百式観音を背負いて。 作:ルール
読み直すと双頭狼ってかっこいいのに出番が少ないのが残念ですよね。
犬塚キバの新技にして奥の手である犬塚流人獣混合変化・双頭狼の牙狼牙が状態2の右近左近に直撃する。
その尋常ではない回転により生まれた破壊力は右近左近を右近と左近の二つに分割した。
討ち取ったと確信するほどの状態。
「へっ・・・・・・どうだ!牙狼牙は回転スピードが速すぎてオレ達の視界がゼロになっちまう程強烈な、超回転だぜ。直接触れなくても身が斬れる。まともに喰らえばバラバラだ」
血飛沫が一切飛び散らないことを疑問に思うが、もはや終わりだと犬塚キバは思った。
勝利を確信するがあまりに余計な情報を口にしてしまうほどに。
しかし音の四人衆最強である右近と左近の固有能力とそれを増幅する呪印の効果は凄まじいものであった。
なんと断ち切られた切断面から甲殻か具足のような半身が生え、分割された右近と左近は二人になってしまったのだ。
「なに・・・・・・ちょうど二人に分かれて殺ろうと思ってたとこだ」「確かに一個体でまともにくらえばヤバかったが。本番はここからだ」
二人に分かれた右近と左近。
この状況を見れば牙狼牙で絶たれたのではなく、牙狼牙が直撃した瞬間に、さながら勇者王ガオガイガーの超竜神が列車砲ゾンダーの砲撃を受けた時のように自分から合体を解除して逃れたのではないかと思われる。
掠った右近の片足から血が溢れていても生えた部位からは血が流れていない事実がソレを示していた。
「(畜生・・・・・・!!)」「(ワンワン!)」「(ああ分かってるよ赤丸。チャクラをドングリで補充したが牙狼牙はあと打てて二発。確実に当てないと終わりだ)」
犬塚流混合変化・双頭狼。
双頭の巨狼に変化する強力な忍術であるがそのチャクラ消費が激しいという欠点がある。
また犬塚キバが覚えたてで未熟であるという問題があった。
双頭狼の形態で戦闘が出来るならばそれはそれで脅威であったが、まだ犬塚キバにそれだけの技量はない。
双頭狼という変化が【牙狼牙】という必殺技を打つためだけの形態でしかないのが現状なのだ。
消費の激しい必殺技を放つために消費の激しい変化をする。
使えばチャクラを使い切ってしまうのも当然だろう。
「牙狼牙!!」
双頭狼対右近と左近。
という形で戦い続けることはできないキバ。ひたすらに牙狼牙を当てるしかない以上は勝負を急ぐしかない。
巨狼の回転突撃がくるとわかっていれば回避は容易い。
右近と左近はそれぞれ別の石柱の影に身を隠す。
「隠れたって無駄だ!!オレ達は目で追ってんじゃねえーって言ったろ!こっちはハナっからマーキングで付けた臭いを追って攻撃してんだからな!!」
無駄だと知らせ戦意を挫く口上は戦略としては有りではある。
しかし敵に余計な情報を与えることは時として致命的な事態となってしまうものだ。
((アホめ))
右近と左近のそんな嘲笑が見えた。
「阿!」「吽!!」「「口寄せ・・・・・・」」
臭いで追うキバは右近と左近が何をしているか知ることができない。
石柱の影に隠れた二人が左右から同時に口寄せの術を発動。
「「羅生門!!」」
門でありながら開くことをまるで想定されてないような拵えの鬼面の防壁が喚び出された。
ナニカが迫り出したきたことは気づいていた、しかし今更進路は変えられないキバは羅生門へと直撃。大蛇丸を護る為の最強防御が大きく凹むほどの衝撃が発生した。
「(クソ、やられた!?)」
嵌められたキバは激突のダメージで意識を手放しそうになる。
「(ワン!!)」
けれど赤丸がその意識を繋ぎ止めた。
「(・・・・・・そうだよな赤丸。まだ終わってねえ。まだオレ達はやれるっ!!)」
犬塚流混合変化の利点。
それは一人ではないこと。
一人じゃないから耐えられて、一人じゃないからふんばれる。
尾獣と心通わせた人柱力、現時点では八尾のキラービーにしかできないことと同じことを、犬塚流は可能とするのである。
「(これで全部使い切る!!
四大行【練】!!からのォォォッ……!!)」
もう一発分のチャクラを【練】でさらにひねり出すように放出、そしてその状態で、
「超!!牙狼牙ァァ!!」「ワオォォォ!!」
そうして犬塚キバと赤丸の最強の必殺技が解き放たれる。
「「何っ!?」」
羅生門に直撃し厄介な超回転が消えて落下するだろう双頭狼を叩くつもりだった右近と左近は、チャクラが増幅し超回転がさらに増した牙狼牙が大きく陥没した羅生門に再度突撃し歪ませ、ついにはぶち抜くというあり得ない光景を目撃した。
羅生門。
強制開門、否、壊門なり!!
「チィッ!?」「逃げるぞ兄貴っ!!」
羅生門が破られたとなれば打つ手なし。
あの超回転がされてるうちは奥の手である暗殺専門の右近の能力すら使えない。
屈辱的ではあるが消費が激しいであろう双頭狼が解除されるまで逃げるのが戦略として正解。
だがそんな甘い算段は、駆けつけてきた二人が打ち砕く。
「はぁっ??」「何だぁっ?!」
突如襲いかかる鋭い痛みに右近と左近が叫ぶ。逃げようとした手足が矢によって地面に縫い付けられたのだ。
「逃さないぞ」
声の方を向けば崖の微かな突起の上で弓を構える白眼の少年がいた。
「テメェはっ!?」
先ほどまで居なかった、途中で足止めの為に残った音の四人衆と交戦しただろう下忍が此処にいることは、次郎坊か鬼童丸が敗北したことを意味する。
「今だやれ!キバッ!」
そして視線を向けてしまったからこそ、翅のようなチャクラを背負う秋道チョウジが羅生門の左右の位置に居た右近と左近を鎖で一纏めにしたことに反応できなかった。
「「畜生がアアア!?」」
「ウオラアアアア!!」
音の四人衆最強・右近と左近。
超・牙狼牙の超回転に呑まれ敗北。
仲間の合流を信じたマーキングと轟音鳴り響く戦いが後から追いかけてきた仲間達を呼び寄せたのだ。
仲間の信頼。
それが勝敗を分けたのである。
ボンボンボンボン。
聞き慣れている影分身の消失音が草原に響き渡る。
「見よ!柳の舞!」
一対百。
それ以上の数の差をものともせずに君麻呂は身体の各所から鋭い骨を生やして舞う。
一刺一殺。
刺突は正確に急所を貫き影分身体を掻き消す。
「ナルトの影分身体では無理ね」
「サクラちゃん!」
体術の技量の桁が違う。
忍術を使って一掃するならば消耗を狙えたがあれでは大して疲労すらしてないだろう。
ならば自分が動くべきだとサクラは開門と休門を開きながら拳を鳴らす。
「ナルト、影分身体は足止めに専念か、あの棺桶を狙わせなさい」
「押忍、了解!!」
それで少しでも隙ができれば儲けもの。
そんな甘い相手ではないとわかるが、やらないよりはマシだろう。
「君から死ぬ気かい?」
チャクラを漲らせ歩みだすサクラに君麻呂はそう問いかけた。
「死ぬ気?生憎と私は、サスケ君との曾孫達に囲まれるまで死ぬつもりはないわ」
カッ!!と宣言するサクラは全てを得んとする覇王の面構えであった。
「(スゲー漢らしいってばよサクラちゃん!!なんか心がちょっと痛むけど、カッケーッ!!つうかあの棺桶の中にいるサスケには聞こえているんじゃねえかな)」
その宣言を聞いたナルトは失恋の痛みよりも漢らしさの尊敬が勝っていた。
「・・・・・・その願いが叶うことはない」
上着をずらし露出した肩から太い骨を剣のように引き抜きながら君麻呂はそう告げた。
「骨を自在に生やし、その傷口はすぐ様治る。
とんでもない血継限界みたいね」
ナルトの影分身体が投げた手裏剣すら弾く鋼が如き強度の骨。
全身の骨がそうなのだとしたら防御力すら並大抵ではないだろうとサクラは分析する。
「ナルト、あの病院の屋上で使った螺旋丸という術は私に渡せる?」
自分の拳も通じないかもしれない可能性を考慮し、サクラはナルトに問いかけた。
「できねえ、本体の掌の先だけで維持が精一杯だってばよ」
影分身体では今はまだ螺旋丸を使えない。
しかしナルトの体術技量では君麻呂に螺旋丸を当てることは不可能。
となれば、
「・・・・・・・・・・・・私の拳が通じなかったら、螺旋丸を発動したナルトを振り回すしかないわね」
「何怖いこと言ってんすかアンタ」
かつて憧れていた少女に畏怖と恐怖の眼差しを向けながらナルトはそう呟いた。
補足・説明。
今話はキバと右近左近戦の決着です。
キバは原作とは違い羅生門をぶち破り、駆けつけた仲間のサポートもあり勝利しました。
人獣混合変化、擬似的な人柱力みたいな感じですね。
戦力的にはシカマルの方に向かうべきでしたが、戦闘音からキバに追いつきました。
しかし、羅生門。
マジで何なんだろアレ。
ナルト・サクラ対君麻呂。
ナルト(影分身体)のやられぶりからサクラが動きます。
血継限界から拳では分が悪いと螺旋丸を使うべきだと判断したサクラですが今のナルトには螺旋丸発動影分身は無理なので、次話では螺旋丸発動ナルト(本体)を振り回すかもしれません(絵面が酷い)。
シカマル戦ですが、こちらも次話でやりますが頭の良い人の戦闘は本当に書くのが大変ですよね。
感想を見ているか?
-
見ている。
-
見ていない。