百式観音を背負いて。   作:ルール

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 キバの強化は本当に悩みますね。
 赤丸がまだ子犬なのも現時点ではネックです。
 原作の切り札も強力ですし、四大行の手解きを受けて数ヶ月たってないので、本格的なパワーアップは疾風伝にする方が無難かもしれません。




原作22巻②

 

 うちはサスケ奪還任務。

 音の四人衆次郎坊の相手を秋道チョウジに頼み、追跡を続けた救出チームは次は鬼童丸により足止めを余儀なくされた。

 六本の腕と全身から出すチャクラを練り込まれた蜘蛛の糸を駆使する鬼童丸に救出チームは絡め取られる。

 一網打尽にされかけたナルト達の状況を打破したのは日向ネジ。

 チャクラを素にした物質である蜘蛛の糸はチャクラを放出し戦う柔拳でも無ければ対応できない。

 数の差が有利にならない相手。

 ゆえに日向ネジは秋道チョウジのように一人で相手にすると決め、ナルト達を先へと行かせた。

 まだ音の四人衆は二人いる。

 春野サクラという最強戦力を伏せていても厳しい戦いになるだろう。

 

(逃がすかよ)

 

 鬼童丸が放つ糸。

 粘度の高いその糸は蜘蛛の巣のように展開してナルト達を追う。

 樹上にて伸びる糸を受け止め壁となる日向ネジ。巻き付き張り付いた糸は回転しながら振るわれる両掌が切り裂いて吹き飛ばす。 

 

「コイツはやるぜよ」

 

 抗う手段が無ければ巻き付かれた時点で終わりの鬼童丸の糸。

 対応できる日向ネジという獲物を前に鬼童丸は笑う。

 遊び好きの鬼童丸はあらゆる手段を試しながら相手を殺す。

 その試行錯誤をする瞬間を、殺すまでの手間を何よりも楽しみにしていた。

 

「まずはテメーを三分で遊び殺す!」

 

 鬼童丸の宣言にネジは白眼を発動し観察。

 人体を見透かし経絡系すら目視する白眼の視界は鬼童丸の体内のチャクラの動きを見切り、術の発動タイミングを見定める。

 鬼童丸の口内にチャクラが集まっていることを確認した瞬間、ネジは回避行動にでる。

 プップッと吐き出される忍法・蜘蛛縛り。

 一つ直撃しただけでシカマルを拘束した投網のような蜘蛛の巣が何発も何発も連続で吹きだされる。

 五行遁をこれだけ連射すればすぐにチャクラは尽きてしまうだろう。

 しかし鬼童丸のこの術は生来の特異体質によるもの、創り出す機構が身体に備わってるがゆえに肉体への負担もチャクラ消費も僅かで済むのだ。

 回避できぬモノは手を振るって切り裂きながら防ぐネジ。

 だが足場の限られた樹上では動きが制限されるために直撃し樹に貼り付けられる。

 

「フン、捕まえた。

 テメーはチャクラの扱いに長けている。それに見切れる目も持ってるぜよ。

 指先のチャクラ穴からチャクラを鋭い針のような形で放出。糸に流れるチャクラの薄い部分を確実に見切り突いて切る」

 

 大蛇丸の右腕である薬師カブトのチャクラメスに近い技術。

 ゆえにチャクラを出す手さえ封じれば問題ない。ネジの糸の対応手段である手を動けなくすることで鬼童丸は攻略した。

 攻略法がわかったらもうつまらない。

 飽きた鬼童丸は粘着性のある糸ではなく硬質化する蜘蛛粘金による槍で拘束されたネジを刺し殺そうとする。

 

「(全身のチャクラを、一気に外へ!!)」

 

 四大行【練】。

 チャクラの全身放射で拘束する糸を吹き飛ばしたネジは、自身へと直進する蜘蛛粘金を足場に鬼童丸に接近。

 

「なにっ?!(どうやって!?)」

 

 刺し殺すための硬い槍を作ってしまったため、口を開いた状態から動けない鬼童丸。

 ゆえにこれから打たれるこの技を防げない。

 

「特別に教えてやる。オレは手だけでなく全身のチャクラ穴からチャクラを放出できる。それと、ゲームオーバーだ」

 

 

 チャクラコントロールに長けた柔拳の使い手だからできた技法。

 もっとも四大行が流派として確立さえすれば、この技法は学んだ者達ならばできるようになるだろう。

 

「柔拳法・八卦六十四掌!!」

 

 この距離は柔拳の間合い。 

 八卦二掌、四掌、八掌、十六掌、三十二掌、六十四掌。チャクラを放出し連続で繰り出される柔拳の乱舞。

 その連打による威力で太い樹にトンネルのような穴をぶち開けながら鬼童丸を打ち飛ばす。

 点穴をついてチャクラを練られぬようにする忍にとって必殺の技は、この刺突の連打をくらっただけで倒れそうな威力があった。

 

「(どういうことだ!?)」

 

 これで終わり。

 ゆえにゲームオーバーと言った。

 しかし地面に叩きつけられ土埃を上げた鬼童丸は何事もなく立ち上がった。

 うずまきナルトのように自分以外のチャクラを持つならばともかくこの技を食らって倒せぬものはない。

 そう確信していたネジの見立てを鬼童丸は超えたのである。

 

「(金色の体表・・・・・・!?)」

 

 パキンパキンと全身から音を立てる鬼童丸の体表には金色の膜が覆っていた。

 固まったことで重くなった膜はガラララランと剥がれ落ちる。

 白眼で観察するネジ。

 剥がれ落ちた物質がさっき自身へと向けられた口から出した槍と同じ物質だと察した。

 

「フー危ねェ危ねェ。柔拳が直撃したら経絡系をやられてゲームオーバーぜよ。ギリギリだった」

 

「化け物か。口からだけじゃないようだな」

 

 鬼童丸が八卦六十四掌を防げた理由。

 それは蜘蛛粘金という体外に出ると硬質化してチャクラを通さない物質を纏ったから。

 物理的な鎧となり刺突連撃を受け止め、点穴への攻撃を防いだのだ。

 口からだけではなく体中の汗腺からも分泌できるがゆえにそれを可能とした。

 かぐや一族のように防御に長けた特異体質。

 大蛇丸はどこでこんな種族を収集したのか気になるところである。

 

「(点穴への攻撃は効かない。さてどうするか)」

 

 チャクラを流し込む柔拳が蜘蛛粘金とやらで防がれるならば、あとは師であるガイ譲りの剛拳でやるべきか。

 

「(蜘蛛縛りは効かねえ。それに柔拳相手に接近戦はないな)」

 

 つまり遠距離から死角を突くしかない。

 両者は互いの手の内を知り、そこから倒すべく行動をおこす。

 動いたのは鬼童丸。

 接近戦では不利と悟った鬼童丸は森へと姿を隠し、糸を張り巡らす。

 罠師、とでも称すべきか。

 粘着性と弾性のある糸と硬質化する蜘蛛粘金で即興の仕掛けを張り巡らせた鬼童丸は指先の糸を切り起動。

 起爆札をくくりつけられた苦無がネジに飛ぶも、ネジは回避。

 しかしそれは誘い。

 半歩下がった位置こそが鬼童丸が狙ったポイント。硬質化した金色の破片が四方八方からネジへと襲い掛かる。

 蜘蛛縛りの糸は柔拳で切れても、蜘蛛粘金の破片は切れない。

 防ぐ術も回避する隙間もない状況。

 ネジは刺し貫かれ討たれる、かと思われた。

 

「八卦掌回天!!」

 

 絶対防御と称された柔拳の防御技。

 全身からチャクラを放出して回転するこの体術はテンテンの武器攻撃すら完封する。

 白眼の視界と柔拳の円の動きとチャクラコントロールがあってできるこの技に生半可な遠距離攻撃は通用しない。

 そして必殺の視界は、

 

「そこにいるのはわかっている出てこい」

 

 隠れ潜む鬼童丸の位置を特定する。

 

「いいだろう、このゲーム。多少難易度が高いことは認めてやるぜよ!オレも本気で行こう」

 

 呪印開放。

 本気を出した鬼童丸。

 分析し相手の手の内を潰しながら戦おうと、大蜘蛛を口寄せする。

 大蜘蛛は小蜘蛛を生み出し、先ほど以上の密度で攻撃を始める。

 チャクラ糸での捕縛を口寄せ蜘蛛共に任せ、鬼童丸本人はネジの死角を探るための攻撃に専念。

 全方位防御の回天は、チャクラ糸で絡めとることで動きを止めさせるという攻略をする。

 回天はあくまで攻撃を弾く技。

 チャクラ糸の切断を同時に行うことはできない。

 そして止まったタイミングで鬼童丸が攻撃してくる。

 絶え間ない波状攻撃。

 天才日向ネジをして手が足らなくなる高密度の攻撃だ。

 子蜘蛛の糸と子蜘蛛本体の飛びかかり攻撃、鬼童丸による投擲と仕掛けによる蜘蛛粘金の破片射撃。

 それは白眼の見切りを超えてネジの身体を貫いた。

 

(見切った)

 

 勝利を確信した鬼童丸は、髪を振り乱し荒く息をつくネジの姿を嘲笑う。

  

「もうゲームクリアぜよ。

 簡単なゲームのザコキャラはすぐにやられる運命だ。お前はオレには勝てない!!」

 

 どこかの誰かが吐いたセリフを、鬼童丸も叫んだ。それが日向ネジの魂を刺激する。

 

(これで最後ぜよ)

 

 口寄せされた大蜘蛛が子蜘蛛を生み出すのではなく直接襲い掛かってきた。

 その巨体による押し潰しもそれでも柔拳ならば一撃で葬れた。

 しかし大蜘蛛が消えた瞬間に粘着糸と蜘蛛粘金の苦無が発射され、ついにネジは倒れた。

 しかしまだネジは死んではいない。

 背中に刺さる苦無はその距離もあり致命傷を与えることはできないのだ。

 だから、鬼童丸は楽しませて貰った礼として確実に仕留めようと本気をだす。

 状態2。

 額に新たな目が生え、皮膚や髪の色が変わり、より異形と化した鬼童丸。

 その手には蜘蛛粘金で作られた大弓が握られていた。

 鬼童丸が状態2になれば相手は即死。

 そう音の四人衆左近が評した理由がこれである。

 状態2の膂力から射たれる矢は破城槌が如き威力を誇る。砂隠れの人柱力である我愛羅の砂の盾でも防げるかわからない一矢。

 忍術以上の遠距離攻撃など防ぐ術はない。

 命中精度・百%。

 破壊力・最大。

 

(死ね!!)

 

 六腕両脚一口を用いた異形の射撃。  

 それは日向ネジを撃ち貫き絶命させる、

 

 筈であった。

 

「なにィッ!?」

 

 発射された矢は、なんと射線上でぶつかり合い弾き飛ばされた。

 

「まさかコイツを使う羽目になるとはな」

 

 鬼童丸が三つの目をこらして見れば、日向ネジはとある武器を巻物から取り出して構えていた。

 

 日向ネジ専用武器・テンテン謹製特殊改造弓【与一の弓】。

 チャクラを練り込める金属を用いた、千手狭間から得た知識をふんだんに用いた弓である。

 

 そう千手狭間は言ったのだ。

 白眼って狙撃手向きだよな、と。

 

 柔拳使いとしては真に腹立たしい、できれば使いたくなかった、日向ネジの切り札である。

 





 補足・説明。

 今話はネジと鬼童丸戦です。
 四大行により原作よりはマシですが鬼童丸の戦闘スタイル的に原作との差はあまりありません。
 なんというか、コイツも強いですよね。

 ネジの強化案は【弓】です。
 遠距離攻撃こそ彼の弱点でしたので。
 鬼童丸と被りますが、白眼の視界を活かすにはこれかなと。
 流石に、スナイパーライフルを創らせる勇気はありませんでした(狭間の知識不足もありますが)。
 というかNARUTO世界に銃はありましたっけ?
 
 キバ君への感想ありがとうございます。
 参考にさせて頂きます。

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