百式観音を背負いて。 作:ルール
シカマルの強化案を知ってる方がいて驚いております。かなり古い作品なのに。
作者が知っているのは実家にあるからです。
龍狼伝、まだ完結してないらしいですよね。
棺桶の中のサスケが僅かに動きだした頃、ついにナルト達は左近達へと追いついた。
あの馬鹿二人は何をやってやがると多由也が悪態をつく、救出チームの人員を1名ずつしか減らせてないのだから上忍以上の実力を誇る彼女からしたらそう思っても仕方ないことかもしれない。
三人並ぶ救出チームに、音の四人衆リーダー格である左近が飛びかかる。
三対一だろうが躊躇わずに襲いかかるのは勝てるという自負があるから。
いきなりかよ!!とナルトが苦無を左近に投げつけるがあっさりと回避し印を結ぶ。
「くらえ、多連拳!!」
多数に増えた左拳が迎撃しようとしたシカマルとキバの身体に叩きつけられる。
まだ双子の右近が動いてない様子から、腕のみの多重影分身のような術なのかもしれない。
自力の差と手数の多さに吹き飛ばされる二人。しかし一人飛び出さなかったナルトは掌にチャクラを集めて球形へと形作っていた。
(チャクラが掌で!!)
音の四人衆筆頭の左近すら驚愕するチャクラコントロール。
その瞬間に殴り飛ばされたキバとシカマルがボンっ弾け消えた。
うずまきナルトお得意の影分身体の変化。アカデミー時代は苦手で卒業すら出来なかった忍術を今はこうして得手としているのがなんとも本人の成長を伺わせるものである。
「螺旋丸!!」
飛びかかる姿勢、空中で身動き取れない左近に螺旋丸を当てようとするナルト。
しかし、その当たれば大蛇丸の右腕である薬師カブトすら一撃で体力切れまでできる必殺忍術も当たらなければどうということはない。
超接近戦の間合い。
左近は螺旋丸に触れずに、ナルトの手首と肩を掴むことであっさりと回避した。
体術の練度はこういった面でも重要なのだ。
しかしそれもまた陽動。
「通牙!!」
螺旋丸を打ったと思われたナルトすらも影分身。
犬塚キバの獣人体術回転体技【通牙】が後ろからナルトの影分身体を貫いて左近に襲いかかる。
ナルトの螺旋丸は二人がかりでないと作り出せない、そんな事前知識さえ知っていればこれが偽装だと判断できただろう。
しかし初見の忍術であのチャクラコントロールを警戒しないのは無理があるのだ、
犬塚キバの通牙を屈んで回避した左近。
だが左近に当たらなくともキバはそのまま直進し多由也を狙う。
音の四人衆を一直線上に誘いこみまとめてやる。その狙いを察して対処しようとするが遅かった。
影真似の術成功。
足止めとしてこの上なく厄介な奈良一族の秘伝忍術。奈良一族は視認したら目を離してはならない忍集団なのである。
また影真似の術はただの足止めに終わらない。相手の動きを操作できるのだから、犬塚キバを追う左近と激突させることも可能なのだ。
そして犬塚キバの通牙は音の四人衆の撃退が狙いではなくサスケの入った棺桶確保が目的。
キバは掴んだ棺桶をナルトへと投げ渡すのであった。
「やっぱ思った通り隙だらけ。個々の能力がありすぎるってのも問題だな」
「ナイスだってばよ!キバ!シカマル!!」
「計算通りだ!!」
チームワークでは同期にして鍋を囲うダチ同士であるナルト達の方が一枚も二枚も上手なのである。
サスケ奪還成功。
あとは木ノ葉へ帰還するのみだ。
「逃がすかァーーー!!」
呪印を発動させる左近。
追う側と追われる側はついに逆転した。
「思ったより速い!!」
シカマル達にとって厄介な点は音の四人衆が呪印発動状態を温存していることだ。
それを知るのは残り戦った者達のみ。
その爆発的な身体能力の増加に対応できるのかと焦りだすが、ここでさらに計算違いが起きる。
手の空いた赤丸が起爆札を用いたトラップを仕掛けていたが、合理的しようと反応してしまい呪印を発動している左近に気づかれてしまったのだ。
「ワンじゃねーぞ!!犬っころがぁー!!」
怒り狂う左近には救出チームのどんな反応も癇に障る。テメェから仕留めると焦りから足を滑らせる赤丸を狙いだす。
動けぬ赤丸、飛びかかる左近、それに気づき飛び出したキバ。
三者はまるで合流するかのように一箇所に集まり、赤丸が張り付けた起爆札が爆発しまとめて崖下へと落下してしまった。
キバと赤丸と左近の離脱。
そこへ多由也が動き出す。
予想外のキバ達の離脱にシカマルが自分が多由也を足止めするからナルトに先へ行けという。
自分の体力では棺桶を担いで移動しては追いつかれると判断したのだろう。
「早く行け!」
チョウジやネジとは違い勝ち目のない足止め役。それがわかっていてもシカマルはその役を引き受ける。
「・・・・・・!な、何でお前が」
だがそんなシカマルの決意は新たな存在の出現によって台無しとなる。
どうやったのか、ナルト達の背後に一人の忍が降りたとうとして、
「しゃーんなろーー!!」
サスケの入った棺桶を蹴り飛ばそうとするその人物を潜んでいたサクラが殴りつけた。
が、
「痛いな」
大蛇丸の最強の配下だった君麻呂の動きを止めることには叶わない。
「「!?」」「!?」
サクラと君麻呂の登場に驚く一同。
長らく潜んでいたサクラはキバ達を助けようと移動していたが間に合わずにいたところ接近する君麻呂に気付き攻撃を仕掛けたのだ。
けれど相手はかぐや一族の君麻呂。
岩をも砕くサクラの一撃を顔面に受けても口元から血を流す程度で耐えてみせた。
病により余命幾ばくもない、それこそ今この瞬間に死んでもおかしくない君麻呂にとってもはや痛みでは動きを止めることはできない。
またその血継限界による防御力は健在。
常人ならば頭がパンっするサクラの剛拳を耐えきってみせたのだ。
ナルトの横の棺桶を蹴り落としから空中で蹴り飛ばす君麻呂。
せっかく取り返したサスケはあっさりと奪い返されてしまったのだ。
「サクラ」「サクラちゃん」
「ごめん二人共、キバを助けられずサスケ君を奪い返されちゃった」
殴った拳の痛みと痺れに現れた君麻呂の実力と厄介さを悟るサクラ。
全力でも勝ち目はない強者だと君麻呂を認識するのであった。
「遅すぎるよ、多由也。
それと他の三人はどうしたんです?
元【五人衆】ともあろう者達が」
もはや精神の力のみで動いている君麻呂は不甲斐ない仲間達を責める。
コイツラが遅かったせいで主は望まぬ身体に転生する羽目になったのだと憤っていた。
その冷たい怒りに触れた多由也は強く危機感を抱き、サスケを取り返そうと飛び出したナルトの前に降りて殴り飛ばす。
「「ナルトッ!!」」
ナルトを殴り飛ばした多由也に君麻呂はナルト達の始末を命じる。
サスケは君麻呂が大蛇丸のもとへ運ぶつもりのようだ。
「チィ」
己の武器である笛を引き抜く多由也。
取り返したサスケを奪い返されたナルトは落ち着きを欠いてしまっていた。
「どうするシカマル」
ガシンと両拳を合わせながら問うサクラ。
リーダーであるシカマルは、任務遂行の為に最も合理的な道を選ぼうと思考する。
「サクラ、さっきの白装束の実力をどう見る?」
「カカシ先生以上で狭間君と同じくらい。ガイ師匠でもないと厳しいわ」
(・・・・・・・・・・・・それアスマより強くね?)
音の四人衆ですら勝ち目がなかったにも関わらず、最後にとんでもない援軍が向こうにきてしまったようだ。また先ほどの左近の呪印発動という手段を多由也も持っていると想定、そこに下忍最強格のサクラの君麻呂の見立てを加味したシカマルの決断は、
「ナルト、サクラいいか。これからオレの言う段取り通りに動いてくれ」
小声で段取りを告げたシカマル。その無謀な作戦に止めようとサクラはしたが、むしろ死地はテメェらだとシカマルは告げる。
「わかったな」「おう」「うん」
「とっと来い、クソ共」
待ち構える多由也に気勢を上げて跳び出す三人。
「三対一だ!!こっちに分がある!
三人で組めばやれない相手じゃねェ!!
行くぞナルト、サクラ!!」
「よっしゃあああ!!」
「しゃーんなろーー!!」
先ずは多由也を撃退してそれから君麻呂を追う、それがシカマルの作戦。
「フン!てめーらみたいなゴミ、何人束になろーがカンケーねェ」
「オレらのチームワークを舐めるなよ!!」「行くってばよ!!」「我が剛拳受けて散れい!!」
「来やがれ!!」
シカマルの苦無と多由也の笛がぶつかり合い鋭い音が鳴る。
今だナルト、サクラ!!とシカマルか叫びその動きを追う多由也だが。
「行くってばよ、サクラちゃん」「遅れたら置いてくわよナルト!!」
二人は多由也ではなく君麻呂の行った先へと駆け出した。
「くそ!騙しやがったな!!」
騙されたことで可愛らしい反応をする多由也。敵がわざわざ大声で作戦を叫んだならその内容を信じるべきではない。
その当たり前の判断も、下忍と中忍に過ぎないという先入観から思い至らなかった。
またたびたび見せたナルトの直情的な反応が良い擬態となったのだ。
その時に多由也は迫る影に気付き飛び退く。
「そう何度もかかっちゃくれねーか」
本日既に二度影真似の術にかかった多由也にシカマルは言う。
「覚えとけ、術だけが忍の武器じゃねーんだよ」
奈良シカマル対多由也。
そして、
「・・・・・・あの狭間とかいう男が追ってこなかったのが幸いだったかもな。
さて、どんな風に殺そう?」
うずまきナルト・春野サクラ対君麻呂。
開戦である。
補足・説明。
今話は左近達と接敵から君麻呂登場です。
しかし書いてて思いますが、こういったシーンを飛ばすにはどうしたら良いか悩みます。
サスケ奪還編が終わらない。
でも、こういった繋ぎ回がないと飛び飛びで違和感がでてしまう気がするのです。
まだまだ続くサスケ奪還編ですが、どうかお付き合いください。
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