百式観音を背負いて。   作:ルール

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 NARUTO第一部完です。



原作27巻

 

「えー、それでは。

 シカマル中忍昇格。

 我愛羅、テマリ、カンクロウ歓迎。

 ついでに俺の特別上忍昇格を祝って、

 カンパーイ!!」

 

「「「「「「「カンパーイ!!」」」」」」」

  

「・・・・・・・・・一番重傷だったよなアイツ?全身ズタズタでチャクラも使い切ってたよなアイツ。なんで数日で全回復してんだ?」

 

 恒例の千手邸での鍋パ。

 砂肝が好きだという我愛羅のために本日は博多風鳥モツ鍋である。

 博多ってどこだよ?

 と皆からは当然のようにツッコまれた。

 サスケ奪還任務は失敗した。

 だがサスケが力への渇望から闇に堕ちたのではなく、闇を呑み下す覚悟で大蛇丸のもとへと向かったことを救出チームの全員が理解し、同期の皆へと伝えたのだ。

 万華鏡写輪眼による幻術。

 あんなものを見せられてはサスケを信じるしかないだろう。

 絆という繋がりがしっかりと結びついているサスケならば絶対に大丈夫なのだから。

 ・・・・・・まあ付き合いが短いカンクロウなどは複雑そうな表情であったが。

 

「ほら煮えたよ食べな」

 

 我愛羅の世話を焼くテマリ。

 小鉢いっぱいに我愛羅の好きな砂肝を取ってやっていた。

 それは尾獣を体内に宿す情緒不安定な化け物に対するものではなく、末っ子の面倒を見る姉の態度だった。

 サスケがいなくなった同期メンバー+砂隠れの三兄弟。

 まさに次代を担う俊英達と言える集まり。

 賑やかに会話をしながら鍋をつつくその姿はしっかりした結びつきがあることを示しているようだ。

 でも、

 ぽっかりと空いた誰も座ろうとしない空間を見る、空いているのに詰めようとする者は一人もいない。そこはいつもサスケが座っていた場所。

 やっぱりお前が居ないのは寂しいよサスケ。

 埋まらぬ場所はそのまま皆の心の空白そのものなのである。

 

 

 さて、サスケ奪還任務その後の話だ。

 サスケは大蛇丸のもとへ行った。

 表向きは抜け忍ではなく希少な血継限界を求めた大蛇丸による拉致と発表。

 裏向き、忍達にはサスケが大蛇丸のスパイとして送り込まれたと通達。

 これでサスケはいつでも木ノ葉に帰還できるというわけだ。

 そしてサスケ奪還任務に参加した救出チームだが、原作では秋道一族秘伝の丸薬を全て摂取したチョウジと、鬼童丸の射撃で肩を射抜かれたネジが予断を許さぬ生きるか死ぬかの状況だった。

 しかし俺がHUNTER×HUNTERの四大行やら色々と入れ知恵し、何よりも本人達が原作よりも努力し強くなったおかげか極度の疲労はあり検査後に治療はしたが、何事もなかった。

 犬塚キバと赤丸もそうだ。

 ネジとチョウジのサポートはあったが、あの音の四人衆最強の右近と左近を撃退したのだ。

 あの犬塚流混合変化は見るからに強そうだったから当然の結果なのだろう。

 シカマルは・・・・・・なんか話すたびにテマリが不機嫌になるのだが(弟達は怯えだした)、音使いの多由也を圧倒し口説いていたらしい(なんでだ)。

 いくら多由也が美少女でも、シカマルは戦場で敵を口説くような軽薄な性格ではない筈なのだが。まさかこれは無限月読なのだろうか?

 サスケと戦ったナルトもかなりの怪我ではあったが、九尾のチャクラで回復しながら戦ったのですぐに回復した。

 それはもともと生命力の強いうずまき一族の血が作用しているのもあるだろう。

 君麻呂と戦ったサクラも軽傷である。

 八門遁甲使用の猛攻でチャクラを使い切り途中から戦線離脱をしていたが、そこから怪我を負ってないのだ。

 そして君麻呂の呪印状態2と戦った俺であるが、最後に君麻呂から攻撃を受けまくったせいで生きてることが不思議なくらいズタボロであった。

 チャクラを使い切る百式観音零ノ掌を使用したのもあり、全快まで数日もかかってしまった。

 原作よりも軽傷。  

 結果としてはそんなところだ。

 

 さて、あとは気になるところは原作とは違い生存してしまった音の四人衆だ。 

 まだ少年少女程度の年齢でありながら固有能力と呪印状態2を制御できる実力者達。

 その希少な体質目当てなのか大蛇丸との秘密裏な協力態勢についての口封じ目的なのか、木ノ葉暗部組織【根】を率いる志村ダンゾウが引き渡すように要求してきて、未だに火影成り立てで影響力乏しい綱手様が抗しきれなくなったが、なんと音隠れの里から四人衆の助命要請が膨大な量の砂金とともに来た。

 これやるからそいつらを丁重に扱え。

 ざっくり言うとそんな要求である。

 また音の四人衆には『今後は私の妹分(綱手)に仕えろ、あと私が増えるからあまり呪印は使うな』という命令が出されていた。

 いや大蛇丸が増えるって。

 呪印、まるで癌細胞か柱間細胞のようである。

 言外にダンゾウあてに部下に手出しするなと告げた大蛇丸の意図を読み取ったダンゾウは悔しそうに顔を歪めていて、綱手様は気分がよくなったそうだ。  

 しかし大量の砂金。

 明らかに四代目風影の忍術を使って集めたものだろう(あるいは忍法で使用していた分)。

 まあ砂金を磁遁で採取できるなら資金集めとして穢土転生されて使用されるだろう。

 金の亡者である暁の角都が知ったら欲しがりそうな忍術である。

 なにはともあれ、無事に生存した音の四人衆はしばらくはアカデミーで木ノ葉の忍としての心構えを教育され(イルカ先生担当)、実務は暗部現最強であるあの【木遁のテンゾウ】の指揮下に付くそうだ。

 まあ大蛇丸の実験体仲間だしなあ。

 テンゾウさんの生存がもし大蛇丸に知られていたら、彼もまた器候補だったのかもしれない。

 しかし、

 

「我愛羅達は良いのか?音の四人衆はもしかしたら実父である風影様の仇かもしれないのに」

 

 俺は復讐を否定する気はない。

 だから大蛇丸の部下であり、木ノ葉崩しでは砂隠れの風影護衛役に成りすました音の四人衆の生存を許容できるのかと尋ねた。

 音の四人衆は死ぬには勿体ない実力者達。

 けれども砂隠れの、後の風影の不興を買ってまで抱え込むほどでは無いと思うのだ。

 

「・・・・・・・・・・・・親父の仇か」

 

「まあ思うところはあるじゃん」

 

「だがな・・・・・・」

 

 四代目風影羅砂の実子である三人は顔を歪めながら言う。

 

「家族としては、あまり良い人ではなかったよ」

  

「困窮する里を支える立派な風影ではあったけどな」

 

「それでも思うんだ、死んでも仕方ない人ではあったのだと」

 

 木ノ葉崩し終了後、無事に帰還できた三人はあらためて戦争の悲惨さを学んだ。

 侵略された木ノ葉がどうなる予定だったのかを知ったのだ。

 戦争はただ人が死ぬだけではない。

 その後の略奪凌辱暴虐はまさに地獄そのもの、ましてや木ノ葉は希少な血統も多い。

 そんな者達がどうなるかなど、実子を人柱力に仕立て上げ失敗作と断じた風影の性格から明らかだろう。

 それらを踏まえてしまえば、それらを考えてしまえば、戦争を引き起こそうとした四代目風影を騙されて殺されても文句を言う気にはならない。

 

「里の為なのはわかる」「それが忍界の常識なのもな」「でもオレ達はこの里で数ヶ月も過ごしてしまった」

 

 あの時は頷いたが、今もうこの里を、この人々の営みを地獄へしたくはないのだ。

 だから実子である三人は、四代目風影の死で恨みなど抱けないという。

 

「そっか。お前らも強いんだな」

 

 聞いてた面々は家族関係含めて思うところがあるが、何も言えずに黙って聞くのであった。

 

「んでよ、俺達は今後はどうなるんだ?」

 

 話を変えようとキバがそう言った。

 シカマルの中忍昇格、俺の特別上忍昇格、綱手様の火影就任もあり体制が変わることは明らかだからだ。

 

「ナルトは自来也様に連れられて修行の旅に出るんだっけか?」

 

「ああ三年間、大蛇丸がサスケの身体に乗り移ろうとする時期までに一人前に育てるって言ってたってばよ」

 

「旅、か。羨ましいんだかそうじゃないんだか」

 

「サクラは綱手様に弟子入りするのよね」

 

「うん、私はもっと人体を極めてみせる」

 

(((((おっかねえ)))))(素晴らしい心構えですサクラさん!!)。

 

「狭間は、修行しつつも里の防衛か」

 

「扱いが半ば人柱力なんだが」

 

 扱いが腑に落ちない。まあ修行に専念できるのはありがたいが。

 

「第七班はほぼ解散か。カカシ先生も個別任務を受けまくるそうだ」

 

 他の皆も概ね修行主体の日々を送ることになるだろう。

 三年。

 大蛇丸の転生忍術のタイミングを目処に、サスケを万が一の時は救えるようにと。

 空いた場所にサスケが帰ってこれるように、動きだすのだ。

 

「辛気臭いのはここまで!!さあ楽しむぞ!!」

 

「「「「「おお!!」」」」」

 

 木ノ葉の夜は若者達の喧騒とともに過ぎてゆくのであった。

 





 補足・説明。
  
 今話はサスケ奪還編のエピローグです。
 ここでNARUTO第一部は終わり、疾風伝へと移行します。
 次話ですが、アニオリをやるか劇場版をやるかで、もしかしたら数日投稿が空くかもしれません。
 幻の地底遺跡もコスチュームからして疾風伝前みたいですし、雪姫忍法帖もありますから。

 音の四人衆は生存し、イルカ先生を恩師として成長し、テンゾウ隊長に鬼上司として怯えるでしょう。

 とりあえず、第一部まで書き上げて一段落の気分ではあります。
 
 まさか気晴らしの思いつき作品にここまでお気に入りして頂けるとは全く予想外でした、読んで頂きありがとうございます。
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