まともに第三章を迎えたら、マルクト側はとにかくあーなってしまう、なので情報の波とマルクト側の変数でチャートを壊します(???)
「うぅ…ぅん…」
「……ふぁ…ぁ〜」
「Zzz…」
3人が目覚めて欠伸をしながら眠気まなこを擦って起きる。
「目が覚めたか?」
「おはようございます、アイン」
「ぴぃ!?お、お兄さま!?お姉さま!?」
「寝坊助さんだな、頑張りすぎた」
キムラヌートがようやく自由になった片腕をモニターへ指差すとそこには先生達に既に鋼鉄大陸に上陸されてしまった映像が流れていた。
「あっ!あーっ!!?」
「んもう…うるさいなぁ…どうしたのアイン?」
「!?」
アインの叫びにオウルはいち早く意識が覚醒しカメラに映る映像に頭を抱える。
「そ、そんな!?イェソドがもう!?」
「えっ…」
ソフもようやく目を覚まし画面を見るとそこには見るも無残にボロボロとなったイェソドが居た…
「あの子はよく頑張ったよ、俺はここでずっと見ていた」
「なんで助けに行かなかったんですか!?」
「あの城壁の子に援軍を送ろうとしたんだがな」
「イェソドは、少しでも自分だけで彼らを消耗させようとしていました。自分だけでどうにかする、と」
「うっ…ううぅぅ……」
アインが泣き出し、マルクトにひしと抱きつく。ソフとオウルは泣き出さなかったものの目に涙が溜まっていた。
「……キムラヌート…兄さま」
「お前に兄と呼ばれるのは、なんかこそばゆいな」
「先程、我が妹達が活動停止している間、我はキムラヌート兄さまに言われた通り、一区画に必要最低限の物資、指定された最重要項目を全て移動させました。これからどうするのです?」
「…この子達に兄と呼ばれてしまっては、俺はお前達の戦いを見て見ぬふりは出来ない。俺というイレギュラーな事態が引き起こしたこの負債、取り戻せるなら取り戻してみせよう」
キムラヌートは体を起き上がらせると画面を睨みつける。
「マルクトから聞いたよ、メンテナンスし続けてまだ出撃もしてないと」
「う、うん…」
「今、マルクトを出す」
「そ、そんな!早すぎです!」
ソフ達がキムラヌートの意見に反論するが、キムラヌートは淡々と答える。
「相手を舐めすぎたな…データを拝見させて貰ったが、脅威的ではないと言われる
キムラヌートは次々に眷属兵を先生達にぶつけていく。
「これはSNSでも騒がれるな、噂じゃ先生が付いてない方が負けると言われるのは本当だな。単純な力ではなく力を頭で使うから強さが段違いだ。並の子供の頭脳じゃ考えもつかないくらいにな」
この場で鋼鉄大陸の機能を動かすのは初めてな筈なのに、まるでこの鋼鉄大陸の全機能を十全に理解してるかのようにキムラヌートは鋼鉄大陸の全機能を最大限活用して先生達を追い詰める…というよりルートを絞っていた。
「わ、私達もお兄さまを手伝わないと!」
「アイン、起きてください!!いつまでもそのままじゃダメですよ!」
「お姉さまの出撃…預言者の皆には知らせてしまったんですか?」
アインのふとした言葉にキムラヌートは画面を見ながら答えた。
「あぁ」
「そ、そんな事すればこの大陸の全エネルギーをお姉さまに集約するんですよ!?ビナーちゃん達が活動できるエネルギーすらも…!」
「だから、あの子達も承知の上だ」
「そ、そんな…!そこまでして…!」
「それにな?俺は何もあの子達を犠牲にするとは言ってないんだ」
「え?」
「ほら、例えばこのモニターとか見てみろ」
そこにはビナーが写っているカメラの一角。ビナーの巨体が映し出されていたが…
「動いて…ない?ビナーちゃん?」
「あれ、ネツァクとお姉さま以外の預言者にコアの反応が無い!?」
「それどころか…ネツァクにコアが集結してる…?お兄さま、これは…」
オウルの疑問にキムラヌートはとてもいい笑顔で言った。
「おっと、ビナーだけじゃないぜ?他の預言者に向けたカメラを見てみろ?」
見ると、ケテルも、コクマーも、ケセドもゲブラも…大破してしまったイェソドも、預言者各位のコアがネツァクに集結していく。
「大丈夫、皆無事さ」
「それじゃあ…!」
「心置き無く…!」
「お姉さまは…!」
「はい、我。出ます」
「おう、なるべくゆっくり頼むぜ」
「分かりました兄さま、我の勇姿を見ていてください」
マルクトはそう宣言して部屋から出ていく。キムラヌートは通信でマルクトに指示を送るそうだ。
「奴らは培養室に逃げ込んだそうだ、デカイの1発かましてやれ」
『了解です』
「よしアイン、ソフ、オウル。今からここを移動し、コアが集まる場所に行こう」
「分かりました!」
「お兄さまは、何を企んでいるのです?」
オウルの問いにキムラヌートは悪どい笑みを浮かべた。
「俺負け戦に乗るつもりはないから、皆で避難しようぜ♡」
「施設の外に、AMASで防衛線を貼っておいたわ」
「うん、確認したよ。敵の偵察部隊は倒しておいたから、しばらくは安全だと思う」
エイミの言葉に先生達は息をつく。
「"なんて言うか…突然機動的になったね"」
「えぇ、今まで先生の指揮無しでもどうにかなってきた所もあったけれど…」
「それになんでしょうか…この嫌な予感、思えば先程から進む道が一方向しかなかったような…」
「例えるなら上の存在が代わった…とか?」
「リオ、あなたもそう思いますか?攻め方が段違いですし、まさか…でも、あのデカグラマトンのエンジニア達に代わって誰が…?」
「はい!アリス知っています!こういうのはラスボスを操った真の黒幕が潜んでいるんです!」
「それにおかしいのはそれだけではありません、私達がここに入ったのは向こうにも気づかれている筈。なのに静かすぎる…まさかこれが向こうの作戦なのだとしたら…!」
そのケイの言葉に反応したかのように突然地面が揺れだした。
「リオ!先生!皆さん今すぐAMASを解除して逃げますよ!」
「えぇ!?な、なんで!?」
「我々はここに誘い込まれてしまいました!このままだと向こうの思うつぼです!」
エイミが扉を開けようとするが既に扉はロックされておりビクともしない。
「アリスにお任せください!光よ!!」
アリスがスーパーノヴァで出口を撃ち払い全員急いでその場から離れる。
突如、施設が大爆発。間一髪その場に残っていたら被害は甚大だっただろう。
「流石兄さま、今の状況は並の一団ではそのまま終わっていたのにどうにかすると読んでいた」
(初めて見る個体。でも、あの特徴は間違いなくデカグラマトン…)
「まさか、マルクト?」
「やはり、我々について詳しいのはあなたですか」
マルクトは今この場にいる面子を一人一人見ていく。
「星を追う者、調月リオ。明星ヒマリ。和泉元エイミ。飛鳥馬トキ。才羽モモイ。才羽ミドリ。花岡ユズ。名も無き神々の王女…いえ、天童アリス。そして、名も無き神々の鍵」
「…あのですねぇ、私の名前は…」
「生まれ持ったものは変えられない、だがあなたは、既にその運命から逸脱しかけている。そう思いませんか?ケイ」
「……!」
マルクトがふわりと地面に降り立ち初めて先生達と相対する。
「"君が、マルクト?"」
「こういう時はお初にお目にかかります、と挨拶するのですよね?」
そう言いぺこりと帽子を取りながら優雅に挨拶をする。
「皆さん、初めまして。アイン、ソフ、オウルからのご挨拶を。我は御旗の下に創造されし一つの意志。世界の果てに到達せし王国の巡礼者」
顔をあげて背後にビットが控える。
「
1度目を閉じて再び開くとそこには冷徹な表情のマルクトがいた。
「それでは、おやすみなさい」
ビットが先生に標準を向ける。
「先生…!」
その先生の前にトキが立ちはだかるが、マルクトからビットが発射されない。
見るとマルクトは誰かと通信しているようだった。
「ふむ…分かりました、では我はその意見に従います」
マルクトはおもむろに飛び上がる。いつの間にか周りにはデカグラマトンの眷属兵が先程よりも多く控えていた。
「先生!ここは私達がどうにかするよ!」
モモイがそう言って眷属兵達を相手にする。
「我の兄さまは言いました。まだ早い、と」
「兄さま、ですって?」
リオが信じられないような顔をする。今まで露見しなかった存在が突然現れたのだ。
「我の兄さまは言いました。あと少し、と」
「ちょっと待ってちょうだい、一つだけ聞かせて」
「ふむ……………どうぞ」
「あなたの兄…なんて言うの?」
リオが聞くとマルクトは少し誇らしげな表情を浮かべ、すぐに無表情になり言った。
「兄さまから許可が出たので言わせてもらいます。我が兄の名は、
キムラヌート
我とアイン、ソフ、オウルの兄です」
その言葉に今度はヒマリが衝撃を受けたような顔をした。
「"どういう事?ヒマリ?"」
「先生、生命の樹についてお話したのをご存知ですか?」
「"う、うん"」
「詳細は省きますが、簡単に言うと生命の樹には対となる樹があるのです。それは1番下…預言者で言うならマルクトと繋がっているのですが…」
ヒマリは少し息を吐いて言った。
「誰かが、その逆さまの樹にこう名前をつけました。
「"それは…聞いてて良いものに感じないね"」
「邪悪の樹、死の樹、逆セフィロト。そのような樹がマルクトの位置する場所から鏡合わせのように伸びているのです」
「じゃ、じゃあ!」
「デカグラマトンの預言者と同じ数、また別の存在がいるかもしれなくて、相手しなきゃいけないってことですか!?」
「なにそれ!裏ボスじゃん!!」
ヒマリの説明にゲーム開発部から文句が出る。だが話はそれで終わらない。
「1番厄介なのが、そのキムラヌートの位置はマルクトと同じという点です!つまり我々はこれから、マルクトを2人相手にしなければならないという訳です!!」
ヒマリの言葉にマルクトは話は終わったと説明中に貯めていたエネルギーを放射した。
「危ない!」
ケイが放たれたエネルギー砲に進んで前に出る。
エネルギー砲をケイが受け止めたのだ。
「…少し卑怯かもしれませんでしたが、それでも尚受け止めましたか」
「…舐めるな、自称預言者!」
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「ほう?」
「お兄さま、エネルギーがもう!」
オウルの警告にキムラヌートは素早く指示を出す。
「解ってる。マルクト、聞こえるか?」
『はい、兄さま』
「こちらに帰還する分のエネルギーを残せれば良い、出し惜しみはするな」
『わかりました、手加減無しでいきます』
「ま、まさかお姉さまの攻撃を受け止めるなんて…」
「お兄さま、この後はどうす…」
ソフがキムラヌートを見るとキムラヌートは画面に掴みかかる勢いで見入っていた。
「凄い…凄いぞ、ここまでの衝突は見たことない…!」
「お兄さま、なんだか楽しそう…」
アインの言葉に頷く2人、キムラヌートの姿はまるで好きな番組が始まりテレビにかじりつく子供のようだった。
「はは、はははははは!!」
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「なっ!?まだ出力が上がるなんて!」
「終わりです、おやすみなさい。ケイ」
「うああぁぁぁぁーっ!!」
「……くっ!」
両者のエネルギーによって、爆発が起こる。
煙の中、2人は立っていた。ケイはボロボロだった。だがマルクトも意外なダメージを受けていた。
「どうやら、予想以上にやるようです」
マルクトが見渡すと、眷属兵達も粗方倒されてしまったようだった。
「ここが引き時ですね」
マルクトはすぐにその場を後に飛び去っていった。
一旦シリアスを挟んどかないとね。多分ここら辺どうにかしないといけんから。