青い海の小さなおはなし   作:一般通過社会人

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不穏

 

〜執務室〜

 

指揮官「…。」カキカキ

 

ベル「…お茶でございます。」スッ

 

指揮官「…あ、ありがと。」

 

シリアス「…。」

 

信濃さんとの同衾()から2日。あれから何事も無く、書類を捌き続ける日々だ。平和だなぁ。

 

指揮官「……よし、終わり。」

 

ベル「お疲れ様でございます。…ご主人様。少しお話が。」

 

指揮官「え?」

 

まさかバレたか?

 

ベル「重桜の方からです。遅ればせながら挨拶を、と。」

 

指揮官「……何故今?」

 

信濃さんが話したか…いや、だとしたらもっと話題になってる筈。睦月はここ2日会ってないので、そちらから漏れていたらマズいが。

 

ベル「正直言って私も…見当がつきません。イベントがある訳でもありませんし…。ご主人様、何かされましたか?」

 

指揮官「……ナニモナイヨ。」

 

ベル「ほう…何かされましたね?」

 

指揮官「ナニモナイヨ。」

 

ベル「何か…されましたね?」ギロッ

 

指揮官「…昼寝してたら重桜の信濃さんに抱きつかれてました。」

 

ベル「……は?」ハイライトオフ

 

シリアス「…。」ハイライトオフ

 

指揮官「ヒィッ!?」

 

ベル「…失礼しました。…しかし、それが原因では無さそうですね。」

 

指揮官「…何で?」

 

普通問題になるでしょ。

 

ベル「今回は天城様からの通達ですので、穏健派である信濃様と同衾した事が原因では無いでしょう。」

 

指揮官「穏健派?何それ。」

 

ベル「重桜内部は只今、一種の内紛状態でして…。」

 

えぇ…。大丈夫かよ。

 

ベル「三笠様、長門様率いる穏健派は人類との共存を望まれており、日々その方法を模索しております。対する天城様、赤城様率いる急進派は人類を見捨て、KANSENによる秩序をこの世にもたらそうとしています。」

 

おーっと?これ放置はマズい問題じゃないか?

 

指揮官「…あれ、もしかしてアズールレーンってヤバい?」

 

ベル「そうですね…今の両陣営の力は拮抗していますが、恐らく、指揮官様の支持を得て一気に計画を押し進める気でしょう。今回の指揮官様はKANSENに寄り添える御方だと言うのがこの数ヶ月で証明されたので。」

 

なーるほどミスったな。恐らく情報源は綾波と睦月、如月だ。重桜だけに急接近しすぎたか。

 

ベル「…天城様は、初代指揮官様が初めて指輪を渡したKANSENでした。初代様が御存命だった頃は、病弱ながらも周囲への優しさも持ち合わせた御方だったのです。しかし初代様の死後、すっかり変わられてしまい…。今ではもはや、人類への希望を完全に捨ててしまわれたようで…。」

 

指揮官「…。」

 

ベルが薬指の指輪を見ながら悲しげに目を伏せる。…愛って怖いねぇ。

 

指揮官「…まあ、とりあえず行くって言っておいて。俺も…、ちょっとやる事ができた。」

 

ベル「やる事…?いえ、分かりました。伝えさせていただきます。」

 

指揮官「ありがと。シリアス、行くときは護衛よろしくね。」

 

シリアス「はい。誇らしきご主人様。」

 

…やるか。

 

 

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