青い海の小さなおはなし   作:一般通過社会人

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元気と平和

 

〜自室〜

 

指揮官「……ん?」

 

あれ…?なんか凄いいい匂いだ…。えーっと…そうだ。確か…。

 

指揮官「……あれ、普通に寝たよな。」

 

一人だった筈。大鳳もラフィーもベルも居なかった。じゃあ誰…。

 

武蔵「…zzz。」ギュッ

 

信濃「…。」ギュッ

 

指揮官「……ピッ!?」

 

…何で?俺何かした…?というかどうやって入った…?

 

指揮官「……寝よ。」

 

どうせ今日は休みだし…これは夢だ。そうに違いない。無理矢理目を閉じた。

 

〜1時間後〜

 

武蔵「はよう。指揮官。」

 

指揮官「……はい。おはようございます。」

 

デデドン!(絶望) 夢ではなかった。夢であって欲しかった。

 

指揮官「えーっと…で、何で…どうやって俺の部屋に…?」

 

武蔵「私も信濃も…人肌が恋しくなってしまったの。それで上がらせてもらったわ。」

 

指揮官「そ、それだけ…?心臓に悪いんですけど…。」

 

武蔵「心配せずとも…汝にどうこうできる私達では無いというのは分かっているでしょう?汝は安心してこの武蔵の胸に飛び込んできなさい。」

 

指揮官「……。」

 

飛び込んできたというか飛び込まされたというか…。いや実際その通りなんだけど。俺が何したって二人には敵わないんだけど。

 

武蔵「汝、寝起きは更に可愛らしいのね…思わず抱きしめたくなってしまう。」

 

指揮官「武蔵さんは……、特に変わらない美しさですね。寝起きなのに。羨ましい。」

 

武蔵「ふふ…ありがとう。お世辞ではないのだろう?」

 

指揮官「はい。」

 

だってそうだもん。寝起きなのは変わらない筈なのになんでこんなに差が…。KANSENはいつもこうなのか?羨ましい。

 

武蔵「これでも化粧もしてないのよ?」

 

指揮官「……元が良すぎるんですね。」

 

武蔵「本当にいけない子。あまりそういう事は口に出すべきでは無いわよ?」

 

指揮官「俺だってわざとじゃないですよ。滑っちゃうだけです。」

 

武蔵「ふふ…ふふふふふっ…!」ギュッ

 

指揮官「おっう!?」

 

ま、前から胸が!やわら…あっヤバいヤバい!だが、背中からさらなる柔らかさが襲ってきた。

 

指揮官「……え?」フニッ

 

武蔵「あら…起こしてしまったかしら。」

 

信濃「汝…。」メラッ

 

指揮官「あっ……Jesus。」

 

大和型のサンドイッチは辛かった。

 

 

〜談話室〜

 

指揮官「あぼぉ〜ん…。」グデーッ

 

信濃「…。」グデーッ

 

ラフィーII「ん…。」スリスリ

 

武蔵「……。」ナデナデ

 

如月「えへへ…。」ギュッ

 

談話室のデカいソファーで寛ぐ。どうやら此処に居るメンツは皆非番のようだ。

 

指揮官「ヒマだー。ラフィーなんか無いの〜?」ナデナデ

 

ラフィーII「あったら此処に居ない…。」ギュッ

 

指揮官「そうだよなぁ…。」ダラッ

 

ラフィーを膝の上で適当に撫でながら暇を潰す。これしかやることが無い。……ほら、アレ。あの…ハンドスピナー的な?

 

如月「睦月型の皆は出撃で…私一人しか居なくて…。」

 

武蔵「寂しかったのね…ほら、この武蔵の胸に…。」

 

如月「やった…。」ギュッ

 

あっちも平和だな〜。

 

信濃「……汝、妾も。」ズッ

 

指揮官「はいはい。」ナデナデ

 

信濃「むふ…。」ナデラレ

 

こっちはジェラシーだなぁ…というか最近距離が近くなったなぁ…。耳柔らかそうだなぁ…。

 

指揮官「……。」ナデナデ

 

信濃「ふふ……ぁう!」ビクッ

 

指揮官「…どしたんです?」

 

信濃「嗚呼……妾、耳は弱く……。」ビクッ

 

指揮官「そういう事は先に言ってくださいよ…。」ナデナデ

 

信濃「ふぅ…すまぬ…。」ナデラレ

 

というかこの人耳消せるんでしょ?なら消したら良いんじゃ…。

 

ラフィーII「……指揮官、私も…。」ズッ

 

指揮官「はいはい…。」ナデナデ

 

ラフィーII「んふ…。」ナデラレ

 

ラフィーが目を細める……猫?いや、兎…?

 

信濃「……手が止まっている。」ムッ

 

指揮官「順番で。」

 

信濃「むぅ…。」

 

二人同時にできる程器用じゃない。我慢してもらおう。

 

指揮官「……やべぇ流石に暇すぎるな。執務室でこっそり書類でもやろうかな。」ナデナデ

 

ラフィーII「そしたら大和型サンドイッチの刑…今ならもれなくラフィー付き…。」ナデラレ

 

武蔵「汝…、メリハリは大事よ。」

 

指揮官「じゃーどうしろと…。」ナデナデ

 

結局俺の休みはベルとヴェスタルに管理される事になった。1週間に2日…ま、もらってもやる事が無いんだが。

 

ラフィーII「確かにこのままはヤダ…。」

 

武蔵「スポーツは……流石に身体能力に差があり過ぎるわね。」

 

信濃「…札遊びは、この人数では直ぐ終わってしまう…。」

 

カードゲームの事を札遊びって言う人初めて見たよ。

 

指揮官「……散歩しよ。」

 

ラフィーII「…まあ、妥当な所。」

 

武蔵「お供するわ。」

 

信濃「妾も…。」スッ

 

談話室を出た。

 

 

〜廊下〜

 

指揮官「…。」

 

如月「えへへ…♪」ギュッ

 

指揮官「…落ちないでね?」

 

如月「はーい。」ギュッ

 

如月を肩車して歩く。かわええのぉ…。

 

ラフィーII「……ずるい。」

 

信濃「羨望す…。」

 

武蔵「……ラフィーは兎も角、信濃は無理でしょう。」

 

指揮官「無理っす。流石に無理っす。」

 

信濃「む…妾は重いと?」

 

指揮官「それもあるけど絵面が…。」

 

190近い女性を肩車する175cmの男って…。

 

武蔵「…確かにアンバランスが過ぎるわ。」

 

指揮官「もはや終盤のジェンガ。」

 

ラフィーII「凄いグラグラしてる…。」

 

信濃「妾はバランスゲームではない…。」

 

たぶんヒデぇ事になる。歩けるかな…?

 

如月「しきかんのあたま…いい匂いです…。」スンスン

 

指揮官「恥ずかしいから嗅がないでね…?」

 

如月「わぅぅ…。」スンスン

 

ダメだこりゃ…。あ。

 

指揮官「エンタープライズさん…。」

 

エンタープライズ「やあ指揮官……散歩か?」

 

指揮官「ええまぁ。非番でやる事がなくて…。」

 

エンタープライズ「分かるぞ…私も仕事人間だからな。」

 

ナカーマ。真面目そうだもんな。

 

エンタープライズ「今度私も混ぜてくれ。それじゃ…。」

 

指揮官「お疲れ様でーす。」

 

……仲間とは言ったが俺あの人程真面目でもないわ。

 

 

〜母港 中央広場〜

 

指揮官「結局外に…。」

 

如月「でも、いい気持ちです…。」

 

武蔵「もう夏なのに、涼しいわね。」

 

信濃「噴水が近くに有る故…。」

 

ラフィーII「ここ、昼寝にちょうど良い…。」

 

大きな噴水がある中央広場に来た。ここはこの母港の中心。執務室などがある本舎や購買部の店が並ぶ商業区、各陣営の寮へも此処からアクセスできる。

 

指揮官「最初来た時は殺風景だったけど…良くなったもんだ。」

 

武蔵「これも汝の采配のおかげよ。ありがとう。」

 

指揮官「いえいえ。殺風景が嫌いなだけですよ。」

 

最初母港に来た時も此処を通ったが、その時は無機質なコンクリート舗装の通路と数個のベンチしかなかった。流石に気が滅入るので、商業区設置のついでにここもレンガタイル&芝生と噴水を追加したのだ。今では軍事施設とは思えないレベルの景観になっている。

 

如月「しきかん…ベンチに座りたいです。」

 

指揮官「りょーかい。噴水の近く?」

 

如月「はい。」

 

如月をベンチに座らせる。

 

如月「……しきかん、となり…。」

 

指揮官「……あ、俺も?」

 

如月「はい…。」

 

じゃ、失礼して。

 

指揮官「ふぅ…。」

 

ラフィーII「ラフィーは…膝の上…。」ポスッ

 

信濃「あぅ…妾の場所が無い…。」シュン

 

武蔵「我慢しなさい…。」ハァ

 

いい歳こいた女性が…いや、そもそもKANSENに年齢の概念は存在するのだろうか…。

 

指揮官「……平和だのぉ。」

 

ラフィーII「平和が一番…。」

 

指揮官「でも、平和すぎなのもアレだのぉ…。」

 

ラフィーII「確かに…。」

 

指揮官「過ぎたるは猶及ばざるが如しだのぉ…。」

 

武蔵「汝、本当にハーフ…?」

 

信濃「重桜の色が濃い…。」

 

そりゃ前世も日本…重桜人ですし。たった十年ちょっとしか生きられなかったが、それでも幸せな時間はあった。そこで学んだ。

 

??「ん?あれって、指揮官じゃん。」

 

??「え…指揮官!?嘘、此処にも出没するんだ…。」

 

…誰だ?服からして…重桜だな。

 

武蔵「おや…尾張に駿河。お買い物?」

 

駿河「はい!武蔵様と信濃様は…指揮官の護衛ですか?」

 

武蔵「いいえ?ちょうど指揮官と休みが被ったから、一緒に居るだけよ?」

 

尾張「ちょー仲良しじゃん。マブダチ?」

 

真面目そうな方が駿河…金髪ギャルが尾張か。二人とも方向性は違えども美人だな…。

 

武蔵「ふふ…そうね、マブダチよ。ゆくゆくはそれ以上に…。」

 

指揮官「……何言うんですか武蔵さん。」

 

信濃「然り…汝とそういう関係になるのは妾故。」メラッ

 

指揮官「もうヤダこの人達。」

 

二人がボケると立場的に俺がマズいんですが。

 

尾張「じゃ、もう分かったと思うけど私が紀伊型戦艦、二番艦の尾張だよ!」

 

駿河「紀伊型戦艦三番艦、駿河です。よろしくお願いします。」

 

指揮官「アオイ・ベネットです…おいラフィー威嚇すんな。」

 

ラフィーII「また新しいライバルが増えそうな予感…!」ガルル

 

犬なのか猫なのか兎なのかはっきりしろ。

 

指揮官「はぁ…ほら。」ナデナデ

 

ラフィーII「あぅ………やめる。」ナデラレ

 

尾張「慣れてるね…、マブダチと言うよりはもうこいび…。」

 

駿河「尾張!すみません指揮官…。」

 

指揮官「気にしないから…。」

 

独占欲ぅ…ですかねぇ。ラフィーの場合は大抵撫でれば収まる。大鳳?次の日からマーキン…部屋に置かれる私物とボディータッチが増えるよ()。

 

尾張「ふふ…でも、思ってたよりずっと可愛いじゃん!ちっちゃいし!」

 

駿河「そうですね…私達が大きいのもありますが、細めですね。」

 

指揮官「やっぱり可愛がられる運命なのね…。」

 

戦艦、空母のKANSENはデカい。身長も果実もデカい。故に民間上がりの175cm細身の俺では太刀打ちできずに、結局可愛がられる運命なのだ。まあ彼女達の基準が軍属の…ちゃんと訓練されて鍛えられた男性なのもあると思うが。

 

ラフィーII「大丈夫…指揮官はカッコいい…。」

 

如月「そうですよ…如月は、カッコいいと思い…ます!」

 

指揮官「二人ともぉ…。」ウッウッ

 

やっぱり優しいなぁ…目から汗が。

 

尾張「ふふっ…あははっ!指揮官おもしろーい!」

 

駿河「噂よりもずっと愉快な方ですね。」

 

指揮官「元気とユーモアのない社会に明るい未来はやってこないってどっかのヒーローが言ってたよ。」

 

実際元気って大事よね。

 

尾張「そうだよね〜!元気って大事!指揮官とは気が合いそう!」

 

駿河「私は…あまり得意ではありませんけど、それでも元気は大事だと思います。」

 

武蔵「そうね…汝が来てから皆活発になって、笑顔が増えたわ。これからも…。」

 

如月「みんな仲良くしたいです。」

 

信濃「然り…。」コクッ

 

この時間が続いてほしいな。

 

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