預言者兄妹大家族計画   作:〇〇総統

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前回の投稿時の出来事
俺「投稿終了したし、諸々終えたし、今日は仕事休みだからぐっすりだ〜」

起床

俺「ひぃん!?評価いっぱい来てる!お気に入りいっぱい来てるーっ!」

という訳で、たくさんの評価とお気に入り登録ありがとうございます!とても励みになります!!

そして、色々と描写でキムラヌートを兄にする場面が多くなったのでタイトルの兄?妹をきちんと兄妹に変更します。これからも予言者兄妹をよろしくお願いします!


兄妹の新生活
はじめての食事


彼らがこの生活に至るまでに何があったのか…鋼鉄大陸から離れたところまで場面は戻る。

 

先生との通信を終えて、キムラヌートは引き攣った頬を直そうともせずに前だけを見た。

 

「これが最後の置き土産か…」

 

背後から陸戦機のアビ・エシェフに無理やりスラスターを付けてコチラに飛鳥馬トキが向かって来ていた。

 

「なんて非合理的な…!」

 

「お兄さま!撃ち落とそう!」

 

「いや、いい」

 

キムラヌートが操縦レバーを握る。

 

「奴の燃料が切れたら俺達の勝ちだ」

 

キムラヌートの選択は逃走、戦闘する気概すらない見事な全速力の逃げを披露してあっという間にトキとの距離を離していく。

 

「でもなんで逃げなんです?」

 

「鋼鉄大陸に先生達がいる。もし薄情な集団であれば先生を置いて俺達を追って来るはずだ」

 

「成程!2択を迫っているんですね!」

 

「そうだぞ、よく出来ました」

 

元気に答えたオウルの頭を撫でてやりながら全速力を出して逃げる。

 

トキの姿も見えなくなり、追手もいないのを確認してキムラヌート達は一息つき今後について考えるようにした。

 

「これからどうしますか?」

 

「鋼鉄大陸を拡げて来たけど、しばらくその計画も進めなくなっちゃいました…」

 

「お兄さま、人間社会に溶け込むって言ってたけど、宛はあるんですか…?」

 

「無い。だからキヴォトスのどこかの街でしばらく過ごそうかと思ってな」

 

「でも、私達詳しい情報とか知りませんよ?」

 

「なら、今から知ればいい」

 

キムラヌートが自動操縦に切り替え、キヴォトスの地図を取り出す。

 

「よし、まずは気になるところをそれぞれ指さして行こうか」

 

キムラヌートの言葉に4人はそれぞれ自分が気になるところを指さした。

 

「ここは…アビドスか」

 

「えへへ、ここにはビナーちゃんがいるって聞いていたので!」

 

「確かにいいかもしれないが、アビドスは砂漠との関係上立地が悪いな」

 

「あぅぅ…ごめんなさいお兄さま…」

 

「謝る必要はないぞ〜?」

 

「じゃあ!こことか!」

 

「百鬼夜行か…」

 

「ここ比較的開放的らしいし、結構いいんじゃないかなーって!」

 

「…確かに、いいかもな。一応候補先にしよう」

 

「やった!」

 

「我も選んでいいのですか?」

 

「気になったところでもあったか?」

 

「このレッドウィンターという場所…」

 

「…ちなみにどこからその情報を仕入れた?」

 

「ティファレトが飛ばした中に……」

 

マルクトの手には多分ティファレトが種子を飛ばした時に混ざっていたであろうレッドウィンターの文字がデカデカと表示されたチラシがあった。

 

「…レッドウィンターはここだ。でも一応寒い地域ではあるからな、物資が前より心もとないとやはりオススメはしない」

 

キムラヌートがマルクトに説明している時、ずっと黙っていたオウルにソフが話しかける。

 

「ねぇオウル、どこがいいか決まった?」

 

「……こういうのって、案外近くにいればバレないと思いませんか?」

 

オウルが指したのはDistrict of Utnapishtim。ウトナピシュティム地区だ。

 

オウルの意見に全員が目を向ける。

 

「先生の所属するシャーレに近いというのが気がかりですが、それ以外は特に不満は出ない環境なのは確かではないでしょうか?」

 

オウルが兄に伺うように覗き込む。キムラヌートは難しい顔で腕を組んで悩んでいた。

 

「……確かになぁ、うーーーむ…俺は文句はないが、他は?」

 

「いいと思います!」

 

「まぁ、正直私のよりいいと思うよ」

 

「我はどこに行っても楽しみです」

 

「そうだな、気に入らなければ移動すればいいし、見るだけ見てみるか!」

 

行先はD.U.、輸送船は雲をかき分けて一直線に進んで行った。

 


4日後…

 

「ようやく見つかりましたね、住む家が」

 

「ここまで来るのに本当に長かったな」

 

目の前には少し古いアパートがある。今日からここが兄妹達の住む家になる。

 

D.U.に来てからは問題ばかり起こっていた。まず考えればわかることだったが5人は全員元々鋼鉄大陸から出ることはなかった、つまり誰も通貨を持っていなかったのである。

 

なのでキムラヌートは最初資金集めを行う事にした。

 

日を追う毎に輸送船を狭めて素材にし、積荷を売り払ったりを繰り返した結果、大型トラック程になった輸送船。

 

デカグラマトンの素材を使用しているのもあってそれなりに稼げた。

 

だが、そこで別の問題が発生した。珍しい物資を持っていると噂になり狙われるようになったのである。

 

チンピラ、違法企業、敵は多かったがそこはマルクトが全員を追い払った。

 

そして物件を探して数日、ようやく現在の条件が揃う場所を探し出せた。

 

「さて、運び出すか…」

 

輸送船から残った荷物を運び出すキムラヌートとマルクト。

 

幸いにも、輸送船から家内に運び出す物は少なく、作業はすぐに終わった。

 

「………」

 

だが、一つだけ運び出すか迷った物がある。

 

自販機だった。

 

物を売り払う時、何故かこれは売り出すのを躊躇っていた程だった。

 

「……大家さーん!」

 

キムラヌートはそんな不思議な自販機を使わないのももったいないと感じ、外の、アパートの隣にこの自販機を置いておくことにした。

 

その日の夜、キムラヌート達はちゃぶ台を囲んで座っていた。

 

「あー、そうか…あれも、これも必要だったか…」

 

そう、部屋には備え付けのちゃぶ台しか無かった。他にあるのは鋼鉄大陸の時の資材のみで、生活する為の道具が一切ないのである。

 

「エネルギー…どうしましょうか…」

 

オウルが膝を抱えて呟く。

 

お腹がなる音がした、音の発生源はソフからだった。

 

「鋼鉄大陸からエネルギーはずっと供給されてたから、今は減るばかりだよ…」

 

「お姉さま…」

 

「アイン、今は寝ましょう?」

 

不安がるアインにマルクトは一緒に寝転がる。

 

だが、布団も買ってないので寝心地が悪い。

 

「…ちょっと待っていてくれ」

 

キムラヌートは立ち上がるとそのまま出て行った。

 

しばらくすると、キムラヌートは袋を持って帰ってきた。

 

「兄さま、それは?」

 

「少し、試してみようかと思ってな」

 

キムラヌートが出したのは…カップ麺と呼ばれる食べ物だった。

 

「そういえば俺達、"何かを食べる"という行為をした事がなかったなって」

 

キムラヌートがお湯を沸かして妹達に配る。

 

「食べる…人間が行うエネルギー補給の一環ですよね…?」

 

「正直、食べるという行為を行うだけにここまで凝る必要性はないと思うのですが…やはり矛盾してますよね?」

 

「オウル、お兄さまが持ってきてくれたんだよ?いらないの?」

 

「そういう訳ではありません、ですが…」

 

「兄さま、これはどうやって食べるのですか?」

 

「これはな口に近づけてこう…すーってやるらしい。そろそろ時間か?」

 

キムラヌートが蓋を開けると湯気と共に様々な具材が入った麺が現れた。

 

キムラヌート自身も初めて行う行為である為、記録にある情報を元に恐る恐るフォークで麺を掬い口に近づける。

 

マルクト達はそもそもそのような行為をした事がない為キムラヌートの後に続いて真似をする。

 

麺を啜るという行為をしたことない5人は上手く啜れずフォークで口に運びながら咀嚼して飲み込んだ。

 

その時、世界が止まった感覚がした。

 

5人全員、気持ちが上の空で1分程虚空を見つめていたが、ブルーバックの瞳から戻ったアインが4人を現実に連れ戻す。

 

「はっ!?お、お兄さま!お姉さま!ソフ!オウル!起きてください!」

 

「______はっ!」

 

「なんですか…この不思議な感覚…」

 

「何故か胸の内側が、ぽわぽわします…」

 

「これが…人間の言う美味しい?お兄さま?」

 

「わ、わからん…と、取り敢えずもう一口…」

 

また1口キムラヌートが食す、マルクト達もそれぞれ再び食べ始めた。今度は意識は飛ばなかったが食事を覚えた身体は言うことを効かなくなった。

 

「な、何だ…身体が勝手に動く…!」

 

「ちゅるちゅるちゅるちゅる……」

 

「くぅっ…!腕が止まらない…!」

 

「も、もしかしてこの液体も…熱っ!」

 

「これが…食事…」

 

気がつくと、全員中身が空になっていた。

 

「「「「「…………」」」」」

 

暫く誰も話さなかった。初めての満腹感を感じているのだろう。

 

「凄かった…です…」

 

寝転がり潤った目で頬を染めて熱っぽい息を吐くアインにオウルは手を繋いで同調した。

 

「そう…ですね…」

 

「2人とも?結構危ない雰囲気だよ?」

 

ソフが指摘するが、満腹感による否定はしなかった。

 

「兄さま、もっとないのですか?」

 

「今買ってきたので終わりだ」

 

袋の中も空でなんとも寂しい気持ちになるが、満足感はあった。

 

「食事、何とも素晴らしい経験でしたね」

 

「……明日、家具を買うと同時に食料も大量に買わなきゃな」

 

キムラヌートの言葉に妹達は頷く。

 

そのまま5人は微睡み、眠りについた。




1話でこの作品をメインとして扱わないと言いましたがその理由は、絶対に投稿しなければならないという義務的作業にしたくないからです。

多分半分くらいもう察してると思いますが、今メインよりめっちゃ活動してるんですよこの作品。それだけあの姉妹に脳を焼かれたと言ってるようなもんですけどね。
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