2015年もよろしくお願いいたします。
本編はクライマックス! あと少しキョウヘイたちの冒険にお付き合いください。
その飛行艇は近付けば近付くほど、その雄大さを出していた。
「……ほんとでかい船だ。動力とか何なんだ?」
「さぁね、案外僕らにも馴染みのあるやつだったりしてね」
キョウヘイはそう言ってその船の一番上にたどり着いた。入口があるらしいし、第一こんな上空なら監視も薄いだろうとのベズの考えだ。
船は帆船型で、デッキに人は誰もいなかった。入口は前後ろに一つづつ設置されており、そのどちらも固く扉が閉められていた。
「……入るぞ」
立て付けがそれほど良くない扉を開けるとそこに広がっていたのはただの空き部屋だった。空き部屋の真ん中に緑に光る液体が貯まった何かがあった。
「……なんだよ、あれ……!」
「入ってみるしかないだろ……!」
そう言って、二人は飛び込んだ。
飛び込んだ先には、迷路なのか、壁があった。左右を見ると通路がつながっている。
「……なんだこりゃ。ただの迷路……じゃなさそうだよな」
ひとまず左に向かうことにした。左に暫く進む(枝分かれもしておらず、一本道だった)と鉄製の扉が姿を現した。恐らく電子ロックで閉じられたものだろう。
「電子ロックか」
ベズは呟き、画面に目を向ける。
「パスコードの他にカードキーが必要らしいな。ということはこの場所は相当にロックを厳重にする必要があるってことか」
「……めんどくさいね。見つかると思う?」
「さぁな。先ずはプラズマ団員を片っ端から問い詰めてみるか? 奴等ならここのカードキーとパスコードくらい全員持ってるだろ」
先ずはカードキーを捜索することとなった。パスコードは六文字の英字の羅列ということが打ち込みのキーボードから判明したため、それも含めての捜索となった。
「……しかし、そう簡単に見つかるものかな」
通路を歩いていくキョウヘイは前を歩くベズに訊ねる。
「流石に見つかるだろ。ここがどういう場所かは知らないが……」
「おや、ここまで来るとは……」
不意に後ろから声が聞こえ、二人は振り返った。
そこにいたのは、プラズマ団員だった。しかし、腕に青いバンダナを巻き付けていた。
「……俺はプラズマ団幹部デウスだ」
ぞわり。
ベズはその声を聞き、寒気を覚えた。
「まさか……、きさま!」
「そのまさかだよ」
デウスはにたりと笑う。
「お前のチョロネコを解放したのは……俺だ」
「なんだと……っ!!」
ベズはダイケンキを繰り出し、
「ダイケンキ、“ハイドロポンプ”!!」
刹那、水の挟撃がデウスを襲った。彼はポケモンを出すことは愚か、構えることすらしなかった。
なのに。
ベズには不安しか存在しなかった。
本当に倒せるのだろうか? そもそもあれがチョロネコを盗んだのだろうか?
想いが頭の中で回転し、揺れる。
「……あなた、揺れていますね」
「……ッ!!」
ベズがほんの一瞬、油断した隙を狙いデウスはマニューラを繰り出し水を“切り裂い”た。
「バカな……、水を……?!」
「あなた、心が落ち着いてないんですよ」
「当たり前だろう!!」
「焦りとは思った以上にポケモンにも影響します。そしてそれが……」
トン。
軽い音が空間に響いた。
「……いま」
そしてベズはゆっくりと倒れていった。
「ベズ!!」
キョウヘイは走り、ベズに近付く。
「寝ているだけですよ、ここまでしないとどうせ彼は話を聞かないでしょうから」
「悪党の言うことを素直に聞くとでも?」
「流しでもいい。N様からの御言葉だ」
その言葉を聞き、キョウヘイは目の色を変えた。
「エヌ……?」
「プラズマ団が二つに別れたのは流石に知っているだろう」
「あぁ、N派とゲーチス派に別れたことだな」
「片方をホワイト・プラズマ、ゲーチス様の方をエクス・プラズマという。ここまでは?」
デウスの言葉を聞き、一度だけ頷く。
「ならば話ははやい。N様はプラズマ団解体後旅に出た。その目的は知らない。しかし……、憶測だが……あるトレーナーの消失が原因だと言われている」
「……そのトレーナー……っていうのは」
「トウヤにトウコ」
デウスは微笑み、呟いた。
「かつてプラズマ団を倒したトレーナーだよ」