造の魔法使い   作:星のニースケ

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今回でやっと魔法が出てきます。


1章めざせ!魔法使い!
第6話 火の魔法


 俺らは小走りで4階へと向かい、階段を上がると廊下には番号の振られた部屋が12個。奥の方にはトレーニングルームと書かれた部屋がある。

 廊下は今までの階の幅に比べると、かなり狭く思える。大体学校の廊下と同じくらいの幅だ。確か風月は10番の部屋になると言ってたな。てことは10と書かれた部屋にいるのだろう。

 しかし、改めて思うがこんな広さで戦いなんてできるのだろうか。いざ戦うとなったら窮屈そうだ。

 

エシュ「ここかな?歩田入るよ。」

 

歩田「はーい」

 

 ここの扉も音が鳴らないタイプらしい。無駄にでかい扉は音が出るけど普通暗いのは音が出ないそうだ。

 静かにドアが開くとそこには、架空の相手と戦闘している風月の姿があった。なんか、剣とか使ってるけどよく分かんない。風月がとにかく早いし相手がキモい。どうキモいかはちょっと言い表せない。

 

 ・・・あれ?なんかめちゃくちゃ広くね?外から見た時の10倍はありそうだ。

 

歩田「外から見た時よりもこの部屋なんかデカくないですか?」

 

エシュ「あぁ、これは外国にいる空間を操る程度の能力を持つ人に作ってもらったから外から見た時よりも広いんだよ」

 

歩田「へー」

 

 そんなことを話しているとこちらに気づいた風月がこっちに歩いてきた。

 

風月「あれ?結構早くきたんですね」

 

エシュ「あぁ、歩田の食べる速度がとんでもなくてね。」

 

風月「そういえば、自己紹介の時も食べるの早かったですもんね。」

 

歩田「そんなにですか?」

 

 確かに俺は小学校の時から友達に、「お前食べるの早すぎだろw」と言われてきたけれども、自分ではそんなに早く食べているつもりはなかったから、ただ周りの人が食べるのが遅いと思っていた。

 しかし、異界の人たちから見ても早いのならば、俺の食べる速度が早かったのだろう。これからは少しゆっくりめに食べようかな?

 そういえば、俺はずっと『友達』って言っていたけれども、俺は友達が一人しかいなかったから、『友達』じゃなくて『友人』の方がいいのでは?俺の『友人』にはたくさん友達がいたなぁ。『友人』がたくさんにたらもっと楽しかったんだろうなぁ。

 うん?なんで涙が?

 

風月「どうしたの歩田?何か悲しいことでもあった?私でよければ相談聞くよ?」

 

 すごい優しいなぁ、この風月は。俺が女子に優しくされることなんてほとんどなかったのに。母親も冷たい人で優しくされたことないのに。女子からされた仕打ちなんて...思い出しただけで頭が痛くなってくる。

 

エシュ「歩田、目から水魔法を使っているところ悪いんだけど、今から、魔法を教えるからね」

 

風歩「はーい」

 

 目から水魔法?これは涙がわからなかったのか、男なのに女の前で泣いている俺を気遣ってくれたのか、それともボケて笑いを取ろうとしているのか、よくわからないな。笑いを取ろうとしているのならば相当おもんないのだが。

 取り敢えず今から魔法を教えてくれるらしい。

 そういえば、杖とかって必要ないのかな?ハ○ーポッ○ーでも杖を使っているし、○○の○○ー○ンでも大きめだけど杖を使っているよな?

 

風月「杖って使わないんですか?」

 

 俺が気になっていたことを代弁するかのように、風月がエシュに聞く。

 

エシュ「使わないよ。杖を使ってもあまり魔法の威力とかが変わるわけでもないし。あれはただ、魔法を発生させる場所を安定させているだけだしね」

 

 へー、杖って使わないのか。魔法使いイコール杖みたいなイメージがあったけど、異界では案外そうではないらしいな。杖を使ってみたかったけど必要ないならわざわざ使う必要なんてないよな。うん、そうに決まってる。

 

エシュ「じゃあまず初めに、君たちが持っている魔力属性について調べてみるね」

 

歩田「エシュさん、魔力属性ってなんですか?」

 

エシュ「いい質問だね。魔力属性っていうのはだね、その人が生まれながらに持っている魔力による属性だよ。魔力属性は完全に生まれた瞬間に決まるからね。こればっかりは努力しても属性が増えることはないんだよ。また、自分が持っている魔力属性以外の、属性魔法は決して使うことができないんだ。属性は全部で、17種類。火、水、土、雷、石、風、植物、氷、毒、闇、光、月、日、精神、空間、創造、時。それと無属性魔法。これだけはみんな使えるよ。」  

 

歩田「へー」

 

 俺はエシュの言っていたことを真面目に聞いてはいたが、火魔法水魔法以外覚えていない。鶏は3歩歩けば忘れるけど、俺は3秒経てば忘れる。

 

エシュ「じゃあ見てみるね。」

 

 俺は何種類持っているんだろう?結構多かったらいいなぁ。俺は才能と呼べるものが全然ないから、こうゆうところではなんかチートレベルだったりするのではないかとほぼあり得ないことを期待をする。

 

エシュ「まずは風月から」

 

風月(なんだろうなぁ、私の魔力属性。)

 

エシュ「風月の魔力属性は.......火属性、土属性、雷属性の三つです!よかったね!結構強いよ!」

 

風月「強いんですか?」

 

エシュ「特に雷魔法がね。よく使うよ。次は歩田」

 

 風月さん結構強そうな属性の魔法使えるんだなぁ。雷魔法なんて使えたらカッコ良すぎるだろ。

 次は俺の番だよな。ワクワク、ワクワク。

 

エシュ「えーと?うん!?」

 

 ん?どうした?めちゃくちゃ驚いているが。ここにきていらい、初めてエシュが取り乱す姿を見たな。・・・いた時間少ないけど。

 

エシュ「スゥ、歩田の魔力属性は....時間属性以外の全てです!人間でこれはやばいです。はっきり言ってチートです。神に愛されているとしか?もしくは神?」

 

 !?まじか、俺神に愛されてたんだ。時間以外の全てって、時間はなんで使えないんだろう?まぁ16個も使えれば全然いいけど。まぁ、でも神な訳ないよな。

 

歩田「ちなみにエシュは何属性使えるんだ?」

 

エシュ「勿論、全部。ドヤァ」

 

風月「すごっ!流石エシュさん!」

 

 やっぱり全部使えるのか。さすが自称すごい魔法使い。なだけあるな。てか、「もちろん」ってウザいな、当たり前のように言ってるのがウザい。

 

風月「ちなみに全部の属性を使える人って何人いるんですか?」

 

 確かに気になる。冥さんとかは全知全能だから使えそうだなぁ。

 

エシュ「私が知っている人だと、私含めて四人。私と、冥と、君たちは知らないと思うけどブース・ヘクサと、魔界に住んでいる、ディシュ・ティアークスタだね。」

 

 なんかよく分かんない外国の名前だな。ここにいる人はだいたい日本風の名前だし。

 

歩田「その人たちって、エシュさんよりも強いですか?」

 

エシュ「あぁ、私よりも強い。ヘクサはなんとも言えないけど、ディシュに関しては私なんて10秒で殺しちゃうよ」

 

風月「殺す?...」

 エシュさんよりも強いなら、とんでもない技とかが使えるんだろうな。いやー、将来俺が無双し始めたときに倒したりするのかな?なわけないか。

 そもそもの話、魔法使いは何人いるのだろうか? 

 自分自身能力を持っているのに、魔法を使う必要はあるのだろうか?そもそも、エシュや風月さんみたいに強い能力を持ってる人は魔法なんて使わなくてもいいのでは?

 

エシュ「じゃあ、まず初めにどちらも使える火の魔法からやっていこうか」

 

風歩「はーい」

 

 やはり最初は火魔法か。案外簡単に出せたりして。

 

エシュ「最初は両手同士を向かい合わせるようにして、手と手の間隔は20センチくらい開けてね。」

 

 こんな感じかな。俺は目測が苦手だから適当に手を広げる。

 

エシュ「歩田、広げすぎ」

 

歩田「あっはい」

 

エシュ「じゃあ、その状態で火が起こるのをイメージしながら、自分の中にある魔力を、手と手の間に溜めるみたいな感じに念じてね」

 

 言われた通りに火が起こるのをイメージする。俺がイメージしたは、マッチについた火だ。理科の実験とかに使ったやつを思い描く。そして魔力を溜める感じで念じる。

 

歩田「はぁぁぁーーーーー!」

 

 とそれっぽい声を出したがつかない。やはり魔法は簡単なことではないのだろう。ん?なんか騒がしいな。

 どうやらあともう少しで風月が火を起こせそうらしい。負けてたまるかと俺も頑張る。

 

風月「くぅぅぅーーーー!」

 

エシュ「がんばって!あともう少しだよ!」

 

風月「くぅぅぅーーーーーーー!!!」

 

ボッ!

 

 やけにでかい音を立てて炎が立ち上がった。魔法を使うときに音が出るイメージはないが出るものなのだろうか。

 

歩田「くそ!先を越された!」

 

風月「やったー!!」

 

エシュ「よくやった、風月!最初でこの時間は属性が多い歩田よりも、才能があるかもしれないなぁ。ニヤニヤ」

 

 クソっ!エシュのやつ、ニヤニヤしやがって!俺も絶対すぐつけてやってあいつの顔に投げてやろう。

 

風月「あっ、もう消えちゃった。」

 

エシュ「最初は仕方がないよ。これからだんだんと慣れていけば一日中つけることだって可能になるからね。風月『は』伸び代があるねぇ」

 

 おい、なんで『は』を強調した?お前はそこまで煽るのが好きなのか?まだ火がついてない俺は伸び代しかないだろ。

 

歩田「くそっ、なかなかつかないなぁ。」

 

エシュ「想像力が足りないねぇ。まずそこからなのかな?妄想するのは得意そうな顔してるのに」

 

歩田「ハッ!」

 

 そうか!想像がダメなら妄想か!確かに俺はほぼ四六時中いろんなシチュの妄想をしてるから、妄想に関しては人一倍得意だぞ!

 

歩田「エシュありがとよ!!!!」

 

 おっと、思わず声が大きくなりすぎた。

 

エシュ「何?急に。うるさいんだけど」

 

 作戦は至ってシンプル。だだ業火に焼かれる自分を妄想するだけだ。想像力不足を妄想力で補うのだ。

早速やってみよう。

 

<妄想開始>

 縄で身体中を縛り付けられている俺は、今から目の前にある業火によって焼き尽くされる。

 

歩田「い、いやだ!死にだぐない!もっど、いぎだい!」

 

押さえつけてる人「うるせぇ、お前はここで○ね!」

 

背中を押されると、俺は抵抗できずに業火に落ちていく。

 

歩田「あずい!!いだい!○んじまうよぉ!苦しい!くるじい!」

 

一方その頃

 

エシュ「ん?あ、火ついたよ風月!」

 

風月「すごい!しかも結構熱くないですか?」

 

エシュ「あぁ、めちゃくちゃ熱いのが伝わってくるね!・・・あれ?めちゃくちゃ炎の範囲広がってってるんだけど!?」

 

風月「逃げろー!!」

 

エシ風「うわー!!!!」

 

エシ風「き、消えた?」

 

歩田「ふぅ、どうだった?ついた?」

 

風月「うんとんでもないくらいに」

 

歩田「マジで!?やったー!魔法使えるようになったぞぉー!」

 

 なんと俺の妄想大作戦大成功だぜ。これを使えばどんな魔法でも使えてしまうんじゃないのか?やっぱり俺には才能があったんだな。これからは名前だけなんていわせねぇぜ!

 

エシュ「まだ、今回使ってもらった魔法は序盤の序盤の基礎だから、これからもっと厳しくしていくよ。風月は明日は当番だよね?」

 

風月「はい」

 

エシュ「じゃあ、風月は二日に一回参加。歩田は毎日参加で朝の8時30分から始めるから、遅れないようにしてね」

 

風歩「はーい。」

 

今日の練習はどれも早かったが、これで終わりみたいだ。次回はなんだろうな?また火魔法やるのかな?普通の勉強とかは面倒くさいから10分も集中力がもたないけど、これだったら何時間でもできるような気がする。

 そして、今日10月24日は俺が魔法を使えるようになった日だ。記念日にしないとな。




今回から本格的に魔法を使い始めます。
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