造の魔法使い   作:星のニースケ

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第8話 みなぎる力。抑えられない狂気。

エシュ「あ、そういえば、月の魔導書は自然と読者を魔導書に引き込むように、強めの精神魔法がかけられているから下手すると死ぬからね。」

 

 魔導書を開く直前にエシュがそんなことを言ってきて思わず、目を見開く。

 

歩田「え?しn」

 

 台詞を言っている途中で、エシュは魔導書をひらき、俺はすぐさま魔導書に引き込まれる。

 すると、脳内に直接魔導書に書いてある内容が流れ込んでくる。

 

 題 月の魔導書

 著 ヴィルバード トウブハー

 

 第1章 「月魔法について」

 

 この世の魔法の始祖、月魔法。

 月魔法は月形が満月に近くなるほど、魔力が増幅する魔法である。一度この書を読み、月魔法を習得すれば魔法を発動するしないに関わらず、月形によって魔力量が変わる。

 魔力量の変化の仕方は...

 

 俺は完全に魔導書に意識を引き込まれて、寝ているような状態になる。内容が、入ってくる速度は速読のレベルをはるかに超している。

 ただでさえ、俺は小説系が苦手で漫画しか読めないから、一気に大量の内容が、入ってくると頭の頭痛がひどくなる。

 内心、「もう終わってくれー!」と叫ぶ。

 その最中に、内容がやっと本題に入ってきたようだ。魔力量の変化の仕方に関しては、新月が一倍、満月が2倍、そして、皆既月食の日は3倍になるそうだ。新月と満月の間にもいろいろあったが、説明するのが面倒くさいからまた今度にしておく。

 こう、内容が入ってくる最中にも魔力が高まってきている気がする。本の内容によると、月の形が満月に近くなくてもこの本を読んだ時点で、魔力量は1.5倍ほどになるらしい。

 俺はエシュにも素晴らしい魔力量と言われているので、1.5倍ほどににもなるととんでもない魔力量になるだろう。

 しかし、俺はある違和感に気づく。

 だんだんと心の底から、『黒い何か』が湧き上がってくるような感覚がある。俺の心には相応しくない、とんでもなく禍々しい何かだ。

 その『黒い何か』は次第に俺を飲み込んでいく。俺の体が『黒い何か』に蝕まれる。

 俺は、ていうかこうなったらみんな感じるだろうが、俺はまずいことが起こっている気がして、逃げ出そうとするが、強い精神魔法のせいで全く身動きが取れない。

 そして、『黒い何か』に下半身から包み込まれていく。俺は「エシュ助けてくれー!!!!」と思いっきり叫ぶが、反応は全くない。おそらく聞こえていないのだろう。

 

そして、俺の体は完全に『黒い何か』に包み込まれてしまった。

 しかし、俺は意識を保てている。「これは大丈夫なやつだな?」と思った瞬間に、気絶した。

 今回の気絶は今までとは違い、一瞬で気絶した。多分、やばいことになった。

 

〜エシュ視点〜

 

 まぁ、死ぬとは言ったけれども、あいつなら大丈夫だよね?あいつは精神魔法が使えるから、精神魔法に耐性があるはずだし。魔導書を開いてからの時間的に、今ぐらいに本題に入ったかな?

 

エシュ「おぉー!いいねぇ、どんどんと魔力量が増えていく。多分、歩田が、魔法使いになるのは遠い未来の話だけど、歩田には才能があるし、きっと私と並ぶくらいの魔法使いになれるんじゃないかな?」

 

 歩田の未来に期待を寄せて、歩田が目覚めるのを待っていたらある違和感に気づいた。

 

エシュ「目が...赤黒くなっていってる?」

 

 非常にまずいことになったのかもしれない。

 目が黒かった人の目が赤黒くなるのは、心の底の狂気に体を乗っ取られた時にしか起こらない。

 でも一体なぜ?彼はまだ狂気が出るには早すぎる年齢だ。

 

エシュ「っ!!」

 

 そういえばこいつ、闇属性魔法も使えるんだった!

 闇魔法が使えるんだったら、17歳で狂気が出るのも納得できる。

 闇魔法は闇そのものを使うのではなく、自分の精神、魂の穢れた部分を使って発動する魔法だ。

 心の穢れは狂気、嫉妬心などの醜い部分。

 闇魔法を扱える人間には人より多くの穢れがある。心の穢れは魔力量によって変わるものだ。魔力量が多ければ多いほど、心の穢れは多くなるようになっている。

 そして、歩田はこの魔導書を読んだことによって、魔力量が増え、それと同時に穢れも増えた。歩田の器はまだ17歳と幼いから、穢れの量が多すぎて魂が対応できなくなって、体外に放出しようとして体に狂気が染み渡り、狂気化したんだ。

 しかし、歩田は今、魔導書の精神魔法にやられているから目覚めることはできない。そして、この魔導書は読んでいる対象が命の危険に犯された、と探知したら強制的に本が閉じるが、歩田は狂気に犯されただけで命の危険にはなっていない。

 魔導書を読んでいる人には攻撃ができないようになっているため、歩田を起こすことも不可能だ。

 つまり、内容が彼の頭に入り魔導書が閉じるまで待たなければいけない。

 狂気は気絶したら収まるから、すでにこいつの頭らへんに鉄を生成しておいて頭を潰し気絶させよう。

 だんだんと魔導書の残りページ数が減っていき、歩田の狂気はさらに禍々しくなっていた。

 歩田は寝ているような顔だが、どこか苦しそうな感じもする。

少し心配だ。

 

 

 

 

 

 

 

 魔導書が閉じた。

 それと同時に、歩田が低い呻き声のようなものを発する。

 

歩田(狂)「ゔぉーーーーー!!」

 

 私は容赦なく鉄の塊を落とす。

 しかし、次の瞬間になった音はグシャ!などのものが潰れる音でわなく、ドン!と言う固いもの同士がぶつかった時の音だった。

 そう、彼はまだ教えていない防御魔法を使っていたのだ。

 彼は狂気により、自分で考えて魔法を扱うようになっていた。

 非常にまずく、厄介なことになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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