百式観音を背負いて。   作:ルール

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 NARUTOの世界は雷遁のせいで通信機器が発達しないのだろうか?
 雷遁使うたびに携帯電話がオシャカになって落ち込む雷影やカカシも見たい気がします(笑)


原作2巻③

 

 卓上コンロに鍋を置き。  

 そこに出し汁をドバドバ入れて火をつけて、

 鍋が沸騰したら肉団子や火が通りにくい野菜をぶっこみ。

 葉物などを入れて軽く煮て出来上がり。

 

「ホイよ、出来たよ」

 

 食べる時には好みのタレをつける。

 

「うおおー、待ってましたってばよ!!」

 

「おい」

 

「肉団子がうまくできたな」

 

「おう!!」

 

「おい、千手」

 

 鍋って季節問わずいつ食っても美味いよな、野菜もたっぷり取れるし。

 ハフハフと鍋をつついていると共に食卓を囲うサスケがイラッとした表情でこちらを睨みつける。

 

「なんで俺はお前らと鍋食ってんだ?」

 

 場所は木の葉の郊外にある我が自宅。

 

「それはまあ、話すと長くなるんだが」

 

「手短に話せ」

 

「うずまき君がラーメンしか食わないからとカカシ先生が差し入れしてくれた野菜を食い切るため」

 

 一人暮らしでは食材を無駄なく使いきることが難しい。

 特に野菜は使いきる前に悪くなることもかなりある。

 だからナルトは料理のできる俺を頼り、野菜を使いきろうとしたのだ。

 その際に悩んだのはメニューだ。

 野菜嫌いなナルトにどう食わせるかと悩んだ。よくある微塵切りしてハンバーグとか他の料理に混ぜるとかも考えたが、アレって受け付けない人も多いしね。

 だったらアレコレ工夫するより鍋の方がシンプルで美味い。

 

「ならなんで俺を誘った?」

 

「そうだってばよ。サクラちゃんとカカシ先生はどうして誘わなかったってばよ」

 

 ナルトほどめちゃくちゃな食生活ではないサスケがなぜ自分を誘うのか?

 せっかくなのになんであの二人を呼ばないのかとナルトが訊ねてくる。

 

「うちは君はたまたま見かけたから。

 春野さんはご両親がいてすでに夕飯の支度がされてるかなと、カカシ先生は連絡先も住所も知らなくて」

 

 ナルトに野菜消費を頼まれたのは任務の後。すでに帰宅した彼女の母親は夕飯の準備をしているだろう。

 一人暮らしの孤児の自宅に年頃の娘さんを招くことにも抵抗がある。

 そんな話を突然聞いたら親御さんも心配してしまうだろう。

 ・・・・・・忍者なんて職業選んでおいて今更だと思いはするが。

 

「あー、確かにカカシ先生の家とか知らねってばよ」

 

「緊急時にどうする気だアイツ」

 

 カカシ先生と会うのは待ち合わせ方式。

 事前に約束した時間に(かなり遅刻して)合流して、別れ際に次の約束をする形だ。

 

「来る時は遅刻するくせに帰る時は一瞬で消えるってばよ」

 

「待っている時間が勿体ねえ」

 

 しかしカカシ先生は俺達の指導も仕事の筈なのに任務の実戦以外の指導は今のところはない。

 シカマルに聞くところによると猿飛アスマ上忍はチャクラコントロールやコンビネーションなどの訓練もつけてくれているらしいのだが。

 ・・・・・・本人が天才忍者で俺達くらいの年齢の時は自主練が当たり前の人だったから、俺達も俺達で訓練していて詰まったら教えてくれる方式なんだろうか?

 割と忍者ってアカデミーを卒業してからは各自で鍛えようってスタンスかもしれない。

 放任主義ならぬ放流主義というか。

 

「ま、ハブいてるみたいで気分悪いなら次回に呼ぼうよ。うちなら誰もいないから来客あっても問題ないしね」

 

「「オレもだよ」」

 

 カカシ先生もなんだよなあ。

 孤児率高いぜ第七班。

 

「ちっ、美味いから文句はねえがな」

 

 諦めたのか鍋に手を付けるサスケ。

 出し汁で沢山の具を熱々に煮ながら食う。

 つけダレでいくらでも味変可能な鍋は楽だが美味い。

 

「これなら野菜も食えるってばよ」

 

 肉類のみではなく野菜も当たり前のように食べているナルト。

 それはきっと味付けや調理法の問題だからではなく三人で鍋を囲んでいるからだろう。

 ナルトの偏食はかつて里人がナルトに変な食材を渡したことが理由の一つだと前世で見たことがある。

 安心して食べれるものが木の葉の二大聖人が一人、ラーメン一楽のテウチさんのラーメンだったからだとか。

 そんな彼がこうして班員と鍋を囲うのは、きっと良いことなのだろう。

 

「〆にはラーメンもあるから」

 

「おお!!」

 

「結局ラーメンじゃねえか。雑炊でいいだろ」 

 

「ご飯を炊いてないんだ」

 

 鍋ラーメン。

 次は部隊にちなんで韓国の部隊鍋をやるのも良いかもしれない。なぜかこの世界にもキムチ的な唐辛子の漬物があったし。唐辛子の「唐」はどこにあるよ?

 

「でもさ、でもさ」

 

「なに?うずまき君」

 

 インスタントラーメンをバリっと袋から取り出したところでナルトが俺にナニカを伝えようとしている。

 

「サクラちゃん呼ぶならなんだけど」

 

「ああ、アレか」

 

 ナルトが言いたいことに気がついたサスケもまた頷いた。

 

「あの、【胸!!】って書かれた掛け軸は外した方がいいと思うってばよ」

 

 壁に掛けられた掛け軸。

 父の遺品の一つだ。

 

「・・・・・・・・・外せないんだ」

 

 ビタリと壁に張り付いてて無理なんだよなあ。トルネコの大冒険の聖域の巻物かな?

 

「「え?」」

 

「ついでに傷一つつかないんだ」

   

 箸を棒手裏剣の様に掛け軸に投げるもナニカの力に弾かれしまう。起動中のグリードアイランドかな?

 HUNTER×HUNTERでは物体に込められたオーラが制作者の死後も残留することがあった(今度蚤の市で掘り出し物を探そう)。

 あの掛け軸もきっとその類なんだろう。

 そこ、才能の無駄使いとか言わない。

 

 

「あー、食った食った」

 

 〆のラーメンも含めて鍋を食い尽くし、ナルトはゴロンと寝転がる。

 

「食べてすぐに寝ると消化に悪いよ」

 

「お母さんかお前」

 

 俺が洗い物を片付けながら注意すればサスケがすかさずツッコむ。

 

「あー、もー腹一杯で動けねえ。今日はこのまま泊めてくれってばよ」

 

 下手したらナルト人生初のお泊りになるのかね?(原作ではタズナさん家か?)。

 

「別に良いけど、きちんとシャワーは浴びなよ」

 

「良いのかってばよ!!」

 

 ガバリと起きたナルトが嬉しそうな反応をした。こういったことがなかったから嬉しいのかね?俺も前世含めてないけど。

 

「俺は帰る」

 

 お泊り、お泊り、とウキウキしだすナルトと帰ろうとするサスケ。

 

「君も泊まれば?夜道は危ないよ」

 

 里内唯一のうちは一族、攫われる危険性がないわけではないだろう、ダンゾウとかに。

 

「ち、まあいいか。帰るのも怠いしな」

 

 ?

 誘いはしたがプライド高い彼が了承したことに驚いた。もしやその鋭い、ナニカ探るような眼差しからなんらかの意図があるかもしれない。

 

「替えの下着は、新品のやつを貸すよ。

 白と赤、どっちの褌が良い?」

 

「「なんで褌!?」」

 

「え、アダルティな黒派?」

 

「下着が褌なことにツッコんでるんだってばよ」

 

 忍者漫画の世界だからノリで。

 あと普通に下着コーナーに置いてあったから。

 

 そんな雑談をしながら木の葉隠れの里の夜はふけていった。

 まだ友人と言える仲かはわからないけど、こんな日も偶にはありだろう。

 

 

 

(やはり動きだしたか)

 

 シャワーを済ませ、布団を敷いて就寝。

 しかし、狭間が部屋から抜け出したことにうちはサスケは気がついた。

 班員の自宅に泊まる。

 警戒心強い彼がとった彼らしくない行動には理由があった。

 それは同期でありながら遥か格上の実力者である千手狭間の強さの秘密を探ること。

 あるいはその修行法を知ることだ。

 班員分けの時のように訊けば教えてくれるかもしれない。事実指先へのチャクラコントロール練習は忍術を使う上で効果があった。

 しかしそれではいつまでたっても狭間にも、復讐対象である兄にも追いつけない。

 勝手に他所様の自宅を漁るような恥知らずな真似をしたりはしないが、修行姿は見させてもらう。

 そういった理由で、サスケは狭間宅に泊まったのだ。

 

(さあ、どんな修行をしてやがる?)

 

 部屋から抜け出した狭間をそっとサスケは追いかけた。

 

「あれ。サスケ、狭間?」

  

 しかしその動きか偶然か、うずまきナルトもあくびをしながら起き出してしまうのであった。

 

 その光景はある種の神聖さに似たナニカを感じさせた。

 

 気を整え、

 拝み、

 祈り、

 構えて、

 突く。

 

 千手狭間がやっていることはただそれだけ。

 正拳突きの一連の動作。

 しかし写輪眼を開眼せずとも優れた視覚を持つサスケにはその正拳突きが1ミリも狂わぬほどに同じ動作であり、

 

「何だあれ?ゆっくりと正拳突きしてるのかってばよ」

 

 傍から見たらスロー再生してるかのようなその動作が、幾百もの残像が積み重なった結果ゆっくり見えるだけだと気がついてしまった。

 速すぎて遅く見える。

 チャクラを使う幻術などではない視覚的錯覚。

 

(あんなもの、回避できるのか)

 

 全身から滝のような冷や汗をかくサスケ。

 天才であるがゆえに正確にその凄まじさが理解できてしまうからだ。

 

「どうやったらあそこまで」

 

 サスケの呟きにナルトが答える。

 

「あんなキレーな正拳突き、きっと毎日繰り返してんだろ。お前よりずっとな」

 

 ナルトの言葉にサスケは納得するしかなかった。

 狭間の動きには積み重ねた者の持つ深みを感じたからだ。

 

「クソ」

 

 段階を踏み飛ばす能率の良い修行をしているのかと疑っていた。

 同じ修行をすれば勝れるのでないかと期待していた。

 しかし積み重ねた年月の差を見せつけられたら、どうやって超えれば良いというのか。

 狭間ではなく本当に超えなければならない兄は、年月に加えて才能すら遥かに上だというのに。

 

「修行するしか、ねえってばよ!!」

 

 折れかけた心は隣にいた存在の叫びがかろうじて支えた。

 そうだ、答えなど決まっている。

 

「おい、千手!!

 他にも修行法を教えやがれ!!」

 

 座禅を組み祈りだしていた千手狭間に、うちはサスケは恥も外聞もなく教えを乞うのであった(口調は上からだが)。

 

「オレもだってばよ!!」

 

「いや君達さ、明日も任務だから」

 

 千手宅に集まって食事を共にして修行。

 これはうちはサスケが里抜けするまで続くことになる。

 





 補足・説明。
  
 鍋パからのお泊りです。
 波の国編から一気に物語が加速するので班員同士の交流を書きたくてやりました(このタイミングしか難しいので)。
 ちなみに鍋パじゃない時は天ぷらです。
 どんな野菜も天ぷらにしたら割といけますので(大人数だと揚げ物は逆に楽)。
 なおサスケは狭間の修行法を探る意図もありました。
 狭間からしたらオーラ式チャクラコントロールをどう伝えれば良いのか頭を抱えます。
 今後はサクラもチラホラ参加しますが、お泊りは無理でした。

【胸】の掛け軸。
 谷間渾身の一筆。
 渾身過ぎて壁から剥がれず強度もおかしいです。
 緊急時には防壁にしよう(笑)

 傍から見た感謝の正拳突き。
 龍狼伝の馬超がやったアレです。
 あちらは完全に見えなくなる速度で大刀を回転させましたが。
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