〜昼時〜
指揮官「終わりぃ…。」
ベル「お疲れ様でした。午後から演習のメンバーの皆様と打ち合わせとの事ですが…。」
指揮官「ちょっと懸念事項があってね…もしかしたらメンバー変えるかも。」
ベル「その懸念事項とは…?」
指揮官「打ち合わせの時にね。」
ベル「…了解致しました。」
念には念を入れてだ。
〜午後 会議室〜
大きなホワイトボードと長机がある会議室に来た。既に皆着席している。
エンタープライズ「ユニオン各員、指揮官に敬礼!」ピシッ
ノースカロライナ「!」ピシッ
ブレマートン「…。」ピシッ
ボルチモア「…!」ピシッ
エルドリッジ改「…。」ピシッ
ウォースパイト「ロイヤル各員、指揮官に敬礼。」
プリンス・オブ・ウェールズ「…。」ピシッ
ジャベリン改「!」ピシッ
三笠「重桜各員、指揮官に敬礼!」
武蔵「…。」ピシッ
綾波改「!」ピシッ
大鳳「…♡」ピシッ
打ち合わせにしては数が多くないかって?これで良いんだよ。
指揮官「ありがとう。それじゃ着席。」
皆が着席する。
指揮官「えー…初めましての人も居るので一応…アオイ・ベネットです。よろしく。」
ベル「秘書官のベルファストです。書記を務めさせていただきます。」
ベルファストがホワイトボードの前に立つ。演習場の海図を広げた。
指揮官「それでは早速。今回集まってもらったのは残り1週間に迫った演習の件です。事前に通達したとおりにしたかったのですが…少々問題が発生したので、変更します。」
ウェールズ「問題とは?元から問題だらけな作戦だったが、更に問題が?」
指揮官「お恥ずかしながら…私の所に匿名のタレコミがあったもので。」
エンタープライズ「…まさか。」
指揮官「情報が漏れていました。具体的にはメンバーと大まかな動きが。」
皆の顔が驚愕に染まる。…情報提供者ともう一人を除いて。
武蔵「…マズいわね。情報戦で負けたらいよいよ勝機が無くなるわ。」
指揮官「何処から漏れていたかは特定できていませんが、このメンバーだけに話せば漏れないと踏んでの今回の招集です。ご理解をお願いします。」
ピンク色の髪の娘が手を挙げる。あの娘は…。
ブレマートン「…はいは〜い。ブレマートンでーす。質問良いですか〜?」
指揮官「どうぞ。」
ブレマートン「元々のメンバーに加えて私達まで呼ばれたって事は…変更って事ですか〜?」
指揮官「その通りです。従来のメンバー…後衛がウェールズさん、武蔵さん、ノースカロライナさん。前衛がジャベリンさん、綾波さん、エルドリッジさんから変更になります。」
後衛は以前言ったとおりだが、前衛は元々速力と雷撃高めの駆逐艦にしていた。だがバレていると分かったので変えざるを得ない。
ボルチモア「相手は水雷戦隊なんだろ?なら…。」
武蔵「速力で劣る重巡では的になるだけ。」
幾ら重巡が前衛艦の中でも耐久力に優れた艦種であっても、限界はある。相手は速力に優れ、回避に徹して魚雷を流せば良いのに対しこちらは回避がそもそも難しい。
指揮官「重巡の皆さんには対空に専念していただきます。そのためにエルドリッジさんは残します。」
ブレマートン「エルドリッジの無敵化を利用するつもり?でも5秒だけだよ?」
指揮官「その為の重巡の皆さんの装甲です。」
かなり苦しいがこれしかない。納得してくれよ…。
ボルチモア「…分かった。私達はなるべく主力に行く艦載機を減らせば良いからな。」
ブレマートン「…ぶ〜。納得してないけど…分かった。」
良し。悪いな二人とも。
三笠「ところで大鳳は何故此処に居る?寝返ったと聞いているが…。」
大鳳「あら酷いです三笠様。私は指揮官様に着いてきただけですわ♡」
指揮官「止めたんですけどね…この際だから言ってしまいますが、彼女が情報提供者です。」
三笠「なるほど…。」
ウォースパイト「指揮官。話は以上かしら?動きの方は変わらないのね?」
指揮官「変えようがないですね…空母に射程で劣る以上、こちらは耐えて接近するしかありません。」
エンタープライズ「私が出たいところだが…飛行甲板を狙われたら早々に足手まといになりかねないからな。」
どんな空母でも飛行甲板は弱点なのだ。悲しいなぁ…。
指揮官「えーそれでは解散です。お疲れ様でした。」
〜夜 廊下〜
指揮官「…。」スタスタ
夕食後、自室に戻る為に廊下を歩く。すると…。
武蔵「汝。」スッ
指揮官「うおっ…ビックリしたぁ。なんすか武蔵さん…。」
武蔵さんが見計らったように角から出てきた。何の用だ?
武蔵「何…、少し話よ。演習の件。」
指揮官「はぁ…?」
武蔵「此処では少し…私の部屋でどう?」
指揮官「…スキャンダルだけは嫌ですよ。」
武蔵「ふふ…大丈夫よ。いざと言う時は弁明するわ。こちらへ…。」
〜重桜寮 武蔵の部屋〜
指揮官「すっげ…。」
武蔵「ふふ…。」
もはや離れじゃねぇか。寮の部屋じゃなくて屋敷だろ。畳のい草の香りが心地良い。格が違いすぎて緊張してきた。
指揮官「……えっと。それで話とは?」
武蔵「そう急かす物では無いわ…まずはこちらに。」スッ
武蔵さんが襖を開けると、そこにはウェールズさんとノースカロライナさん、三笠さん、エンタープライズさんが机を取り囲んで座布団に座っていた。
指揮官「……。」スッ
武蔵「それでは、全員揃ったので話を進めましょう。」
ん〜。これはアレか?
武蔵「それでは指揮官…早速だけど、今度の演習…このままだと負けるわ。」
ウェールズ「私とMs.三笠がシミュレーションした結果よ。このままだと勝てない。」
指揮官「…。」
でしょうね。元々無理のある作戦だった。
ウェールズ「指揮官。陛下は貴方をたいそう気に入っておられるわ。ロイヤルとしても貴方を失うわけにはいかない。」
指揮官「それはそれは…貴女にそう言ってもらえるとは光栄です。」
ウェールズ「茶化さないで。指揮官、早急に後衛艦隊のメンバーも変える必要があるわ。」
指揮官「はぁ…。」
でしょうね。そして変更先は…。
三笠「重桜からは大鳳を出す。装甲空母の頑丈さなら一回は耐えれるだろう。」
武蔵「妾は続投。そしてユニオンからは…。」
エンタープライズ「私が。」
なるほど。武蔵さんのスキルだよりか。『武蔵の守り』があればある程度は艦載機を引きつけられるからな。しかし運ゲーだ。
武蔵「私のスキルがあれば当たりどころが悪く無ければ一撃で戦闘不能にはならない筈よ。それで…。」
指揮官「却下で。」
武蔵「…。」
ウェールズ「…。」
三笠「…何か不満が?」
まずは一つ。
指揮官「大鳳もエンタープライズも戦闘機の搭載できる数には不安がある。」
三笠「それは…。」
大鳳とエンタープライズ。どちらも汎用性に優れた空母だ。対艦攻撃能力、制空戦闘どちらもバランスが良い。だが半端な数では一航戦には対抗できない。ただですら大鳳は搭載数に問題があるのだ。艦載機の練度でも劣る以上、下手な博打を打つわけにはいかない。
二つ目。
指揮官「やはり前衛艦隊の練度。」
ウェールズ「…。」
空母2隻は博打である。武蔵さんは装填が遅く、砲撃の回転率が悪い。接近された時は捌ききれない可能性が高い。
ノースカロライナ「なら私が…。」
エンタープライズ「ノースカロライナは対空が得意だろう?砲撃は…。」
ノースカロライナ「…。」
指揮官「以上、却下の理由です。」
三笠「では…ではどうする?やはり空母の力を借りねば…。」
ウェールズ「えぇ。やはり戦艦だけでは勝てないわ。」
指揮官「……ま、言っちゃいますか。実はですね…。」
本当の編成を話した後、解散した。途中の廊下で信濃さんに見つかり、部屋に引きずり込まれかけたのは内緒だ。