【完結】「全知」がこたつから出てきたんですが。   作:ただねこ

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最終話です。


最終話:とてもささやかな。

「ふう……」

 

年が明けた3が日、ヒマリが来ていた間手つかずだった小説を再び書き始めた。ヒマリを元にした小説だ。

 

「お、伸びてる……珍しいな、今まではこんなには無かったのに」

 

どうやら昨日投稿した小説が、その日にアクセス数1000を超えていたようだ。やはり白髪美少女なのか……。

 

「ん?」

 

ふと、こたつの下。足下に何か箱のようなもの……いや、箱の感触がした。

 

「……っと」

 

手にとって、箱を開ける。中には……ヒマリが帰った後にプレイし始めた「ブルーアーカイブ」の、ミレニアムのマークが刻まれたスマートウォッチっと、小さな手紙。

ヒマリからのものだろう。

 

手紙曰く「キヴォトスではまだ20日だったらしく、俺へのクリスマスプレゼントにこのスマートウォッチを急ピッチで拵えた」とのこと。性能は十分過ぎるし、なんなら俺では100%のポテンシャルを引き出せそうにない。ミレニアムのマークも周りからは見えないバンドの内側にある。ヒマリ製ということはバレないだろう。

 

「にしても、ヒマリがこんなの送ってくるなんてなあ……お」

 

追伸。「パンはエイミやアリスたち、先生と一緒に食べさせてもらいました。とても美味しかったです」。

 

「……ふふ」

 

思わず、笑顔が浮かんだ。

 

 

・・・・・

 

 

「んん……」

 

今日は、20歳の誕生日。前日に買ったお酒は、冷蔵庫で冷えている。

 

「おはようございます、流さん」

 

「……へ?」

 

1年前、聴き馴染んだ声が耳に入る。

首をぐるりと回すと、()()()()()()()ヒマリが目に入った。車椅子はなく、ソファに杖が立てかけられていた。

 

「数ヶ月前にミレニアムを卒業して、私はヘイローを失いました。……キヴォトスを卒業した生徒が帰ってこないのは、そもそもヘイローがないからなんですね」

 

「いや、そう言われてもわからないが……?」

 

「私のグッズが置いてありますが」

 

「あっ」

 

「ふふ、大丈夫ですよ。……さて、流さん」

 

「……ああ、そういえば。どうしてここにいるんだ?卒業ってことは、あの装置は手元に無いだろ」

 

「はい。なのでお隣に引っ越しました」

 

「……え?」

 

「隣に引っ越しました」

 

「引っ越しましたじゃないんだよ!確かに1ヶ月くらい前に隣の人引っ越したけどさぁ!?」

 

「ドッキリ大成功、というやつですね」

 

「はぁ……それで、脚は大丈夫なのか?」

 

ヒマリに脚の具合を聞くと、ヒマリは両脚を伸ばして、壁に掴まり立ちをした。

 

「前に比べてかなり良くなりましたね。理由はわかりませんが……」

 

「そうか、一旦気にしないでおこう」

 

「ですね」

 

ヒマリを座らせ、パンを出す。

 

「それでは、今日からよろしくお願いしますね。隣人さん♪」

 

「ああ、よろしく頼むよお隣さん」

 

ひとつ、缶の開く音がした。




これにて「「全知」がこたつから出てきたんですが。」完結となります。
本当に愛読ありがとうございました。
ブルアカ二次創作を書いてきて、初めての完結。とても嬉しいです。

これからの更新頻度、かなり波が激しくなると思われますが、暖かく読見(よみ)守ってくれると嬉しいです、なんちゃって。
それでは、またお会いしましょう。
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