百式観音を背負いて。 作:ルール
「私の若い頃より強く、カカシと同格のカブトとかいう小僧を撃退したナルトが居れば大丈夫。あの奈良家の小僧も中々頭が切れるタイプのようだしな。
ハハハ、この賭け勝ったな!!」
と【伝説のカモ】綱手様が申しておりました。
「タイムリミットだ。
とりあえずこの六人で行くぞ」
音隠れの忍、大蛇丸の配下に誘われ里抜けしたうちはサスケ。
それを追いかけ、連れ戻す任務を命じられた新米中忍奈良シカマル。
木ノ葉崩しのせいで人手の足らない木ノ葉隠れで選べる人員は下忍のみ。
幸いなことは奈良シカマルの同期とその一期上の下忍達が後に木ノ葉の主力を担うであろう逸材揃いであったこと。
特別任務で実の父と共に里を離れている油女シノを除いた同期メンバーから奈良シカマルは参加者を選別するのであった。
無論事情を聞いた全員が参加を望んだ。できることなら全員で行くのもありだろう。
しかしこれは追いかけなければならない機動力、追跡の任務。
そこから考え決定されたのは、
奈良シカマル。
春野サクラ。
うずまきナルト。
日向ネジ。
犬塚キバ。
秋道チョウジ。
の六名となる。
他には山中いの、日向ヒナタ、ロック・リー、テンテンと候補者がいた。
しかし山中いのと日向ヒナタは日向ネジに感知能力と戦闘力で劣り、ロック・リーとテンテンは戦闘力は高いが追跡技術がそれほどではない。
ならば秋道チョウジあたりとなら入れ替えても良いと思うが、指揮官である奈良シカマルにとって長年チームを組んできた彼こそ外せないメンバーだったのだ。
「狭間は無理なのか?」
全員が気にするの特にそこである。
この世代で最強である千手狭間。
音隠れの忍と交戦を考えれば必ず居るべき存在だと皆が考える。
しかし、
「木ノ葉崩しで活躍しすぎたアイツはめんどくせー立場になっててな。火影様ですらそう簡単に動かせない。できれば後で追うとは言ってたがよ」
木ノ葉崩しにて、大蛇丸の口寄せ獣である巨大蛇を百式観音で撃退した千手狭間は、里の緊急時の防衛戦力として当てにされてしまった。
現状木ノ葉隠れが最低限の上忍しか里に残さないという判断を下せたのも、千手狭間が居るからという目算もあるのだ。
自来也が五代目火影として綱手を連れてきたことで、たとえ五影が攻めてきても対処できるだろう状況にはなったが、それでも里の人々の安心・精神的支柱として動かすわけにはいかないそうだ。
「・・・・・・・・・オレが我愛羅というかサスケを追っかけてる時にとんでもないことをしでかしてんだなアイツ」
「・・・・・・・・・オレ達は試験会場で上忍達の活躍を見ながら観客を守ってたぜ、なあ赤丸「アン!」」
「試合後に治療されて医療室付近の警護をしていた、医療班の方々や怪我人が避難してきたからな。幸いコチラには敵方の忍は来なかったが」
「サクラさんにやられてその医療室で意識不明の重体でした」
木ノ葉崩し時、このメンバーもそれぞれの時間を過ごしたようだ。
「サスケ君をしっかり連れ戻しなさいよ!」
「ナ、ナルト君。怪我をしないようにね」
「体術スキル以外が低い自分の能力が悔しいです」
「まー、この面子だと私は低い方よね。
狭間君のトコで訓練して思い知らされたし、最近は狭間君考案の武器や忍具開発に熱中してたしね」
木ノ葉の門。
そこに集った面子は、追いかける者達をそう言って見送る。
自分達も行きたい、という気持ちは勿論あるが足手まといになりかねないことも自覚しているのだ。
「よーしィ!皆、行くってばよ!!」
「仕切るのは小隊長のシカマルだろうが」
「まぁ気合を入れたわけだし」
「あんまり騒ぐようなら私がしばくわ」
「それで移動フォーメーションはどうする?狭間から聞いた話で敵は四人組らしいが、待ち伏せの可能性も高いだろう」
一通りメンバーが話したところで、思考をまとめたシカマルがどう追跡するか移動フォーメーションを決める。
フォーメーションは一列縦隊。
先頭は犬塚キバと赤丸。
火の国の地形に詳しく、鼻が効くため(サスケ限定ならサクラも負けないが)サスケを臭いで追える。
ブービートラップの発見などもその鼻で期待できる。
二番目は小隊長の奈良シカマル。
状況に応じてすぐ前のキバに命令を下せ、後ろのメンバーにハンドシグナルだけで命令を下せるからだ。
そして中心の三番目がうずまきナルト。
瞬発力の高いナルトは前方後方どちらの援護にも対応できるこの位置が良い。いざとなれば多重影分身も使える。
四番目は秋道チョウジ。
スピードこそ劣るが、打撃力はサクラに次ぐ実力者。先導員の三人が奇襲をかけた際の決定打、追い打ち役である。
五番目は春野サクラ。
戦闘力が高く、指揮官としての頭脳もある彼女は後方の指揮官役。
いざとなれば彼女が戦えばなんとかなるだろう。
最後尾は日向ネジ。
最も難しい後方の警戒を白眼で実行。
また後方の奇襲を跳ね除けることのできる実力と体術が彼にはある。
「・・・・・・すげえな」
現在の戦力把握の為に全員が所持する忍具全てをチェックするシカマルを見ながらキバはそうこぼした。
苦無一つでも打てる手段はある。
だから装備の把握もまた欠かせないのだ。
「・・・・・・火影ってのはこんなこともできなきゃ駄目なのかな?」
頭の作りそのものが違うように感じるシカマルの采配に、火影を目指すナルトが顔を青ざめながら言う。
自分はこれをできるようになるのかと。
「若様、確かに火影となれば必要な能力ではありますが、信頼できる補佐役がいれば問題はありません。
火影の在り方はそれぞれなのですから」
そんなナルトをフォローするネジ。
火影となるには、里で一番の忍であること、里で最強であること、血縁から支持を集めること、など様々な要因はある。
だが何も完璧な超人である必要はないのだ。
なにせ忍の神と謳われた初代火影柱間とて欠点はいくらでもあったのだから。
「・・・・・・というか、ネジ。その若様って何?」
「装備の確認は終わったか小隊長殿」
「「「「「(誤魔化したよ)」」」」」
そんなやり取りを挟みつつシカマルが確認を終える。すでに装備から幾千もの戦闘パターンが彼の中に描かれていた。
重要なのはそれらからその都度最適な手段を選ぶことなのだ。
「ああ、大丈夫だ。
じゃあ任務を開始する前に、一番大切なことを言っとく」
奈良シカマルの初任務。
慣れぬチームでの難易度の高い救出作戦。
それにあたり一番大切なこと。
「サスケは同期で、同じ釜の飯、同じ鍋を食ったダチだ。アイツがどんなヤツかはよく知ってる。
だから命懸けで助ける、連れて帰る。
それが本人の意思に反していてもだ。
めんどくさがりなオレだが、マジでやるつもりだ。お前らの命を預かってるからな」
その決意を聞き全員が笑う。
そしてなぜ彼が中忍に昇格できたのか理解する。
奈良シカマルは気構えが違った。
見る視点が広く、だからこそ大切なことを見誤るけとはないのだ。
「行くぞ」
「「「「「応っ!!」」」」」
シカマル達が出発したのと同時刻。
夜通しの移動で木ノ葉の領域を抜けたサスケと音の四人衆は立ち止まる。
音の四人衆である彼らが大蛇丸に命じられたもう一つの任務をこなすために。
「サスケ様。
アナタに一度死んでもらわなきゃいけません」
西門の左近はそうサスケに告げるのであった。
補足・説明。
今話は繋ぎ回です。
今回は特にネタもありませんすいません。
ただ、飛ばしたらなんか違和感あったりうまく飛ばせない分も書いたりします。
作者が読んで、なんか飛んで違和感を感じそうなトコも書いてしまうので。
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