〜翌日 懇談室〜
Z23改「…。」
指揮官「…。」
ビスマルクZwei「…指揮官。何か言ってもらわないと困るのだけど。」
指揮官「何か言うもなにも…俺はただ部下のお願いを聴いただけなんですが?」
ビスマルクZwei「必要無いと言っているのよ。」
指揮官「そうですか。」
ビスマルクZwei「ええ。必要無いわ。だから、この件には関わらないで。」
指揮官「分かりました…。」
Z23改「ぇ…指揮官…!」グスッ
指揮官「って、言いたい所ですけどね。」
Z23の話を聞いた翌日、俺は懇談室で鉄血のリーダー…ビスマルクZweiさんと三人で話している。
指揮官「既に2人も持ってかれてるんでしょ?エーギルさんと…ザイドリッツさん?だっけ。調べてみたら片方計画艦じゃないですか。流石にそんな戦力持ってかれて黙ってる訳にはいきませんよ。」
ビスマルクZwei「ッチ…これは私達鉄血の問題なの。」
指揮官「貴女方がどう思っていようが、アズールレーンに加入している以上ある程度はこっちも動かせてもらいますよ。」
ビスマルクZwei「必要無いって言ってるのよ!」ドンッ!!
指揮官「必要無いかどうかはこっちにも決定権はあります。」
ビスマルクZwei「……当人達が必要無いと言っているのだから、放って置くべきでしょう。」
指揮官「普通のKANSEN同士のいざこざなら俺もそうしますけどね。今回は状況が違う。国が絡んでる。」
ビスマルクZwei「…いい加減にして!これは主権侵害よ!」
指揮官「何処が?俺は『鉄血のKANSEN』の要請を受けて、事態の対処に当たってるだけですよ。貴女方の活動を妨害してもいませんし、貴女方の今回の件に対しての行動に抗議しているわけでもない。今回のこの話し合いも、Z23の時もそちらからの提案を受けて動いたまでです。」
ビスマルクZwei「……!」
此処で引くのは論外だ。無理にでも押し切る。
指揮官「…お話は以上ですか?なら俺はこれで。」スッ
ビスマルクZwei「…待ちなさい!介入は許さないわよ!」
指揮官「無理にでもしますよ。こっちも人命がかかってる。活動を妨害はしませんが、介入はさせてもらいます。貴女方からの抗議はこの件が終わった後に甘んじて受けさせてもらいます。俺からは以上です。」
ビスマルクZwei「お前がっ…お前達がっ……!」
…この人も色々あったのだろうな。
〜廊下〜
Z23改「指揮官…。」
指揮官「ん?」
Z23改「あの…ビスマルクさんも、本当は二人を助けたいんです。でも…先代の指揮官に、酷い事されて、鉄血のKANSEN以外は誰も信じられなくなってて…。」
指揮官「……被害者か。あの人も。」
先代と先々代の傷跡は未だ深い。生憎と俺は傷跡を消す事はできない。それでも、できる事を。
Z23改「指揮官、私…指揮官を信じて良いんですよね?指揮官は…裏切りませんよね?」
指揮官「…今の所は問題無いよ。」
Z23改「分かりました…。」
永遠に味方できるとは思ってない。彼女達…KANSEN達にもそれぞれの思惑と打算がある。それが全体に害を及ぼすようなら彼女達相手だとしても俺は対処しなければならない。それが仕事だ。
〜執務室〜
ベル「…ご主人様。鉄血の方々と何かあったので?」
指揮官「ビスマルクさんと口喧嘩した。」カキカキ
加賀「それは……大丈夫なのか?」
指揮官「大丈夫ですよ。重桜は巻き込みません。」
加賀「そうではない。お前自身の安全だ。まさか忘れた訳では無いだろうな。私が言うのもなんだが、天城の時に刃を向けられたばかりだろう。」
……正直そこを言われると弱い。重桜の時は穏健派が味方してくれたのである程度内情が分かったが、今回は全く情報がない。何をされるかもわからない。
指揮官「……コラテラルダメージです。」
加賀「……死ぬなよ。絶対に。」
ベル「ご主人様はもはやこの艦隊に無くてはならない存在です。そこをお忘れなく。」
加賀「お前には恩ができた。場合によっては重桜も巻き込め。今度こそ…護らせてくれ。」
指揮官「……はい。」
…難儀だなぁ。
〜談話室〜
仕事が終わった。午後とはいえ速めに終わってしまったので、談話室で暇を潰す。此処には本もエアコンもソファーもある。考え事をするには良いだろう。
指揮官「……。」
ベル「…ご主人様。」
指揮官「…あれ。ベル?」
ベル「はい。貴方のベルで御座います。」
指揮官「何で此処に?」
ベル「お暇をいただきまして。偶然お見かけしたので…。」
…なんか、二人きりも久しぶりだな。
ベル「お隣失礼します。」スッ
指揮官「……うん。」
…何話したら良いか分からん。ベルに関しては俺全然だからな…。
ベル「…ご主人様。」
指揮官「…はい?」
ベル「私…貴方が好きです。LOVEの方で。」
指揮官「……はい!?」
いきなり何言うんだコイツ。心臓に悪い。
ベル「ふふっ。一目惚れです。」
指揮官「……はぁ。」
またそれか。大鳳もそうだったな。
ベル「…他の女の事は考えないでください。」ムッ
指揮官「心読まないで…まあ良いや。何でこのタイミングなの。」
ベル「言いたくなったからと…あとは、前の件の…私の真意を伝えておきたかったからです。」
指揮官「…そう。」
…まあ、ベルなりに理由あっての事なんだろうとは思ってたけど。
ベル「…私は、悩んでいました。」
指揮官「悩む?」
ベル「はい。私は…初代様を心の底からお慕いしています。」
指揮官「そりゃそうだろうね。今でも指輪付けるぐらいだし。」
天城さんもだが、指輪は未だに手放せないらしい。どうしても外したくないんだろうな。
ベル「はい。…しかし、貴方を一目見た時…貴方が初めてこの母港に来られて、一目見た時…惚れてしまいました。」
指揮官「………あ〜…そういう…。」
なーるほど。しょうがない…しょうがないな。一目惚れならまあ…対策もできないだろうし。
ベル「はい。惚れてしまったんです。初代様に全て捧げる…そう誓った身で。それで…悩みました。なにせ、浮気…いえ、厳密には違うのでしょうが、それでも初代様への裏切りには違いありません。」
指揮官「……うん。」
分かる。凄く良く分かる。
ベル「その想いを誰にも明かせないまま…天城様から、お誘いを受けました。こちら側に来ないか、と。悩みました。初代様を裏切っておいて、貴方も裏切る事になるからです。それでも…私は、どちらの思いにも嘘だけは付きたくなかった。裏切る事になっても、嘘だけは嫌だった。」
指揮官「……天城さんがやけに優しかったのって。」
ベル「もちろん天城様もそのつもりだったと思います。でも…私も、個人的にお願いしました。貴方の生命だけはと。」
指揮官「なるほどね…。」
知らずに助けられてたのか。それに思えば、ベルは黙るだけだった。スパイとしての仕事をこなしていたが、俺に嘘はついてない。
ベル「ご主人様…改めて、申し訳ございませんでした。そして…ありがとうございます。また、私を使って下さり…ありがとうございます。」
指揮官「うん。これからも…よろしく。」
ベル「はい。ずっと…永遠に、お慕いしています。ご主人様。」ニコッ
指揮官「っ…!」
…良い女すぎるのがたまに傷だな。