◈天織有栖→御坂美琴
「有栖……?」
「近付かないでください」
ドラゴンが皆元に戻ったから、決着がついたのだろうと屋上に駆けつけてみれば、誰かを介抱する宿里生徒会長が。介抱されている人物は影になって見えないけど、多分有栖だ。
「『
「何か手伝えること……って、アンタもボロボロじゃない!!」
「後で能力を『
大きな布……カーテン!それくらいならすぐに取ってこれる!!
「待ってて、すぐ取ってくる!!」
階段を駆け下り、目についた教室へ。フックをいちいち外している時間はないから、電撃でカーテンレールをへし折って回収する。
「これどうやって渡そう」
見たらダメってことは近付けないし、生徒会長に取りに来てもらうのもダメよね。投げて渡すのもあれだし……
「お姉様、一体何をなさって?流石に今回の件とは無関係な校舎の破壊は庇いきれませんわよ」
「黒子!いいところに来たわね。人命救助よ人命救助。ついてきなさい」
「ちょっ、お姉様!?」
さっき屋上の入り口からは有栖の身体が見えなかった。そこからなら黒子の
「取ってきたわよ」
「……ええ、これであれば十分です。できれば綺麗な包帯が欲しいので白井さん、保健室から取ってきて頂けませんか。道中の負傷者の救護もお願いします」
「……わかりましたわ。ただし、全て終われば
黒子が『
「右脚の傷が一番深いです。まずはそこから。『
「脱がなくていいから傷の位置だけ説明しなさい!!止血するから!!」
生徒会長の指示する通りの位置に余ったカーテンを引き裂いて作った簡易的な包帯を結び止血をする。本来は綺麗な包帯の方がいいんだけど、黒子が持ってきてくれるまでの応急処置的に。
「てか、アンタの能力で止められないわけ。図書室から出たときは止まってたわよ」
「無理です。『
「はぁ?どういうことよ!?」
生徒会長についた傷は有栖が図書室から出ようとしたときに発症する“病気”と同じ……というか、浅いけれど似たような傷が有栖を図書室から引っ張り出すときに私にもついた。だったらこの怪我は『
「“御伽の姫”はアマリリスです。役を強固に結びつけるために“御伽の姫”の設定とアマリリスの境遇を近付ける必要がありました。私だって、“御伽の姫”を病気になどしたくなかった。ですが仕方ないでしょう。彼女は生まれついての病弱だったのですから。これは、彼女の元々の持病です」
「ざっくり斬られたみたいに身体が裂ける病気なんて聞いたことないけど」
「ええ、私もそう思っていました。病気と言ったら熱や咳が出て、寝たきりになってしまうようなものだと。だから『
能力を用いた治療。すでに結構研究されており、それは『
「
黒子が『
「じゃあ、物語が完遂していたら……?」
もちろん誰かが死んでいいわけないし、有栖だってそれを望んでなかった。私だって全力で止めるだろうし、その結果が今の状況だ。
「“騎士”を殺して図書室に連れ戻せていたのなら、おそらく『
「それ早く言いなさいよ!!?」
それをきちんと言ってくれてたらもっと別の、話し合うとかの方法で……あれ?有栖が前に閉じ込められた理由について「私のため」って言ってた気が……。まさか、
「まあ目的の一割程度でしたし、仮に解決しなかったのなら死ぬ気で解決策を見つけますよ。それこそ、誰を犠牲にしてでも」
「残り九割は……?」
絶対ろくなものじゃないけど、怖いもの見たさの好奇心というのは抑えきれないもので。
「アマリリスと
「もういいもういい、聞いた私がバカだった」
猫が殺された。思ってた通り、黒子みたいな変態だったわけね。いや、黒子とは少しベクトルが違うけど、黒子以上の変態かもしれない。どのみち
「これで粗方血は止まりましたね。あとは病院等の医療機関で傷を縫合してもらうしかないのですが……」
「『
どんな腕のいい医者も人間だ。痛みで針が鈍ることもあるし、何より医者が傷付き続けたらやがて有栖の治療ができるものがいなくなってしまう。
『
「一人、心当たりがあるわ」
「その方は……?」
「さぁ、素性は知らないわよ。でも───」
思い起こされるのはツンツン頭の男子高校生*1。今何処で何をしているのか、どこに住んでいるのかは不明、なんなら名前も知らないけど、会うのは簡単。
「───アイツは困ってる人が居ればどこからともなく現れるわ。頼んでないのにね」
どんな超常も打ち消す右手『
とある魔術の
美琴が一方的にライバル視している
どっちが良いと思うか
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短編
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分割
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両方あると嬉しい