⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎は人類の裏切りものである   作:橘花改

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七話代償

 病院

 

 全てが終わった今、勇者部は入院した。そして今は献血をしている。

 

健介(痛くない?)

 

 痛みがなかった、一切。

 

 ひとまず痛みの件は置いといてみんなの所へ向かうことにした。そして風先輩と友奈が話していた。

 

風「この目が気になるか?これは先の暗黒戦争で魔王と戦った際」

 

 風先輩がいつぞやで見せた魔王迫真の演技を見せるも。

 

夏凛「左目の視力が落ちてるんだって。」

 

風「ちょっとちょっと折角魔王との戦いで名誉の傷を負ったニヒルな勇者って設定で語ってるのに。」

 

健介「はいはい病院ではお静かに。」

 

風「スイマセン。」

 

友奈「それよりも視力が落ちてるって。」

 

風「そうよ。」

 

友奈「もしかしてバーテックスからなにか。」

 

風「違う違う、戦いの疲労によるものだろうって。勇者になるとすごく体力を消耗するらしいから、この目も療養したら治るってさ。」

 

友奈「そうなんですか。」

 

風「なんたって私たち一気に七体も、バーテックス倒しちゃったんだからねー、体も疲れちゃうのよ。」

 

 車椅子に乗る東郷と、それを運ぶ樹が現れる。

 

友奈「あ、東郷さん!樹ちゃん!」

 

美森「私たちも検査終わりました。」

 

風「樹ぃ、注射した泣かなかったぁ?」

 

 しかし風の問いに樹は答えずただ首を横に降るだけだった。

 

健介「?」

 

風「ん、どしたの?」

 

 樹の代わりに東郷が答える。

 

美森「樹ちゃん声が出ないみたいです。勇者システムの長時間使用による疲労が原因で、すぐに治るだろうとのことですが。」

 

風「私の目と同じね。」

 

健介(俺の痛みがなくなったのと、風先輩の目と何か関係でもあるのか?)

 

 

 気まずい空気を壊すように、友奈が話す。

 

友奈「えっと、すぐ治るなら大丈夫だよね。お医者さんもそう言ってるんだし。」

 

風「ええそうね。」

 

友奈「そうだ、私たちバーテックスを全部やっつけたんだよ、お祝いしないと!」

 

 数分後

 

友奈「じゃジャーン売店で買ってきました!」

 

 たくさんの菓子と飲み物だした。

 

夏凛「随分たくさんね。」

 

友奈「お祝いは豪勢にやらないと。はいみんなー飲み物を持ってくださーい。では勇者部部長から一言。」

 

風「わ、私?!えっと本日はお日柄もよく」

 

健介「くどい。」

 

夏凛「真面目か!」

 

友奈「堅苦しいのは抜きで。」

 

風「それじゃ、みんなよくやった!勇者部大勝利を祝ってかんぱーい!。」

 

四人「かんぱーい!」

 

 友奈の対角線上にいた健介と隣にいた東郷は気づけた。一瞬の友奈の違和感に。

 

健介(なんだ今の友奈の表情?)

 

美森「?」

 

風「そうだ、みんなに渡したいものがあった。」

 

 そう言って箱の中からスマホを取り出しみんなに渡した。

 

夏凛「それは?」

 

風「新しい携帯。前に使ってたやつは回収されたでしょ。」

 

美森「はい。この病院に来たときに。」

 

風「あっちの携帯はメンテナンスとかで戻ってくるのに時間がかかるから、しばらくその携帯を使って。」

 

友奈「わぁ新品だ。」

 

美森「あれあのアプリはダウンロードできませんね。」

 

風「あああのsnsアプリは使えなくなってるの。あれ勇者専用のだから、私たちの戦い終わったんだし。」

 

友奈「そっか勇者になる必要なくなりましたもんね。」

 

風「でもsnsなら他にもいろいろあるからちゃんと連絡もできるし。」

 

友奈「あの牛鬼は。」

 

風「ごめん、アプリが使えないからもう精霊は呼美出せないんだ。」

 

友奈「そうですか。ちゃんとお別れしたかったな。」

 

 明後日勇者部部室

 

風「あ〜〜」

 

健介「風先輩・・・何やってんの?」

 

友奈「結城友奈きました。」

 

風「ああ、お疲れ。」

 

友奈「あれ、風先輩眼帯が。」

 

風「ふふーん、どうよこれ。」

 

友奈「ちょーかっこいいです!」

 

風「でしょ!でも健介にも聞いたら『恥ずかしくないの?』とか言ってきてさぁ。」

 

健介「そりゃそうだろ。」

 

風「ところで夏凛は?」

 

友奈「きてないんですか?」

 

風「むむむサボりか。あとで罰として腕立て伏せ千回とかやらせよ。」

 

友奈「夏凛ちゃんなら本当にできちゃいそう。」

 

風「否定できない。サプリを決めながら『朝飯前よ!』って言って。」

 

 そう話していると樹が何かを書いた。

 

樹『夏凛さん何か用事があったんでしょうか?』

 

風「そうかもね。」

 

友奈「そのスケッチブックは?」

 

樹『これで話せます。お姉ちゃんの提案です。』

 

風「声が戻るまでの応急処置。そのうち治るから、少し我慢ね。さて今日の活動だけど四人しかいないのよねー衣装のこと話したかったんだけどね。」

 

友奈「衣装?」

 

風「文化際の演劇の衣装よ。」

 

友奈「わぁ!そうでした!」

 

健介「忘れてたのかよ。」

 

風「勇者の活動が一大事だったから、忘れてたでしょ。」

 

友奈「はい〜」

 

風「まあ四人じゃ話し合いも意味ないし、他のことだと。」

 

樹『他の部活の手伝いは?』

 

風「そうそう剣道部から練習に付き合ってほしいって依頼メールが来てたのよね。でそれは夏凛をご指名か。夏凛いないから今日は無理。他にはーそうだホームページの更新は?」

 

健介「東郷いないのにできると思う?」

 

風「そうだった。猫の飼い主になってくれる人まだ見つかってないし。」

 

樹『できる仕事ないね。』

 

風「仕方ない。ダラダラしよう一!」

 

友奈「そうですねぇ。」

 

健介「なら少し先に離脱していいすか?」

 

風「どこ行くの?」

 

健介「チョッチ野暮用。」

 

 坂出市

 

健介「確かここら辺に。」

 

 今回の目的は秋原雪花に会うためだったが。

 

健介「ないな。」

 

 いくら探しても雪花が運営していたラーメン屋が見つからない。

 

健介「おかしいな。」

 

 ただそれだけではない。おそらく店舗があった場所は空き地になっていた。

 

健介「しゃーないか。」

 

 そして今度は東郷のところへ向かった。

 

健介「失礼するデー」

 

美森「あら珍しいですね。」

 

健介「侵害だな。俺をなんだと思ってる。」

 

美森「ええ嘘です。」

 

健介「はあ、まあいい。それで東郷の不調はなんだ?」

 

美森「・・・わかってるんですか?」

 

健介「夏凛の状況は知らんが、ある程度は推測できる。犬吠埼姉妹は目と声、友奈は大方味覚あたりじゃないか?」

 

美森「本当によくわかってるんですね。」

 

健介「観察するのは得意なんでね。」

 

美森「ちなみに私は左耳の機能がなくなりました。」

 

健介「俺は痛覚だ。」

 

美森「痛覚とはまた、めんどくさいものを奪われましたね。」

 

健介「ああ、命の危機になっても分かりずらいからな。」

 

美森「早く治ればいいのですが。」

 

健介「まあ、俺もこっちはこっちで適当に満開の代償について探すさ。」

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