百式観音を背負いて。   作:ルール

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 音の四人衆、アニオリでの再登場の仕方がエグかったですが、原作漫画では死亡されてるんですかね?
 正直逸材揃いだから勿体ない気もします。
 


原作22巻④

 

「追いつけると良いが」

 

 ヒスイジュナイパー対ワナイダー、もとい日向ネジと鬼童丸の戦いは日向ネジの勝利に終わった。

 まだ罠に掛け続けて削り殺した方が勝算があった鬼童丸は、遊び好きで攻略法を見出したがる本人の気性により悪手を選び敗北した。

 とはいえ日向ネジが弓という遠距離武器の使い手であることを予測するのは無理があるだろう。

 柔拳という近接戦闘で無類の強さを誇る体術の使い手が遠距離戦闘をこうも熟すなど、長距離走と短距離走を両方極めているようなものなのだから。

 同じ戦闘であってもジャンルが違うというものなのだ。

 

「(・・・・・・毒が使われてない点だけが幸いだったな)」

 

 鬼童丸との戦闘で打ち込まれた蜘蛛粘金の苦無を背中から引き抜きながら思う。

 白眼の死角を探るために打ち込まれ続けたそれらは致命傷でこそないが深手であることにかわりはない。

 苦無を引き抜いた瞬間に治り始めるおかしな再生力のある千手一族やうずまき一族ではあるまいし、きちんと治療をしなければナルト達を追うどころか帰還すらままならないだろう。

 

「(すぐに追いたいところだが、治療しなければ足手まといでしかないからな)」

 

 残る音の四人衆が先に足止めした二人より弱いということはないだろう。

 ならば戦闘に支障が出ない程度に傷を塞ぐ必要があるのだ。

 日向ネジは接近して柔拳を叩き込んだ鬼童丸を拘束した後に自身の治療をし始めるのであった。

 

「行っても無駄ぜよ(フガフガ)」

 

 治療をし始めてから意識を取り戻した鬼童丸は猿轡をしたまま話しだす。

 点穴を突かれチャクラが練れない状態では糸など出せないから猿轡を取れやと思いつつも無理やり話す。

 

「サスケ様は己から音へ、大蛇丸様のもとへ走った。力を求めて自ら闇へ堕ちたぜよ」

 

 お前らのやることは無駄。

 闇の中にいるサスケ様を救いだすことなんてできない。

 そう続けた。

 

「救えるさ、若様なら」

 

 ヒナタ様に勇気を与え、オレを闇の中から救い出してくれたうずまきナルトならきっとできる。

 そして、そもそもの話だが、

 

「サスケは闇に堕ちてなどいない」

 

「!?」

 

「アイツは仲間を守る力を得る為に、大蛇丸を利用するつもりだ」

 

 あまりにも危険だから止めには行くがな。

 うちはサスケは闇へと歩んでもその心は光のままである。

 そもそも復讐とて闇とは思えない。

 大切な人を想って振るう力が闇であるものか。

 驚愕する鬼童丸に再度柔拳を叩き込み気絶させ、困ったヤツだよなとネジは笑った。

 千手狭間から告げられた事実。  

 何度も鍋を囲んだ友人の重い決断。

 狭間が無理ならナルトくらいしか説得できないだろうとネジは考えていた。

 

 

 

 

「近いぜ!」

 

 サスケの入った棺桶を抱えながら移動する音の四人衆を追うシカマル達。

 痕跡から追跡していた彼らはついにキバと赤丸の鼻が位置を捉える距離まで近づいた。

 

「・・・・・・敵はあと二人。こっちは三人だがサクラもここで加わるだろうから、四対二だ。

 上手くやればあと一回の接触でいけるかも知れねーぜ」

 

 チョウジとネジのおかげで音の四人衆は半数に削れ、なんとか勝機が見えてきたとシカマルは言う。

 

「よっしゃ!よっしゃ!やってやる!!」

 

 あと少し、その事実にナルトがやる気を漲らせる。

 

「いや!五対二だぜ」「ワン!ワン!」

 

 キバがそう言い、忘れるなと赤丸が吠える。

 

「わかった、わかった。悪かったよ五対二だ」

 

 この人数差ならば二対一で抑え込み、サスケを一人が救い出すことも可能。

 取り戻してからは今度はこちらが音の四人衆から逃げる側になるか、音の四人衆を撃退する必要があるのかは向こうしだいとなる。

 

「次はオレ達の新技でケリをつけてやるぜ!!」「ワン!!」

 

「あのさ!あのさ!なんならチャクラはまだまだ平気だからスゲー影分身できるから大丈夫だってばよ!」

 

「タフだなオメーら。こちとら半日以上も交戦混じえて追跡でヘトヘトだってのに(新技ね、狭間から習ったアレは使いたくねーが)。

 けどまずはオレの作戦ありきだ。わかったな」

 

 次で決める、その意気込みが全員の戦意を昂らせるのであった。

 

「ところで、二人とも狭間からなんか教わったのかってばよ?最近のアイツは【ネタ帳】に頭を抱えながら必死に書き込んでいたけど」

 

「「(ネタなんかい)」」

 

「オレと赤丸は今は基礎体力上げろと教えてくれなかったぜ、ケチだよなあ」「アン!」

 

「基礎体力底上げするだけで強くなれるのは羨ましい話だな」

 

「シカマルはどうだ?」

 

「・・・・・・アイディアは貰ったが、まっ曲芸か一発芸みたいなもんだ(有用ではあるが)」

 

「そっか、それは楽しみだってばよ」

 

「(狭間に頼り切りなのはよくねーけど、アイツの出すアイディアはおもしれーってのがなあ。チョウジやネジの強化案は出来たら実用性も高かったしよ)」

 

 接触の時は近い。

 

 

 

 

「日が落ちてきた。あいつら手こずってる様だな」

 

 音隠れの里、大蛇丸の拠点へと走る左近は未だに追いついてこない次郎坊と鬼童丸に苛立ちながらそう呟いた。  

 まさか両者が既に敗北してるとは思いもしていないようである。

 仲間意識は薄くともその実力を軽んじることはない指揮官としての判断力があった。

 

「関係ねェ。あいつらなんかより大蛇丸様だ。ウチらは半日の移動で全行程の三分の一しか進んでいない」

 

 そう音の四人衆が急ぐのには理由があった。

 

「ああ、まずいな。ただでさえ間に合うかどうかだ」

 

 それは上司に設けられた期限だからという理由ではない。

 主である大蛇丸本人の身体にタイムリミットが迫っているのである。

 だからこそ、音隠れの里についてからではなく火の国内でサスケに処置を施したのだ。

 到着し、すぐにでも転生術を行使できるようにと。

 そう、うちはサスケは騙されていたのだ。

 力をやる。

 それは大蛇丸によって呪印を含めた指導をされるのではない。

 大蛇丸に身体を乗っ取られる、という意味なのであった。

 うちはサスケの望む、鍛錬の時間などありはしなかったのだ。

 もっとサスケが育ってから身体を乗っ取る、当初の予定はそうであった。

 しかし三代目火影猿飛ヒルゼンによる屍鬼封尽。それにより腕の魂、膨大なチャクラを封じられた今の肉体は限界へと達していた。

 そもそも魂は液体や気体などではない、総量が減っただけだから問題ないということはなく、削られた魂はそこから変調をきたし身体を崩壊させてゆくのだ。  

 それはあるいは、転生忍術ですら一時凌ぎにしかならなくなる可能性があった。

 また今の肉体は酷使しすぎた。

 かつてうちはイタチに腕を斬られた暁時代の身体とは別だろうが、千手狭間、猿飛ヒルゼン、自来也、綱手と常人ならば百回は死んでもおかしくない戦闘をこの身体はしてしまい、もはやいつ崩れてもおかしくない肉の風船なのである。

 

「(時間切れ。もう限界だ)」

 

 大蛇丸の右腕薬師カブトは綱手に次ぐほどの医療忍者としての技量からそう判断した。

 もはや、うちはサスケを待つ時間はない。  

 すぐにでも転生は執り行わなければならない。そうでなければ大蛇丸は失われてしまうと。

 自らの身体すら差し出す、まだ身体候補はいくつも用意があると進言する。

 

「サスケくんじゃなきゃ駄目なのよ」

 

 拘る大蛇丸をなんとか説得し、薬師カブトは器候補らに蠱毒が如き選出を行い、うちはサスケの回収にも手を打つ。

 肉体としても魅力的な薬師カブト。

 しかし身体以上に彼はあまりにも部下として有能で有用過ぎるのであった。

 

 

 ・・・・・・贄共の蠱毒の果てに、永遠を望む蛇の転生は成された。

 次があるかは、まだ誰も知らない。 

 





 補足・説明。

 今話は繋ぎ回です。
 ネジと鬼童丸戦後から、ナルト達の移動会話、左近らの会話と大蛇丸の現在です。

 ヒスイジュナイパー→ネジ。 
 ワナイダー→鬼童丸。
 他のナルトキャラはポケモンに例えたらどうなりますかね?
 いや格闘もちだからヒスイジュナイパーにしましたが弓を使う時はジュナイパーのままで良いかもしれません。
 鬼童丸にしても呪印状態はテラスタル状態ですかね?

 シカマル強化案。  
 ヒント、龍狼伝です。

 大蛇丸現在の身体。 
 なんで形状保ててるのが不思議なくらい酷使されました。というか百式観音を何発も食らってる時点でミンチから手足もげてます。
 大蛇丸は、犬夜叉の奈落か、結界師の逢海兄弟みたいですね(逢海兄は被害者側)。コイツらの方がたちが悪いですが。
 

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