造の魔法使い   作:星のニースケ

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確か2話ぐらいで歩田がしろと言っていたけれども、館の方を想像してもらえるとありがたいです。


第10話 安定の歩田

 歩田暴走騒動も無事に終わり、いつも通りの生活に戻った。歩田は目が覚めたが、まだ暴走した時に犯された精神や魂が、元の状態に戻っておらず、言葉がカタコトだ。館も崩れかけたが、歩田に借金をつけて外国の館作りの匠たちに修理をしてもらっている。

 乃愛に聞いたが、あのとき乃愛が歩田と一人で戦っていたのは、館人が、歩田が館に向けてはなった波動砲に当たって気絶したり、気絶しなかった人たちが、気絶した人たちを医務室に運んだりしたから、人手が足りなくなり、歩田を抑える役を一人だけにして、それに乃愛が選ばれたかららしい。何よりもその説明で意外だったのが、冥と風月も波動に直撃して、意識を失ったらしい。この実力者たちを気絶させられるのならば、かなり高度な波動砲だったんだろう。

 歩田の波動で死んだ人はいないそうだから、冥が暴走した時よりも被害はマシだろう。あの時のことはもう思い出したくもない。

 

乃愛「歩田さんに正気が戻りました。」

 

エシュ「はーい」

 

 乃愛に連れられ医務室また向かう。医務室は一階の端っこにあるため歩田の被害は受けていない。しかし、外国の建築士たちが「崩れた形が歪なので、全て壊してから建築を行います」といっていたため、どちらにせよ今の医務室は無くなってしまう。そして、館がない間私たちは質素な家を借りることになるらしい。

 と、これを見ている人たちに説明している間に医務室についた。

 

パカァ

 

エシュ「やぁ、歩田元気かい?」

 

歩田「あのぉ、俺は何を?」

 

 覚えていないみたいだ。まぁ『暴走』していた訳だから、記憶がある方がおかしいのだが。

 

エシュ「月の書を読み、歩田野中にある狂気が暴走して、身体が乗っ取られ暴走し、館を壊したのだよ。幸い、死傷者は出ていない。」

 

歩田「ないやらかしてんだよ俺!!?」

 

エシュ「大丈夫大丈夫、全部歩田の責任で修理代、歩田の借金だから。」

 

歩田「何も大丈夫じゃないんですけど!?ていうか、修理費全部俺!?それいくらかかるんだよ?」

 

 歩田がめちゃくちゃ取り乱している。まぁ当たり前だ。みんなだって「館一つ分の修理費全部出せ。」って言われたら多分発狂するだろう。

 

エシュ「少しは落ち着け。安心しろ。ここは外の世界の何倍も物価が安い。」

 

歩田「確かに!ここだったら結構安いかm」

 

エシュ「8000万円だ」

 

歩田「ん?なんて?」

 

エシュ「8000万円だ」

 

歩田「どこが安いんだよ!?」

 

エシュ「いやぁ?私はただ、『物価が安い』って言っただけで、修理費が安いとは別に言ってないんだけどなぁ?へんな言いがかりつけないでもらえるかなぁ?」

 

 歩田の顔が青ざめていく。私は最初からわかっていた。こいつは馬鹿だから『物価が安い』と言えば、修理費も結構安い値段になると勘違いすることを。まぁ、実際に現実の何倍も安い訳なんだが。人というのは希望を持ち始めた瞬間に絶望に落とすのが一番美味しい。

 

歩田「給料約12年分?...ハハッ!めっちゃ笑える!」

 

 声は笑っているが、顔は全く笑っていない。絶望よりも酷い状態っぽい。

 

???「そろそろぉ〜解体作業始めるんで一旦ここはら離れていてくださいぃ〜。」

 

エシュ「久しぶり、メリー」

 

メリー「おぉエシュさん、千年ぶりくらいでしょうか?」

 

エシュ「あぁ、そうだな。」

 

メリー「おっと、そこの方達は?」

 

乃愛「私は葉口乃愛です。能力は相手と目が合えば相手の体を壊せる程度の能力と相手から注目される程度の能力です。」

 

歩田「俺は針井歩田です。能力は体が再生する程度の能力です。」

 

 そう言えばこいつらは初対面だったな。乃愛も冥が暴走した後に雇ったこだもんなぁ。もう千年も経つのか。私は今年で何歳だっけ?でもだんだんと寿命(タイムリミット)挟まってきているよなぁ。

 

メリー「私の名前はメリー エインアテクトだ!空間を操る程度の能力を持っている。そこの、乃愛って娘。注目とはどんな感じかやってみてくれないかな?」

 

乃愛「やってみますけど、強い精神魔法なんですよ?いいんですか?」

 

メリー「ぜんっぜんいいよ!どんとこい!」

 

乃愛「じゃあ、遠慮なく行きますね!」

 

 確かに乃愛の精神魔法はとても強力だ。でも相手がメリーとなると...

 

メリー「ふっ、まったく効きやしないね。」

 

乃愛「ええ!?今全力でやったんですけど!?」

 

 まぁ、やっぱり効かないか。

 

メリー「長く生きているからね!経験の差だよ。」

 

歩田「すげぇ」

 

 乃愛はしょんぼりし、歩田はメリーに感心している。

 

メリー「そして歩田君!君のことは新聞で見たよ。意外に新しい人物でしかも、エシュさんと一緒に歩いているだなんて、あの詐欺新聞屋がまた嘘報道したかと思っていたよ。」

 

 ん?新聞に載った?全く聞き覚えがないなぁ。

 

歩田「そうですか。」

 

メリー「歩田君は再生すると言ったね?その力を見せてくれよ!」

 

歩田「は?」

 

メリー「ん?何か変?」

 

歩田「変って、斬るんですか?」

 

メリー「勿論!」

 

歩田「えぇ、まぁいいですけど。」

 

 それ承諾するんだ。なんやかんやで優しいやつなのか?

 

メリー「じゃっ、手首いくね!」

 

 メリーが恐怖を覚える宣告をして、ズバッと歩田の手首をきる。

 

歩田「いったぁ!」

 

 斬られるとすぐに「ニュルニュル」という音がしそうな感じで手首がまた生えてくる。

 

メリー「おぉ、はやいなぁ。ありがとうね!」

 

歩田「いえいえ」

 

メリー「っと、もうここからでるよ。終わるのは総動員で一週間後ぐらいかな?」

 

歩田「早いな」

 

 一週間とはなかなかの速さだ。この前の時は確か二週間くらいだったかな?

 

メリー「うちは早くて、ちゃんとしているがうりだからね。じゃあ、もう出るよ。エシュ、お願い。」

 

エシュ「はいはい、ワープホール。みんな早く入ってね」

 

乃歩メ「はーい」

 

〜ここから歩田視点に戻ります〜

 

 ワープホールをくぐるとそこは玄関のすぐ近くであった。どうやら門番はいないらしい。俺が壊してしまったのが原因か、それともただの休みか。絶対に前者だろう。門番はいなければいけないはずだ。

 俺はとんでもないことをしでかしてしまったらしい。起きたら記憶が曖昧で、言葉をうまく話せないし、エシュに8000万円の借金ができたことを言われるしで結構悪い一日だ。

 え?なぜそこを「最悪の一日だ」と言わないのだ?って?俺は現世でいろんなことを言われてきた。例えば『歩く黒歴史』だの『黒歴史製造機』だの『彼は魔法を使ってモノを作り出すんじゃない。魔法のように黒歴史を作り出すんだ。』と言われてきた。なんで最悪じゃないかはわかっただろう?それよりも悪いことを経験したからだ涙。

 

メリー「じゃっ!」

 

エシュ「じゃあね。」

 

 まぁ、メソメソしている場合じゃない。そういえば、暴走している時の俺って強かったのかな?

 

エシュ「あぁ、とても強かったよ。使っていたのは闇魔法でどうやらそれは冥も風月も気絶させられるほどらしい。」

 

歩田「そうなんですか!?暴走の俺強いなぁ。......あれ?俺の心読んでたくね?心読むの禁止したよな?」

 

エシュ「ふっふふ、歩田君契約ってのはなぁ...破るためにあるんだよ!!!!」

 

 こいつはきっと相当なクズ野郎だ。俺はこの瞬間こいつを心の底から軽蔑した。

 

エシュ「まぁ、そんな悪く思わないでくr」

 

歩田「思うわ」

 

 速攻拒否RTAに出れば、かなりの好順位に入れるような速度で俺は拒否した。

 

エシュ「ひぃどいなぁ、器に広さとかないんかぁ?」

 

 あれ?これもどこかで聞いたことがあるような...なんだっけ?

 

歩田「ないね、生まれた瞬間からsサイズだったわ。」

 

エシュ「ふーん、話変わるけど私たちっていつ新聞に載ったの?」

 

 「話変わりすぎだろ」と内心ツッコミをいれつつ俺の知っている限りのことを話す。

 

歩田「なんか俺がきた初日の時に一緒に少し歩いていたところを、栞?っていう人が取って記事にしていたみたいです。」

 

エシュ「あぁ、あの詐欺師で有名なね。詐欺師というほどでもないけど、かなり内容が脚色されているからね。それでも人気らしいけど。」

 

 まぁ、新聞で内容に脚色するなんてよくあることだし少しは見逃せるだろう。

 

エシュ「そういえば私たちの家に行かないとね。」

 

歩田「あぁ、そういえば。なんか質素な家って言っていましたよね。」

 

 俺的には質素な家の方が慣れているが、やはり大きな家に憧れを持っていて、それが叶ったのだから少し気分はどんよりした。

 

エシュ「さぁ、もう行くよ。ワープホール」

 

 この言い方だと俺の名前がワープホールみたいじゃねぇか。

 ていうかこいつどんだけ歩くの嫌なんだよ? 

 エシュから急かされる前に俺はそそくさホールに入る。

 質素とは言ったもののどんな感じなのだろうか?少しワクワクしながらゲートをくぐった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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