百式観音を背負いて。   作:ルール

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 早熟過ぎるサクラさんの熱烈告白。
 
 ちなみに綱手様達は「未成年者の家に上がり込もうとするな!!」と相談役からガチ説教されて火影邸に住んでいます。



原作22巻②

 

 春野サクラがうちはサスケに決別を告げられた後、彼女はすぐさま千手邸へと走った。

 辿り着いた先にはいつも同期の皆と騒いだ居間の畳を血に染めて脇差しが腹に刺さったまま寝転がりぼんやりと天井を見上げる狭間の姿があった。

 

「アレ?サクラ?」

 

 その光景に悲鳴を上げそうになるも、慌てて息を荒げるサクラに気がついた狭間は痛みなど感じてないかのように顔をあげて何故居るのかと首を傾げた。

 イラァ。

 その余裕ある態度で横に山と積まれた治療具にすら手を伸ばさない狭間に無事だった安堵と同時に激しい苛立ちを感じた彼女は拳を固く握りしめかけた。

 

「・・・・・・そろそろ治療するか」

 

 千手一族の頑強な肉体はいくら脇差しで刺されても急所でなければ大したことはない。

 とはいえ痛いには痛いのか顔を顰めながらテキパキと治療を開始した。

 

「・・・・・・なにがあったのよ」

 

 狭間に駆け寄りその治療を手伝いだすサクラ。一瞬苛立ちのあまりトドメをさしてやろうかと悩んだのは秘密である。

 

「サスケが大蛇丸のもとに行こうとして、行くなら刺せと言ったら刺してきた。

 そんだけ決意は固いってことなんだろうさ」

 

 余計なことをする連中を振り払うように刺されたのではない。

 深く葛藤したうえでそれでも進むためにサスケは刺したのだ。

 そこまでするなら何も言えない。

 まあ理由はそれだけではない。

 元凶とも言えるダンゾウの件もある。

 いくらイタチとの約定があろうとも、いやあれは三代目とイタチの約定か?

 あの柱間細胞と写輪眼を移植した狂気の老忍がサスケを放っておくわけがない。

 木ノ葉崩しにあたり大蛇丸を招き入れた人物がなにもしないなどありえないだろう。

 イタチへの復讐心を利用して駒として扱い、隙を見て写輪眼を奪うなどやりかねない人物なのだ。

 ならば次の転生までという期限があるとはいえ大蛇丸のもとにいた方が安心かもしれないのだ。

 すぐにサスケの身体に転生する可能性は低い。

 原作では三代目の屍鬼封尽により弱っていたし、その後に自来也様と綱手様と戦った。

 いくら素養ある身体とはいえ今の身体はもう限界である筈。封じられたチャクラはそのままだが痛みを除くため別の身体に乗り変えるだろう。

 サスケとの約束が、イタチを倒せるまで鍛えることならばその為の修行をしなければならないのだし。

 

「これでとりあえずは大丈夫ね」

 

 応急処置は済んだ。

 これで死ぬことはないだろう。

 あとはどうするか。

 

「ねえ、狭間君?」

 

「どうしたサクラ」

 

 すぐに五代目火影綱手様に報告すべきではある。しかしこんな真夜中に行っても通して貰えるのだろうか?

 下手したら門前払いすらありえるぞ。

 いや綱手様が正式に五代目火影に就任してからは寝る間も惜しんで書類決済をしていると聞く(正しくは今までの里の運営状況を把握するところかららしいが)。

 ならば今訪ねればすんなり通してくれる可能性が高いのだが。

 

「教えて、欲しいの。

 サスケ君が何を悩んで、何に苦しんで、どうして里から出ると決断したのかを」

 

 サクラ自身も今すぐに綱手様に伝えにいかなければならないと理解しているだろう。

 しかしそれでも、納得して前に進むために自分が知らないサスケの想いを俺から聞こうというのだろう。

 

「・・・・・・少しばかり、長くなるぞ」

 

 どのみち負傷した状態で綱手様に会いにいけば最悪彼女のトラウマが再発しかねないし、うちはサスケは危険な存在だと里の人達に思われてしまうかもしれない。

 たかが脇差しが腹に刺さった程度でそうなってしまうのは、やれと言った側としては心苦しいものがある。

 傷口は塞ぎ、あとはチャクラを集めて時間をかければ治る。

 医学に喧嘩を売るような生命力。医学の進歩のために解剖されかねない身体だが、柱間様なら術を使わずに、綱手様なら術を使えばすぐに治るので、そこまで大したものではないだろう。

 春野サクラにうちはサスケの想いを、予測と少しばかりの原作知識を混じえて語る。

 うちは一族の壊滅から始まる、あまりにも辛いうちはサスケの軌跡を。

 なお後半になり、ナルトとサクラがサスケよりも強くなったから、と言ったら「まさかー、ありえなーい」と本人は笑っていた。

 そういうトコやぞ。

 春野サクラがアカデミーで虐められていた理由がなんとなくわかった。当時の彼女は気弱なハーマイオニー・グレンジャーみたいな存在だったのだろう。

 そら足を引っぱろうとするわけである。

 しかしあの虐めていた三人はまだアカデミーだろうか?担当上忍による試験での出戻りですらなく、下手したらアカデミー卒業すらできてない可能性もあるからな(未確認)。

 知る限りのサスケの想いを語っていたら、外はうっすらと白けてきた。

 日が昇り、木ノ葉を照らしだしたのだ。

 

「そろそろ綱手様のところへ行くか」

 

「・・・・・・うん」

 

 サスケの理由を知ったサクラの足取りは重い。俺と同様に止めて良いものかと葛藤しているのだ。

 

「狭間君・・・・・・」

 

「なに?」

 

 綱手様の介護ゲフンゲフン、お世話をしていたシズネさんまで任務に駆り出していると聞いている。

 しかし医療忍者として綱手様に次ぐ実力である彼女と特別上忍である並足ライドウさんと不知火ゲンマさん、中忍のたたみイワシさん(かつて四代目火影の護衛小隊で三人なら飛雷神の術も使えるのになぜ中忍なのか不思議だが、彼だけ年齢差あるし)という豪華なメンバーで一体どんな任務についていたのだろうか?

 このメンバーなら大名様の警護とか上忍クラスの討伐もありえるぞ。

 

「サスケ君の想いはわかったわ。

 でも、勝手だけど、それでも私は、それでもサスケ君と一緒に居たいのっ!!」

 

「なら、その想いを貫かないとな」

 

 ナルトも多分同じ気持ちになるだろう。

 音の四人衆にはご愁傷さまだが、追うもの達を振り切れない程度ではサスケが大蛇丸に勝てるわけがないだろう。

 決意を固めたサクラ。

 これは原作とは違い、彼女も参戦するかもしれないな。

 

「行くぞ」

 

「うん!」

 

 そうして俺達は火影邸に向かう途中で資料を抱えた(巻物に収納は意外と手間がかかる)イズモさんとコテツさんとすれ違い(「追い抜かれたな」と笑いながら言われた)事情を説明、書類運びを手伝い火影様の執務室に着いたのだが。

 

「ZZZ」

 

「寝てますね」

 

「寝てるね」

 

「オレ達に書類を取りにいかせて自分だけ」

 

 どうやらイズモさんとコテツさんは徹夜らしい。万華鏡写輪眼月読から治ったばかりのカカシ先生すら任務に駆り出されているくらいだから、それぐらい人手が足りないらしい。 

 ちなみにそれだけ忙しいのは、ぶっちゃけ砂隠れのせいである。

 木ノ葉崩しを実行してしまった砂隠れ。

 そこで大量に主力を失ったわけだが、それでも通常依頼はくる。

 いくらテロをやった隠れ里とはいえ、忍なんてそんなもんだと一般人には気にもされないのだ(タフだなあ)。

 風の国の大名様も自分の政策のやらかしが一因だとして木ノ葉の賠償以外の制裁はくださなかった。

 むしろ以前のように任務依頼をだしているだとか(忍界の扱いよ)。

 しかし主力を大量に失った砂隠れが対応できる筈もなく、その分の依頼を木ノ葉隠れが替わりに請け負ってしまう羽目になったのだ(近場の岩隠れに依頼されたら困るから)。

 アレ?これって下手したら百式観音で砂隠れ上忍を叩き潰しまくった俺のせいではないだろうか?

 その考えに至った俺は全身からイヤな汗を流すのであった。

 

「・・・・・・起こしますか」

 

「美人でも許せないぞ」

 

「実年齢は五十代ですけどね」

 

 しかし事情を聞いたにしてはイズモさんもコテツさんも反応が軽いな(刺されたのは伏せた)。

 彼らからしたら世代的に写輪眼の危険度を知らない可能性が高いし、サスケも単なる下忍認識なのかもしれない。

 下忍がなんか里抜けしたらしいですよ。

 程度なんだろう。

 

「ZZZ」

 

 机に突っ伏し涎を垂らす綱手様を見ながら俺はそう思うのであった。

 




  
 補足・説明。
 
 今話は繋ぎ回です。
 話は進みませんが気になったことは書きたくなるので。
 サクラへの説明をしたら夜が明けてしまいました。どんだけ語ったんでしょう。オタクは語りだすと長いのです。

 たたみイワシ。
 なんか中忍だったり特別上忍だったりと混乱しましたが、中忍試験の試験官をしてたしアンコに敬語だから中忍かなと。ライドウ、ゲンマと飛雷神を使えます。

 任務が多い理由。
 砂隠れの分じゃないかなと(汗)。
 そら我愛羅達を応援に出すのも納得ですね。

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