俺の友達が世界を救った上に女の子になって帰って来たんだが   作:虚憂

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スキトカキライトカ

「カ・レ・ー・♪ カ・レ・ー♪」

 

「ユウのカレーはせかいいち」

 

「何だお前ら」

 

 

 この様子を学校の奴らに見せてぇ。

 イメージ崩壊まったなしだろうぜ。

 

 

「レーちゃんはユウに餌付けされてるし」

 

「む……ケン兄の料理を認めてるのは事実ですけど」

 

「お前もだろユウ」

 

 

 つーかお前が一番餌付けはされてんだろ、一番俺の飯食ってるんだぞお前。

 

 

「ボク達が作るより美味しいんだもん」

 

「それはそれで複雑なんですけどねっ!」

 

「俺に言われてもなー」

 

 

 

 

■■■

 

 

 

 

「さて、料理するかぁ」

 

「……」

 

「ボクも手伝う」

 

「頼む」

 

 

 カレーと卵焼きを作るつもりだし、どっちか任せてもいいかもな。

 困ったら卵焼き作ってりゃおかず一品は埋まるんだよなぁ!

 

 

「具材切るね」

 

「頼む」

 

「レーちゃんもやる?」

 

「ん……いえ、手伝いますけどその前に先にお手洗い借りますね」

 

「?」

 

「おー」

 

 

 一々借りるなんて言わなくても良いんだけどな。

 妹は真面目だよほんと。

 

 

「レーちゃんは自慢の義妹(いもうと)だからね」

 

「はいはい」

 

 

 長年聞かされてるからゲロ甘兄妹話はお腹いっぱいなんだ、もういいよ。

 こいつら血が繋がってないのが不思議なくらい優等生で相思相愛だ。

 

 

「もちろんユウもだよ」

 

「結構です」

 

「ひどくない?」

 

「お前の飼い猫に嫉妬されるんで……」

 

「むむむ……レーちゃんもユウのこと大事だと思うんだけどなー」

 

「そりゃ知人は大切にするタイプだろあいつ」

 

「知人て」

 

 

 責任感強くて自分に厳しい黒猫な妹。

 そんな奴が知ってる奴を気にかけない気がしない。

 

 

「これだけ仲良くしてて知人レベルじゃ収まらないんじゃない? 友人とか家族とか」

 

「ものの例えだよ、ほんとに知人レベルだったとしても放っておかないだろお前ら」

 

「……んまあ、助けるけど」

 

「じゃあ妹も助けるさ、必ずな」

 

 

 あいつが背中を追ってる相手が助けると言うのなら、あいつだって助けてしまう。

 そういうことだわな。

 

 

「ケン兄、お姉ちゃん」

 

「ん、おかえりレーちゃ」

 

「これ、何ですか」

 

 

 戻った妹が見せて来たのは……女ものの下着……。

 あ。

 

 

「え」

 

「お姉ちゃんのですよね、私が選んだので覚えてます」

 

「どこにあったんだよ」

 

「ケン兄の部屋です、隅っこに落ちてました」

 

 

 スッと俺の部屋に侵入するじゃねぇか、まあ何とも思わんけど。

 

 

「問題はそこじゃありません、これがどうしてケン兄の部屋に落ちていたのかです」

 

「こいつアホだから俺の部屋に投げ捨てたんじゃねぇの」

 

「ちょ」

 

「いくらお姉ちゃんがケン兄の前でおバカになるとしても、そこまでにはなりませんよね」

 

「レーちゃん!?」

 

 

 不味い、どうする。

 まさかそんなものが落ちてるとは……というかユウお前、洗濯機に入れる時に確認しろよなお前な……!

 

 

「真面目に答えてください」

 

「……」

 

 

「今、私は冷静さを欠こうとしています」

 

 

「れ、レーちゃんストップ!?」

 

「げ」

 

 

 妹が、全身から不思議なオーラを発し始めている。

 本気で冷静さを欠いてるじゃねぇか。

 

 

「このままだと大変なことになりますよ、お姉ちゃんが」

 

「え」

 

「それはお前の勝手だが」

 

「ユウちょっと?」

 

「ケン兄の部屋で何があったんですか、お姉ちゃんが下着を脱がなきゃ行けない状況なんて限られますよね」

 

 

 ……。

 

 ああどうしよう、このまま正直に言ったら妹が大爆発待ったなしであろうことは想像に難くない。

 しかしならどう言う状況であれば納得してもらえるのかだが。

 

 

「ちょっとおかしいとは思ってたんですよ、ケン兄は珍しくフードを被ってるし、なんなら今もずっと被ってますし」

 

「ん」

 

 

 あー……首元を隠せる服がこれくらいしかなかったんだよな。

 妹に出会う想定ならもうちょっと上手くやったよ、うん。

 

 

「……あと距離近いんですよ! 何ですか見せつけてるんですかっ!?」

 

「は?」

 

「え?」

 

「肩触れちゃうくらいの間しかないじゃないですかっ、襲っちゃいますよ!?」

 

 

 ……いやまあ、大体こんなもんだぞ俺とユウ。

 思い込みって奴か、先にそういうことしたんじゃないか疑惑が来たから後に見た光景が全部そう見えてしまう感じ。

 

 

「妹」

 

「何ですかっ!」

 

「その下着は、俺が居ない間に風呂に行ったこいつが脱ぎ捨てたままにした結果だ、何にも起こったりなんかしてない」

 

「んぐ」

 

「いくらケン兄の前とはいえそこまでだらしなくなることなんて……」

 

「今のこいつならやる、心当たりはあるだろ」

 

「……」

 

「ボクがだらしない前提でことが進んでる……」

 

「お姉ちゃんはケン兄の前だとすっごいだらしなくなるのは事実です」

 

「否定はしない」

 

「……ま、とりあえず水でも飲んどけよ」

 

「?」

 

「落ち着けってこと、冷静さを欠こうとしてたんだろ」

 

 

 そう言って俺は()()()を混ぜた水を差し出す。

 気が立ってるこいつならよく効くだろう。

 

 

「んぐ……」

 

「ねえユウあれって」

 

「しー」

 

 

 ちょっとしか混ぜてないから。

 

 

「……んにゃ」

 

「あー……」

 

「いつ見ても信じられん効き目だな」

 

「うあー……? わたし、わぁっ」

 

 

 異能の影響で猫化している妹には、またたびがすげぇ効き目がある。

 それはもう本物の猫みたいに……というか、前より効き目が出てない? 大丈夫か?

 

 

「ほら今のうちに下着洗濯機に放り込んでこいよ」

 

「流石ユウあくどい」

 

「うっせ、あれ以上詰められたらどうにもならん」

 

 

 あのまま行ったらお前がとんでもない目に遭ってたんだから大人しくしとけ。

 

 

「んぅ……ケン兄のいじわるー」

 

「それにこっちはこっちでめんどくせえんだよな」

 

「レーちゃん素直じゃないから、こういう時はっちゃけちゃうんだよね」

 

「お姉ちゃんはわたしのおねーちゃんなんですよー!」

 

「別にお前の姉貴を奪おうとなんざしてないっての」

 

「ばーか、いじわる、ゆうじゅうふだんー!」

 

「ボロボロに言われ過ぎじゃね?」

 

「ぷっ」

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