歩田「ん?」
どうやら寝不足だったためか帰ってる途中で寝てしまったらしい。しかし、帰っている途中に寝たとしたらおかしいことがある。柔らかい。ベットよりもさらに柔らかい何かに寝ている。コンクリートがここまで柔らかくなることはないだろう。
目を開けてみるとかなり高級そうなソファの上に寝ていた。親切なことに毛布もかけられている。だが、絶対にここは俺の家ではない。なぜか?それは俺が道端で寝ているのを見て館に連れ帰ったとするならば、自室の負担で寝させられているはずだし、ソファに寝させられていたとしても多分毛布をかけてくれることはないからだ。
俺はここはどこかを理解する為にもう少し部屋を見回してみると、坊主頭のゴツい男たちが目に入る。それと同時に誰かから声をかけられた。
龍人「おはよう、にいちゃん。俺は龍轟(りゅうごう)組の頭、龍人だ。よろしくなぁ」
歩田「え?」
少し威圧感のある声でその龍人というひとは俺に話しかけてくる。てかまって?龍轟組?暴走族かなんかなの?俺東京湾に沈められるの?・・・あ、ここ東京湾無いか。
取り巻き「龍人さん、もう12時なんでおはようじゃなくてこんにちはっすよ」
龍人「そういばそうだな、にいちゃんが寝てたから朝かと思ってわ。」
なかなか状況が受け止めきれないんだが?命の危険があるんだか無いんだかわからないんですけど。
取り巻き2「にいちゃん、そんな怯えた顔すんなや。俺たちはあんたに危害を加えようなんてこれっぽっちも思ってないからなぁ?」
龍人「あっ、にいちゃん怖かったのか?まぁ、組とか言ったら怖かっちゃうか・・・安心しろ、俺たちは暴走族でもなければ、ヤクザでも無いぞ」
取り巻き1「暴力団ではありますけどね笑」
龍人「それはそうだな、ハッハッハッ」
暴力団ってヤクザでは?なんか違うのかな?知らんけど。
龍人「そう言えばにいちゃん、名前はなんだ?」
歩田「歩田です」
龍人「あー、あの新聞に取り上げられてた子かぁ。館に引き取られたって聞いてたけど、追い出されたのか?家に困ってたらうちに泊めてあげぞ?」
歩田「あっ、いえ、全然追い出されて無いです。ちょっと疲れてただけで・・・」
龍人「そうか、ならよかったわ、そういや、新聞見てから気になってたんだが、歩田は本当に神さんなのか?」
取り巻き2「確かに、俺も気になってたわ」
歩田「あぁ、まぁ神っすね」
まさかこんなことまで新聞に載ってるとは、栞さん恐るべしだな。てかどっから仕入れたんだよ?
龍人「うぉぉ!じゃあの記事は嘘じゃなかったんだな!」
取り巻き2「俺もてっきり、嘘の情報をまた載せてると思ったったわ」
歩田「その記事は本当ですね」
龍人「不老不死の神だったか?」
歩田「そうですそうです。異界の神って言われました」
龍人「現世から来たのに異界の神なのか?」
歩田「なんか先祖のところで色々あったみたいで・・・」
龍人「はぁ、それはすごいなぁ...」
歩田「ちなみにここってどんなことやってるんですか?」
暴力団だから自分の島で好き勝手やってるやつを殺したりしてるのかな?
龍人「あんま無いけど、もしもの時に国を守ったりするな」
歩田「え?国を守る?」
龍人「あぁ、戦争とか起きた時に国を援護する。他にも自分の領地内の治安を守るとかの役割があるぞ」
歩田「そうなんですか?」
暴力団が国を援護だなんて聞いたことがないな、領地内の治安を守るは全然納得がいくんだが。
龍人「逆に歩田様はどんな役割を持ってると思ってたんだ?」
なぜ急に歩田様になったんだ?
歩田「暴れてる人を殺しているかと」
龍人「ハハハハ笑、そんなイメージ持ってたのかwそんな治安悪いわけじゃないわw」
歩田「なんか現世とは全く違うんですね」
龍人「現世はあんまり知らないが世界自体が違うもんな」
歩田「あと、歩田様っていう呼び方はやめてください。なんか変な感じがします」
龍人「ん?神様なのに様をつけなくてもいいのか?」
歩田「そりゃあ、俺はあんまり強い神じゃないですし」
龍人「強くなくても神様は敬うべきって言われ続けてきたんだがなぁ」
こっちにも宗教みたいなのがあるのかな?
龍人「歩田、もう大丈夫だったら館まで連れてってやるぜ?」
歩田「いいですよ、歩いて帰りますから」
龍人「本当にいってるのか?ここからあの館まで20キロくらいあるぞ?」
歩田「え?そんなに?っていうか連れてくってこの世界にも車とかあるんですか?」
龍人「あぁ、勿論あるぞ」
こっちにきてたら車見たことあったっけ?まぁ、ワープホール使ったりしてたから見る機会もなかったか。
歩田「じゃあお願いします」
龍人「よし、じゃあいくぞ」
歩田「はい」
〜車に移動中〜
駐車場まで歩いてきた。結構普通な感じの車だな。どうやらメーカーの名前はTOUYOTAというメーカーらしい。なんか聞き覚えがあると思っているのは俺だけだろうか
龍人「ほら、早く乗んないと扉が自動的に閉まっちゃうからなぁ?」
歩田「もう乗ってますよ、ってあれ?シートベルトはどこにありますか?」
脇にあるはずのシートベルトがどこにもない。
龍人「シート、ベルト?なんじゃそりゃ」
歩田「知らないんですか?急ブレーキかけた時とかに体を押さえてくれて身を守れるやつです」
龍人「うーん、少なくとも俺の車にはついてないなぁ」
めっちゃ危険じゃんこの車。車にシートベルトがないなんて考えられないことだが、世界が変わると常識も変わるのが当たり前のため、俺は流れに身を任せることにした。
龍人「まぁ、気にすんな!では、しゅっぱーつ!スピードガンガン上げてくぞぉ!!」
歩田「ぎゃああああ!!!」
シートベルトがない状態での150キロ/hはジェットコースターより恐ろしかったとさ。
めでたしめでたし〜