百式観音を背負いて。   作:ルール

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 はい、アニメ同様にサスケ奪還編は長くなりそうです(汗)。
 
 


原作21巻⑥

 

 大蛇丸の配下である音の四人衆に誘われ木ノ葉隠れを抜けたうちはサスケ。

 仲間を、友人を救う為に追う救出チームはついにその姿を捉えた。

 肝心のうちはサスケは何やら怪しげな棺桶の中に囚われているようで姿が見えない。

 内心の焦りを抑えながら実行しようとした奇襲は、音の四人衆による感知で気づかれ失敗。

 ただでは転ばずと奈良一族秘伝忍術影真似の術を使うも破られ、結界忍術に囚われてしまった。

 音の四人衆が一人、次郎坊による土遁結界【土牢堂無】、これは単なる土の牢獄ではない。

 木ノ葉下忍犬塚キバによる回転体術【通牙】でも破壊しきれぬ耐久性と自動修復効果を持つ土の牢獄。

 またこの術の効果はそれだけではない。

 この牢獄は内部に囚えた者達のチャクラを吸収する。

 発動中は常に外部で手を当て続けなければいけないリスクはあるものの、敵を囚え、チャクラ吸収で弱らせ、自身を回復させるという恐るべき忍術なのである。

 

「このままではマズイぞシカマル」

 

 結界内部にてチャクラ吸収に気がついたのは固有瞳術白眼を持つ日向ネジ。

 チャクラの動きすら目視できるその瞳が土に触れてる箇所からチャクラを奪われていることを把握させた。

 

「くそ!!仕方ねェ。チャクラが全部無くなる前に壁に風穴開けてやる!」

 

 直情的で短気な犬塚キバが危機的状況を打破しようと誰よりも早く動こうとする。

 彼の忍体術【通牙】は直線的ながらも強力な貫通力を誇る。強固な壁とて抉り掘り抜けるかと思われた。

 先程は無理であったが自身は擬獣忍法で力を増幅させ相棒である赤丸とのコンビネーション忍体術【牙通牙】を繰り出せば今度こそはと思い実行しようとする。

 

「待て」

 

 しかしその動きをリーダーである奈良シカマルが止める。

 分析に長けた忍であるシカマルはキバの行動が無駄なチャクラ消費となることを察したのだ。

 

「けどよ!!」

 

 ならばどうするのか、このままだとジリ貧だとキバが反論しようとするがシカマルは既に打開策を見出していた。

 

「イケるなチョウジ」

 

「うんっ!」

 

 キバを止めたシカマルが目線を送ったのは秋道チョウジ。

 意図を悟ったチョウジは取り出したスナック菓子【ポテート】を勢いよく喰らう。

 

「・・・・・・コーラ無い?」

 

「「「あるかっ!!」」」

 

 どうやら強い塩気にジュースが欲しくなったらしい。移動中に炭酸飲料を持ち歩く忍などいない。

 そんな寸劇を挟みながら一袋を無事完食。

 カロリーの摂取、エネルギーチャージ完了である。

 

「いくよ」

 

 倍化の術。

 チョウジの胴体が膨れ巨大な球形となる。

 

「チョウジで破る気か?」  

 

「ああ、今のアイツなら粉砕できるだろう」

 

 原作ではシカマルが降伏するような発言をして次郎坊の位置確認をし、仲間割れに近い状況に陥った。

 しかし原作とは違い同期メンバーの絆は深く、シカマルが中忍で班長であることに不満を持つ者はいない。

 そして、狭間という本来は存在しない者の影響で秋道チョウジもまた原作よりも強くなっている。

 

「ネジ、ここだな?」

 

「ああ」

 

 次郎坊の位置とは真逆の場所を指差す。

 そして実力が向上しているのは日向ネジもである。同期メンバーとは付き合いの長さに差はあるものの、天才である日向ネジは【四大行】の理論を知り手解きを受けたことで大幅に強化された。

 四大行の応用技【凝】、これを白眼と併用することでより精度を増したのだ。

 わざわざ破壊して修復度合いを探らなくとも、どの位置がこの結界で最も脆いかなど今の彼には一目瞭然なのだ。

 

「よーし!いくぞォ!!」

 

 肉弾戦車!!

 膨れたチョウジが回転し土の牢獄を粉砕。  

【ころがる】が強力な必殺技であることは、ポケットモンスター金銀をプレイしミルタンクに轢き殺された者達ならばよく知っているだろう。

 ちなみに転生者である千手狭間は、だからトラウマを刺激するこの忍体術が苦手だったりする。

 

「チョウジ、やっぱりお前は最高だぜ」

 

 木ノ葉最強の連携を誇る猪鹿蝶。  

 その一角たる秋道一族は、日向一族、犬塚一族に破壊力で優る木ノ葉随一の前衛なのだ。

 

「オレの結界忍術から抜けたか。

 皆さん良く頑張りました」 

 

 必殺の結界忍術を破られた次郎坊。

 しかし当の本人は上から目線の余裕の態度。

 大蛇丸に見出し育てられ、十代にして護衛役まで務めるエリート。

 上忍すら撃退する実績ある彼からすれば、中忍と下忍など恐れるに足らず。

 

「外に出れりゃあこっちのもんだぜ!」「オレが!オレが!やってやる!!」

 

 その挑発とも見える態度に苛つくキバとナルトはやってやると突っ込もうとするが「待て!!」とネジが制止した。

 次郎坊は強い。 

 短時間とはいえチャクラを奪われた状態で数の利があろうと簡単に勝てる相手ではない。

 

「時間をかければそれだけサスケは連れていかれ追いつけなくなる。音隠れからの援軍まで来たらオレ達だけの力ではどうにもならない」

 

 タイムリミット。

 それはサスケが火の国の国境を抜けるまでではない。音隠れから追加戦力が来た時点で作戦続行は不可能になるのだ。

 

「じゃあどうすりゃいんだってばよ!!」

 

「「・・・・・・・・・」」

 

 シカマルとネジには既に回答はあった。

 しかしそれはあまりにも選び難い選択なのだ。

 

「こざかしい口を、お前らはオレの食事だ。前菜にもならないがな」

 

 決断できぬ救出チームに次郎坊は印を組みながら嘲笑う。

 何をされようと容易く勝てる自信が彼にはあるからだ。

 ダン!と掌を叩きつける次郎坊。

 それは土遁を発動する前動作である。

 

「気をつけろ!めんどくせーのが来るぜ!」

 

 練られたチャクラが地面に流し込まれ大地が揺れる。態勢が崩れたナルト達はボウと煙を爆ぜさせた次郎坊を見失う。

 ネジの白眼で見ればそこには居らず、キバの鼻が位置を捉えた。

 

「後ろォ!!」

  

 土遁・土陵団子!!

 地中に潜った次郎坊はそこから大地を持ち上げ巨大な球体と為す。

 

「アホかーっ!」

 

 そのとんでもない光景、圧倒的な質量とそれを持ち上げるパワーにナルトが驚き叫ぶ。

 咄嗟のことにナルト達が回避しようとする中、チョウジだけが印を結んでいた。

 

「オラァ!」

 

 押しつぶさんと投げられた巨大土球。逃げるナルト達の中、チョウジは倍化の術と肉弾戦車を駆使し真正面から轢き砕く。

 そしてそのまま次郎坊へところがる攻撃。

 我愛羅の砂の盾すら押し切れるだろうその一撃を次郎坊は相撲のようにがっぷり組んで受け止めた。

 回転に擦れても怯まず摩擦熱に焼かれながらも耐えきった次郎坊は、回転が止まったチョウジへと「昇膝!突肩!」と連撃で弾き飛ばした。

 

「ぐあっ!」

 

 音の四人衆の恵体担当。

 相撲取りが如きデブは、木ノ葉のぽっちゃり系に劣らぬ破壊力を持っていた。

 

「なろぉオ!」「やってくれるじゃねえか!」

 

 サクラを除き最強の攻撃力を誇る肉弾戦車を止めた次郎坊。もはや全員でやるしかないと身構えるが再度シカマルが止める。

 時間がない。サスケに追いつけなくなる。

 しかし次郎坊はなんとかしなければいけない。

 ならば二手に分かれ戦うしかない。

 

「ここはオレとナルトでなんとかする」

 

 シカマルの影真似の術からナルトの螺旋丸。それが現状の最善手。

 しかし次郎坊は体術に秀でて範囲攻撃すら使える動けるデブ。

 捕らえて当てる。

 ただそれだけすら厳しい相手。

 だが、それしかないとシカマルは覚悟を決めた。

 

「また影縛りの術でもするか?下らん術だ、一度見れば十分の大道芸並み。土遁使いのオレに地を這う影なぞ通じるわけがないだろう」

 

 そう次郎坊とシカマルは相性が悪い。

 影を操り、術の発動時に動きを止めるシカマルは土遁使いのカモなのだ。

 そしてナルトもまた不利。

 螺旋丸ならともかく、肉弾戦車を耐えきる耐久力のある次郎坊を影分身体での足止めは難しいだろう。

 

「くく、その中忍装束からお前が隊長か。

 弱い隊長を持つと苦労するなぁ、下っ端ども。

 馬鹿な隊長とカス共、オレがまとめて食ってやる」

 

 音の四人衆では常に格下扱いされる次郎坊は、鬱憤を晴らすかのように暴言を吐く。

 確かに実力は伴う暴言だが、弱い相手にマウントを取る姿はあまりにも三下臭い。

 

「クソックソッ言わせておけばァ!てめーはオレが!」

 

 挑発に弱く、仲間想いでダチを馬鹿にされたことを許せないナルトが反応するが。

 

「皆、行ってくれ!!」

 

「「「「!?」」」」

 

「こいつはボクがやる」

 

 ナルト以上に怒り狂う男が此処に居た。

 

「チョウジ」

 

 秋道チョウジにとって、奈良シカマルは初めての友人。ゆえに秋道チョウジは奈良シカマルの凄さを誰よりも理解している。

 馬鹿にされ、見下されて、許せる筈がない。

 

「やれるのか?」

 

 日向ネジはそう尋ねた。

 覚悟を問うように。

 

「一族秘伝のとっておきなアレと、狭間考案のとっておきがボクにはある。

 それに中忍試験で女の子に負けたんだ。それからきっちり鍛えたよ」

 

「・・・・・・チョウジ!でもアレは!?」

 

「シカマル!皆を連れて早く行って!!」

 

「何言ってんだ!一人でやれる相手じゃねーってばよ!」

 

 行かせようと急かすチョウジ、しかしシカマルとナルトは納得できない。

 

「ボク達の任務はなに?

 ボク達は何のために集まった?

 もしこのままサスケを見失ったら、ボク達はアイツの言う通りになっちゃうよ」

 

「「「「・・・・・・・・・」」」」

 

「大丈夫!ボクがこいつを倒して証明してやるから、シカマルは弱くも馬鹿でもなく、ボクらはカスなんかじゃないってね!」

 

 笑うチョウジに背を押され、投げ渡された兵糧丸を受け取りながらシカマル達は決断した。

 

「証明なんかしなくてもお前が強いことはオレが知ってるからなチョウジ。

 絶対、後から追いつけよ」

 

「うん」

 

 ダチに、シカマルにそう言われるのが一番嬉しい。秋道チョウジはそう思った。

 

「みんな、行くぞ!」

 

 救出チームは跳びたち、殿を務めるチョウジは秋道一族秘伝の三色の丸薬の一つ【青のホウレン丸】を呑んでぶちかます次郎坊と組み合う。

 

 秋道チョウジの大一番。

 はっけよい。

 





 補足・説明。

 今話は次郎坊戦です。
 改めて見るとコイツも強いですね。
 そして並足ライドウと不知火ゲンマ戦で疲労してんですよねコイツ。
 また土遁結界内部は真っ暗じゃね?と考えたりもしましたが、忍は暗視できるとか実は光は漏れてる感じてお願いします。
 次回は次郎坊戦を書く予定です。
 ちなみに今話で、ミルタンクにころがるで4タテされた作者の思い出をつい描写しようとしてしまいましたが、なんとか自粛しました。
 ころがる、強いよね(白目)。
 

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