げかける彼女がである。
いつもより支払いが倍近くになりそうだと冷や汗を掻き出したアスマが理由を尋ねると彼女は、
「たくさん食べて私もあの綱手様みたいに豊満な身体になるの・・・・・・・・・!!」
想い人である千手狭間に纏わりついていた、ナイスバディな綱手(五十代)に負けまいと肉を付けようと考えたそうだ。
確かにダイエットは体重を軽くするが豊満な肉体を遠ざける。
肉付き良くさらに引き締まった身体というのはただダイエットをすれば得られるものではないのだ。
ゆえに彼女はやけ食いも兼ねてこうして肉を食らうのである。どちらかというとやけ食いであるが。
ちなみに同時刻、同じ考えに到った日向ヒナタが丼飯十杯を平らげていたりするとか。
「そ、そうか」
女性の美容事情に下手な反論をしてはならない。同期世代では珍しい、恋人のいる猿飛アスマは引き攣った顔で頷くのであった。
「アスマも大変だな」
サイフから両が羽根を生やして天に召される担当上忍を見ながらシカマルはそう呟いたそうだ。
ちなみに実家ぐらしのシカマルはまだ母親にサイフを管理されていて父親であるシカク同様お小遣い制である。本人は楽で良いと気にしてはいないが。
「またなイルカ先生っ!!」
大きく手を振るナルトを発見。
「や、ナルト」
「あれ狭間じゃん。カカシ先生は?綱手のバアちゃんは?シズネ姉ちゃんは?」
漂う匂いからどうやら一楽で食事をしたらしい。恩師と食事をしながら近況報告、なんとも心温まるワンシーンだったことだろう。きっと一楽の親父さんもそう思いながら見守ってくれていた筈だ。
「カカシ先生も無事に意識を回復したよ。
綱手様達は・・・・・・久しぶりの木ノ葉を案内しろと纏わりつかれたんだが、里の住人に囲まれてね」
ナルトとは病院で別れ、俺がカカシ先生の自宅へと綱手様達を連れて行ったのだ(原作ではリーさんの件があったからガイ先生だったが俺がリーさんと戦ったから無くなった)。
「流石は三忍、人気者なんだな!!」
里の住人に囲まれたと聞き、五代目火影となる綱手様の人望と人気ぶりにナルトが感心した。
皆に認められるために火影を目指したナルトらしい発想だが、実はそうではなく、
「・・・・・・・・・・・・金返せと追いかけ回されてた」
「・・・・・・・・・・・・綱手のバアちゃん」
あの人の博打の種銭は借金だからね。
借りたまま逃げ続けて十年以上だからね。
偶に勝っても返済しないで次の博打で失うからね。そら追いかけ回されるよ。
「しばらくは無給な火影ライフになりそうだよ綱手様」
「そんな火影は嫌だってばよ」
いや君も原作未来では火影の時、家庭を蔑ろにするレベルのワーカーホリックだったからね?
借金返済火影と家庭蔑ろ火影なら駄目さ加減は大差ないからね。
というかダンゾウがコレをネタに火影就任を反対しないかが心配なんだが。
「アレ、ならシズネ姉ちゃんは?」
「いつものように一緒に逃げたっぽい」
さながらルパン三世一味の如く息ぴったりで。
「ま、まあ綱手のバアちゃんは置いといて、これからサスケのトコに行くけど狭間はどうするってばよ?」
「付き合うよ。サクラがまだ付き添ってるだろうしね」
しかしサスケ。
原作みたく苛立ちのままサクラが剥いてカットしてくれたリンゴを跳ね除けたりしてないと良いけど。
シャクシャク。
ソーーとナルトと二人でサスケの病室を覗けば、ベッドに座ったままリンゴを虚無な表情で食べるサスケの姿があった。
久方ぶりの固形物。
空腹には抗えなかったのかもしれない。
「! ナルトに、狭間か」
気配に気づきサスケがこちらを向いた。
「よ!サクラちゃんに剥いて貰ったリンゴとか羨ましいってばよ」
「食欲があるなら一安心だな」
あの精神状態では仕方なかったとはいえ、あまりにも痛々しいシーンが無くなってホッとした。
「お前らこそ、無事で良かった。
兄さんは・・・・・・イタチはどうなった?」
ベッドへと視線を落としたサスケがそう尋ねてきた。対抗心よりも心配か、変わりぶりを実感するな。
「おう!蝦蟇仙人あっ、三忍の自来也ってんだけど、術を使ってパーーっと追い払ったてばよ!」
「大蝦蟇の食道を口寄せし敵を消化させる忍術。逃げ切れたのが不思議なくらい恐ろしい忍術だったよ」
ペイン六道にも通じそうな忍術だと思うがあの共有視点が厄介だからなあ。
「・・・・・・・・・・・・そうか」
俺達が無事だったこと。
そして兄が無事だったことにサスケはホッとしているのだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
回復を喜ぶ筈の場面なのになぜか空気が重い。
意識を取り戻したサスケの昏い気配が沈んだ感情がその空気を作り出していた。
「・・・・・・・・・・・・ナルト」
「何だ何だ?飯にでも行くか?でもオレってばイルカ先生にラーメン奢っても「オレと今から戦え!」」
「!」
サスケやはり。
「え?病み上がりのクセに何を言ってんだ?」
意味がわからずに聞き返すナルト。
「いいから戦え!!」
言葉にできない溢れ出る激情のまま、サスケは写輪眼を発動して睨みつける。
「・・・・・・戦ってくれ」
何かに縋り付くような必死な懇願が其処にはあった。
「・・・・・・分かったってばよ」
理解はできない。
でも応えなければならないと察したナルトが頷いた。
「サスケくん、ちょっ、どうしちゃったの!?ナルトもやめなさいよ!!」
「サクラ、止めてやるな」
慌てふためいてやめさせようとするサクラを俺が止める。
「修練場まで行くのか?」
「屋上で良いだろ」
素足のままサスケは立ち上がり歩きだし、ナルトもその後に続いた。
「なんで、こんな・・・・・・」
「俺にはサスケの気持ちがわかるけどね」
困惑するサクラに俺は告げる。
サスケの行動の理由はおそらくは、
「後ろに居た奴に追いつかれそう、ってのは中々プレッシャーなんだよ。
ジリジリと焼かれるような焦燥感に囚われてしまうもんだ。
特にナルトの成長ぶりは凄いから」
まあ成長ぶりはサクラもなんだが。
俺は原作主要キャラで才能差があるからと落ち込みはするが呑み込めるけど、サスケからしたらそうはいかないだろう。
「そんな・・・・・・ことは」
「サスケも成長してるよ。すでに下忍レベルじゃない強さだ。
でもさ、仇であるうちはイタチが強すぎたんだ」
あのサスケが届かないレベル。
忍界を、里を、弟を守る為に得た力は作中でも最強格の一角だったのだ。
「行くよサクラ。
ヤバそうになったら俺が止める」
できれば給水タンクの破壊だけは止めないとなあ、病院だからね、ここ。
螺旋丸に千鳥か。
百式観音で受け止められるかな?
HUNTER×HUNTER原作で零ノ掌使用時に掌を破損していたが、百式観音へのダメージはなんらかの影響が出るのだろうか?
かといって二人とも叩きのめすのは無しだし。
屋上でのナルトとサスケの戦い。
これから続く二人の戦いの始まりの一戦だ。
補足・説明。
今話はサスケとナルトの戦い開始までです。
話が進まなくてすいません。
雪姫忍法帖はとりあえず見送ります。
この後の本編は疾風怒濤の急展開ですからね。
病院の給水タンク破壊はマズイよなあ、と原作を知る狭間は焦っています。
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