お昼に何があったの話だから
◈天織有栖→白井黒子
「………なんなんですの」
昨日の夜から胸の奥でつっかえているものが取れませんの。何かお姉様に伝えなきゃいけないことがあって、確か
「白井黒子さん、でしたよね。少しお時間いただけないでしょうか。すぐに終わりますので」
「宿里生徒会長……?ええ、時間ならありますの」
生徒会長に呼び出されるようなことをした覚えはありませんが……まぁ、多忙を極める生徒会長がわざわざ声を掛けてくるということは、よっぽど
「
「ないですわね」
全く聞いたことのないですの。そもそも、わたくしとお姉様との時間を奪っておいて童話の話?この場はとっとと切り上げてお姉様のところに行きますの。
「では、お話ししましょう。
昔々、あるところに。とても身体の弱い、かわいそうなお姫様がいました。
身体の弱いお姫様は、部屋から出たことがありません。いつも窓から空を見上げて、寂しそうにつぶやきます。
『わたしもいつか、色んなところに行ってみたいな』
王様はお姫様のために、竜の魔女に頼みました。お姫様が寂しくないように、魔法の小部屋を作って欲しいと。
竜の魔女は頼みを聞いて、魔法の小部屋を作ります。小部屋はお姫様の大好きな本で埋め尽くされ、遊び相手の竜もいました。
ある日、王様がお姫様に会いに行くとき、
『昼の月・夜の太陽』
合言葉を知った騎士は、魔法の小部屋に忍び込み。お姫様に向けてこう言いました。
『この部屋は、君には狭すぎる。一緒に外に出よう』
そう言うとお姫様の手を取って、外へ連れ出してしまいました。
怒った王様は、竜の魔女に命令します。お姫様を連れ戻すようにと。
竜の魔女は空を飛び、騎士に追い付きました。騎士も戦いましたが、竜の魔女には敵いません。お姫様は無事、竜の魔女の手に取り戻されました。
するとどうでしょう。お姫様の身体が、元気になっていくではありませんか。そう。お姫様の弱い身体は……騎士がかけた、呪いによるものだったのです。
姫と魔女は、お姫様の手を引いて。彼女を城へと連れ戻しました。2人はいつまでも、幸せに暮らしましたとさ。
おしまい」
今まで聞いたことがないのが納得できるくらいくだらない、面白くもない童話ですの。だいたい、外に出たくて寂しがってたお姫様の願いは叶ってないじゃありませんか。最後、王様とお姫様じゃなくて魔女とお姫様が一緒に暮らしているのも唐突ですし、そもそも騎士が呪いをかけた理由も不明。総じて、童話であっても滅茶苦茶過ぎる話でしたの。
「とてもお上手でしたの。では、わたくしはこれで」
時間の無駄でしたわ。こんなところ、さっさと出てお姉様の下に───
「天織有栖という名前を聞いたことがあるはずです」
───思い出しましたの。昨日その名前を調べてるうちに、初春には認識できて
「あの子が“御伽の姫”で、私が“竜の魔女”。そしてもう一人」
目の前の彼女の能力は、条件の合った能力者を強化できる『
なので協力者が他にいて、そいつはお姉様以外の常盤台生全員に認識阻害をかけられるということは
そんな人物、一人しか思い浮かびませんわ。すなわち、『
「貴女には“騎士”になってもらいます。
どっちが良いと思うか
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短編
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分割
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両方あると嬉しい