学園生活ボッチ回避のために塾を開講したのに、生徒たちが俺を王にしようとしてくる。なんで? 作:黒芋炒め
「これより、戴冠式を行う!」
どうしてこうなった?
俺はただ、平凡に生きるはずだった男だ。
日本で生まれ、普通に生き、普通に働き、普通に死ぬ。
それが俺の人生設計だった。
……まあ、途中で異世界転生はしたけど。
それでも俺は変わらない。
実家の脛をかじりながらのんびり暮らし、適当に大人になる予定だった。
俺は何も間違っていなかったはずだ。
「シトラス・フローター殿、前へ。」
これは何かの間違いなのではないか?
一旦落ち着いて周りを見てみる。
勢揃いの王族。
髭伸ばしてる貴族。
屈強な騎士達。
そして──
なんか見覚えのある連中が揃っていた。
スカシ貴族野郎。
自称世界最高に可愛いメイド。
全ての元凶(家族)。
多分こっちが世界最高に可愛い大和撫子。
俺が教えた生徒、生徒、生徒………。
「前へ。」
なんか俺が教えた生徒多くないか?
これワンチャン今ま「前へ。」で教えた分の代金とか請求したら「前へ!」働かずとも生きていけるか?
「前へと言っておるだろう!シトラス!」
「うるせええ!!!!!!」
「うるせええ!?!?」
「第一俺はなんで王宮にいるんだ!俺は寮のベットで気持ちよく寝てたはずだぞ!」
「あ、それは私が睡眠中に絶対に起きれなくなる魔法をかけてここまで持って来たからですね」
俺はメイドの方を向いて叫ぶ。
「ふざけんなクソメイド!」
「誰がクソメイドですって!?」
俺は叫び続ける。
だってこんなの不条理だ!
気持ちよく睡眠してるところを本人の許可も取らずに勝手に連れて来やがって、そのまま国王になれだって?
こちらからすれば溜まったもんじゃない。
「お前いつもいらない魔法ばっか取得しやがって!主人の気持ちにもなりやがれ!」
「あー!!!絶対に言っちゃいけないこと言った!!言いやがった主人この野郎!!」
「先にライン超えたのはお前だからな!簡単に許されると思うなよ!」
ふっ…。今日こそ決まった。これにはメイドも反撃は出来ないだろう。
苦節13年、ついに俺も口論で勝てる日が来たのだ。
「ふーん。そういうこと言うんだ。」
メイドの雰囲気が変わる。
こっちにメイドが近づいてくる。
猛烈に嫌な予感がする。友達とふざけ合って送ってたL○NEを間違えてクラスL○NEに送ったことに気づいた時くらい嫌な予感がする。
「主人がそういう気なら、こっちだってすることはある。」
メイドは俺の目の前で止まる。
寒気がする。真冬の海に半裸で放り出された時くらいの寒気がする。
「ねえ主人」
メイドは俺の顔を掴む。
「謝るなら今だよ?」
「大変申し訳ございませんでした。」
俺は土下座する。人目なんて気にしてられない。プライド気にして死ぬくらいなら社会的に死んでも命を守るべきだ。
「そろそろ本題入っていいか?」
国王がこちらを見て話す。
「嫌です。」
「オイ。」
「本題に入って大丈夫です。」
俺はメイドの圧に負ける。主人なのにメイドに勝てない。
「それで戴冠の件なのじゃが…」
あー、全部夢オチとかで終わらせてくれねえかなあ…
どうしてこうなった…
俺はただ…
ボッチを回避するために、同級生しか入れない塾を開講しただけなのに。
やっつけです。よろしくお願いします。